バンダイナムコゲームスは9月21日、千葉・幕張メッセで開催中の東京ゲームショウ2012にて、「機動戦士ガンダム バトルオペレーション」のロードマップ発表会を実施した。新マップや新モビルスーツの登場などのアップデート情報が公開された本イベントの内容をお届けする。
予想を上回る60万を超えるダウンロード数を記録
「機動戦士ガンダム バトルオペレーション」は、プレイヤーが連邦軍とジオン軍に分かれてチームで戦うプレイステーション3向けの対戦型アクションゲームだ。モビルスーツ(以下「MS」)に搭乗して戦うだけでなく、機体から降りて敵の拠点に爆弾を仕掛けたり、損傷した機体を修復したりとさまざまな行動が可能。ダウンロード専用タイトルであることやソフト本体が基本無料のアイテム課金型であることも話題を呼び、すでに60万を超えるダウンロード数を記録している。
本イベントではバンダイナムコゲームスのプロデューサー・桑原顕氏、制作プロデューサーの大野聡氏、ゲーム監督を務めた徳島雅彦氏の3氏がステージに登場。まず、基本無料となった経緯について桑原氏は「モバイルを中心にFree to Play(基本無料+アイテム課金)モデルが盛り上がってきたこともあって、バンダイナムコゲームスが培ってきたものを活かして、新しいプラットフォームでこういうビジネスモデルに挑戦すべきではないかという話になりました」と振り返った。
企画がスタートした時点ではパッケージのアクションゲームとして発売される予定だった本作だが、かくしてダウンロード専用タイトルとなることが決定。ただ、オンラインの多人数対戦というゲームの根幹部分は当初から変わっていないとのことだ。
サービス開始の前にクローズドβテストも行われた。対象人数は1万人だったが、なんと10万人を超える応募があり、桑原氏は反響の大きさにビックリしたそうだ。このテストでは多数の要望が寄せられ、それらをできる限り反映させて6月28日のサービス開始にこぎつけたとのことだ。現在でも公式のアンケートやTwitterなどで毎日100件以上の意見や要望が届くそうで、スタッフはこれらにすべて目を通し、できる限り応えるべく鋭意努力しているのだという。
そんなユーザーの要望によって変わった部分のひとつがプレイヤーたちの集うオペレーションルームで、最初はガンダムファン同士でチャットなどをしてのんびりと待ってもらうイメージで制作したとのこと。しかし、すぐにでも出撃したいという声があまりにも多かったため、ルーム内でできることを制限したり、人数がそろったらカウントダウンを行って急いで出撃させるようにしたのだそうだ。
徳島氏によると、MSの挙動ももっと重量感のあるドッシリとした動きにしてリアリティを追求したかったのだが、「βテストのときにもう少しスピード感が欲しいという意見が多かったので、スピードのあるアクションができるように変えました」とユーザーの声を最大限尊重したことを強調した。
気になるアップデート情報がついに公開!
