ロックスター・ゲームスが2013年秋に発売を予定しているPS3/Xbox 360用ソフト『グランド・セフト・オートV』。今回、本作のプレイ風景をごく一部ながら見せてもらうことができたので、その模様を紹介しよう。

目次
  1. 希望と犯罪が渦巻く大都市「ロスサントス」
  2. 各主人公の異なる生活を確認できたハンズオフデモ
  3. 3人の主人公が協力する新たなミッションを紹介
  4. 複数の主人公によって生まれた、新たな物語の描き方

『グランド・セフト・オートV』は、言わずと知れたオープンワールドゲームの代名詞「グランド・セフト・オート」シリーズの最新作として、約5年ぶりに登場する作品だ。本作はマップの規模がシリーズ最大規模になったほか、3人の主人公が織り成すストーリーや、海中や空中にまで及んだゲームエリアなど、随所に新しいアプローチを見せている作品だ。

今回筆者が見せてもらったのは、広大なロスサントスのフィールドと、3人の主人公が協力して挑むミッションの模様となる。これだけで本作の魅力をすべて把握できる、ということは断じてないが、シリーズ史上最大のスケールと、これまでのオープンワールドゲームにはなかった見せ方を実現したストーリーの一端を感じ取ってもらえたら幸いだ。

希望と犯罪が渦巻く大都市「ロスサントス」

本作の舞台となるのは、太陽が降り注ぐ広大な都市「ロスサントス」だ。かつては西欧諸国から憧れのまなざしを集めていたこの街も、今は自己啓発を説く教祖やスターの卵、輝きを失いつつあるセレブで溢れている。

マップの面積は、ロックスター・ゲームスから発売された『レッド・デッド・リデンプション』の3.5倍もの規模を誇り、プレイ可能なエリアの数は同作の5倍(水中も含む)にも及ぶという。

ロスサントスの市街地とその郊外であるブレイン郡と、大きく2つのエリアに分かれており、山々、川、湖、軍事基地、ビーチ、海、農地、砂漠などなど、マップにはさまざまな表情を持つ土地が描かれている。

また、各エリアにはその土地だけに見られる自然界の野生生物や動物も息づいている。さらに、24時間の昼夜サイクルや独自の気候システムが実装されている点も大きな特徴だ。

そんな街の中で生き残りと成功を画策するのが、本作の主人公であるマイケル、フラクリン、トレバーの3人だ。ここでは、3人の主人公が持つバックグラウンドを確認しておこう。

マイケル(Michael)

かつては、やり手の銀行強盗として名を馳せていた。一時は米国の最重要指名手配犯の一人に指定されていた。しかし、ずいぶん前に稼業を引退しており、現在はFIB(この世界での連邦警察)と有利な司法取引を交わし、非公式の証人保護プログラムによって快適な生活を送っている。

しかし、成功を収めたにも 関わらず、不満もある。妻のアマンダ(Amanda)との結婚生活にもはや愛はなく、甘やかされて育った2人の子供、トレイシー(Tracey)とジミー(Jimmy)との間にも大きな溝ができている。一見、全てを手に入れたかのように思える生活も、彼にとっては退屈で、ストレスのたまる日々のようで、最終的には、彼の原点と言える犯罪稼業に戻りたいと考えている。

フランクリン(Franklin)

若く、頭が切れ、野心的。法を犯すことに罪悪感はない。仲間のラマーと共に、代金の支払えなくなった相手から差し押さえた車を、ボスである悪徳自動車業者のシミオン・イエタリアンに流している。その仕事を介して、マイケルと出会う。車のドライビング技術に長けており、自分の愛車をこよなく愛している。サウス・ロスサントスに住む。

トレバー(Trevor)

反社会的な性格を持っており、元空軍パイロット。しかし、どこか好感が持てる性格。トレバーとマイケルはゲームの開始時点で、すでに面識がある設定となっている。かつて闇の仕事で一緒に手を組んだ経緯があるが、それはずいぶん昔のことである。アラモ海のほとりに位置するブレイン郡にて、麻薬の密売人やバイカーギャングに囲まれトレーラーで生活している。

このように、生い立ちや性格、現在の立場にいたるまでまったく違った3人の主人公が身を立てるため、すべてを賭けて大胆かつ危険な一連の強盗に挑むのだ。

各主人公の異なる生活を確認できたハンズオフデモ

彼らが持つストーリーを踏まえた上で、ここからはハンズオフデモの内容を紹介しよう。

デモシーンは、主人公の一人・フランクリンがブレイン郡(Blaine County)の約1キロ上空からスカイダイビングする場面からスタートする。スカイダイビング中も自由に操作ができ、着地する地点も自由に決められるようだ。また、これまでのシリーズは環境音のみで、音楽はあまり流れなかったものの、本作では多数のBGMが用意されている。スカイダイビングの場面でもBGMは流れ、よりゲームに没入できるようになっていた。

