1万本以上のゲームを所持しているゲームコレクターの酒缶さんと、2012年12月3日に設立された日本ゲームユーザー協会(JGUA)の会長を務めるアメリカザリガニの平井善之さんにお話を伺ってきました。同協会がどういった組織なのか、今後の展開なども含めてインタビュー形式でお届けします。
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2012年12月3日、日本ゲームユーザー協会が設立されました。会長はレベルファイブが3DS向けに発売した「GUILD01」に収録されている「レンタル武器屋 de オマッセ」を開発したことでもお馴染みのアメリカザリガニの平井善之さん。平井さんからは、11月の末頃、個人的に日本ゲームユーザー協会が設立されることを聞いていたのですが、設立が発表されてもどのようなことを行う協会なのか正確なところがいまいち伝わって来なかったため、2012年12月12日に日本ゲームユーザー協会事務局でお話を聞いてきました。
ゲーム業界、元気になって!
酒缶:12月3日に日本ゲームユーザー協会が設立されましたけど、日本ゲームユーザー協会とはどういう組織なのですか?
平井氏(以下、敬称略):普通の協会で、非営利の任意団体です。ゲーム好きな人がどんどんゲームを買わなくなっていて、ゲームが売れなくなっていることを、いろんなメーカーさんから聞きます。「10年前に比べたら、全然売れてないよ」とか。
酒缶:公式サイトのブログに「2011年あたりかな?」というタイトルで書かれていることだと思うんですけど、平井さんがそのようなことを考えるようになったのはこの2年くらいですか?
平井:この2年くらいですね。いろんなメーカーさんと「僕ら世代、30代は、ゲームをめっちゃ遊ばせてもらって大人になったのに、寂しいね。」という話をしていて、昔は友達に「このゲーム、面白いよ!」と薦めていて、「みんなが面白いと言っているからこのゲームを買おう!」と、ちゃんとコミュニケーションを取ってゲームを買っていたので、じゃあ、それをもう一回やろうよ、という感じでこの協会を作りました。「ゲーム業界、元気になって!」って。
酒缶:平井さんは今のゲーム市場をどのように見ていますか?
平井:基本的にはビッグタイトルしか売れなくなっていて、広告費が相当かさんでいます。ゲーム機のソフトだというだけで売れていた時代があって、ジャケ買いとかもしていたはずなんですけど、最近はそういうこともなくなっていて、手軽じゃないんですよね。スマートフォンが常にポケットに入っていて、そこでいろんなモノをダウンロードできるので、どうしてもゲーム機のゲームが遠のいていくんですけど、やっぱりそこは性能がよくて、色々な演出ができる家庭用ゲーム機の、今まである操作感、パッドを持った感じ、そこに一番大事なモノがあるんじゃないかと思っています。
でも、売れていない現状をお聞きすると、今後、テレビゲームの市場が縮小していくと、消えてなくなることはないと思いますけど、もうちょっと何かしないとなぁ、と。ゲームが売れなければ売れるようにすればいいんですけど、そこが難しいっすよね。会社も大きくなっていますし、2、3人で開発できるモノじゃなくなってきてるので、そこは難しいと思いながらも、僕ら何ができるんだろう、とか。今回ゲームを作らせてもらって思うことは、「大変やなぁ、これ大変やで」って。そこ、舵を切りにくくなっているんじゃないかな。ゲームの市場はちょっときついかなー、と思ってます。
酒缶:この協会には、大人も子どももみんな入れるんですか?
平井:ゲームをやったことがある人は会員でしょ、という話をしていました。
酒缶:「ゲームをやったことがある人」というのが、「ゲームユーザー」に当てはまる人なんですね?
