マーベラスAQLが2012年6月28日よりダウンロード専用ソフトとしてPlayStation Storeで配信している「アサルトガンナーズ」。1480円という低価格ながら、シンプルな操作で本格アクション・シューティングが楽しめるのが特徴だ。今回、本作のプロデューサーを務めた元木慎二氏にインタビューを行うことができたので、その内容をお届けする。

――まず低価格のダウンロード配信タイトルを出そうと思った理由をお聞かせください。

元木慎二氏
元木慎二氏

元木氏:「アサルトガンナーズ」の企画を立ち上げたのは去年の年末、PS Vitaが発売された頃でした。PS Vitaはオンライン接続しやすいハードなので、気軽にダウンロードして楽しめるゲームがあったらいいなと思い、今回の企画を立ち上げました。

――その中でロボットもののアクションシューティングというジャンルを選んだ理由は何でしょうか?

元木氏:もともと私がロボットものが好きということもありますが、ちょうどその頃に、SHADEさんが開発したスマートフォン版のロボットゲームを遊んでいて、その出来がよかったんですね。SHADEさんとは以前から関わりがあったので、PS Vitaでご一緒しませんかと声をかけさせていただきました。

――本作でこだわったところを教えてください。

元木氏:簡単操作で本格的なロボットゲームが楽しめるところです。あとは敵がたくさん出てくるワラワラ感と、それを蹴散らす爽快感を楽しんでほしいと思います。後半は鬼のように敵が出てきて、ミサイルがいっぱい飛んでくるようになっていますから。

――本作は元木さんの初プロデュース作品ということですが、以前はほかの作品に関わられていたんでしょうか?

元木氏:以前は「牧場物語」のアシスタントプロデューサーを務めていました。会社に入ってからずっと、もう5、6年は「牧場物語」に関わってきました。

――一般的なパッケージタイトルと、本作のような低価格のDL専売タイトルでは、開発の苦労に違いはありましたか?

元木氏:ダウンロード版だからということで特に苦労したところはないですね。強いて言えば、パッケージ版と同じような作り方をしてきましたので、時間がなかったことが一番大変でした。

――開発期間はどれくらいなのでしょうか?

元木氏:年末に立ち上げてからなので、半年もないですね。通常のパッケージタイトルだともっと長い期間があるので、作り方は同じでも、とにかく時間が少なくて大変でした。

――開発期間の短さ以外にも苦労された点はありますか?

元木氏:まずPS Vitaで苦労したところはなかったですね。逆にPS Vitaは扱いやすいと言いますか、制作しやすいハードでした。なのでこちらが思っていた以上のものが出せたりとか、非常にやりやすかったです。

――低価格ということで開発にも制約が出てきたと思いますが、これは外せないから入れた要素があればお聞かせいただけますか。

元木氏:ブースト移動とジャンプの操作があるんですが、当初はこれが入っていませんでした。開発の中盤辺りになって、プレイしてみるとすごくモッサリしていたんです。これは結構ストレスになるなと感じたので、ブースト移動とジャンプを後から追加しました。

――操作は比較的簡単で初心者向けですが、開発当初からライト層向けの内容にしようと考えていたんでしょうか?

元木氏:そうですね。きっかけとなったスマートフォン版のこともあり、タッチでプレイできるようにしたりとか、なるべく多くの方が楽しめるように意識しました。ロボットゲームというのはすごく操作が難しそうなイメージがあるので、女性でもできるように、というのを考えながら作っていました。

――本作のフルプライス版が出る予定や、作りたいなという気持ちはありますか?

元木氏:今のところフルプライス版の予定はありませんが、順調に販売本数が伸びていけば、もしかしたらあるかも…とは思います。もしできるのであれば、今回見送った要素を加えたり、ほかにもミッションを増やしたいですね。ミッションもアイディアはたくさんあるので、バラエティに富んだものを作れたないいなと思っています。

――元木さんが次のタイトルに関わるとき、フルプライスのパッケージと低価格のダウンロードタイトル、どちらに携わってみたいというのはありますか?

元木氏:マーベラスAQLとしても「アサルトガンナーズ」のような形態は初めてでしたが、遊んでいただいたお客様からは要望や期待の声をたくさんいただいたので、低価格のダウンロードタイトルに再びチャレンジしたいなと思っています。

――次も低価格のダウンロードタイトルを作るとしたら、どんなゲームジャンルにチャレンジしてみたいと考えていますか?

元木氏:そうですね…携帯機であれば、やはり5分、10分の短い時間で遊べるもので、なおかつボリュームがあるものですね。一回のプレイは短いけど、トータルで見ると長時間遊べるのがいいかなと思っています。ジャンルで言うのは難しいですが、2Dアクションやパズルものがいいかなと考えています。

――ちなみにご自身でもダウンロードゲームを購入されたりするのでしょうか?

