アークシステムワークスは、9月20日から23日まで幕張メッセにて開催されている「東京ゲームショウ2012」にて、9月22日に森利道氏と石渡太輔氏による「ブレイブルー クロノファンタズマ」スペシャルトークショーを実施した。

トークショーでは、「ブレイブルー クロノファンタズマ」(以下、「BBCP」)のプロモーション映像が公開された後、本作のプロデューサーである森利道氏と、サウンドデザイナーの石渡太輔氏が登場。ステージに登った森氏は、あまりにも多くの人が見に来ていたため「ゲストに声優とか来ませんよ?」とコメントし、場の雰囲気を和ませていた。

(写真左から)森利道氏と石渡太輔氏
森氏と石渡氏が公の場でトークをするのはここ1年以上なかったようで、お互い「すごく久しぶり」と話していた。

その後は早速「BBCP」の楽曲に関するトークが展開。本作にはオープニングを含めて24の新曲があり、さらに過去作に使われていた旧曲のうち28曲がアレンジされていることが明かされた。音楽への力の入れっぷりが「BBCP」における目玉の一つのようで、旧曲のアレンジについてはGALNERYUS(ガルネリウス)やALHAMBRA(アルハンブラ)のバンドメンバーであるYUHKI(ユウキ)氏が担当しているとのこと。

アレンジの際、YUHKI氏には「ブレイブルー」の曲調やゲーム性といった基本となる指針は伝えたものの、それ以外は「好きにやってください」とお任せしたようで、その結果、石渡氏が「凄まじいもの」と絶賛するほどの曲が出来上がったという。また、それらの曲をすべて聞いた森氏も「テイガーとカルルの曲がものすごくカッコよくなっています」と称賛のコメントをしていた。

話は新キャラクターの曲についてシフトしていき、まずはアマネの楽曲について語られた。石渡氏は、曲を依頼された際に森氏から“舞を踊るように戦うキャラ”とキーワードをもらっていたようで、日本的な文化を入れると同時に「舞は緩急があっても止まらないイメージがあったので、そのニュアンスが出るように作りました」とコメント。

森氏は「ブレイブルー」にはすでにバングとハクメンという和の雰囲気を持ったキャラクターがいるため、どのように違いを出してくるのか気になっていたようだが、その曲を初めて聞いたときに「なるほど、アマネだ」という感想を持ったというので、曲の仕上がりには期待が持てそうだ。

続いては、バレットの曲の話…になるはずが、なぜかバレットが履いているホットパンツの話題に。森氏がホットパンツ好きなイメージになっているが、実は森氏が「ギルティギア」を作っていた当時、石渡氏がホットパンツについて力説していたことがあるというエピソードが明かされた。

森氏から「あの力説っぷりはなかったです(笑)」と言われた石渡氏だが、気を取り直してバレットの曲について話を進めると「戦い方を見ていると猫のようなシルエットをしていたので、女性であることと、猫のキャラクターについて自分なりの解釈を足したらこんなニュアンスになるのでは、というイメージで作りました」とコメント。なおかつ、傭兵のような出で立ちであるため、楽しい感じではなく、気ままに戦場を渡り歩く女性のようなイメージを再現してみようと思って制作したとのこと。

3人目のアズラエルの曲については、キャラクターが動いているのを見たとき「すごくカッコいいキャラだと思った」という反面、どんな曲を作ればいいのかという感じだったと話す。

しかし、曲を依頼される際には森氏からこういった曲を作ってほしいというイメージやキーワードが送られてきており、その中に「暴力」「災害」といったものが書かれていたという。そのため、アズラエルが破滅をもたらすキャラクターのようなイメージで「登場した瞬間にパニック映画のような曲が流れたら面白いかなと思って作りました」と当時を振り返った。

ここまで新キャラクターの曲についてトークが展開してきたが、先にも述べたように本作では24曲もの新曲が作られている。「3キャラしか追加していないのに24曲も作るわけないですよね」という森氏は、まだ表に出ていない曲があることを示唆。その一部として、第七機関の関係者同士のテーマや、六英雄同士が戦うときのテーマも制作したことを明らかにした。

また、キャラクターの組み合わせによって音楽が変わるよう心掛けているとのことで、「稼働が始まったらいろんなキャラクター同士を掛け合わせて、こんな曲になるんだというのを楽しんでもらえれば嬉しいです」と、別の側面からも楽曲の見どころをアピールしていた。

曲の話が一段落すると、MCから「石渡さん、みんな『ギルティギア』の続編を待っているんじゃないかと思うんですけど」といったフリがあり、それに乗っかった森氏は来場者に向かって「『ギルティギア』の続編待ってる人!」と挙手を促してプレッシャーをかける。

そして当の石渡氏は、「公の場で変な煽りを入れるのはやめてください(笑)」と困り気味の様子を見せつつも「たくさんの人が続編を待ち望んでくださっているのであれば、いずれちゃんとした形で発表できるようなことがあればいいなと思っています」と述べた。

なお、森氏が「ギルティギア」を作っていたとき、石渡氏に「こんなんじゃお話にならない」とかなり怒られたことがあるようだが、現在では石渡氏が「『ブレイブルー』を作ってるのを見ると、どんどんクオリティが高くなっていくので、次に『ギルティギア』を作るとしたらどんなものを作ればいいのか分からない状態なんです」と、プレッシャーを感じているという。

それを受けて森氏は、「でも『ブレイブルー』にはもともと『ギルティギア』を作っていたスタッフがたくさんいますし、当時の技術や知識、経験が生かされて『ブレイブルー』という格闘ゲームが作られました」とコメント。アトラスの「ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ」も、森氏を含めて「ブレイブルー」のスタッフが8割ほど関わっているようで、「ギルティギア」から培ってきた技術があって今に至っていると語った。

続けて森氏は「また、僕の集大成のひとつである『BBCP』が稼働しますので、11月…えー、2012年内に頑張って稼働させたいと思います」と、うっかり気になる情報を漏らしつつ、最新作への意気込みを述べた。

そしてステージの最後には、「頑張って『ブレイブルー』シリーズを続けていきたいと思いますので、皆さんよろしくお願いします」と森氏が、「これから『ブレイブルー』の曲を盛り上げていきたいですし、期待してくださっている方のためにも『ギルティギア』も頑張っていきたいと思いますので、応援のほどよろしくお願いします」と石渡氏がコメントし、トークを締めくくった。

ちなみに、降壇前に物販コーナーの告知を行った森氏から、過去に販売されていた「悪滅Tシャツ」や「デッドスマイクTシャツ」の背面に書かれた「テメェは馬鹿か?!」の文字、バングの超必殺技で表示される「風林火山」の文字などを石渡氏が書いていることが明かされると、会場からはなぜかステージで一番の拍手が送られ、最後の最後に不思議な盛り上がりを見せていた。

社員用特注Tシャツの文字「祈りは済ませたか?」も石渡氏が書いているのだという。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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