コーエーテクモゲームスは本日11月24日、ヤマダ電機 池袋LABI1 モバイルドリーム館にて、「真・三國無双7 猛将伝」の店頭体験会および開発者トークショーを開催した。
「真・三國無双7」にさまざまな新要素が追加されるPS3用ソフト「真・三國無双7 猛将伝」、そして「真・三國無双7」と「真・三國無双7 猛将伝」、それぞれの内容を一緒に楽しむことができるPS3/PS Vita「真・三國無双7 with 猛将伝」がいよいよ11月28日に発売される。
当日は、発売を来週に控えた本作について、プロデューサーの鈴木亮浩氏、ディレクターの宮内淳氏がその特徴を話すトークショーと、呂布のストーリーモードや新キャラクターのアクションが楽しめる店頭体験会が行われた。
ここでは、その模様についてお届けするとともに、体験会終了後、鈴木氏、宮内氏にトークショーでは語りきれなかったさまざまなことを聞いていたので、紹介しよう。
ストームラッシュはボタンによる任意発動が選べるように
イベントの冒頭では、初公開となるオープニングムービーを披露。今作より登場する5人の新武将、そして今作で新たにストーリーが追加される呂布の存在感がはっきりと伝わる内容となっていた。
オープニングムービーの上映後、まず鈴木氏より語られたのは、呂布のストーリーと5人の新武将について。呂布のストーリーについては、史実通りの流れで続いていくということで、曹操に敗れて亡くなるまでが描かれていくという。ただし、「真・三國無双7」から追加されたIFルートも用意されており、そちらでは活躍する姿も見ることができるそうだ。
また、5人の新武将については、それぞれ「魏の五将軍の最後のひとり」(于禁)、「火計の火付け役としておなじみのキャラクターで、今作では陸遜とライバル関係に」(朱然)、「やられたらやり返すという伝聞から、クセのあるキャラクターに」(法正)、「登場してほしいキャラクター1位で、呂布軍の軍師としても必要なキャラクター」(陳宮)と順に説明。
そして、呂布の娘として登場するという「呂玲綺」については、前身のコーエー時代に発売された「三國志戦記2」でオリジナルキャラクターとして参加するなど、古くからのファンにはおなじみのキャラクターでもあり、以前から無双シリーズに登場してほしいという要望があったということで、今回、呂布のストーリーに併せて登場することになったのだとか。
さらに、「真・三國無双7」で新たに追加されたIFのストーリーについても、今作でも新たに「長坂の戦いに徐庶がいたら」といったシナリオが追加されたり、外伝的なシナリオとして「四都督の中で誰が一番大都督としてふさわしいか」といったユニークな要素も用意されているという。
そのほか、お気に入りのキャラクターについては、宮内氏は同姓同名の声優・宮内敦士さんが演じた于禁を、鈴木氏はより史実に近い描き方をしているという陳宮をそれぞれプッシュ。鈴木氏によると、もともと曹操の軍師として仕えていた陳宮が呂布のもとで仕えることになった理由はわかっていないが、今作では野心のためだったと解釈し、腹黒い、野心家として描いている点が語られた。
また、本作を遊ぶ上で大きなウェイトを占めるアクション部分については、EX攻撃について登場する82キャラクター全員に2つずつ用意されていること、そして武器系統についても新たに追加されていることが宮内氏より紹介された。その中でも于禁の得意武器である「三尖刀」が特徴的な武器であるということで、後述するデモンストレーションで紹介しているのでチェックしてほしい。
「真・三國無双7」から追加された将星モードについては、前作までの銅雀台を作って帝を呼びこむという流れに加え、新たにニセの帝が出てくることで内部分裂を起こして仲間が離れていってしまい、大陸全土を少しずつ制圧していって、また仲間を集めていくという展開になっているという。
また、護衛武将を追加で3名まで連れていけるようになったほか、それぞれに指示を出すことができるなどタクティカルな要素が加わっており、高い難易度で挑戦してみてほしいと話した。
そのほか、5コース用意されたチャレンジモードでは、新たにチャレンジモードのコースをイメージした新しい武器属性を追加しているという。これらの武器属性は、チャレンジモード内で良い記録を出した時のみ登場し、ほかのモードでは手に入らないということなので、武器のカスタマイズを楽しむ際には不可欠な要素といえよう。
続く開発時のエピソードでは、「真・三國無双7」と「真・三國無双7 猛将伝」という、それぞれ容量の大きなコンテンツを扱う上でPS Vita版でのグラフィックの調整に苦労したそうだが、宮内氏がPS Vita版のPVをチェックする際、PS3版の素材が混ざっていると勘違いしたぐらいに、PS3版と比べても遜色ないものになっているようだ。
また、鈴木氏が特に気にしていたのが「真・三國無双7」で追加されたストームラッシュの仕様についてで、一部のユーザーから「空中コンボをやっている時に、勝手にストームラッシュが発生するのがいやだ」という意見が寄せられたこと、そして鈴木氏自身が同様の考えを持っていたことから、今作での改善をまずは進めていったという。アクションの担当者と話し、いろいろ試した中で、今作では□ボタンと△ボタンの同時押しによる任意発動と、前作と同様の自動発動を切り替えられるようになったことが明かされた。
宮内氏による于禁のデモンストレーションやプレゼントをかけたじゃんけん大会も
ひと通りの説明が終わったところで、宮内氏によるデモンストレーションが行われることに。ここでは、新武将の中から特徴的な武器系統「三尖刀」を得意武器とする于禁のゲームプレイを見ることができた。
三尖刀は、チャージ攻撃1を繰り返すことで武器にさまざまな属性を刀身に付与できるという大きな特長がある。そして、その属性に該当するチャージ攻撃を繰り出すことでキャラクターの周囲に球が発生、それを3つ揃えることで普段は敵をひるませるだけのチャージ攻撃1に斬属性が付与し、強力な攻撃を繰り出せるのだという。
そのほか、体験会では見ることのできない于禁のイベントデモ、「緊急支援」「毒罠」「拠点確保」といった護衛武将への指示、于禁の無双乱舞などが紹介された。
「真・三國無双7」および「真・三國無双7 猛将伝」のクリアファイル5枚をセットにして、会場の3名にプレゼントするじゃんけん大会も盛況のまま終了し、最後は両氏のメッセージをもってトークショーは締められた。
トークショー終了後のミニインタビューもお届け!
