スクウェア・エニックスは本日1月11日、東京・ベルサール渋谷ファーストにて、関係者向けの特別内覧会を開催し、オリジナルの新作アーケードタイトル「ガンスリンガー ストラトス」を2012年夏に稼働予定であると発表した。
会場では、同社の代表取締役社長・和田 洋一氏からの挨拶をはじめ、「ガンスリンガー ストラトス」の開発を担当したバイキングのディレクター・尾畑 心一郎氏からのゲーム説明、ゲストを招いてのステージイベントなどが行われたので、その模様をお伝えしていこう。
代表挨拶とゲームタイトル発表
内覧会の始めには、開会の挨拶として和田氏が登場。和田氏はまず、今世代機が出そろい、ゲーム機の性能が高くなってきたという現状を説明し、今後は家庭用ゲームを深く掘り下げていく世界や、オンラインのバーチャル世界に浸る方向など、市場が拡大分散していくのではないか、という自らの考えを述べた。
また、スクウェア・エニックスとしての動きについても、家庭用ゲームではできないようなゲーム体験ができる作品を作りたいと考えた結果、タイトーをグループに加えてアーケード業界に参入したと解説。そして今回発表となる肝心の新作については「アドレナリンがバンバン出るゲームとして開発しました」と話しており、筐体のデザインやコントローラーにも工夫を凝らし、飽きのこないゲームデザインに注力しているとコメント。
和田氏の挨拶後には、スクウェア・エニックス プロデューサーの門井 信樹氏が登場し、ゲームの説明を行った。冒頭でお伝えしたように、稼働は2012年の夏が予定されており、開発はアクションゲームの開発に定評のあるバイキングが担当しているとのこと。
さらにスクウェア・エニックスらしいハイエンドなビジュアルを兼ね備えた、アーケードならではのオンラインマルチ対戦ゲームになっているという。概要説明の後には、内覧会用に制作したプロモーション映像が上映され、新作タイトルが「ガンスリンガー ストラトス」であることが公開となった。
バイキングによるゲームシステム紹介
PVの上映後は、バイキングの尾畑氏が登場し、ゲーム内容の詳細について説明。まず本作を制作する際に、「銃で撃ちあうのが最高に気持ちいい対戦ゲームを作る」ことをコンセプトに掲げた話し、筐体やコントローラー、モニターのあり方を考えたという。
いよいよ筐体がお披露目となり、その詳細なども公開された。特徴として挙げられるのが、ゲームのスピード感と迫力を伝えるため、液晶ではなくあえてプラズマディスプレイを採用したという60インチのモニタだ。解像度は1920pixel×1080pixelのフルHDで、フレームレートも60fpsを実現し、滑らかな映像表現が可能としている。
また、ゲームモードは4人VS4人による最大8人対戦だけでなく、一人でもプレイできるCPUと戦うミッションモードや、次々と現れるライバルを倒していくモード、仲間と協力して巨大なボスに挑むモードなど、対戦も協力もできるよう開発が進められているとのこと。
そのほか、ゲームのステージには、実在する有名都市が採用されていることも判明。会場では渋谷を舞台にしたステージが公開されたが、ほかにも東京であれば池袋、大阪であれば道頓堀や梅田を舞台にしたステージを制作中のようで、尾畑氏は「北海道から九州まで、できるだけ多くのステージを用意したい」と語っていた。
この後は実際にゲーム画面も公開され、プレイの流れについても語られた。まず本作の特徴となるのが、ゲーム画面左下に表示されている3つの武器を切り替えて戦うバトルスタイル。武器の種類は、ダブルガンと呼ばれるガンコントローラー(ガンコン)を用いることで切り替えられるという。
1つめのスタイルは、ダブルガンを両手に持ってそれぞれの銃で画面上の敵に狙いを定めて攻撃する「ダブルガンスタイル」と呼ばれるオーソドックスなもので、同時に複数の敵を攻撃することもできるのがポイントとなっている。
2つめは、ダブルガンを横に合体させる「サイドスタイル」と呼ばれるもので、主にショットガンやマシンガンなど、中型の銃を使う際のスタイルだ。そして3つめが、ダブルガンを縦に合体させる「タンデムスタイル」。こちらは主にビームや波動砲、ロケットランチャーといった大型の重火器を扱うときに使用するという。