元木氏:ダウンロードのみならず、パッケージでも色々と購入しています。ダウンロードタイトルの場合、休みの日などにふとダウンロードして遊んでみる、というのはありますね。

――本作をプレイされたユーザーさんからの反応はいかがでしょうか?

元木氏:大変好評をいただいています。まず値段が安いというのが一番意見としては多くありますね。この値段でこれだけボリュームがあるものは、現状そんなに数が出ていないというのも理由にあると思いますが、引き続きこういったタイトルを出してほしいという声は多かったです。

――ユーザーからの要望や、改善してほしいポイントはどんな内容がありましたか?

元木氏:カスタマイズ部分ですね。ある程度は仕方ないことですが、どうしてもカスタマイズを極めていくと似通った機体になってしまうことが多いので、性能差だけではなく、好みでパーツを組み合わせられるような幅を、もう少し持たせられたら良かったのかもしれません。

――7月26日にダウンロードコンテンツ(DLC)を配信されましたが、今後も何かご予定は?

元木氏:引き続きDLCは配信していきたいなと思っています。近日中に第2弾のDLCを配信する予定です。

――配信済みのDLC第一弾のダウンロード数は予想と比べていかがですか?

元木氏:予想より多かったですね。DLCの中身はミッションとボイスとパーツの3種類が入っているんですが、やはりミッションの人気が高かったです。

それと、8月31日まで「真夏のプレゼントキャンペーン」もやっております。本作を購入してご応募いただくと、PS3ほか豪華プレゼントが当たりますので、ぜひ応募してみてください。

――DLCの販売数は予想以上ということですが、ソフトの本数はいかがですか?

元木氏:ソフトも順調ですね。ダウンロードタイトルは長く売り続けることができるので、一カ月後や半年後も購入していただけているかなと予想しています。あと、体験版も順調で、我々の予想をはるかに超えてダウンロードしていただいています。体験版をプレイして製品版を購入していただくと、ゲームを始める際にボーナスポイントがもらえますので、ぜひ体験版をプレイしてほしいですね。

――さすがに体験版第2弾の配信は考えていらっしゃらないですか?

元木氏:今のところ予定はないですね。このまま順調にいって、好評であればもしかしたらあるかもしれないですが(笑)。

――プレイされているユーザーさんも多いと思いますが、隠し要素のようなものはあるのでしょうか?

元木氏:隠し要素は…ないですね(笑)。すべて出し切った感じです。

――トロフィーにはとある隠し要素がありますよね。あれを入れた理由は何かあるのでしょうか?

元木氏:一個だけトロフィー用の隠し部屋みたいなものもありますが、まあ簡単に見つかりますよね(笑)。こういった小ネタはもっとあっても良かったかもしれませんね。

――ちなみにトロフィーの名前はどなたが考えたのでしょうか?

元木氏:開発のスタッフが考えました。映画をもじったものが多くなっています。

――ストーリーモードは一度クリアすると続きが出現する形になっていますが、これには何か理由があるのでしょうか?

元木氏:操作面を簡単にしたのもそうですが、多くの方に遊んでもらえるよう意識して作っていますので、プレイしてもらうからにはクリアしてもらいたかったんですね。なので、ゲームが苦手な方でもクリアできるということを体感してもらい、その後もやり込めるという形にしました。今回トロフィーにプラチナトロフィーが入っていますが、これもなるべく簡単に取れるように設定しています。ほかのゲームではプラチナを取るのが結構難しいですが、できればみんなに取ってもらいたいなという想いがあります。

――初心者の方にオススメする武器はありますか?

元木氏:使いやすいのはレーザータイプですね。敵を貫通していくので、まとめて倒せるメリットがあります。ボス戦では、ボスの動きが早かったりするので、ロックオンできるミサイル系の武器を使えば初心者の方でも戦いやすいかなと思います。

――やり込み要素としてインフェルノモードがありますが、スタッフの中ではどれくらいのWAVEまでいったことがあるのでしょうか?

元木氏:たぶん300ぐらいはいっていると思います。だんだんと強くなっていくので、弾がなくなってくるんですよね(笑)。少し運の要素もありますが、やり込めれば結構長く遊べるようになっています。

――社内で人気のベース機体はありますか?

元木氏:動きが遅いせいか、人気がないのはタンクですね(笑)。やはり二足系のスピードが速い機体が人気です。私はニ脚か逆関節タイプを使ったりしています。

――最後に本作をプレイされた方、未プレイの方、それぞれにメッセージをお願いします。

元木氏:引き続きDLCの配信を行っていきますので、プレイしていただいた方、すでにクリアした方にも楽しみに待っていてください。プレイしていない方は、体験版が配信されていますので、まずはプレイして触っていただき、その後購入していただけたら嬉しいです。

本作については、ここでお届けしたインタビューのほかにも、「サマゲー2012」内でプレイレポートをお届けしているので、興味を持った方はぜひそちらもチェックしてほしい。

アサルトガンナーズ

マーベラスAQL

PSVitaダウンロード

  • 発売日:2012年6月28日

    ※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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