ガストは本日6月7日、コーエーテクモゲームス日吉本社において、PS3用ソフト「エスカ&ロジーのアトリエ ~黄昏の空の錬金術士~」の完成発表会を実施した。

本発表会では、ディレクターを務めたガスト 岡村佳人氏、キャラクターデザインの左氏、そして主人公の一人であるエスカ役の村川梨衣さんといった「エスカ&ロジーのアトリエ ~黄昏の空の錬金術士~(以下、エスカ&ロジーのアトリエ)」に携わった面々が登壇し、ゲームの紹介や制作にまつわるトークなどの内容で送られた。

「エスカ&ロジーのアトリエ」はガスト創立20周年記念タイトルとして展開

まず最初に、コーエーテクモホールディングスおよびガストの代表取締役社長を務める襟川陽一氏が挨拶し、本作が「アトリエ」シリーズの15作目であり、そしてガスト創立20周年を記念して発売されるタイトルであることを紹介。

自身が“シブサワ・コウ”として30年にわたって関わり続けている「信長の野望」シリーズが、先日発表された「信長の野望・創造」で14作目であることに触れ、20年間で15作にもわたって発売できたことに対するファンへの感謝を口にした。そして、本作では新たな試みとして、男女2人の主人公が登場することにも触れるなど、より幅広いユーザーが楽しめる内容になっていると述べた。

続いて、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア プレジデントの河野弘氏よりビデオメッセージが到着。「アトリエ」シリーズについて、第1作である「マリーのアトリエ」が初代プレイステーションで発売されて以来、プレイステーションプラットフォームを支えてくれたタイトルであり、現在でもプレイステーション3になくてはならないシリーズだという。

そして本作「エスカ&ロジーのアトリエ」についても、男女の主人公が登場することで遊びの幅が広がっているだけでなく、コーエーテクモゲームスの持つグラフィックのノウハウを活かしているということで期待を寄せており、本作だけでなくガスト創立20周年を盛り上げられるよう一緒に取り組んでいきたいと意気込みを述べた。

襟川陽一氏 河野弘氏

岡村氏がグラフィック、システムの進化などを紹介

次に本作のディレクター・岡村氏が登壇し、まずは先ほど紹介したとおり、ガストが創立20周年を迎えたことに対する取り組みについて説明。「エスカ&ロジーのアトリエ」が20周年記念タイトルのひとつとして発売されるほか、記念事業も予定しているという。詳しい内容については今後紹介していくとのことだ。

岡村佳人氏 ガスト創立20周年記念のロゴ

そのまま、実際のゲーム映像を通して本作の特徴について紹介。本作は、前作「アーシャのアトリエ ~黄昏の大地の錬金術士~(以下、アーシャのアトリエ)」から続く、黄昏シリーズの2作目として発売されるタイトルであり、正統な続編となっている。その最も大きな特徴として上げられるのが、エスカとロジー、男女2人の主人公からひとりを選んでゲームを進められることで、これによって同じストーリーをベースとしつつもエスカとロジー、それぞれの視点で物語が楽しめる。

この形式を採用した理由について岡村氏は、これまでの「アトリエ」シリーズには、「かわいらしい女の子が登場する、のほほんとしたRPGのイメージが強かったのではないか」と考えていたそうで、今回は男性の主人公を追加することで、一般的なRPGが好きで敬遠していたユーザーや男性主人公でもプレイしたいというユーザーに応えるようにしているという。

そして、主人公を変えたとしても基本的なゲームの進みは変わらないが、エスカを選んだ場合には全体的にのほほんとしたエピソードが描かれる一方で、ロジーを選ん場合には世界観に焦点を当てたイベントが発生するなど、それぞれのキャラクターのイメージに合わせたイベントが展開する。

続いて紹介されたのは、シリーズの醍醐味ともいえる調合システムについてだが、こちらは前作からのシステムを踏襲した材料の投入順やスキルが重要なシステムとなっている。前作では調合の自由度はあるものの、実際に自由にできるようになるまでが長いという意見があったことから、ゲーム開始から順次段階的に調合の仕組みを開示するにしたことで、プレイヤーは徐々に調合がより楽しめるようになっている。

また本作では、アイテムの調合をエスカが担当する一方で、ロジーには武器や防具といった装備品を作る錬成システムを用意し、役割が分担されている。もちろん、どちらの主人公を選んでも調合、錬成ともに楽しめる仕様となっている。

そのほかにも、過去作で好評だった強化効果(本作では潜力)の引継ぎもユーザーが任意でできるなど、ユーザーがより楽しみやすい仕様になっている点も特徴だ。

さらに本作では、コーエーテクモグループの自社エンジンであるKTGLにガストとしては初めて本格的に対応したことで、フィールドの空気感、グラフィックの描写などが大きく向上している。さらに、基礎部分の改善としてローディング速度が上がっているなどユーザビリティも向上しており、快適性という点でも大きく進化しているとのこと。

また、従来の探索ではアイテムを手に入れ、フィールドの敵を倒して先に進むという2つの要素がルーチンワークになりがちだったが、本作では手に入るアイテムや戦うモンスターなどをユーザーが選択することで、ユーザーが臨むさまざまな恩恵を得られるというシステム「フィールドイベント」を用意、ゲームのループをより楽しめるようになっている。

