恋愛に対してニヒルなところが魅力―「金色のコルダ3 AnotherSky feat. 神南」芹沢睦役・細谷佳正さんにインタビュー

0 2013年11月11日 00:00

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コーエーテクモゲームスが2014年1月23日に発売を予定しているPSP用ソフト「金色のコルダ3 AnotherSky feat. 神南」に、芹沢睦役として出演する細谷佳正さんへのインタビューをお届けする。

細谷佳正さん

「金色のコルダ3 AnotherSky feat. 神南」は、2010年2月に発売されたPSP/PS2用ソフト「金色のコルダ3」と同じ年の夏を舞台にした恋愛・育成シミュレーション。

「主人公がもしゲーム中に登場するライバル校・神南高校の生徒だったら…」というIFストーリーを描くシリーズ最新作となっており、新たな恋の舞台で起こるドキドキのラブロマンスが体験できる。

ここでは、本作で攻略対象キャラクターのひとりとして登場する芹沢睦役・細谷佳正さんに、アフレコ収録後、話を聞くことができたので紹介しよう。

芹沢睦

――アフレコを終えてのご感想をお願いします。

細谷さん：最初に芹沢くんを演じたのは3年半ぐらい前で、その時は本当に無口と言っていいぐらいの喋らなさ加減だったのですが、今回みなさんのお声をいただいて恋愛キャラに昇格したということで、前回と比べものにならないぐらいボリューミーなセリフ量を喋らせていただきました。

過去の作品ですと、彼は良き後輩として、良き執事として、良き秘書みたいな感じで神南高校（以下、神南）の先輩2人についていたのですが、今回恋愛ルートができたことで、彼のくだけた顔や照れた顔、あせることもあるんだなといろいろな面が見られて楽しかったです。

主人公とセッションしながら一緒に練習するところもあって、ピアノを通して相手がどういう人かを感じていき、見ていき、最終的に僕はこの人が好きなんだと思ういい話をいただいたなと思いました。

――「金色のコルダ3」での演技と比べて、演じる上で苦労した点はありましたか？

細谷さん：最初に収録に入るときに、当時の音声を聴かせていただいたのですが、ものの見事にプレーンで、何もない感じなんですよね。当時は（感情を）出しちゃいけないと言われると、本当に何も出ないようなセリフを吐いていたなと思います。

それから3年半という月日が流れて、僕もあの頃よりもいろいろな現場に出させていただいて身についたものがあり、最初は何もなくすることにすごく苦労していたのですが、ゲームの中でも時間は流れていて、彼もいろんな登場人物と関わりを持っていくということなので、変化していくこともありなんだなと思えて、途中からは自由に楽しくやらせていただきました。

――細谷さんが演じられた芹沢の魅力を教えてください。

細谷さん：芹沢くんの魅力は、恋愛に対してニヒルなところです。とある場面で「癪に障る」というセリフが出てくるのですが、それがすごく彼っぽくて、「ストイックな彼の中にこんな一面が！」と思いました。そういう激しい言葉を今までの彼は言わなかったので、すごく印象的でした。

――ご自身との共通点はありますか？

細谷さん：部長と副部長の主人公へのコミュニケーションのとり方を見ていると、芹沢くんは中でも結構奥手でピュアな感じのする、恋愛の仕方をするんだなと思いました。ストレートに言葉を伝えるので、ハッピーエンドが本当にハッピーエンドらしく感じられました。

あとエキセントリックな才能を持った2人の先輩がいて、そこでいつか追い越してやろうと黙々と企てているところが、なんとなく僕もそうかもしれないと思いました。

――「金色のコルダ3 AnotherSky」では、主人公が「もし別の学校に転入していたら」のifストーリーになっていますが、もし細谷さんが引っ越せるとしたら、どこに行ってみたいですか？

細谷さん：僕はもういっぱいありますよ！　まずはフランスに行って、ジャパン・エキスポに行ってみたいです。プライベートもすごく素敵だなと思うのですが、仕事で海外に行って、海外の応援してくださっている方と会いたいなと思います。

他には、この間タクシーに乗った時にタイがいいですよと言われました。タイはタイ古式マッサージが安くて10日行っても日本の1日分ぐらいということなので、ずっと通いつめてほぐしまくって帰ってきたいです。

――主人公が神南に入ったことで、主人公や神南の先輩たちとの関わり方に変わった点はありましたか？

細谷さん：前作の芹沢くんは部長と副部長という圧倒的な存在に対して完全に秘書だったのですが、主人公が入ってきたことでツンツンしたところが出てくるようになって、それが可愛らしくも思えました。

ストイックにピアノを完璧に演奏しているように見える彼だけれど、彼女のために負けたくないということだったり、それによって先輩にライバル心を燃やすことで土岐さんから「芹沢うまいもんな」と言われて反応しているところとか、今回は人間として神南にいるという感じはすごく強く感じました。

――これまで「金色のコルダ」やネオロマンスのイベントには、一度ナレーションで出られただけということですが、今回恋愛キャラになったことを受けて出演の機会があった時に、やってみたいことはありますか？

細谷さん：舞台上では今は思い浮かばないのですが、出た暁にはロビーに行ってみたいです。女性のファンの方が非常に多くてお花もたくさん届くらしくて、ロビーがお花の匂いやら香水の匂いやら化粧品の匂いやらでむせ返ると聞いたんですよ。

