スクウェア・エニックスがPS3/PC向けにサービス中の「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」。今後βテストや正式サービスが控えているPS4版について、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏によるメディア向けプレゼンテーションが行われた。

「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」(以下、新生FFXIV)のPS4版は、本体発売と同日の2月22日にβテストが開始となり、4月14日から正式サービスが予定されている。【こちら】ではPS4版の話を中心としたインタビューをお届けしているが、本稿では「新生FFXIV」のプロジェクト始動から現在に至るまでの振り返りを含め、PS4版の特徴や今後の詳細なスケジュールが公開されたプレゼンテーションの内容と、PS4版とPS Vitaによるリモートプレイのインプレッションをお届けしていく。

「新生FFXIV」の過去、現在、未来についてのプレゼンテーション

吉田氏はまず、「旧FFXIV」のローンチから約3ヶ月後、開発体制の刷新を行ってから2013年8月に「新生FFXIV」としてリローンチを迎えるまでの流れを簡単に説明。Gamerがオープンしたのは2011年5月であり、オープンして間もない「新生FFXIV」発表当時のことはお伝えできていないのだが、一連の流れは過去のインタビューでも触れてきた通りだ。

気になる現状については、「新生FFXIV」正式サービスの2013年8月27日から約5ヶ月間、2014年1月27日頃までのプレイデータが公開となった。それによると、総プレイヤー数は約180万人、総キャラクター数だと約671万キャラクターにも上るという。全プレイヤーの合計プレイ時間は約4億時間とすでに膨大で、年数に換算すると約4万5千年になる。いちプレイヤーあたりのプレイ時間を計算してみると、5ヶ月で約220時間、ひと月で約40時間以上もプレイしていることになる。

筆者は先行オープンβを含むと72時間行われたβテストフェーズ4で約50時間ぐらいプレイした記憶がある。
その後もほぼ毎日プレイしているため、見たくないほどのプレイ時間になっていそうな気がする。

本作のコンセプトについても話がおよび、常に「ファイナルファンタジー」シリーズのナンバリング最新作であること、最高のゲーム体験を提供すること、常に革新的であることの三本柱になっていることが改めて語られた。これらのコンセプトを実現するための一環として、Mac版の開発を検討していることが明かされた。

そして昨年末、2013年12月17日に初の大型アップデート「パッチ2.1」が公開となった。すでに内容を知っている人も多いと思うが、ここでは新たなメインストーリーの追加を始め、24人で挑むレイドダンジョン・クリスタルタワーの入り口である「古代の民の迷宮」や、PvPコンテンツ「ウルヴズジェイル」、フリーカンパニー単位で家を持てるプレイヤーハウジングなどが実装された。

PvPやハウジングは非常に大きな要素となるが、それ以外のコンテンツについては、大型パッチごとに「これくらいの物量が入ると思っていただいて構いません」とのこと。

なお、「新生FFXIV」は現在日本・北米・欧州にてサービスされており、これがグローバル版という位置づけになる。次なる世界戦略も考えているようで、直近では2014年夏に中国で正式サービスが開始される予定だ。さらに韓国、ロシア、台湾、中東などからも声が掛かっているようで、今後、世界各国の市場へと挑戦していくという。

プレイヤーにとって気になるのは、新しい地域でサービスが始まった際、ワールド(サーバー)がどうなるのかといった点だろう。これについてはインタビューでも答えてもらっているが、基本的に新地域のワールドが収容されるデータセンターは独立させ、別で運営していく方針のようだ。

ここからは、いよいよ4月14日に発売が予定されているPS4の内容となる。まずは価格や各種特典など、製品概要について。PS4版のラインナップは、通常版のパッケージ/ダウンロード版がそれぞれ3143円+税、コレクターズエディションのパッケージ版が9800円+税、ダウンロード版が5048円+税と全4種類が用意されており、価格は全てPS3版から据え置きとなっている。

予約特典とコレクターズエディションの内容もPS3/PC版と同じだが、PS4版ではコレクターズエディションの新たな特典として「ミニオン マメット・モーグリ」と「マウント でぶチョコボ」が追加されている。これらの追加特典は、過去に「ファイナルファンタジーXIV」のコレクターズエディションを購入している人であれば、ゲーム内のメール「モグレター」で送付されるため、追加で購入せずとも特典を入手できる。

PS4版のβテスト日程も明らかとなった。2月22日のPS4本体発売と同日に開始となるフェーズ1は、本体さえ持っていれば、PS4のPlayStation Storeからβ版クライアントをダウンロードすることで、誰でも無料で参加することができる。フェーズ1はPS4固有の不具合がないかチェックすることが目的のため、プレイは新規キャラクターのみ、プレイデータのワイプ(削除)ありという制限付きとなる。

4月4日から7日まで実施予定のフェーズ2からは、PS3/PC版のキャラクターを引き継いでプレイできるほか、よほどのことがない限りデータのワイプも行われない。これが実質のオープンβテストにあたる。