最後に紹介されたバトルシステムだが、本作では前作同様のコマンド入力によって行動を決定するコストターン制を採用しつつも、前衛3人、後衛3人の最大6人による入り乱れバトルとなっている。これはよりたくさんのキャラクターをパーティに参加させたいというユーザーの要望を反映したものとなっており、KTGLを採用したことで実現できた要素のひとつとなっている。

戦闘中は前衛、後衛のキャラクターが連続で行動したり、敵の攻撃をほかのキャラクターがかばってダメージを軽減するなどサポート要素を中心に、最大6人が連続で行動できるなどよりスピーディーで爽快な戦闘を実現しており、演出に関しても強化されている。

もうひとつのポイントとして、本作ではアイテムの有用性が強化されており、「アトリエ」シリーズ本来の楽しみ方であるアイテムの活用についても注力してゲームバランスを調整したことも紹介された。

なお、発表会後の質疑応答では、前作同様にBGMの切り替え機能をゲーム内に用意しているほか、ダウンロードコンテンツとしてキャラクターやイベント、さらにはコスチュームの展開も予定しているとのことだ。

ゲームに関する紹介については以上となるが、そのほかにもシリーズで初めて男女2人の主人公を採用し、本作のゲームシステムのベースにもなっている「マナケミア2~落ちた学園と錬金術士たち~」のPS2アーカイブスが、初回封入特典として封入されることを紹介。岡村氏はぜひこちらもプレイして、数年間のガストの進化、演出のレベルアップを感じてほしいそう。

なお、「マナケミア2」は「エスカ&ロジーのアトリエ」の発売に合わせてPlayStation Storeで1,200円で配信予定とのこと。そのほかのタイトルに関しても現在検討中とのことなので、こちらの情報にも期待したいところだ。

そのほか、発売前のプロモーションとして、6月12日13時30分よりコーエーテクモゲームスのコミュニティサイト「my GAMECITY」内で「アトリエ検定(アーシャ編)」を開催すると発表。岡村氏曰く、開発者でもわからないぐらいのコアな問題を取り揃えているそうなので、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。

エスカとロジーのデザイン等に関する制作話も

(左2人目から)村川梨衣さん、左氏
(左2人目から)村川梨衣さん、左氏

ひとしきりの紹介が終わったところで、岡村氏の進行で、左氏、村川さんを交えてのゲストトークへと展開。「アーシャのアトリエ」に引き続きキャラクターデザインを担当することになった左氏に対して、岡村氏は開口一番に「いろいろと苦労をかけた」とお詫びを入れると、左氏は前作で苦労した経験を活かして対応を講じたことで、よりスムーズに制作できたことを明かした。

そんな中でも主人公であるエスカとロジーについては何度もリテイクを繰り返し、エスカのデザインについては、アーシャと比べると少し元気な点を除けば細かい方向性が決められておらず、逆にいろいろなパターンを出してほしいとお願いされたそう。

エスカを演じた村川さんは、そうして出来上がったデザインを見た時に“ふわふわした女の子”そのままのイメージだなと思ったそうで、個人的にもピンクの髪型が好きということで“私の好きな女の子ど真ん中!”と元気いっぱいに表現した。

岡村氏はエスカの“シッポ”をはじめとしたアクセサリーについて言及、イベントシーンでもエスカの感情に合わせて動くそうでその点についても注目してほしいと話した。

一方、ロジーのデザインについては主人公らしいキャラクターにしたいということで、最初は主人公の特徴をつけないといけないということで熱血タイプにしてみたり、中二病のような影のあるようなデザインなどもあったそうだが、「アトリエ」シリーズの主人公のイメージとして、万人に愛されるキャラクターを目指してほしいとお願いして、現在のかたちに落ち着いたそう。

左氏はデザインのこだわりとして、結果的にスリムな体型になったことから、腰に布をつけてみたり、剣を下げられる部分をつけたりして、シルエットが普通になり過ぎないよう意識したという。

そんなロジーを村川さんはお気に入りなようで、話を振られると画面上のイラストを指さしながらその魅力を紹介。エスカにとってはお兄さん的な存在であるものの、心の中ではロジーがほかの女の子と仲良くしているのを見て、少し気になっていたと実際に演じた時の感想も話した。

石川界人さん
石川界人さん

さらに、当日会場には来られなかったロジー役・石川界人さんからのビデオメッセージも上映。台本の厚さと手にとった時の重さについて話す一方、現在19歳の石川さんにとって本作が初めてゲームの主役を務めたタイトルということで、思い入れの強いキャラクターだあるとも話していた。

最後に、「初めてだったアーシャの時とはまた違った緊張感を持っています」(左氏)、「初めて見た時からエスカちゃんを演じたいと思っていたので、選んでいただけて嬉しく思っています」(村川さん)、「発売までの残り1ヶ月近く、引き続き魅力的な情報を伝え続けていきたいと思います」(岡村さん)と、出演者からのコメントをもって発表会は終了となった。

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※画面は開発中のものです。

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