カプコンより7月25日についに発売となったニンテンドー3DS用ソフト「逆転裁判5」。ビックロ ビックカメラ新宿東口店で実施された発売記念抽選会の模様をレポート。
7月24日、東京キネマ倶楽部において開催された「逆転裁判5」完成発表会に引き続き、発売日を迎えた7月25日には、ビックロ ビックカメラ新宿東口店とヨドバシカメラマルチメディア梅田にて発売記念抽選会が実施された。
抽選会では、ニンテンドー3DSLLカバー、ソフトケース、クリーニングクロス、Tシャツ、ポーチ、ステッカー、店頭ポスターなどの景品をが用意され、店舗の開店前には並ぶ人の姿も。
そして本作を手がけたシリーズプロデューサー「江城 元秀」氏とシナリオディレクターの「山崎 剛」氏が会場に駆けつけ、購入者を暖かく見守っていた。ちなみに開始前に試しにデジタルくじ引きを体験した2人は8等と6等を当てていたぞ。いきなり1等が出なくて良かった…。
その後、8階のゲームソフト売り場に上がり、お客さんをこっそりチェック。ポスターや動画などで発売を盛り上げていたようで江城プロデューサーと山崎ディレクターはとても喜んでいた。「あ、逆転裁判作ってる人だ」と実は気付かれていたのは、秘密。
そして!なんとここで江城プロデューサーが自分の財布を出し、自腹で「逆転裁判5」ゲームソフトを購入!もちろん経費で落とさないように領収書は山崎ディレクターがしっかりとゲット。抽選会会場に降りてそのレシートで江城プロデューサーがくじを引いてみると…7等のポスターをゲット!
江城プロデューサーが当てたポスターは、なんと!会場で抽選を終えたファンの女性にサプライズでサインを書いてプレゼントされた。泣きそうなくらい喜んでいたファンの顔に、開発陣も顔がほころんでいた。
発売日を迎えて江城プロデューサーと山崎ディレクターにお話を聞きました!
――まずは発売日を迎えて率直な意見をどうぞ!
江城氏:自腹で買うくらい嬉しいです。ディレクター時代から変わらないんですが、毎回ゲームを作っていて一番嬉しい瞬間ですね。お客さんが実際にパッケージを手にとってくれたり、先ほどポスターにサインしたお客さんの嬉しそうに帰ってくれるのを見るのが、作り手としては本当に嬉しいです。
山崎氏:お客さんの喜んでいる顔を直接見ることが普段なかなかできないので、本当に嬉しいですね。毎回タイトルが発売されるときには売り場に顔を出すようにして、影から売り場を覗きながら「買ってください…」と念を送ったり、平積みを増やしてみたり…(笑)。
江城氏:パッケージを手にとって「やばい!このゲーム面白そう!」と大きな声でアピールしてみたり…(笑)。
山崎氏:「逆転検事」の際、本当にそれやってました…(笑)。
江城氏:あまり開発陣がお客さんと直接触れ合うことが少ないので、今後もこのような機会を生かして、どれくらい期待しているのかなどをダイレクトに聞くことができ、それが開発陣の励みにもなるのでなるべく顔を出したいです。
山崎氏:先ほどのポスターにサインを書いた女性のリアクションは嬉しかったですね。逆転裁判5のプロデューサーです、と言ったら「ええ~っ!と驚いてくれました。
江城氏:普通のサラリーマンですみません…(笑)。
――発売のスケジュールは予定通りでしたか?
江城氏:ぶっちゃけますと、ニンテンドー3DSの研究に時間をさいたので、もう少しかかるかなと思っていたんです。特にグラフィックを3Dだけどどれだけ2Dらしく見せるか、山崎にシナリオをかなり練ってもらったので結構期間はかかってしまいました。ですがお盆など帰省の際にも携帯機なんでプレイできますし、どうしても夏休み前には発売したいということで「究極のムチャぶり」として内容を一切変えずに発売を前倒ししたい!とオーダーを出しました。スタッフはだいぶ頑張ってくれました。
――完成発表会で江城さんからのムチャぶりがかなり多いと聞きましたが?