コレクターズエディション購入者向けの特典であるアーリーアクセスは、4月11日から正式サービス開始の前日、4月13日まで行われる予定だ。こちらも当然、既存キャラクターの引継ぎが可能で、データのワイプもなしとなっている。

PS4版の特徴は、PC版をベースにしつつもPS4向けに完全最適化を施し、単純な移植に留まらないクオリティになっているところにある。PCは人によってハードウェア構成が異なるが、PS4の場合は固定ハードであるため徹底的に最適化できたようで、同水準のPCと比較すればPS4の方が高いクオリティを誇るという。

単にキャラクターの表示数が増えただけでなく、フルHDになったことで視野範囲が拡大し、それに合わせてUIの配置変更も行っているとのこと。安定したフレームレートでゲームがプレイできるようになっており、インターフェースの滑らかさが一段上がっていることも注目ポイント。

過去のプロデューサーレター LIVEで披露されたこともある、PS Vitaを使ってのリモートプレイもβテストから行える。外出先からプレイしようとするとインターネットを経由するため、どうしても環境によるところが大きくなるが、自宅内でPS4とPS Vitaを直接つなげば、ほぼラグを感じずに遊ぶことができる。

プレイ可能なコンテンツに制限もないため、釣りや生産をするだけでなく、エンドコンテンツに挑戦することもできる。ただし、どうしても処理誤差が数フレーム発生してしまうようなので、今あるコンテンツで言うと、大迷宮バハムートや極蛮神戦辺りに行くのはハードルが高いかもしれない。

PS4本体に搭載されたSHARE機能にも完全対応しており、プレイ内容をライブストリーム、いわゆる実況プレイのように配信することも可能となっている。全コンテンツのシェア/スクリーンショットの撮影が可能で、音楽やボイスなど、著作権が絡む部分も全てクリアにしているという。

家庭用では初となるマウス&キーボードのUIが完全実装されているのに加え、DUALSHOCK 4(デュアルショック4)のタッチパッドを用いたポインティング操作が行えるなど、新たな操作方法が導入されている。また、PS3版からアップデートされたクロスホットバーや、PC版でお馴染みの豊富なカスタマイズ性もあって、インターフェースの選択肢はPS4版が最も多い状態になるとのこと。

その上で、料金形態はほかのプラットフォームと同一の価格が実現されている。パッケージ代金がPS3版から据え置きというのも嬉しいところだが、月額料金も同じで、さらにPlayStation Plusに加入をせずゲームがプレイできるのもポイントだろう。

PS3版のプレイヤーは無料でPS4版へ移行可能となっており、PC版のプレイヤーもパッケージを購入すれば、PS4でも現在プレイしているキャラクターデータでそのまま遊ぶことができる。ここで1点だけ気を付けたいのが、PS3版からPS4版へ移行すると、PS3版のプレイ権利が失効することだ。PS4版のパッケージを購入せずどちらでもプレイできるようにというのは、日本の法律上実現が難しいようだ。

最後に今後の展開として、2014年3月に予定されている「パッチ2.2」の概要も紹介された。第12回プロデューサーレター LIVEを視聴した人は知っている内容になるが、メインシナリオや新たな蛮神戦など、多数のコンテンツが追加となる。UIの改善やプレイヤーから寄せられたフィードバックの反映も大きな要素として存在する。こうした大型アップデートが3ヶ月に1度のペースで行われ、間にはこまめにマイナーアップデートを挟んでいくとのこと。

すでに拡張パックの制作にも入っており、2.xシリーズのパッチがどこまで続くかの計画もできあがっているという。こちらについては「追ってお伝えできればと思います」と話していたので、まだ先のことにはなりそうだが、続報を楽しみに待つことにしよう。

この後は、当日試遊できたPS4版やPS Vitaでのリモートプレイの感触をお伝えしていこう。

リモートプレイを含めPS4版は期待十分な仕上がり。パッチ2.16も待ち遠しい

早速PS4版の印象についてお伝えしていこうと思うが、吉田氏が自信を持って完全最適化を施したと話しているだけあって、良くできているの一言だ。試遊ではキーボード&マウスが接続されていたが、当然ながら問題なく動作し、普段PCで遊んでいる時と変わらずプレイすることができた。

グラフィックもPC版と遜色ないというか、筆者が自宅でプレイしているよりキレイなのでは…と思ったほど。

PS4のコントローラでの操作についても、STARTボタンがOPTIONボタン、SELECTボタンはタッチパッドの押し込みとなり、位置が変わっていることで少し戸惑ってしまったが、新しく入ったタッチパッドを使った操作も、感度は良好。バトルの最中にこのポインティング操作を活用するのは難しそうだが、2.16から導入されるフィールドマーカーを設置する際や、街中でNPCをクリックしたいときなど、ちょっとした場面で使うことができそうだ。

あとは実際にプレイする本番環境で、どれだけのパフォーマンスを発揮してくれるかが焦点となるだろう。例えばベヒーモスやオーディンのF.A.T.E.でどれだけ戦えるか気になるところだが、こればっかりは何百人ものプレイヤーがいる環境でなくては試せない。ただ、そこに期待を持たせてくれるには十分な出来であると感じた。