平井:そうです。基本的には「ゲームを買って遊んだことがある人」が「ゲームユーザー」という位置付けです。なんて呼ぶのか、悩みました。「ゲーマー」というのも、まぁ…。
酒缶:ちなみに、このサイトは「Gamer」なんですけど(笑)。
平井:「ゲーマー」だとちょっと違った言葉になるし、全員が「ゲーマー」と言ってもいいのかな?とちょっと悩んだんですよ。
酒缶:毎日熱中してゲームをやる人も、たまにちょこっとゲームをやる人もいるけど、その全部を含めての言葉を付けようとしたら…。
平井:「ゲームユーザー」でいいんじゃないの?という話になったんですよね。
酒缶:なるほど。今回、日本ゲームユーザー協会の設立を発表された際、「ゲーム」という言葉に対して過剰に反応している人が多かったように思ったんですよ。
平井:そうなんですよね。
酒缶:「ゲーム」という言葉に対して、平井さんには「家庭用ゲーム」というのが根底にあって、お店で買うゲームの話をされているはずなのに、アーケードゲームがどうだとか、ソーシャルゲームがどうだとかいう話が出てきていましたけど、どのように思われました?
平井:一応、ソーシャルゲームの流れって、絶対に今後増えていくだろうけど、この協会に関しては、コンシューマ機、家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機に付随するソフト、もちろんダウンロードコンテンツも入ってきます。その辺だよ、と一応言ったつもりなんですけど、つもりだったんですよね。これがちゃんと伝わってなかったのかな。
酒缶:平井さんはお店で買ってきて遊ぶようなテレビゲームを盛り上げようとしているだけで、それ以外のゲームについては何かをしようとしているわけではないですよね。
平井:例えば、カードゲームやボードゲームが入るんじゃないの?っていう話ですもんね。今のところ、カードゲームやボードゲームは入ってないんですよね。テレビゲームなんですよ。
酒缶:アーケードゲームも範囲には入ってないですよね。
平井:そうですね。そこ、違いますね。家庭用ゲーム機ですから。
酒缶:テレビゲーム以外のゲームに対して何かしたいわけじゃないのに、勝手にネガティブなイメージが独り歩きしていますよね。
平井:いろんなことを考えてくれはるな、と思って…。逆に皆さん、そういう風に捉えますか。いや、すみません。テレビゲームなんです。家庭用のヤツね、って。
酒缶:「ゲーム」という言葉は、人によって捉え方が違ったんですよね。
平井:そうなんですよね。
酒缶:「あの人、ゲームを作っているからユーザーじゃないじゃん」って言っている方もいるようですが。
平井:綺麗に分けてくれて。
酒缶:僕も色々な仕事をしているけど、ゲームを作っていてもゲームで遊んでいるから、そこは分けないでいいと思うんですよ。
平井:そうなんですよ。基本そうなんですけど、逆に、「えっ、俺、クリエーターだと思われてんの?その辺、もうちょっと頂戴よ。平井さんってクリエーターですよね。もっと言って」みたいな。「そういう言い方して!」みたいな。
酒缶:(笑)。現状、平井さんはこの協会でテレビゲームで遊んでいる人に「おいで! おいで! 一緒に遊ぼうよ!」とされている状態…。
平井:「遊ぼうよ!」という感覚ですね。で、フェイスブックページで「ゲームについて熱く語る会」というモノがあるんですけど、そこのデザインはパッケージのゲームがいっぱい並んでいるようなヘッダーのデザインになっています。そのデザインを見たら、家庭用のテレビゲームが対象だとわかると思うんですね。
酒缶:普通の方は、ニュースサイトで日本ゲームユーザー協会の情報を見ても、公式サイトに飛ばないんですよ。で、公式サイトに飛んだとしても、そこから更にフェイスブックには飛ばないんですよ。あと、フェイスブックをやってない人は、フェイスブックのボタンは押しませんし。
平井:(笑)。そうですね。
酒缶:そうすると、なかなか情報が伝わってないのかな、と思ったんですよ。
平井:そうですね。その辺もこちらがきちんと伝えてなかったですね。
酒缶:フェイスブックの「ゲームについて熱く語る会」のページの内容が広まれば、平井さんの「日本ゲームユーザー協会」に対するイメージが多くの人に伝わると思います。
平井:ですね。
すごく大きな組織に見られて有難い
酒缶:ニュースサイトにリリースを出されていましたけど、反応はどうですか?
