フロム・ソフトウェアとバンダイナムコゲームスは、PS3/Xbox 360/PC用ソフト「DARK SOULS II」の記者発表イベント「Global Gamer’s Day in JAPAN ダークソウルII プレスカンファレンス」を、バンダイナムコ未来研究所にて開催した。
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フロム・ソフトウェアとバンダイナムコゲームスが贈る「DARK SOULS II」は、2011年に発売され、国内外で数々の賞を受賞した本格アクションRPG「DARK SOULS」の続編となる作品だ。
今回開催されたイベント「Global Gamer’s Day in JAPAN ダークソウルII プレスカンファレンス」では、まだ謎の多い本作のコンセプト説明から、初公開となる開発実機によるデモンストレーション、さらにシリーズをやり込んだ大ファンであるというお笑いコンビ「麒麟」によるトークセッションなどが実施されたので、余すところなくお伝えしよう。
今回も心が折れるほどの死が体験できる
カンファレンスではまず、フロム・ソフトウェアの専務取締役・中島英一氏が登壇し、簡単な挨拶を行った後、前作「DARK SOULS」の販売実績が語られた。「DARK SOULS」は、日本ではPS3で発売され、37.5万本という販売本数を記録。また、海外ではPS3に加えXbox 360でも発売され、約130万本を販売。合計で160万本を超えるヒット作となった。
そして、2012年に発売された「DARK SOULS with ARTORIAS OF THE ABYSS EDITION」は、全世界で約69万本を販売。すべてをトータルすると、230万本を超える実績になるという。
次に最新作「DARK SOULS II」の話題に移り、ユーザーが気にしている要素のひとつである、難易度について言及。中島氏によると本作は前作同様に、多彩な死を体験できるとのことで、「今回もユーザーさんには心が折れるくらいに死んでもらうので、覚悟しておいてください」と語っていた。
そして、発売時期などの商品情報も改めて紹介された。既報の通り、本作はPS3・Xbox 360・PCの3機種で発売。販売は前作と同じく、日本ではフロム・ソフトウェア、海外ではバンダイナムコゲームスが担当する。また、気になる発売日や価格については、E3以降に発表予定とのこと。さらに、ユーザー向けの体験会が開催予定であることも発表された。
続いて、フロム・ソフトウェアの「DARK SOULS II」ディレクター・谷村唯氏が登壇し、開発時のコンセプトポイントが紹介された。
「DARK SOULS」シリーズは2つの大きなコンセプトがあると谷村氏。まずひとつ目は「苦難を乗り越えたときの達成感」。そしてもうひとつは、苦しみをほかのプレイヤーと共有する「緩い繋がり」だという。谷村氏は「本作でも2つのコンセプトは揺るぎない信念として受け継がれている」と述べていた。
この話を踏まえたうえで、いよいよ本邦初公開となる、開発実機によるデモンストレーションが公開に。本作は特に表現力の向上を目指したそうで、グラフィックスエンジンも一から作り直したという。そのおかげもあって、光と影の表現なども強化され、前作以上に没入感のある世界が出来上がっている。また、モーションキャプチャーを導入したことにより、人物の動きもよりリアルになっている。
ダンジョンは縦方向への広がりを持つものが多く、また、通路は複雑に入り組んでいるという。これは、前作以上に多彩な攻略法を提供するためだという。谷村氏いわく「ユーザーさん同士で『この道とこの道が繋がっていた』といった情報交換を活発にしてもらいたい」という狙いもあるとのこと。
次に谷村氏は、前作から引き継がれた要素と、本作から新たに取り入れられた要素の紹介を行った。まず、前作でプレイヤーの貴重な休息の場として登場した「篝火」は本作にも登場。また戦闘システムに関しても基本は同じで、シンプルかつ、相手との駆け引きも楽しめる奥深さは健在だという。
一方、本作から新たに追加された要素として松明が存在する。デモンストレーションでも早速松明を使い、暗闇の中を探索する場面が公開されていた。また、敵が投げてきた大型の斧を、武器の攻撃で叩き落とすなど、新たなアクションもあるそうだ。こちらもデモンストレーションで紹介されたが、叩き落とすことに失敗してしまい、斧がプレイヤーキャラクターに命中、そのまま死亡してしまう一幕も。
そして、プレイヤーの行動に対する敵のリアクションが豊富になったことも本作の特徴であると谷村氏。例えば、敵の背後から攻撃を試みると、バックドロップで反撃されたり、扉越しに攻撃すると、その扉を破壊して突進してきたりする。前作ではセオリーだった攻略法が通用しない敵も数多くいるようだ。
続いて紹介されたマップは、過去に竜の研究が行われていたという施設。ここには巨大な竜の骨があり、アイテムを取ろうとすると骨が動き出し、プレイヤーに襲い掛かってくる。これも敵のリアクションのひとつだそうで、マップ全体を使った大掛かりな仕掛けも存在するとのこと。
またこのマップは、序盤はほとんど敵が登場しない、一風変わった構成になっているという。プレイする際は、敵がいつ、どこから登場するのか分からない、緊張感を味わうことになるだろう。
多くの人に楽しんで死んでもらいたい