続いて、今後の展開やアップデートの予定などの発表が行われた。新ルール、新マップの搭載や新たなMSの登場など、さまざまな情報が公開されたので順を追って紹介していこう。
制圧した地点の数が勝敗を分ける新ルール「制圧戦」
まず、最初に公開されたのが新ルールとなる「制圧戦」だ。これは制圧している地点の数によって、画面上部に表示される両チームのゲージが変動。相手チームのゲージをゼロにしたほうが勝利となる。もちろん、敵MSの撃破でもゲージを削ることはできるが、敵より多く制圧地点を確保したほうが勝利しやすいので、従来のルールにはなかった制圧した地点の防衛が必要になるという。
拠点の制圧時にはパイロットがMSから降りなければならないため、歩兵の戦闘テクニックも重要になるとのこと。また、現在は全機で固まって動くことが主流となっているが、この新ルールではより多くの制圧地点を確保するため、多少分散して戦わなければならないだろうと徳島氏らは予想した。
高低差のある新マップ「採掘所」
新たなマップ「採掘所」の追加が予定されていることも明らかにされた。かなり高低差のあるマップで、露天掘りの中央にある足場の悪そうな道が互いの敵陣を結んでいる。前衛を務める格闘機や汎用機はこの道を進んで敵陣に侵攻しなければならないため、大野氏は支援機のフォローが非常に重要になるだろうと語った。また、MSでは進めない隠しルートのようなものもあって、うまく利用すれば敵を奇襲できるとのことだ。
初心者向けのモード「新兵実戦訓練」
新モード「新兵実戦訓練」も追加されることとなった。一定の階級以下のプレイヤーしか利用できない初心者向けの練習モードで、「出撃エネルギー」を消費することなく何度でもプレイできるのが特徴。もちろん、通常のモードと同じく戦闘報酬やMSの設計図なども獲得できる。さらに、1対1でのプレイも可能になっているので、友だちとふたりで気軽に練習をすることができる。
新規のプレイヤーと熟練のプレイヤーが戦うと勝負にならないことが多いことから、練習用モードの実装はユーザーの要望がもっとも多かったとのこと。徳島氏らはこれを機に「興味はあるんだけど、ネットとか見ていると怖い感じがする」と敬遠していた人もぜひ始めてみてほしいと語った。
アッガイ、ジム・スナイパーII、ブルーディスティニーが新たに登場!
新たに登場が予定されているMSはアッガイ、ジム・スナイパーII、ブルーディスティニーの3機だ。アッガイは敵のレーダーに捕捉されないステルス機能を搭載しており、体育座りのようなかわいらしいカバーアクションもできることが発表された。
ジム・スナイパーIIは「機動戦士ガンダム0080」で初めて登場した遠距離支援型のMS。シールドを装備していて、汎用機的な働きもできる優秀な機体であると3氏は声を揃えた。特に主兵装のライフルは実弾銃で、ビームライフルのように射線が見えないのでどこから撃っているのか非常に分かりにくいとのこと。
ブルーディスティニーは機体の性能が一定時間アップする「EXAM」(イグザム)を搭載しており、これが発動するとアタック、ディフェンス、スピードがすべて大幅にアップする。使用武器は100mmマシンガンのほか、収束撃ちができる陸戦型ガンダムのビームライフルなども装備可能。さらに、敵をよろけさせる効果を持つロケットランチャーも搭載していて、かなり強力な格闘機になっていることが紹介された。
ただし、「EXAM」は機体のHPが30%以下にならないと発動しないため、「上手い人が使って初めて強い機体である」と徳島氏らはコメント。立ち回り方が悪いとEXAMを発動させる前にやられてしまうだろうとも語り、上級者向けのMSであることをうかがわせた。
これらの3機のMSは9月下旬~10月上旬に実装されるとのこと。ちなみに、9月27日発売予定のPSP用向けソフト「SDガンダム ジージェネレーション オーバーワールド」の初回特典には、ブルーディスティニーが先行で使えるプロダクトコードが封入されているので、桑原氏は「ぜひお求めいただいて、ブルーディスティニーの強さを確かめてほしい」とアピールした。
今後登場が予定されている4機のMSのシルエットも公開された。これらは「連邦の格闘機が欲しい」、「ジオンの支援機が欲しい」というプレイヤーの要望に応えたものだという。また、コストの低いMSの能力を底上げする「ハンガーシステム」やユーザー同士のコミュニケーションを促進する「クランシステム」の実装、戦闘中に使用する簡易チャットのカスタマイズ機能の追加などを計画中であることも明らかにされた。
イベントの締めくくりとして、桑原氏は「今回発表したのはあくまで直近の予定で、今後もユーザーさんの意見や要望にもとづいて進化させていきたい」とコメント。徳島氏も「なるべく多くの人に少しでも長く、少しでも楽しくプレイしてもらえるようにしていきますので応援よろしくお願いします」とメッセージを送った。そして、大野氏は本作の企画・開発を行っているB.B.スタジオの開発スタッフを募集。大野氏いわく「やりがいのあるアットホームな職場」とのことなので、興味のある人はB.B.スタジオのサイトで応募要項をチェックだ!