今年をクラウドゲーム元年に―橋本社長自らプレゼンテーションを行った「G-cluster」製品発表会の模様をお届け

橋本太郎氏

発表会では、ブロードメディア代表取締役社長の橋本太郎氏が登壇し、製品の紹介を行った。「G-cluster」は、自宅のテレビに繋ぎ、Wi-Fiに接続するだけでゲームが楽しめるというクラウドゲーム機。“端末本体とスマホ（スマートフォン）があればいつでも遊べる”をコンセプトに開発されており、専用のアプリをスマートフォンにインストールすることで、スマートフォンをコントローラとして使用することができる。

基本的な仕組みは、コントローラの入力信号が「G-cluster」を通じでサーバーに送られ、サーバー上のプログラムがその結果を映像化し、端末を通じてテレビに映し出されるという流れ。端末本体はあくまで信号やデータの出し入れに徹しているようで、橋本氏は「究極のシンクライアントだと思ってください」と述べた。

なお、ハイエンドなゲームの提供も視野に入れており、多くのゲームメーカーからも協力の提案があったことから、コントローラは専用アプリを使用したスマートフォンだけでなく、無線で接続するタイプであれば市販のゲームコントローラも利用可能となっている。製品のラインナップには、「G-cluseter」単体だけでなく、ゲームコントローラを同梱した「基本セット」もある。価格は「G-cluster」本体単品が9,980円、基本セットが13,800円（各税込）だ。

会場ではこれらの概要や価格と共に、発売日が2013年6月20日に決定したことも発表となった。5月30日からは、全国の家電量販店やインターネット（通販サイト）にて予約受付が開始される。

ゲームソフトの購入に関しては、本製品を起動した後のポータル画面から、ダウンロードして購入するのが基本的なスタイルとなる。価格は6月の発売当初は525円～2,940円（税込）の範囲となっており、一度購入したゲームは原則として1年間自由にプレイすることができるという。ソフト単品での買い切りのほか、約30タイトルが遊び放題の「月額500円プラン」（実際の価格は税込みで525円）も用意されている。

遊びたいと思った時にすぐ遊べるよう利便性を追求したため、ゲームディスクはなく、セーブデータもサーバー上に保存される仕組みが取られている。本体には記憶デバイスが入っていないため、友人宅や離れて暮らす家族や親戚などの家に「G-cluster」があれば、自分のIDとパスワードを使ってその場で遊ぶことも可能とのこと。

また今後実装予定の機能としては、麻雀のようなテーブルゲームを遊ぶする際にプレイヤーがそれぞれスマートフォンを持っていれば、個別に自分の画面を映してパーティープレイできる機能を追加していきたいという。こちらは2013年夏頃の追加予定となっている。

続いては、提供予定のタイトルラインナップの発表も行われた。ファミリー層向けには、ワーナー・ブラザーズの「LEGO Harry Potter Years 1-4」や、KONAMIの「ロケットナイト」「あにまるパズルキューブリック」「PC エンジン・ライブラリー」など、人気作品を題材にしたゲームや往年の名作などのラインアップがある。

新しいゲーム機が出たとき真っ先に興味を持つであろうユーザーをコアゲーマーとして位置付け、その層にはユービーアイソフトの「アサシンクリードII」「H.A.W.X.2」「Prince of Persia:The Forgotten Sands」、日本ファルコムの「イース I ＆ II クロニクルズ」が提供される。ライトユーザーには、囲碁や将棋、麻雀といったテーブルゲームを始め、ゴルフゲームといったスポーツ系などが用意されている。

発売当初は50タイトル程が提供される予定だが、参入を決めているゲームメーカーも多い。

販売台数に関しては、具体的な目標は出していないものの、来年の3月までには数十万台を見込んでいるとのこと。社員の合言葉として早期に100万台を達成したいという目標もあるようで、最後に橋本氏は「後から振り返れば、今年がクラウドゲーム元年だったと思えるよう、全社員で頑張っていきます」と意気込みを語った。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。