平井:現状の反応ですか? 「ぜひ参加させて下さい」とか「会費はいくらなんですか?」とか…「一緒に盛り上がりましょう!」というのが全体の6割くらいですね。
酒缶:そういったメールの全体の総数はどのくらいなんですか?
平井:フォームから来たメールは30通くらい頂いています。「ゲーム大会をやるので協賛していただけませんか?」と言うのもありました。
酒缶:お金は出せないですよね。
平井:人を出して下さい、手伝って下さい、ということかもしれないけど、お金も何もないですから。逆に助けてください、ぐらいの感じなんですけど。すごく大きな組織に見られて有難いんですけど。あとは「ふざけんな」という反応。
酒缶:批判のメールも来ているんですか?
平井:来ますね。「記事にしていいですか?」みたいなメールも来ていますけど、何を記事にするのですか?
酒缶:どこかの媒体からですか?
平井:違いますね。多分、ブログでしょうね。記事にしてもいいけど、連絡が来るということは、文章をこちらで見る、という話じゃないですか。それについては扱いに困ってますね。あとはWebページの登録した住所を見て「平井の家発見!」とか。「今、グーグルアースで見てるぜ!」みたいなことを言われても、見ていただくのはいいんですけど、意味がないんです。どういうことかな?って。
酒缶:ゲームを一緒に楽しみたいだけで、誰かを敵視するような組織ではないのに…。Twitterの方でも何か問題があったようですけど。
平井:そうなんですよ。メンバーが「Twitterをやってみるわ。とりあえずリツイートしていったらいいんやろ?」言うから「そういうことをやることによって拡散するというのはあるかもしれんよね」と言っていたら、沢山リツイートしていて、「ちょっと待て!何も考えずにリツイートしていただろ!」って。あれは何にも考えていませんでした。作業ミスです。
酒缶:今後はリツイートの基準みたいなモノができそうですか?
平井:あんなにむやみにリツイートするんじゃなくて、こっちが発言したいときだけTwitterを使うようにします。
酒缶:方針のない部分でトラブルがあったということですね。
平井:方針は、本当にゲーム業界を盛り上げるためのイベントができるのならばイベントをやるし、沢山の人でどれが面白いか、ゲームを知らない人に伝えてあげようよ、とか。それだけなんです。
ゲームについて熱く語る会
酒缶:フェイスブックの「ゲームについて熱く語る会」なんですけど、これっていつくらいからされていたんですか?
平井:11月の中旬くらいに作って、みんなでこのゲームが面白いって書きこんでいます。
酒缶:「ゲームについて熱く語る会」は、日本ゲームユーザー協会を設立することを前提に作ったフェイスブックのページだったんですか?
平井:そうです。そのつもりでやっていたんですけど、上手いこと伝わってないですね。
酒缶:現在参加されている方は、協会が設立される前に、知り合いのゲーム好きの人が集まった、という感じですか?
平井:そんな感じですね。友達ばっかりなんですけど、「お前、会員な!」「会員って、何やねん」という感じで。ほんまに楽しい場所として作りました。
酒缶:協会が公になったので、今後はゲームを好きな人が自由に入れる状態になっていくのでしょうか?
平井:そんなイメージですね。フェイスブック上でどんどん活動していきます。もうちょっと人数が集まったら、ちゃんとしたサイトを作れたらいいと思ってますけど、今は基本、フェイスブックですね。
酒缶:しばらくは、フェイスブックで「こんなゲームが面白いよ」と盛り上がっていくんですね。フェイスブックのページに運営方針的なことを何か書かれていましたっけ?
平井:何も書いてないんですよ。そこはちょっと気になっているんですよ。難しいんですよ。どうしましょうかね?
酒缶:まぁ、どなたかメンバーの方が、注意事項的なことを書くしかないんじゃないですか?今後、いろんな方が入ってくるページなので、単純なレベルだと誹謗中傷的な書き込みに対する注意とか必要だと思います。
平井:そうですね。そこは早急に対応しましょう。
酒缶:現状、メーカーさんで、賛同をされているところとか、お話が来ているところとかはありますか?