それ本当かなと思って、ぜひ確かめたいので、昼の部、夜の部の合間のお客さんがいなくなった時にロビーに出てクンクンしたいと思います（笑）。

――もし細谷さんが神南に入学したとしたらどのような学園生活を送ってみたいですか？

細谷さん：神南には音楽のスターがいるので、僕はスターを横目に地味に文化部とかでオセロしているんじゃないですかね。あとは友達になって、何でそんなにモテるのかということを聞いてみたいです。

――芹沢たちと仲良くなれると思いますか？

細谷さん：高校のうちから明確な目標を持っていて、それに向かって脇目もふらずに努力している人たちなので、キラキラして見えると思うので、しょぼい青春ドラマみたいな会話をしそうです。夢を語って触発されて、俺も頑張ろうと思うんじゃないですかね。

――管弦楽部に入ろうとは思いますか？

細谷さん：僕は演劇部だったので、やっぱり演劇部に入ると思います。管弦楽部はあれだけお金を割いて照明があたってきらびやかな舞台なので、演劇部にもその照明も分けてもらって、「高校演劇とはちゃうねんぞ、うちら」みたいな大きな顔もできるかなと。もしかしたら劇中の音楽も作ってもらえるかもしれないですね（笑）。

――「金色のコルダ3」では主人公が攻略キャラクターとお弁当を食べて親密度を上げていくというイベントがあったのですが、細谷さんがもし相手が作ってきてくれたら好きになるかもしれない料理はありますか？

細谷さん：料理となると僕は一人暮らしで外食も多いので、ひじきの煮物やオクラ、焼き魚みたいな家庭でしか食べれない料理を作ってくれると、僕は3杯ぐらいご飯をおかわりするんじゃないかなと思います。僕は家庭的な味に飢えています（笑）。

お弁当だったら、明太子が好きなので入ってくれていたら嬉しいですし、おばあちゃんが作ってくれるような弁当がいいですね。

――「金色のコルダ」の登場キャラクターたちは毎日演奏の腕を上げるために練習に励んでいるのですが、細谷さんが今取り組んでいること、上達したいことはありますか？

細谷さん：どんなに遅くなっても、スキンケアだけはやっています。最近、ニキビが口元にできるようになって、薬局に行った時におばさまに「アゴにできちゃいましたか、大人ニキビですね」と言われてちょっとショックだったんですよ。もう31で、お肌の曲がり角でシミ・そばかすに気をつけなきゃいけない歳になったので、スキンケアはちゃんとと思っています。

――「金色のコルダ」ではクラシック音楽がたくさんBGMやキャラクターが演奏する曲として登場しますが、もし細谷さんが演奏するとしたらどんな曲、どんな楽器をやってみたいですか？

細谷さん：小田和正さんの「たしかなこと」をピアノで演奏してみたいです。絶対モテると思うんですよ！　あと「家族になろうよ」を、友達の結婚式にピアノがたまたまある場所で弾いちゃうのもすごくいいですね。

――細谷さんの好きな子が別の高校に転校することになったらどうしますか？

細谷さん：卑怯な真似なんですけど、引っ越す直前、学校から帰る時にラブレターを渡します。言えないので電話番号とか書いたりして、かかってこなかったらその保留の時間も心の回復につながるじゃないですか。

――会いに行ったりはされませんか？

細谷さん：面白い話ができる男友達とクラスの女子を引き連れ文化祭に行って、学年はわかるのでその学年の出し物を回っていき、見つけたら自分からは声がかけられないので気づいてもらえるように大きな声で周りと喋ります。

――実際に可愛い子が転入してきたことはありましたか？

細谷さん：あります、あります！　中学校の頃にとなりのクラスに転入してきて、制服も違くて、うちの学校は尾道の田舎だったので、垢抜けてて可愛いデザインなんですよ。可愛い子は可愛い子同士で仲いいので、それによって「あ、こんな可愛い子いたんだ！」と隣のクラスで見つけました。

家の近くに竜王台という、山の上の住宅地みたいなところがあって、そこに住んでいるらしいという話を聞いて行ってみたんですが、家が多すぎてどの家かわからないということはありましたね。

――話しかけたりはされたんですか？

細谷さん：中学校の頃は本当にシャイで、思春期真っ只中だったので、女の子としゃべることが恥ずかしかったです。その可愛いなと思う子に対しては、周りの子と面白い話をしましたね。気づいてほしいと思うけれど、ちょっと向くぐらいで気づいてもらえることはなかったですね。

――芹沢のifストーリーがあるとしたら、どの高校でどういう絡みをさせてみたいですか？

細谷さん：東金部長が一番カッコいいなと思うので、ifストーリーがあるとしたら神南で芹沢くんの一日部長というのを見てみたいです。「俺のピアノについてきてくださいよ」みたいなのがいいですね。

――最後に、読者の方々へメッセージをお願いします。

細谷さん：前回出演してから3年半という月日が流れたのですが、みなさんの応援のおかげで芹沢くんが恋愛対象キャラになれたということで、「金色のコルダ」ファン、ネオロマンスファンの方には、本当にありがとうございますと言いたいです。

これまでいろんなキャラクターが恋愛ルートをやってきていると思うのですが、芹沢くんの恋愛はとても堅実でピュアな感じなので、原点回帰な意味で一番普通の男子に近いんじゃないかなと思います。

人を好きになることによって少しずつ脆くもなり、柔らかくもなる芹沢くんのルートをぜひプレイしていただき、少しでも感動していただけたらこれ以上嬉しいことはありません。うちの部長が一番カッコいいので、これからも神南をよろしくお願いします！

――ありがとうございました。