スクウェア・エニックスは12月26日、「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」αテストの生実況や、新情報発表を行う「新情報初公開!吉田プロデューサーと生実況!ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼアα版」をニコニコ生放送にて配信した。

番組では、生放送ディレクター兼生主のひげおやじ氏をはじめ、ニコニコ動画管理人のひろゆき氏、「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア(以下、「新生FFXIV」)」のプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏が出演し、αテストをプレイしつつ使用するPCのスペック別の動作比較や、ゲームに関するトークなどを行った。

また、プロデューサーレターLIVEでもお馴染み、新装備をしたキャラクターのモデリング公開といった情報出しも行われたので、当日の模様をお伝えしていこう。

放送の始めは、吉田氏とひろゆき氏によるトークが中心に進行していった。まず、「新生FFXIV」がCore 2 DuoのCPUでも動くように開発している理由について触れられると吉田氏は、「グローバルで見ると、Core 2 Duoが現役な国がかなり存在します」コメント。日本では新しく発売されるPCにはCore iシリーズが搭載されていることが多いものの、各国の事情も鑑みて開発しているようだ。

実際にαテストをプレイしている割合は、日本と海外ユーザーがほぼ5:5の割合だというので、日本だけの事情を見ればいいという訳ではないのだろう。ひろゆき氏からは「(今あるCPUでプレイしようとする人が)ゲームにお金を払うんですか?」と、経営側の視点からツッコミを入れると、「例えば月に1000円払い、30日24時間いつでも遊べると考えれば、ほかのゲームより安いと思う人も多いです」と回答した。

(写真左から)ひげおやじ氏、ひろゆき氏、吉田直樹氏

次に「ファイナルファンタジーXIV(以下、「旧FFXIV」)」から「新生FFXIV」へ移行してきた大まかな説明が行われると、ひろゆき氏は「普通だったら『ファイナルファンタジーXV』作りますよね」と正直な感想を述べる。吉田氏も「僕もそう思いますが」と一部では同意を示すものの、25年続いてきた「ファイナルファンタジー」シリーズの歴史をこれからも続けていくうえでは、「旧FFXIV」で失った信頼を「新生FFXIV」で取り戻すことが重要で、引き下がるわけにはいかないと力強く答えた。

この後は、吉田氏が番組に持ってきたお土産のひとつとして、αテストでプレイできるインスタンスダンジョン「タムタラの墓所」のプレイ動画が公開された。

吉田氏からは、「新生FFXIV」のダンジョンはファミコンやスーパーファミコン時代の「ファイナルファンタジー」のような、ギミックを解いて進めていけるタイプになっていることや、要所要所に中ボスのような存在が待ち受けているなど、本動画についての解説が加えられた。

また、海外では「ケアル」のようなシリーズでお馴染みの魔法が、どのような名前になっているのかという話題も展開。作品によって表記は異なるようだが、「ケアル」は海外版だと、ケアルと読めそうなスペルの「キュア」になっているとのこと。「ファイア」「ファイラ」といったように語尾が変わっていくのものは、「ファイナルファンタジーIII」であれば「ファイア」「ファイアII」のようになるが、タイトルによっては違う名称になる場合もあるという。

続いては、実際に「新生FFXIV」をプレイして、グラフィックや動作状況を見る、PCスペック別の比較コーナーへと移っていった。使用されたPCの構成は以下の通り。

  ハイスペックPC ミドルスペックPC ロースペックPC
CPU Core i7 3.5GHz Core i5 750 2.66GHz Core 2 Duo 3.0GHz
グラフィックボード GTX680 RADEON HD5750 8800GT
OS Windows 8 Pro(64bit)

ハイスペックPCの場合、グラフィックを最高品質に設定し、なおかつ大量のαテスト参加ユーザーが集まっても快適な動作が保たれていた。ミドルスペックPCでも、大量に人が集まっている場面では若干フレームレートが落ちたものの、ほとんどカクつかず、動作が非常に軽いことが確認できた。

そしてロースペックPCでは、最高品質に設定するとさすがにカクカクしてしまうが、それでも問題なく起動。しかも、遠くのものは簡易表示にするLOD(Level of Detail)を有効にして、グラフィックの品質を一番下の「標準」に落とすと、やや重い感じは残りながらも、カクつきがなくなるほどの状態に。グラフィックボードの性能も重要ではあるが、実際にCore 2 DuoのPCでも動作することを実演して見せた。

LODが有効だとキャラモデルが距離によってローからミドル、そしてハイへと順に変わっていくとのこと。
世界観が壊れないよう、いい意味でごまかしながらモデルが移り変わるようになっている。

キャラクターの表示数にこだわるのは、例えば街中にモンスターが襲ってくるというコンテンツを実装した場合など、何百人ものプレイヤーで戦うといったことを実現させるためだという。また、一人でプレイしていても、周りで釣りや伐採をしていたり、戦闘のエフェクトが見えたりと、自分以外にも遊んでいる人がいることの、“何となくの安心感”を表現したいという考えがあるようだ。

グラフィックは正式サービスに向けて、さらにクオリティが上がることも明かされた。ベリーハイスペックPCで、より綺麗なグラフィックを楽しみたい人向けに、水の表現に関するオプションが追加される予定とのこと。

ここで吉田氏から、2つ目のお土産として、タッチパネル搭載のノートPCで、実際にタッチ操作によってゲームをプレイする場面が披露された。「できたてほやほやです」と言いながらも、タッチ操作でのカメラ移動や、アイコンのドラッグ&ドロップなどを実演した。