平井:ユーザー同士が盛り上がってくれるのは嬉しい、という反応はありますけど賛同とかはないですね。ただ、業界とか雑誌社とかと一緒に何かをやるということは、ないですね。
酒缶:ないんですか?
平井:ないですね。ユーザーだけの協会ですから。ここにメーカーさんが入ってきて何かする、ということはないです。でも、そこの線引きはどうしたらいいんやろう、というところで悩んでいます。例えば、ゲーム大会をするのに沢山モニターが必要になった時に、メーカーさんにモニターを借りるとか。ゲーム機のハードをメーカーに借りたら癒着とか言われても意味がわからないですよね。ツッコミを入れる方も、その辺はちゃんと言ってほしいんですけどね。
酒缶:今のところ、メーカーさんと組んでやるようなイベントというのは…。
平井:ないですね。そんなことになったら、一回また聞きますけどね。「酒缶さん、こんなこと言われてますけど、どうなんですかね?」って(笑)。
酒缶:ボクに言うんですか?
平井:そうそうそう。
酒缶:会員じゃなくてボクなんですね(笑)。
平井:会員にも言うけど、「これどうなん?」「業界的には?」って。
酒缶:なるほど。その辺りのことも、今後実際の案件が出てから考えようというスタンスなんですね。
平井:ちゃんとやりたいんです。公式として、誰にも怒られることがないような形でやるのが一番いいですよね。
コンサルとは、人に「このゲーム、面白いよね」と伝えること
酒缶:公式サイトにメンバーというページがあって、いろんな方の名前と好きなゲームが書かれていて、ツイッターアカウントやフェイスブックページへのリンクが貼られていますけど、あの方々はどういった方なのですか?
平井:この協会を運営している側の人間ですね。僕一人では運営を出来ないので、お手伝いをしてくれる人たちです。
酒缶:それでは、メンバーのところに名前のある方々が裏方、というか、サイトを作るなり色々な作業をされている方々、ということですか?
平井:色々と手伝ってくれる、ボランティアメンバーみたいなモノですね。
酒缶:協会を設立した後、メンバーが少し増えているような気がするんですけど…。
平井:ちょっと増えています。「お手伝いしますよ」という方が来てくれたので、「ゲーム、好きなの?」と聞いたら「好きやで」、「どんなゲームやってんの?」と聞いたら「こんなゲームやってんね」というので「マジでー、そのゲームの面白いところを教えてよ!」と言いながら「何かあったら手伝ってくれるの?」と言ったら「手伝うで」みたいな感じでメンバーが増えています。なんやろなぁ、同好会に近いんですけど、協会と言っちゃったみたいな。
酒缶:「協会」という言葉が硬いかな、という印象があります。
平井:そうなんですよね。でも、協会って誰でも作れるもんじゃないですか。だから、協会でいいんじゃないの?という感じで決めました。「アメザリ平井の日本ゲームユーザーきょうかーい!」と言うと、だいぶ柔らかくなります。
酒缶:確かに、「アメザリ平井の」と付けるとだいぶイメージが変わりますね。
平井:「みんなで盛り上がろう!日本ゲームユーザー協会」とか。結局、雰囲気なんですよね。サイトも硬いビジュアルで見せているので。
酒缶:多分、硬いビジュアルと何をやっているかわからないということから、勝手に色々と想像されてしまっているところがあるんじゃないですか?
平井:弁護士さんも入っているし、業務内容もマジメに書いたので、更に硬く見られているところはあります。
酒缶:今後、柔らかいイメージにしていく予定はありますか?
平井:いや、最初から柔らかいので。業務内容にコンサルとか書いてあるんですけど、今のところ、コンサルにあたるのは、人に「このゲーム、面白いよね」と伝えることだし。
酒缶:メーカーやディベロッパーに対するコンサルではなくて?