――体験会でのユーザーの反応を見た感想をお聞かせください。
鈴木氏:PS3とPS Vitaの両方で発売する中、PS Vita版の出来が気になるというお客さんの声を各所で聞いていたので、体験会でもPS Vita版のほうが盛況なのかなと思っていたのですが、整理券の配布具合を聞くとPS3版のほうが圧倒的に多いということで、やっぱりみなさんより綺麗なほうを好まれるのかなと思いました。
宮内氏:我々は男性向けの同年代を相手にしているつもりなのですが、こういうイベントをやると若い女性の方が多く、ひとつのものの見方ではなく、さまざまな視点で考えなければいけないのだなと再認識しました。
――PS Vita版のセールスポイントをお聞かせください。
鈴木氏:私がPS Vita版でオススメしたいのは馬乗りです。画面の右下をタッチし続けるだけで乗れるのですが、この操作性が個人的にもすごくいいと思っています。もともとPS Vitaのほうがボタンが少ないのを考慮した結果なのですが、これは上手くハマったなと思っています。
宮内氏:PS Vita版を作るにあたっては、高精細で綺麗なディスプレイなので、お客さんの見た目としてPS3と遜色ないように受け止めてもらうようにするためにどうしたらいいかを考えました。キャラクターが集まってきたり、遠くまで見せたりと、バランスによって力をいれる場所がカットごとに異なっていまして、「ここはエフェクトの品質を落とそう」「ここは影の品質を落とそう」とフレキシブルに対応できるようにして、全体のパフォーマンスを常に一定にするような機構をPS Vita版に新しく入れています。
なのでイベントシーンでも、今まで被写界深度をPS Vitaで表現するのは難しいと開発チームでは話していたのですが、そこはバランスをとってやれるようにチャレンジしています。
――イベント内でお気に入りのキャラクターという話があったのですが、新武将の中で、開発チームお気に入りのキャラクターはいましたか?
鈴木氏:男性陣がメロメロだったのは呂玲綺で、壁紙にしているスタッフもいましたね。女性陣には、法正のアクの強さが受けているようでした。
宮内氏:法正については攻撃がトランポリンのようなものでユニークでして、チャージ攻撃での効果音も特徴的で開発陣に人気がありました。そこまで使いこなすのは難しいかもしれませんが、アクションが好きな方はそこまで試してみてほしいと思います。
――今回、10周年ということで「金色のコルダ3」とのコラボレーションもありますが、どういった経緯で登場することになったのでしょうか?
鈴木氏:初回特典を決める際、今までやってきたこともあり衣装の配信がいいということになったのですが、「真・三國無双6」から衣装をすごく作ってきたので正直ネタ切れでした(笑)。インパクトがあって、なおかつ違うネタを持ってこれないかと宣伝、開発と話し合いをした結果、「無双OROCHI2 Ultimate」でもコラボをしていた経緯もあって、コラボ衣装に決まりました。
コラボ衣装の選定については、人気投票で上位3名のキャラクターに用意することは決めていたので、そのキャラクターを見てから衣装を決めようと考えていました。徐庶の場合は、「真・三國無双6」で学園衣装を作った経緯から、徐庶にも学園衣装的なものがいいと思い、いろいろ見ていく中で如月律の制服がいいなと思いました。
――続編が出ることになった時、毎回アイデアを出していくことへの苦労についてお聞かせください。
宮内氏:続編があるだろうとあったとしても、何かをとっておこうというのは絶対になく、必ずやり切ってしまっています。
やり切った末に続編の話があった時には、技術的な話をすれば、一回駆動しているフローは必ず全て捨てます。基礎的なライブラリはそのまま残しますが、みなさんがおっしゃられるような“無双エンジン”と呼ばれるようなものは一回、更にします。
その後、この時代の無双というのがどうあるべきかという議論を重ねて、もう一度そこから積み上げるようにすることで、その時代に合った、その時最高の「真・三國無双」になると信じて開発しています。
鈴木氏:何かを残して、というほど余裕のある開発体制ではないので、毎回やり尽くしてはいますが、やっぱり入れたかったけれど入らなかった、ということは残っていたりはするので、そういったのは次回作としての教訓として残しています。
すでに7作目まで出していて、「猛将伝」や「Empires」も入れたらもっとあるので、毎回買っていただくお客様にどうやったら新しいことを感じていただけるのかを念頭に置いて、企画の方も頭をリセットして、新しいことをどう入れていこうかというのを考えています。