セガは本日2月18日、東京・秋葉原のAKIHABARAゲーマーズ本店にて3月8日に発売予定の3DS用ソフト「初音ミク and Future Stars Project mirai」の店頭体験会を開催。会場では本作のプロデューサー・大崎誠氏とディレクター・高部元志氏にお話を伺うことができたので、その時の模様をお届けしていこう。

「初音ミク and Future Stars Project mirai」は、「初音ミク」をはじめとするキャラクターたちが歌って踊って大活躍する3Dリズムアクションゲーム。ライトなゲームシステムとポップな選曲を実現したリズムゲームだけでなく、3DPVの鑑賞やAR(拡張現実)によるデスクトップ・ライブ&3D写真撮影を楽しむことができる。

体験会では、その本作を一足早くプレイできたほか、持っているとイイことがある「参加認定書」と、オリジナルデザインの「使い捨てカイロ」がお土産として配られていた。また、会場内には、ゲーマーズの予約特典であるオリジナルテレホンカードや、限定版「ぷちぷちパック」の同梱内容なども展示されていた。

ここからは、会場を訪れていた大崎プロデューサーと、高部ディレクターへのミニインタビュー内容を紹介。

――まず本作の開発コンセプトを教えてください。

大崎誠氏
大崎誠氏

大崎氏:実は会社から「3DSでミクさんのゲームをやってみろ」と指令が下りまして(笑)、僕らAM2研は技術好きなので、とりあえず「未来っぽいこと」をやってみようという話になりました。そこで、ゲームと未来ガジェットをコンセプトに、ワクワクする未来的なものを作ろうと思い、クリプトン・フューチャー・メディアさんにも話を通したところ、OKをもらったので企画がスタートしました。

――体験会にはかなり多くの方がいらっしゃいましたが、その感想をお聞かせください。

大崎氏:誰も来なかったらどうしようと思っていましたが、たくさんの方に来てもらって幸せだなと感じています。僕らはアーケードの制作を担当していて、コンシューマーの新作は初めてだったので、「大丈夫かな」という思いがありました。

高部氏:普段ネット越しでしか反応を見られていないので、初めてオフ会に参加するような、生で話すのは怖いなというのがありました。

――今後の体験へ参加する方に見てほしいところはどこでしょうか?

大崎氏:たくさんありますが、やっぱり遊びやすくしたところですね。あと3DSは音がいいですし、アーケード屋っぽくボタンを押したらいい音が返ってくるところにはこだわっているので、そこに注目してほしいですね。

高部氏:ボタンを長押しして離したときにも音が鳴るようになっていますし、それを見込んで譜面を作っていますので、ロングトーンが頻発して出てくる曲だと今までにない快感が楽しめると思います。

あとはキャラクターの可愛さです。“まるっとかわいい”というキャッチフレーズを使わせてもらっていますが、実際に見てもらうと「こういうことなんだな」と感じてもらえると思うので、ぜひ実機で遊んでほしいですね。

大崎氏:”揺れもの”にもこだわっていて、初音ミクのツインテールも最初はもっとぐにゃぐにゃしていて、ねんどろいどっぽくなかったんです。逆に堅くしてみるとカクカクしすぎてしまって苦労しましたが、ようやく今の形に落ち着きました。AM2研はリアルではなく“リアルっぽい”表現にしているので、「ねんどろいどが動いたらこうなるんじゃないか」という感覚を追求しました。

――ボーカルチェンジの機能が搭載されていますが、これについて苦労されたことはなんでしょうか?

大崎氏:僕たちよりも楽曲プロデューサーたちが苦労したのかなと思います。やっぱり色々とポリシーを持っている方がいらっしゃるので、ボーカルチェンジという機能を入れるとなったときも「お祭りだからやります」という人もいれば「この曲はミクのために作りました」という人もいますので、その交渉は大変でした。

VSQ(ボーカロイドの演奏データファイル)を読み込ませると別のボーカロイドでも歌うのですが、しっかり手直ししないと、そのボーカロイドにとって一番いい状態にならないんですよね。

高部氏:こちらからお願いしていないにも関わらず、歌詞を書いてくれたり、「音源もいじりたいんですが」と言って、すごくテンション高く対応してくれた方もいらっしゃいました。

大崎氏:ボーカルチェンジをやるならコスチュームも変えようとなったので、絵師の方もキャラクターごとに差別化を図るにはどうすればいいのか悩んだと思います。ただ、デザインと音源の一致ができたのはよかったです。

――開発スタッフの中で流行っているARカードの使い方があれば教えてください。

大崎氏:絶対に手乗りはやりますよね(笑)。

高部氏:ジオラマを作りたいと話すこともあるんですが、すでにネットの動画では作られているので「負けれいられんぞ」と思いますね。手製のペーパークラフトを用意したりすれば、もっと楽しめるかなと思います。

大崎氏:ポーズを取らせて撮影するモードがあったり、Miiを呼んで記念撮影することもできるんですよ。

高部氏:僕らは“エクストリームミク”って呼んでいるんですが(笑)、極限な状況で写真を撮ったらどうか、という話もありました。

大崎氏:最初の企画書には、「雪山の頂上でミクと撮影できます!」とあったりました。実際、ねんどろいどをいろんなところに持って出かけ、写真を撮る人も多いので、そういった感じになればいいなと思っています。

高部氏:ARは背景があってなんぼのものなので、いかに面白く撮るかがAR職人の腕の見せ所なのかなと。

――すれちがい通信でコメントの受け渡しができる機能がありますが、導入経緯を教えてください。

高部氏:3DSのショーケースのようなタイトルにしたかったので、備わっている機能は全部使おうと思っていました。最初は写真交換を考えていましたが、動画で人気の出た文化ですし、何かしらのソーシャル性を入れたかったので、コメントとすごくかみ合うのではないかと考えました。

――オープニング曲「ゆめゆめ」はDECO*27さんの書きおろしとなっていますが、お願いした経緯などを教えてください。

大崎氏:DECO*27さんの曲は可愛いのが多かったのと、僕の「こういう感じで曲を作ってほしい」というイメージに近かったのでお願いしました。

高部氏:今でも覚えていますが、地下のカフェテリアで「毒気のない明るい未来の曲を」と話していた時に、DECO*27さんの名前が上がり、その場でケータイに電話してお願いしましたね。実は初期の頃ゲームタイトル名に「未来の扉」というサブタイトルが付いていたのですが、それを汲んでいただいて、歌詞の中にも「未来の扉」というフレーズが入っています。

――最後にユーザーの方へのメッセージをお願いします。

大崎氏:初めてiPodやiPhoneを買った時、嬉しくなかったですか?あれと同じ感覚で、持っていると時間を教えてくれるし、遊べるし、いろんなアクションをしてくれる。持っていてドックにおいて、見ているだけでも楽しいアイテムになっています。ゲームも、アーケード屋っぽくこだわり、遊びの幅もありますので、「Project mirai」が表した未来をぜひ味わっていただきたいです。

高部氏:今回は楽曲がフル尺で入っているところや、PVのクオリティにもこだわって作っています。まだ発表していないギミックも満載ですので、実際に手に取っていただき「まだこんなものを仕込んでいたのか!」と、斜め上っぷりを堪能してもらえればと思います。

初音ミク and Future Stars Project mirai ぷちぷくパック

セガ

3DSパッケージ

  • 発売日:2012年3月8日
  • 全年齢対象
  • ねんどろいど ぷち 初音ミク Project mirai Ver.、Project mirai ぷくぷくデコシール、Project mirai ぷくぷくクリーナー同梱
初音ミク and Future Stars Project mirai ぷちぷくパック

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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