コーエーテクモゲームスより2014年2月27日発売予定のPSP用ソフト「下天の華 夢灯り」。今回は、黒田官兵衛を演じる興津和幸さんにお話を伺ったので紹介しよう。
本作は「信長の野望」30周年記念作品として2013年3月に発売された恋愛アドベンチャーゲーム「下天の華」の続編タイトルだ。前作「下天の華」に登場した織田信長、明智光秀、羽柴秀吉をはじめとする恋愛対象キャラクター7名に加え、新たに「黒田官兵衛」「竹中半兵衛」の登場が決定。プレイヤーは戦国時代を舞台に“くのいち”として、織田信長が住まう安土城にて与えられた密命を遂行していくこととなる。
数回に渡ってお送りするキャストインタビューではアフレコを終えての感想やキャラクターに感じる魅力、また本作を通したキャスト自身の話なども聞くことができた。今回は“天下の時流を冷静に見極める軍師”こと、黒田官兵衛役の興津和幸さんだ。
――アフレコを終えての感想をお願いします。
興津さん:今回演じた官兵衛は、とても気持ちが掴みにくい人だなと思いました。その感情をどう表現するかはとても悩みましたが、収録はあっという間に終りました。
――「下天の華 夢灯り」への出演が決まったときの率直な感想をお聞かせください。
興津さん:「マジかー!?」ですね。僕がこの仕事を始める前から続いている、とても有名な「ネオロマンスシリーズ」ですから、お呼びがかかったという喜びもあり、恐れもあります。20年という長い歴史を持つシリーズに、自分が足を踏み入れることになるとは夢にも思っていませんでした。
――官兵衛の恋愛ルートを一言で言うなら?
興津さん:「直球だけど面倒くさい」ですね(笑)。寡黙だけど、恋に対して本当に直球なんですよ。口数は少ないけど、恋について話すときはすごくストレートだったり、大胆だったりする。一見クールなのに思いもしない発言や行動をするので、僕自身も「ここでこれを言うの?!」とすごくドキッとさせられました(笑)。
――官兵衛のもつ魅力について教えてください。
興津さん:寡黙なところやミステリアスな雰囲気が魅力だと思うので、まずはそこに惹かれていただければなと。徐々に内面が分かってくると、初めは「ちょっと怖いかな?」と思っていた部分が可愛くみえてくるので、二度美味しいキャラクターですね。シナリオを読み進めていくと意外な面も見えてきますし、結構ロマンチストな部分があったりするのでびっくりしました。
官兵衛のように寡黙なキャラクターは息遣いで感情を表すことが多いのですが、今回は本当に無音で芝居するシーンもありました(笑)。
――史実のイメージと比べてどう感じられましたか?
興津さん:ビジュアルでの印象は結構若いしとても男前で、びっくりしました。官兵衛は口が回らないくらい難しいセリフばかり言う策士だと思っていたんですよ。でもこの官兵衛はずいぶん違ってましたね(笑)。
もちろん毛利攻めとか、軍略のような、史実が垣間見えるシーンもあったんですけど、どちらかというと半兵衛のほうが役に立ってた気がするのでちょっと悔しいです(笑)。皆さんには、こうした史実とは違う部分で楽しんでいただければと思います。
――キャラクターとご自身に共通点はありますか?
興津さん:感情を表現するのがちょっと苦手な部分でしょうか。日常的にも、例えばメールで「主語がない」「何を言ってるのか分からない」と怒られるんです(笑)。伝えているつもりなんだけど、相手に伝わらないという部分は官兵衛に通じるところがありました。官兵衛はその分、頭の中で色々と考えてるんですけどね。
――同じ新キャラクターである「竹中半兵衛」にはどのような印象をもたれましたか?
興津さん:半兵衛は、実はちょっとわがままな部分があるんですよね。いつも官兵衛が半兵衛の世話をしてるんですよ(笑)。
――主である秀吉へは、どのような印象をもちましたか?
興津さん:楽しそうでいいなって思いました。仲間思いですし、こういう人がトップになったら楽しいんじゃないでしょうか。だからこそ、官兵衛という寡黙でクールなキャラクターが必要なのかなと思います。時々いきすぎる秀吉を官兵衛が止める、といったようなシーンもありましたし。
――もっと絡んでみたいなと思うキャラクターはいますか?
興津さん:とくに家康と接点がなかったので、もっと話してみたかったです。官兵衛は基本的には秀吉のことしか考えてないし、自分が天下を取ろうと思ってるわけでもないので。寡黙仲間で百地も気になります。「…」がどこまで続くか、非常に興味があります(笑)。
――今後イベントなどにご出演された際、にやってみたいことはありますか?
興津さん:お客さまに楽しんでいただければそれで十分です。先輩方の武勇伝を聞いているので、その辺りはちょっと怖いんですけど(笑)。僕は寡黙にステージの隅にいて、暴れた人がいたら「コラッ」っていう、たしなめる役に徹したいです(笑)。
――官兵衛は有能な軍師ですが、もし興津さんが従えられるとしたら誰がいいですか?
興津さん:百地は忍びですから、色々なことができて便利そうですよね。お仕事上で気になる人の情報を集めてもらいたいです。主人公でもいいんですけど、男じゃないと分からないこともありますから(笑)。
あとは百地に手裏剣とか、「むささびの術」なんかを習ってみたいですね。昔、まねをしてソファーから飛んで落ちたことがありますよ(笑)。
――軍師といえば策略ですが、興津さんご自身は駆け引きをするほうですか?
興津さん:駆け引きといったものは苦手なので、その場その場で直感的に行動するタイプです。将棋などにもいえますけど、積み重ねて先を読んでいくのが苦手なんですね。もう二手先で何のことやらという状態になってしまうので。ただ自分でゴールを作っておいて、そこにたどり着くよう「この人にこうしてもらおう」って思うことはあります。一手先くらいなら、なんとかなるかな(笑)。
――最後に、ファンへメッセージをお願いします。
興津さん:官兵衛を演じさせていただきました。皆さまに受け入れられるといいなと思います。分かりにくい人なんですけど、愛してあげてください(笑)。よろしくお願いいたします。
――ありがとうございました。