それぞれのスタイルによってどんな武器が使えるかはキャラクターによって異なるというが、武器そのものも数百種類を用意する予定のようだ。銃弾を発射する純粋な銃だけでなく、レーザー砲や味方を守るバリアシールド、仲間の体力を回復するものなど、奇想天外なものから真面目なものまで考えているとのこと。
また、NESiCA、モバイルサイトとの連動も行われるようで、用意された武器はゲームをプレイすると貯まるゲーム内のポイントを使用することで購入できるという。武器のほかにもコスチュームや髪型、アクセサリーも購入でき、自分のキャラクターをカスタマイズすることも可能となっている。
そしてオフィシャルサイトでは、ゲームを楽しむ要素のほかにもユーザーの横のつながりも大事にしたいとのことで、ユーザー同士が仲間を募集して登録することで「グループ」が作れるという。このグループ内では、自分しか持っていないレア武器や、ポイントで買うと高い武器などを貸し借りすることができるほか、ほしい武器まで少しポイントが足りない時に、グループ内のメンバーと共同購入すること可能なようだ。
ステージイベント
ゲーム詳細の発表後は、再度門井氏が登場し、世界観やキャラクターデザインの紹介を行った。そこでは、本作の世界観原案を「魔法少女まどか☆マギカ」の脚本を担当したニトロプラスの虚淵玄氏が担当していることを発表。
虚淵玄氏からは来場者へのメッセージも用意されており、その中で、本作が2115年からタイムマシンで戻ってきた2015年が舞台になっていることや、違う歴史をたどった2つの日本が並行世界として存在しており、主人公たちが戦っているのは別の並行世界から同じ時間に戻ってきたもう一人の自分たちであることなどが語られた。
そしてキャラクターデザインを島崎 麻里氏、ワダアルコ氏、コヤマシゲト氏が担当していることも発表となり、各デザイナーが手掛ける登場キャラクターの一部が公開された。
さらにこの後は、今回公開されたキャラクターのうち風澄 徹役の阿部 敦さん、片桐 鏡華役の金元 寿子さん、竜胆 しづね役の植田 佳奈さんがゲストとして登場し、本作の印象や収録時のエピソードなどが語られた。
まず阿部さんは、本作に並行して存在している2つの世界があることに驚いたと話し、「対自分みたいなセリフがあって新鮮でした」とコメント。どうやらお尻を撃たれた際に変わったセリフも収録したとのことで、攻撃した(された)箇所によってセリフが変わる場面もあるようだ。
続いて金元さんは、自身が演じた片桐 鏡華について「明るく元気なキャラクターですが、あまりギャルのようにはならないでほしいと要望がありましたので、明るくも落ち着きのあるように演じました」とコメントし、キャラクターがきっかけでゲームをプレイしても楽しめると思うので、まずは体験してほしいと話していた。
そして植田さんは、自身が演じたキャラについて「見た目はかわいいけれど二面性があります」とし、可愛らしい面とガラッと様子が変わったときの表現の差を楽しんでほしいと述べていた。また、ゲームについては4人VS4人のチーム戦や公式サイトのコミュニティ要素に目をつけ、「友達と声を掛け合って盛り上がれるゲームだと思う」と期待を寄せていた。
全国大会とオフィシャルサポーターの発表
声優陣によるステージの後は、再度和田氏が登場。対戦ゲームとしてトコトン熱くなってもらう、盛り上がってもらうための企画として、賞金付きの全国大会「ガンスリンガー ストラトス バトルアリーナ」の開催を決めたと発表。まだタイトルの発表が行われた段階のため、大会についての詳細は不明だが、腕に自信のあるプレイヤーにとっては、モチベーションが上がる要素として期待も高まりそうだ。
最後に、本作のオフィシャルサポーターをプロゲーマーの梅原 大吾さんが担当することが発表となった。事前に本作に触ってみたという梅原さんは「長時間遊んだわけではありませんが、アーケードゲームはこのゲームが中心になっていくのかなと感じるぐらいのインパクトがありました」とコメント。普段からゲームセンターに行かない人にとって、この「ガンスリンガー ストラトス」がゲームセンターへ行くきっかけになるのではないか、とも話していた。