平井:と、みなさん勝手に大きく考えてもらっているんですけど、今のところ出来るコンサルティングは友達に「これ面白いで!」というコンサルティングしかできないんですよ。「コンサルってなんやねん!」って全然ツッコミどころ満載なんですけど、「いや、友達に伝えるのってコンサルティングじゃないの?」みたいな。
酒缶:業務内容には、「品質評価業務」、「資格制度の創立、運営、認定」、「調査、研究活動」、「社会への提言」……と、硬い言葉が並んでいますけど。
平井:資格制度の設立は、「ゲームクイズを作ろうや! ランクとか作れるじゃん」という話が出ています。
酒缶:クイズのサイトとかブログパーツとかありますけど、そういうモノの延長線上にある…。
平井:実際に書くとそうなるんです。
酒缶:(笑)。それ、サイトの方で具体的な例を入れておくとだいぶイメージが変わってきますよ。社会への提言、というのも、社会、というよりはユーザー間の提言ですよね。
平井:そうですね。あとは、ユーザー同士で盛り上がったモノはこういうモノなんだよ、というのを伝えたいという理念があります。
酒缶:日本ゲームユーザー協会の認定する面白ゲーム、みたいな提言ですか?
平井:どちらかというと、「ゲームユーザーは今、こういう風に思ってゲームをしているよ」というのを伝えるだけです。「このゲームが推しだよ」と言えるかもしれないし、沢山の人が推せば信憑性が高くなるんですけど、日本ゲームユーザー協会認定、というのはないですね。
酒缶:「調査、研究活動」は、Qzooを利用したアンケートですか?
平井:そこで色々と聞けば、数字を出せるので。これは友達が手伝うと言ってくれたのでやっています。
酒缶:「ゲームの目利きはゲーム機コアユーザー!?」というプレスリリースを出されていましたけど、これは日本ゲームユーザー協会と株式会社ゲインの連名になっていましたよね。この株式会社ゲインがメンバーになっているお友達の協力ということですか?
平井:協力してくれているんです。
酒缶:これこそ、実際に目に見える形の運営ですよね。
平井:そうですね。これが今一番わかりやすいところです。
酒缶:この調査期間は、日本ゲームユーザー協会が設立される前ですけど、協会が設立された後で発表することを前提にアンケートを取っていたんですか?
平井:ずーっと、アンケートを取っていたんですね。ゲインさんがお持ちになられているQzooの会員でゲームをやっている方々を対象にアンケートを取ったら、そういう結果が出ました。
酒缶:Qzooのサイトにあるアンケート結果は表だけが出ていて、日本ゲームユーザー協会のサイトには要約が入っていますけど、この資料をまとめられているのはゲインの方なんですか?
平井:そうなんですよ。要約は、メンバーが数字を読み取って書いているので、ゲームを好きな人目線から見るとこうなるんだ、ということがわかりやすく説明出来ているかな、と。
酒缶:現状はQzooの会員へのアンケートになっていますけど、今後、日本ゲームユーザー協会の認知度が上がって、人が集まってくると、ゲーム好きの人の母数が増えていきますよね。
平井:そうなんですよ。アンケート結果が変わってくるかもしれないですね。
酒缶:協会にとって、メンバーというのは運営する方々のことですけど、一方で、会員はどのように募集されるのですか? サイトに会員化の準備をしていることが書かれていましたけど、サイトで会員登録を出来るようにされるのでしょうか?