次に谷村氏から、「DARK SOULS」シリーズには欠かせない、「死」に関する情報が語られた。まずは、トレーラーにも登場するダンジョン「竜の祭祀場」というダンジョンで遭遇する可能性のある「死」が公開された。このダンジョンには無数のワイバーンが飛び交っており、巨大な吊り橋を渡ろうとするとワイバーンに襲撃され、瞬く間に振り落とされてしまう。
続いては「拷問場」におけるシチュエーション。ここでは薄暗い通路を歩いていると、突然ボスキャラクターが乱入してきて、なす術なく殺されてしまう。このダンジョンに限らず、本作では「ダンジョンの最後にボスがいる」という、定型化されたRPGのルールを崩し、思わぬところでボスに遭遇するパターンもあるそうだ。ちなみに、乱入してきたボスに反撃して、その場で倒すことも可能だという。また谷村氏によると、二手に分かれている道に、それぞれ別のボスが待っているなど、変則的なダンジョンも用意してあるとのこと。
さらに、シリーズではおなじみの「ジェスチャー機能」だが、使い方を間違えるとモンスターに襲われてしまうこともあるそうだ。
最後のまとめとして谷村氏は、「死の多様性」を重視して開発に臨んでいると改めて強調。いかにして、ユーザーさんに楽しんで死んでもらうかを念頭に置いているという。開発チーム内では「誠実に殺す」というテーマを掲げて開発を進めていると語っていた。
今回もシールドデザインコンテストが開催!「DARK SOULS Cafe」の出店も決定
次いで、フロム・ソフトウェア 宣伝部 部長・小倉康敬氏が登壇し、「DARK SOULS II」のプロモーション施策を発表した。
まず、前作に引き続き今回も「シールドデザインコンテスト」の開催が決定。これはユーザーから盾のデザインを募集し、優秀な作品に選ばれると、ゲーム内に装備品として実装される。さらに、実際の盾として製作され、受賞者に贈呈することも明かされた。エントリー受付期間は本日4月12日から、5月14日までの約1ヶ月間となっている。
このキャンペーンは全世界共通で行われるもので、日本では1種類2作品、海外では2種類4作品が採用される。
そして2013年秋に、フロム・ソフトウェア初の試みとなる「DARK SOULS」公認カフェを期間限定で西麻布に開店することも発表。こちらではゲームをモチーフにしたメニューが展開される予定とのことで、スクリーンにはエスト瓶のドリンクや、黒竜・カラミットの腕を再現した料理などが映し出されていた。
シリーズの大ファンであるというお笑いコンビ「麒麟」によるトークセッション
ここからはスペシャルゲストとして、本シリーズの大ファンだというお笑いコンビ「麒麟」の、田村裕さんが登場。小倉氏も交えてのトークショウが行われた。
川島さんは前作「DARK SOULS」を最後までクリアしたものの「仕事よりも辛い経験でした」と、率直な感想を漏らしていた。また、プレイ中は思わず力が入り、コントローラを壊してしまうエピソードも披露していた。
田村さんは途中で心が折れてしまったファンの一人だという。そんな田村さんだが「簡単に死んでしまうんですけど、操作はすごくシンプルで、アクションゲームが苦手な僕でも充分楽しめるんです」と、シリーズの魅力もしっかりと語っていた。
「印象に残っているシーンは?」という質問に対して田村さんは、ゲーム序盤の城下不死街に登場する、赤い飛竜を挙げていた。赤い飛竜は近づこうとすると炎を吹きながら突撃してくる強敵で、誰もが苦しめられる存在だ。田村さんもやはり苦戦したそうで「普通に歩いていたらもの凄い火が迫ってきて、度肝を抜かれましたね」と話していた。
一方の川島さんは、さまざまなトラップが仕掛けられたダンジョン・センの古城が特に印象に残っているという。川島さんは仕掛けを恐れるあまり、慎重になりすぎて、攻略に何日もかけてしまったとのこと。このような苦難を乗り越えてクリアした川島さんだが、その中でも心が折れた瞬間は何度もあったという。しかし「さまざまな攻略法があるので、ただ難しいだけではないんです」と、絶妙な難易度を絶賛する場面もあった。
また、芸人仲間にも「DARK SOULS」のファンは多いそうで、例えばお笑いコンビ・しずるの池田一真さんは、普段はあまりゲームをしないにもかかわらずクリアしていたとのこと。
そして「『DARK SOULS II』に期待していることは」という話題に移ると、川島さんは「呪い攻撃はやめて欲しいですね」と即答。ただし、「優しくして欲しいわけではなく、意地の悪い部分もしっかり残してほしい」といった要望も出していた。
このコメントに対して小倉氏は「開発も『誠実に殺す』と言っていますし、そこに関しては期待してください」と返していた。
トークショウが終わると、バンダイナムコゲームス「DARK SOULS II」海外パブリッシングプロデューサー・南條智輝氏が登壇し、国内外における販売戦略を発表した。先述の通り「DARK SOULS II」は、フロム・ソフトウェアとバンダイナムコゲームスの共同開発となっているが、宣伝・販売に関しても強い協力体制を築き、前作以上にグローバルな形で展開していくと語った。
また南條氏は、「共同開発になっても、尖りのあるフロム・ソフトウェアらしさは健在ですので、ご安心ください」と述べていた。バンダイナムコゲームスとしても、フロム・ソフトウェアの魅力を最大限に活かすゲーム作りを心がけているそうだ。
そして最後に「私たちは『DARK SOULS II』をさらに多くのユーザーさんに届け、そして多くの死を楽しんでいただけるように頑張っていくので、よろしくお願いします」と語り、カンファレンスを締めくくった。