スクウェア・エニックスは、6月11日から13日(現地時間)に開催された「E3 2013」にて、iOS用アプリ「ブラッドマスク」を発表した。ここでは、本作のプレイインプレッションと、プロデューサー・市村龍太郎氏へのインタビューを紹介する。

「ブラッドマスク」は、人類がヴァンパイアに支配された「if」の世界のフランス・パリを舞台にしたシンプル&ダイナミックアクションゲームだ。、プレイヤーは呪われた血をもつヴァンパイアハンターの一員として、人類の敵・ヴァンパイアに立ち向かう。

本作の特徴の一つとして、カメラで撮影した写真を使って自分自身のキャラクターを作成できる点がある。キャラクターメイキングには、既存の写真や画像も使用可能で、非常に自由度の高いエディットをすることができる。また、写真を取り込んだあとに、性別や骨格を変えることも可能だ。ちなみに、自分の顔写真は3種類まで登録でき、イベントやバトルでの表情をより豊かにすることが可能だ。

戦闘では連続で画面をタップすれば立て続けに攻撃することが可能だが、相手の攻撃も容赦なく振りかかる。相手が攻撃してきた瞬間に、画面を左右どちらかにスライドすれば回避行動が取れるぞ。ボスモンスターになると回避のタイミングが分かりづらくなるが、成功すれば一方的に攻撃できるため、上手く使いたいところ。また、ネットワークを通じて、友達のハンターとパーティーを組み、共に戦うことも可能だ。

さらに本作には、美しいパリの街中を散策するアドベンチャーパートも用意されている。ここでは物語を進めるクエストを受けられるほか、時には戦闘に役立つアイテムを拾えることも。クエストやアイテムは、広大な街の至るところ散りばめられているので、戦闘の合間にぜひ探してみよう。

プロデューサー・市村龍太郎氏にインタビュー!

さらに今回は、本作のプロデューサーを務めた市村龍太郎氏にインタビューを行い、これまでに「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」や「超速変形ジャイロゼッター」などを手がけてきた同氏がなぜスマートフォンアプリを作ろうと考えたのかなど、さまざまな話を聞いてきたので、そちらの模様を紹介しよう。

――インターフェイスが格闘ゲームに似ていると感じたのですが、意識されたのですか?

市村龍太郎氏
市村龍太郎氏

市村氏:インターフェイスは何種類も作ったんですが、一番わかり易いのはシンプルなこの形になりました。見やすさでいったらこれ以上はないですね。

――中央に表示されているのは制限時間ですか?

市村氏:はい、制限時間が切れてしまうと時間切れでゲームオーバーになってしまいます。時間を延長する課金アイテムがあります。

――メインストーリーで何時間くらい遊べるんですか?

市村氏:テストプレイでガッツリ遊んで10時間くらいです。かなりうまい方だと思うんですけどね。ボリュームがある方だと思います。

――追加シナリオなどダウンロードコンテンツを配信する予定はありますか?

市村氏:売れたらやりたいなと思っています(笑)。世界観は作り込んでいて、まだまだ2000年分くらいの話のベースはあるんです。今回はパリだけをクローズアップして作ったんですが、まだまだやろうと思えばやれます。

――課金形態は基本料無料のアイテム課金になるのでしょうか?

市村氏:アプリそのものの有料配信とアイテム課金の両方を予定していますが、アイテム課金なしでもクリアまでは遊べるよう作ってあります。クリア後に強いヴァンパイアが登場するので、そこでアイテム課金したほうがいいかもしれませんね。

――課金アイテムはどのような種類を予定しているのですか?

市村氏:バトル中に体力を回復するためのアイテムや時間切れを回復するアイテム、そしてモンスターを倒した時の経験値がアップする杭のほかに、装備品なども販売するので、いっきにドーピングしたい人は買うことで強くなることができます。

――自分の顔を取り込んだあとに骨格を変えたりもできるんですか?

市村氏:できます。写真を貼り付けるベースの形を変えることができて、そこで調整することができます。

――性別を変えることもできるのですか?

市村氏:はい、ゲーム開始後いつでも変更可能です。女性専用装備や男性専用装備もあるので、途中で切り替えも可能にしています。

――顔はいくつまで保存できるんですか?

市村氏:顔写真は自分の端末に入っているアルバムから引っ張っているので、いくらでも保存されている限り可能です。プリセットに関しては限りがあります。

――海外の方の反応はいかがでしたか?

市村氏:クールだなという反応が多かったです。笑ってしまったり、恥ずかしがったりする人もいますね。

――広大なマップも魅力の一つですが、洞窟の中や草原などもあるのですか?

市村氏:洞窟はありますね。あとは植物の多い公園、ヴェルサイユ宮殿の内外、劇場のようなところなど、いろいろと歩くことができます。パリの名所を歩けるイメージですね。物語を進めていけば、エリアもどんどん増えていきますよ。

マップに関してはパリを完全再現するつもりで作っていて、当時の資料を見ながらできる限り近づけました。

――中にはオリジナルの部分もありますよね。

市村氏:あります。例えば、一見エッフェル塔に見える建物がツインタワーになっているんですよね。これは1000年前にヴァンパイアに支配された後の地球という設定なので、ヴァンパイアタワーと呼ばれていて、物語上凄く重要なタワーになります。

――物語につながるバックボーンも作りこまれているのですか?

市村氏:世界設定は時間をかけて作っていて、西暦1000年で突然ヴァンパイアが現れて支配してから、西暦3000年までの歴史を作り上げています。今回は19世紀末のパリを抜き出してゲーム化していますが、未来に繋がる部分もありますよ。

――歴史上の有名人物が出てくることはあるのですか?

市村氏:はい、出てきます。例えば、この時代であればヴァン・ヘルシングやニコラ・テスラなどがいますね。

――コンシューマとも遜色ないタイトルだと思いますが、あえてスマートフォンで出す理由は?

市村氏:まず、ChAIR Entertainment社から配信されている「インフィニティブレード」が凄いクオリティで、ゲームクリエイターとして悔しいと思った過去があります。私は「インフィニティブレード」を夢中で遊んだのですが、これだけのものが作れるんだと関心させられて、スクウェア・エニックスが本気で作ったらどこまでいけるのかと思ったんです。

また、現在はコンシューマ機よりも普及台数がはるかに多く、遊んでいただける機会が多いプラットフォームに全力を投入したいと思い、チャレンジしました。

――Android版のリリース予定は?

市村氏:考えていますが、今回はiOSで最高になるまでフルチューンしました。

――両方のOS向けに作るよりも、どちらかに絞ったほうが高いクオリティになるんでしょうか?

市村氏:今回は内製チームで開発しているのですが、このチームでゲームを作るのは初なので、いきなり両方作るのは大変だろうという点と、ベースに使っているUnreal EngineはiOSが得意である点もあります。開発期間が伸びてしまうよりは集中したいと考え、まずはiOSに絞りました。

――日本のユーザーに向けたメッセージをお願いします。

市村氏:見た感じはすごく海外向けに見えたと思います。しかも日本のスタジオで作っているとは思えないくらい海外っぽいですが、欧米のために作ったわけではなく、全世界の人に遊んでもらおうと思って、しっかしと作っています。

私は今まで「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」や「超速変形ジャイロゼッター」などを作ってきたので、ひょっとしたら全然違うことをやっているように見えるかもしれませんが、皆さんに楽しく遊んで思いは今回も同じです。全人類、だれでも遊べる作品なので、ぜひ日本のユーザーさんにも楽しんでもらえたらと思います。

――ありがとうございました。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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