プロトタイプは、PSP/PS Vita用ソフト「蝶の毒 華の鎖~大正艶恋異聞~」を制作中であると発表した。発売日、価格ともに未定。
本作は、PC向け乙女ゲームブランド・アロマリエが、2011年5月に発売した恋愛アドベンチャーゲーム「蝶の毒 華の鎖」の移植作。大正時代を舞台に、没落しかかった華族に生まれたヒロイン・野宮百合子と、彼女を愛した5人の青年たちの物語が描かれる。今回制作が発表されたPSP/PS Vita版には、オリジナルストーリーと描き下ろしビジュアルが多数追加されている。
PSP版には、BGMデータをメモリスティックの空き容量エリアに転送しておける“メモリーディスク機能”が搭載されているので、通常のメッセージ送りはもちろん、早送りや巻き戻しでも高速に動作し、快適にゲームをプレイすることができる。ゲーム中に見たグラフィックは、メモリースティックに保存してPSPの壁紙にすることも可能だ。
ゲームシステムは、テキストを読み進めて途中に出てくる選択肢を選ぶオードソックスなもの。 | |
シナリオは恋愛部分に重点を置いた展開が書き加えられ、それと共にイベントグラフィックも追加されている。 | |
豊富な選択肢に加え、その後の多彩なストーリー展開とエンディングが楽しめるぞ。 |
またPS Vita版は、PSPの4倍を誇る解像度、そして有機ELディスプレイの鮮やかな発色によって、本作の美しいビジュアルを余すことなく堪能できるぞ。PSP版と同様のボタン操作に加え、選択肢の決定や早送り・巻き戻しなど、基本的な操作はタッチスクリーンに対応しているので、直感的な操作で遊ぶことができる。
ストーリー
時は大正7年。戦争の特需で財を成す人々がいる一方で、国家からの恩恵だけを頼りに暮らし、時代の波に乗り遅れた華族達の生活はいよいよ困窮し始めていた――
自分の誕生日を祝う夜会の最中だと言うのに、野宮百合子はひとり自室に籠もっていた。公家華族である野宮家の財政は困窮を極めているにも関わらず、状況に相応しくない豪華な宴になっていたからだ。父・野宮康之の真意を測りかねる百合子。だが、幼なじみの尾崎秀雄から、その夜会の狙いを聞いて合点がいく。それは百合子の結婚相手を決め、彼女の幸せ…延いては家の将来を担保するためのものだったのだ。
戸惑いながらも、両親のためを思い夜会の会場に向かう百合子。だがその時、反政府の暴漢達が乱入し、夜会は阿鼻叫喚に包まれる。そして、警官隊の到着により事態が収拾した後、さらなる悲劇が野宮家を襲う。その騒動の中で、康之が何者かに殺害されてしまったのだ。あまりの出来事に怒りも悲しみも忘れて、呆然とたたずむ百合子。だが彼女は、ただ一つの事だけは理解していた。
これが、転落の始まりだと言うことを――
登場人物
主人公・野宮 百合子 のみや ゆりこ)※名前変更可能
聡明な少女。華族令嬢だが家に危機感を持ち、もっと世の中のことを知らなければと思っている。好奇心旺盛ではっきりとした性格。
斯波 純一 (しば じゅんいち) 声:茶介
「条件がある。あんたが俺の花嫁になることだ」
成り上がりで大金持ちの貿易商。28歳。なぜかヒロインを気に入っており財力を盾に強引に結婚しようとする。性格は俺様で強引。型破りな性格。
野宮 瑞人(のみや みずひと) 声:平井達矢
「ああ、新しい夜会服を着たんだね、
お前はいつも可愛いけれど、今夜は一段と愛らしい」
ヒロインの兄。22歳。子爵家長男で華道の家元だが、かなり浮世離れしており厭世的。絵画を好み女遊びも盛んという道楽者だが、妹のことは花のように愛でている。
真島 芳樹 (まじま よしき) 声:大石恵三
「俺は使用人ですから……
姫様の脚の泥を落とすのは、俺の役割です」
野宮家使用人。25歳。いわゆる下働きの下男だが、百合子の初恋の相手でもある。温和な性格で、植物を愛する大人しい青年。
藤田 均 (ふじた ひとし) 声:チアノーゼ三太夫
「はい。チョコレェトを溶かして
ミルクを混ぜたものでございます」
野宮家執事。37歳。イギリス人の血が入っている。ヒロインが幼い頃から野宮家に仕えて来た。性格は実直だが、無表情であまり感情を露にしない。
尾崎 秀雄 (おざき ひでお) 声:須賀紀哉
「ふん……。随分と大人しいことを言うんだな、
お前も所詮は、つまらぬ華族令嬢か」
男爵家長男の陸軍少尉。24歳。 ヒロインの幼なじみだが、態度はとても冷たい。真面目で固い性格。潔癖性。軍人としてはとても優秀。
天海 鏡子 (あまみ きょうこ) 声:猫魅 愛
「あらまあ……、ふふふ!
可愛らしいお姫さんだこと」
富裕な酒問屋の一人娘。大人しい婿養子を迎え、息子をもうけた後は好き放題遊んでいる道楽者。