無事に着地したら、次にキャラクタースイッチでトレバーを選択。すると、血塗れの死体(バイカーギャング「ザ・ロスト」のメンバーのようだ)が転がっているビーチに切替わる。そしてその中には、生き残ったトレバーの姿も。

ここでは、トレバーを操作してのスキューバダイビングの模様を確認できた。ウェットスーツの装備は特定のボートにしか積まれておらず、この船を手に入れなければスキューバダイビングは楽しめないとのこと。

海中は起伏が激しく、多数の生物も確認できた。また、生物の中にはトレバーを狙うサメの姿も。サメに襲われたら生きて帰ることは難しいので、充分な注意が必要だ。

続いては、操作キャラクターをマイケルに切り替える。マイケルは、店が建ち並び、かつてのセレブ、旅行客、そうした人々を狙う人種で溢れるバインウッド大通りを歩いている最中だった。

この時、画面に表示されているレーダーを見ると、現在発生しているランダムイベントが「?」マークで示されていた。ATMの強奪、現金輸送車の襲撃、レッカー移動が必要な故障した乗り物、同乗させることができるヒッチハイカーなど、イベントは多数用意されているとのこと。

今回は、パパラッチの集団が路地にいるセレブのレイシー・ジョナス(Lacey Jonas)を助けて、無事に彼女の自宅まで送り届けるというミッションが登場。車にレイシーを乗せて発進すると、パパラッチとのカーチェイスに発展した。

ここまで紹介した、3人の主人公を自由に切り替えることは、ミッション時以外ではいつでも瞬時に行える。オープンワールドでキャラクター・スイッチを行うことで、簡単にマップのさまざまな場所にジャンプできるほか、3人のキャラクターの生活に自由に“出入り”することが可能だ。

なお、今回のバージョンはさまざまなシチュエーションを見せるために特別仕様で、キャラクター・スイッチを行うと昼から夜に変化する場面もあった。しかし製品版では、各キャラクター同じタイムラインでの行動になるそうだ。

また、各主人公はそれぞれ異なる生活を送っており、この大規模なワールド全体を最初から自由に探索できるとのこと。

3人の主人公が協力する新たなミッションを紹介

ここからは、ゲームのメインとなる「強盗ミッション」と構成要素の一部を共有しているBlitz Playを紹介しよう。Blitz Playには3人の主人公以外のキャラクターは不要であるほか、強盗ミッションでは獲得できる高報酬の盗品も提供されない。

今回のデモで紹介されたBlitz Playにおけるマイケルの計画は、彼が愛してやまないバインウッド(映画の都としても名高いロスサントスにある街)のアクション映画からインスピレーションを受けている。その内容は、3人の主人公が、協力しながらセキュリティバンを強奪するというものだ。

デモプレイでは、トレバーが辺りを警戒し、マイケルが周囲の気をそらしている間に、フランクリンがレッカー車でセキュリティバンを襲撃するという一連の流れが紹介されていた。

また、襲撃後には瞬く間に警察官が出現し、主人公たちに襲いかかる。誰か1人でも死んだらそこでミッションは失敗となるので、キャラクター・スイッチを上手く使うことが成功の鍵になりそうだ。

複数の主人公によって生まれた、新たな物語の描き方

なお、ミッションには1人の主人公のみを操作するものから、2人組または3人全てを操作するものが存在する。ミッション中のキャラクター・スイッチは、ミッションによってさまざまな形で実行される。カットシーン再生時に実行される場合もあれば、プレイ中に自動で切り替わるケースもあるとのこと。

手動切り替えのケースでは、プレイヤーの戦略に応じて操作キャラクターを切り替えることで、各キャラクターが持つ固有の武器やスキルセットを活用したプレイスタイルが可能となる。このアプローチによってミッションが常に変化に富んだものとなり、プレイヤーは極めて迅速に新しいゲームの世界を体験できるようになる。キャラクターの切り替えによって、複数の主人公がいるTVドラマシリーズのように、物語の根幹部分を損なうことなく多様な視点からストーリーを感じられるようになっている。

ちなみに、今回紹介したミッションはマイケルがお膳立てするミッションであるため、プレイヤーが計画を立てる必要はない。未だ詳細が明かされていない「強盗ミッション」では、プレイヤーが計画を立てなければならないかも? こちらの続報にも期待したい。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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