平井:そういうのをちゃんとしたいと思うし、そうするとアンケートの数字も信憑性が増すんですけど、登録サイトを作りにしてもお金が掛かるので、もうちょっと後でもいいかな?という感じです。まだ何もやれていないのが実情です。
久しぶりに並んだら、ものすごくワクワクしました
酒缶:Wii Uを買うために秋葉原のヨドバシカメラで発売日に並ぶというイベントをされていましたよね? 12月8日は6時くらいに並ぶようなことを、前日にツイートされていましたけど。
平井:前の日から並ぶのは、みんな無理だろうと。協会のメンバーの中から並ぶ人を募り、運営のメンバーが日本ゲームユーザー協会のTシャツを着て並びました。そういう感じでゲーム機を盛り上げようというイベントです。
酒缶:早い人は、前日の9時くらいから並んでいたようですけど。
平井:並んでいましたね。予約しているのに並んでいる子がいました。やっぱり、早く持って帰ってやりたいんでしょうね。子どもに「Wii U買ってきてくれなきゃやだ!」と言われて並びに来たお父さんが後ろに居られて、整理券を配られた後で、「皆さんのおかげで並んでいる2時間、飽きずに済みました」と言われたり。
酒缶:ヨドバシはWii Uの発売日は8時オープンだったので、2時間なんですね。
平井:まぁ、言うても2時間なんですけど、寒かったので、みんなでコーヒー買いに行って、そのお父さんにあげて、「お金は私が出します」「いや、大丈夫ですよ」とか。
酒缶:(笑)。だいぶ仲良くなられたんですね。
平井:周りの人たちみんなと仲良くなりましたよ。なんかそんなのが良かったんですよね。そんな協会なんですよ(笑)。
酒缶:並んでいるときに、協会に対して何か反応がありました?
平井:「並ぶんですか?」って言われました。
酒缶:(笑)。そういうところでチラシとか配れれば、もっと認知されるのかな、と思ったんですけど。
平井:だから、バッジ作ったんですよ。「今、バッジって安いでんな。お金誰出す?」って、みんながポケットからお金を出して、「俺、1000円あるわ。足りるよね?」って。
酒缶:平井さんがいろんな方にお会いする際にバッジを渡しているんですか?
平井:渡していたんですけど、もうないんですよ。作ったその場で、「俺、これだけ頂戴!」「お前取り過ぎやろ!」ってみんなで取りあったし、いろんな人にあげちゃったので。
酒缶:今回はWii Uの発売で並びましたけど、今後もまた並んだりするんですか?
平井:一番わかりやすいのは、「モンスターハンター4」ですよね。それ以外でも、「このゲームが面白いよ」というゲームが出てきたら、並びに行きますよね。どこでもそんなに取り上げられてなくても、面白いゲームがあれば。
酒缶:その場合、並ばなくても買えるような気がしますけど、それでも?
平井:わざと並んで盛り上げていこう、とか、そういうのをやりたいですね。
酒缶:でも、ゲームを盛り上げるには、並ぶのがいいんですか?
平井:ま、わかりやすいですよね。
酒缶:並ぶというのはどういうメリットがありますか?
平井:並ぶメリットですか?
酒缶:並ぶことによって盛り上がることのメリット。
平井:多分、並んでいる本人が一番楽しいんだと思います。今回、ゲームの発売日に久しぶりに並んだんですよ。この年になると、全然並ばないじゃないですか。久しぶりに並んだら、ものすごくワクワクするんですよ。何でこんなに楽しいんだろう、って。
酒缶:でも、夜中から並んでいた人は、買って帰ったら疲れて寝ちゃうんでしょうけど。
平井:寝ちゃうんですよ。これ、大人のイケないことですけど。へとへとですよ。でも、並んでいるときに色々と喋ったりしているのは楽しかったですね。
酒缶:普段は友達とか身内の人としかゲームの話を出来ないけど、並んでいると、知らない人と気軽にゲームの話ができますからね。
平井:そうなんですよ。ソーシャルネットワークなんかでも、ゲームの話は喋れるんですけど、直にだと、その人のキャラ設定みたいなモノが出てきて、お父さんが子どものために並んでいたりとか、そういうのを見れるのはすごくコミュニケーションが出来て楽しい瞬間ですね。
酒缶:ゲームを盛り上げるという部分では、まず自分の気持ちを盛り上げるという…。
平井:自分の気持ちは盛り上がっていってますね。「お前、忘れてるんじゃないのか!昔、ファミコンのカセットを買いに行っていたころを!」みたいな。そんな感覚もあります。
酒缶:ちなみに、Wii Uのゲームは何を買いました?