この開発を進めていた理由については、「世界中で、できるだけ多くの方に遊んでもらえるのが恩返しだと思っていますので、いろんな環境で遊べるように、あらゆるハードで遊べるようにすることを意識しています」と話す。ゲームの運営も10年、あるいはそれ以上を目指して取り組んでいると意気込みを語った。

この後は、スタッフも含めて4人で「タムタラの墓所」をプレイすることに。ダンジョンへ移動するまでの間には、「アニマを廃止してしまおうかなと思っています」と、吉田氏から思わぬ発言も飛び出した。テレポでアニマを消費する代わりにギルを使うことになり、遠い場所ほど値段が高くなるシステムが予定されているようだ。

タムタラの墓所の前にいる「異邦の詩人」は、キャラクターチームが吉田氏に「絶対に似ている!」と作ったNPC。
これを見たひろゆき氏は「オモシロ眼鏡をかけたみたい」とポツリ。
吉田氏も、似ていないと言うと「こだわっているじゃないですか」と思われそうで、リテイクを出せなかったとか。

なお、タムタラの墓所への移動中にサーバーが一度ダウンしてしまったのだが、αテストを通してサーバーダウンがあったのは4回だけだという。にも関わらず今回のような事態になったのは、生放送によるお祭り騒ぎの負荷が相当大きかったためだという。

ダンジョン攻略中は、弓術士のひろゆき氏が「最初に毒を入れて、次に暗闇にして、あとはヘビィショットを連打」という自身の戦略パターンを語るなど、だいぶαテストをプレイしていることが伺えた。吉田氏も、αテスト前から社内で朝から晩までプレイすることがあるようで、実際に自分で触って修正すべきところをリスト化し、それをスタッフらに渡していたという。

ちなみにこの実況プレイが行われたのはルイゾワサーバーだが、別のバハムートサーバーでは、街中にモンスターを出現させるという別のお祭り騒ぎも起きていた。ゲームマスター(GM)がちょっと本気を出してモンスターをポップさせたものの、プレイヤーの強さにお手上げで、出現させたモンスターは倒しきられていた。

放送ではタムタラの墓所の中ボスを倒したところで、次はキャンプ・トランキルで大型モンスターの討伐が行われることに。移動中はアドオンについての話題になり、「新生FFXIV」ではリリースから半年後を目安に、プレイヤーが自由にプログラムを書いてUIを作り、それをアップロードできるツールを配布予定であることが明かされた。

生放送では「丸投げでは?」と言うコメントも見られたが、運営側で全体ルールにした方がいいと思ったものは禁止したり、あるいは全プレイヤーに向けて提供する場合もあるとのこと。詳細が出るのは正式サービス以降になりそうだが、現時点でも、例えばHPが20%を切ったら別のアカウントのキャラクターが回復魔法を唱えるといった、いわゆるロボットのような動きは禁止にすると話していた。

キャンプ・トランキルについたところで、モンスター討伐前に3つ目のお土産として、開発から奪ってきたという画像が公開された。甲冑師や裁縫師の最終装備を始め、βテストのフェーズ1から使えるヒューラン女性、ルガディン女性の初期装備、ミコッテ男性など、宣伝担当のスタッフが慌てるほどいろんな画像が映し出された。

チョコボのヒナやボムは、「ファイナルファンタジーXI」にもなかった新しい仕組みに関わるものになるという。
ただし成長要素には絡まないので、過度な期待はしなくても大丈夫だとか。

最後は、唯一奪ったものではなくスタッフに「持って行ってください!」と渡された画像として、ミコッテ女性の後ろ姿が公開された。これはアニメーション班でお色気担当のスタッフが作ったもののようで、「新生FFXIV」は開発の各パートにこういったスタッフがいてできているとコメントした。

一見すると穿いていないように見えるが、ちゃんと穿いていることは吉田氏自ら確認したとのこと。

情報公開の後は、アダマンタスとデュラハンという巨大モンスターをαテスターと共に倒すお祭り騒ぎが展開。このとき、キャンプ・トランキルには約1000人のプレイヤーが集まっており、出現したレベル30のモンスターはたちまち倒されてしまうという事態になってしまった。

すると、「全滅したいですか?」と挑戦的なコメントをするGMが、なんとレベル50のモンスターを3体出現させた。すかさずプレイヤーたちが一斉に攻撃するも、あまりにも減りが遅いモンスターのHPバーと、次々に倒されていくプレイヤーたちで溢れかえるフィールドという、なかなかに混沌とした状況が繰り広げられた。

妙な盛り上がりを見せるゲーム内だが、番組の最後にはβテストの展開に関する情報も公開された。まず、「旧FFXIV」で3ヶ月以上課金したレガシーアカウントのユーザーは、βテストのフェーズ1から、応募をせずとも全員参加できるとのこと。レガシーではないがαテストに当選した人は、サーバーの状況を見ながら早めに、優先的にプレイできるようにするという。βテストに当選した人の中で、PS3版のβテストも希望する人は、PS3版にもすぐに参加できるようになる。

「旧FFXIV」のアカウントを持っていれば最初からβテストへ応募することは可能だが、フェーズ3の段階になったら、無条件で全員当選となることも明かされた。「ファイナルファンタジーXIII」に封入されていたPS3版βテスト優先参加権も有効なので、そちらを持っている人は優先的に抽選される。

なお、βテストへの応募受付は2013年1月上旬、フェーズ1の実施は2013年2月中旬予定となっている。現在、プレイヤーズサイト「The Lodestone」でβテストのロードマップが公開されており、詳細なスケジュールやβテストの目的やプレイできる範囲などが確認できるので、気になる方は一度チェックしておこう。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

コメントを投稿する

この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー

関連ワード
  • 吉田直樹
  • 取材