江城氏:マヒさせる作戦です。
山崎氏:ムチャぶりって言ったら許されると思ってるんです(笑)。
江城氏:普段ずっと文句を言わずにいて、たまに「こんなこと考えてるんやけど」とみんなを集めて話したら「ムチャぶり」って言われますから…。でもちゃんと理由はあるからね。
山崎氏:ムチャは言いますけど、適当ではないので大丈夫です。今江城が東京にいるのでテレビ会議でもムチャは言われます(笑)。
――開発チームの雰囲気は良かったんですね?
江城氏:やはりゲーム開発の現場ってどうしても佳境に入ってくると作業に追われて余裕がなくなったり、ストレスが溜まったりしてしまうんですが、うまくチームリーダーが現場とコミュニケーションを取り、ガス抜きもしつつ最高のパフォーマンスを維持してくれました。逆転裁判5開発チームはリーダーがしっかりしており、その下で作業するスタッフもいい関係を築いてくれました。
――開発ブログにもあった「山崎さんを殴る券」は使われなかったんですか?
山崎氏:実は打ち上げで「券使いたい人!」と聞いたんですが、1人だけ手が挙がって…みんなのまえじゃちょっと、とのことで3次会のあとに殴ってもらおうと思ったんですが、まだ無事です(笑)。
――まだ追加DLCを絶賛開発中ですしね。
江城氏:まだ僕からムチャぶりがいくかもしれません。
山崎氏:えっ!?逆転裁判5のすべての仕事が終わった時が自分の命が尽きるときかもしれません…(笑)。
――キャンペーンでもらえる「血のまくら」は販売の予定はないんですか?
江城氏:今のところ、ないんです。プロモーションの一環で「逆転検事」の頃からミステリーにちなんだ施策は考えているんですが、今回PRチームから「血のまくら、考えたんですが」と提案され、最初はあまりピンとこなかったんです。いざ発表したら「欲しい!」という声が多かったんです。
山崎氏:この前大阪本社にもサンプルが届いて、チームのみんなで使ってみて「死んでる、死んでる!」と盛り上がっていましたよ。
――要望が大きかったら販売も実現しますか?
山崎氏:反響が大きかったらマーチャンダイジング部に「こんなの作りませんか」と話しに行きます(笑)。ツイッターキャンペーンでもらえるTシャツに使われているドット絵のデザインも開発が新規で描き下ろしたので、違うデザインのTシャツも作っていければ思います。
――追加DLCについて
江城氏:今回は本当に新しい試みで、本編を遊んだ後にまだまだ遊びたいというユーザーさんが多いと思い追加DLCは用意しました。ただシナリオ1本分だと専用のキャラクターなど時間もかなりかかります。でも遅すぎるとユーザーさんが飽きちゃうので、いいタイミングに合わせるようにスタッフの構成も変え、シナリオと調整しながらクオリティーを上げている段階です。
――配信時期的にはどのくらいでしょうか?
江城氏:夏が終わるまでにはなんとかしたいですね。現状でははっきりとした時期をお伝えできませんが続報をお待ちください。
――最後に「逆転裁判」ファンやこれからシリーズを始める人に向けてメッセージをお願いします。
山崎氏:やっと発売日を迎えることができて本当に嬉しく思っています。大阪のチームも皆この日を心待ちにしていて、「逆転裁判5」はチーム全員で助けあって完成した作品なので、大阪のチーム全員がここに来てもらいたかったです。この気持ちをみんなで分かち合いたいと思います。またこれから買いにきてくれた方やこれから買おうと思っている方に、本当に感謝の気持でいっぱいです。
江城氏:僕は今日は一般のユーザーとして面白そうなゲームが発売されると聞いてきたんですが(笑)。朝から並んでいただいているのを見て、本当に「逆転裁判」シリーズが愛されているんだなと感じました。ただ6年間お待たせしてしまった分、クオリティーの高い作品をお届けすることができました。これからプレイしていただいて、良かった点や悪かった点をぜひ開発陣に送って頂ければ、それを励みに開発も頑張れますし、他のタイトルに生かそうと思っています。今後追加DLCを含め、本作をもっとたくさんの人に遊んでもらえるようにいろいろとプロモーションやお客さんを巻き込んだ面白いことをできればと考えていますので、逆転裁判をよろしくお願いします。
――ありがとうございました。