平井:僕は「ゾンビU」です。すごかったですよ。いきなりゾンビに襲われて、何か知らんけど死にました。
酒缶:プレイヤーが操作するキャラが死ぬと、次のゲームでそいつがゾンビとして出てくるんですよね。
平井:出てきましたね。最初お兄ちゃんだったのに、死んだら急に女の人に変わっていて。クリケットのバットが置いてあって、それでゾンビを殴れって言われて、挟まっているゾンビの頭を叩かなくては行けなくて。
酒缶:僕もそこはやりました。これ、殴るの?って感じですよね。
平井:「いいのがあるだろ」ってGame Padが語りかけてくるじゃないですか。「このゾンビ、殴るんですか?」と思いながら殴るんですけど、上手いこと殴らないと当たらなくて。
酒缶:その部分だけ言うと、昔のゲームを彷彿させるところがありますよね。
平井:強引なチュートリアルみたいなヤツですよね。「こんなん殴らないとあかんのや」と思って。殴ったら、「よし、殴ったな。そこに背負ってあるリュックサックを持って行けよ、お前。必要だからよ!」と言われて、すっげえ強引だな、と思って…やりましたけど(笑)。
酒缶:そういうことをどんどん伝えないといけないんですよね。
平井:そうなんですよ。でも、言うほどやれてないので、もうちょっとやってからお伝えします。レビューとして。あと、やり終わってからレビューしようぜ、という話も出ていますね。やってもないのにレビューするな、とか。
酒缶:フェイスブックの方のページでは、基本、昔遊んだゲームを話していることが多いですけど、今後はそこに新しいゲームが入っていく?同じページで全部運営されるんですか?
平井:今は、ですね。でも、今後、絶対分かれていくと思います。
酒缶:多分、どんどん流れて行っちゃいますよね。
平井:強烈なスピードじゃないですか。タイムラインなんで、その辺も考えていかなきゃいけないな、と思ってますけどね。
酒缶:じゃ、あそこの「ゲームについて熱く語る会」の中で枝葉ができると言う感じなんですか?
平井:ですね。出来ていくんとちゃいます? このままだと、僕が昔書きこんだやつとか見えないですもんね。そこはみんなで考えなあかんとこですね。
「よかったな」と言われるようなモノを作ってよかったなと思いたい
酒缶:イベントの話なんですけど、現状は何かイベントは考えていたりするんですか?
平井:ゲーム大会はやりたいんですよね。とか、普通にMiiがすれ違うだけでもいいかな?みたいな話もしています。「この辺りですれ違いましょう」みたいなことでもいいですし、そんなことができればいいかな、と思っています。
酒缶:ゲームが一つ挟まっていて、何かのイベント、コミュニケーションが取れればいいですね。
平井:それが基本だと思います。
酒缶:一方で、平井さんは今年2回、「アメザリ平井のゲームライブ」を行っていますよね。
平井:そうなんですよ。また、来年の2月の後半にやります。
酒缶:4月と8月にやっていて、今度が2月ですか。ところで、このゲームライブと日本ゲームユーザー協会には、関係があるんですか?
平井:全く別ですね。
酒缶:でも、今度は会長として初めて出るイベントになるのでは?
平井:そうですね。ややこしいですね。会長として出るので、まぁ言われますよね。サイバーコネクトツーの松山さんに、「なんやあれ!何の会長やねん!お前!」って言われますけどね。
酒缶:過去にゲームライブを行った時には、日本ゲームユーザー協会を作ることを意識していました?
平井:元々関係ないですね。自分の意志の中では関係あるんですけど…。ゲームライブもゲーム業界を盛り上げるためのイベントですから、そういう意志は一緒ですけど、方法が違う、というだけで。
酒缶:日本ゲームユーザー協会のイベントがあるとしたら、ライブではなくて、ゲーム会やゲームを買いに行くようなイベントになるんですね。
平井:その辺りをやっていきたいし、それが動画で配信できるんだったら配信もしてみたいですね。
酒缶:逆にいうと、動画単体の配信もあり得ますか?
平井:あり得ると思いますよ。
酒缶:その方が、イベントを何かするよりは環境的には…。
平井:楽ですよね。あとは許可取りだけですよね。
酒缶:わかりました。ちなみに、直近で日本ゲームユーザー協会の予定って何かありますか?
平井:近々は……何もないなぁ。
酒缶:とりあえず年末年始はゲームで遊ぶことくらいですか?
平井:まぁ、一番ありがたいお言葉ですよね。年末年始、ギャンギャンゲームしたろうと思ってます。今まで以上にゲームしたろう思ってます。
酒缶:(笑)。協会の外に何かを発信するのではなく?
平井:何かを伝えるために遊ばなあかんわ、言うて。
酒缶:これから何かが決まっていくけど、オフィシャルにはすぐに何かあるわけではないということですか?
平井:ないですね。今は、ゲーム好きな人をちょっとずつ集まってほしいな、という感じですね。
酒缶:今後、日本ゲームユーザー協会をどのようにしていきたいですか?
平井:まぁ、人がたくさん集まってくれて、僕らに関係なく勝手に盛り上がってくれるのが一番いいですし、ゲームに対する日本人の考え方を海外の人にもわかってもらう、ということもやりたいですね。伝える作業はちょっとずつ行っていきたい。と、もう、面白おかしくしかないですよね。
酒缶:でも、会員を増やすシステムのあたりはまじめにやらないと…。
平井:やっていきますよ。裏では真面目にさせてもらうんですけど、基本的にはみんなが楽しめるところが作れて、「よかったな」と言われるようなモノを作ってよかったなと思いたいですね。ややこしい言い方ですけど。
酒缶:現状の活動の母体はフェイスブックの「ゲームについて熱く語る会」ということになりますよね。
平井:今はフェイスブックが母体になってますけど、今後はサイトにもしていきたいです。
酒缶:公式サイトの機能を充実してほしいですよね。Wii Uを買うために並んだことの活動レポートを公式サイトに載せていくとか、メディアとまでは言わなくても、活動報告みたいなことは今後サイトに掲載していく予定はありますか?
平井:それがメディアになるかと言えば、なるかもしれないですけど、そういう報告も載せていきたいですね。どこに載せるべきか考えてやっていきますけど、そこは悩みどころですね。こういうことをしました、というのは貯めて行けるようにします。
酒缶:わかりました。では最後に、全国のゲームユーザーに向けて、メッセージをください。
平井:やっぱり、ゲームユーザーに対して言いたいことは、どんどんゲームをして下さい。みんなで、コミュニケーションを取りましょう。あとは、いがみ合うのは止めようぜ!
酒缶:遊びたいゲームで遊んで、面白いって言っているのが一番いいですよね。
平井:一番いいですね。
酒缶:自分が遊んでないゲームについて変なこと言ってもしょうがないですよね。
平井:遊んでから言う、ゲームを買って遊んでから言う。それの方がわかりやすくない?と思うので…偉そうなことを言っているとまた何か言われるから…ま、どっちみちええわ。どうせ言われるやろう、言うて。とにかく、ゲームで遊びましょ。
酒缶:平井さんの思いが上手いことゲームユーザーの方々に届けばいいですよね。本日はありがとうございました。
訪問後記
テレビゲームを盛り上げたい、という話はよく聞くけど、組織を作って動き出す人をこれまで見なかったため、平井さんの行動力には感服しました。まだ見切り発車に見えることは否めませんけど、一番難しい立ち上げの部分が終わっているので、今後は軌道修正をしながら、テレビゲームを盛り上げていってもらいたいです。個人的にも、何か協力できることがあれば、積極的に協力したいと思っています。今回の日本ゲームユーザー協会の設立が、多くのゲーム好きな方々が色々な形でゲームを盛り上げることのきっかけになれば、面白いですよね。
日本ゲームユーザー協会 http://jgua.org/
ゲームについて熱く語る会 http://www.facebook.com/groups/455855107790590/●インタビュアープロフィール
酒缶(さけかん)/ゲームコレクター
1万本以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。ニンテンドードリームにて「酒缶が訪う」連載中。最新作は3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」。
■公式サイト「酒缶のゲーム通信」
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