PS4版のスクリーンショット

一通りPS4の感触を確かめた後は、PS Vitaのリモートプレイも試してみた。まずリモートプレイを開始するには、PS4と同じPlayStation NetworkアカウントをPS Vitaに設定し、最初の接続でパスコードを入れるなどのセットアップが必要となる。これを済ませた後は、PS4で「新生FFXIV」をプレイ中に、PS Vitaの接続アプリ「PS4リンク」を起動すればすぐに繋げられるので、非常に手軽だ。

試遊もメディア合同だったため、「じゃあとりあえず」なノリで真タイタンに挑戦してみることに。PS Vitaで真タイタンはさすがに辛いか…と思ったのだが、結果から言ってしまえば「操作に慣れればいける」という感じだ。さらに言えば、極蛮神戦でもいけそうな印象を受けた。ボタンを押したタイミングとその結果が反映されるまでにラグを感じることもなかったし、「俺の画面で避けた重みはちゃんと避けられている」のが嬉しい。

戦闘に集中して開始前の写真しか撮れていないのだが、本当に真タイタンに挑んだ。
普段とは違う環境とは言え、アラガン装備に身を包んだメディアたちが敗北したのは大きな声では言えない…。

フィールドでモンスターと戦った際には、よくAoE(エリアオブエフェクト)などと呼ばれる範囲攻撃の色も黄色っぽくなっていた。PS4版をプレイする際には、こうした変化を探してみるのも面白いだろう。

真タイタンの後、極ガルーダにも挑戦。とりあえずスパルナとチラーダが出現する辺りまでいけた。

PS Vitaでの操作については、PS3版のクロスホットバー(XHB)と同じような感覚プレイできるため、普段からPS3のコントローラやゲームパッドでプレイしている人は馴染みやすいだろう。気になったのは、やはりタッチの部分だ。感度そのものはいいのだが、慣れないうちはついつい背面パッドを触って戸惑うことが多い。

背面パッドはスペースが4つに区切られて設定されており、左上にL1、右上にR1、左下にL3、右下にR3が割り当てられている。背面パッドの反応をオフにしてしまうのもアリだが、この割り当てを理解して操作に慣れれば、むしろメニュー画面の操作などはやりやすいと感じた。

戦闘中は背面パッドをオフにして、それ以外はオンに戻すなど、使い分けてプレイするとよさそうだ。デフォルトの設定だと、XHBを切り替えるためのR1が背面パッドに設定されている。バトル中にXHBを切り替える人はやりづらいかもしれないが、自分に合った設定を模索していけば、どのコンテンツでも十分にプレイ可能だろう。

画面上部に背面パッドが4分割して表示されているのが分かるだろうか。各ボタンはこのように割り当てられている。

前面のタッチパネルにも対応しているので、PS4のコントローラと同じくポインティング操作も行えるし、ソフトウェアキーボードを呼び出してチャットをすることも可能だ。携帯機によるリモートプレイで、しかもPS Vita単体で全てを便利に使えることを求めるのは酷かもしれないが、どうしてもテレビやモニタと比べると画面サイズが小さいため、この点は実用性の面でPC版やPS3/PS4版に劣ってしまう。ただ、どのコンテンツもこれだけ遊べるのであれば、寝っ転がりながらプレイできる日が待ち遠しく思えるのが素直な気持ちだ。

なお、今回試遊できたのは、PS4版のβテストに向けて細かい調整や仕様変更が行われた「パッチ2.16」相当のものとなっていた。それもあって、PS4やリモートプレイの感触以外、新しい要素が入っていることにも目がいった。

その一つが、かねてよりフォーラムで話題に上がっていたフィールドマーカーだ。文字通りフィールドにマーキングすることができる機能で、最大3ヶ所までマーカーを設置することができた。バトルコンテンツの攻略方法などをテキストチャットのみで伝えるのは難しいため、この機能でかなり情報共有がしやすくなるだろう。

フィールドマーカーを設置した様子。「A」「B」「C」のマーカーを設置できる。

実際に筆者は、試遊後に自宅で大迷宮バハムートの第一層をプレイした際、固定メンバー以外の人に立ち位置の説明をしようとして、実装されていないフィールドマーカーに頼ろうとしてしまったほどだ。

ほかには、レディチェックという機能があった。これはパーティを組んでいる際、メンバーのバトルコンテンツへ挑む準備ができたか確認できるというもの。単に声を出して確認すればいいのでは、と思う人もいそうだが、ソフトウェアキーボードを使っていてこまめにチャットするのが大変だという人などには、地味に嬉しい機能ではないだろうか。

告知されていた通りモードゥナのキャンプ・レヴナンツトールにリテイナーの呼び鈴が置かれていたりと、細かいながら便利な改善があった。パッチ2.16は本稿を掲載した2月20日に公開となるので、そこでの改善点も楽しみにしておこう。

ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア

スクウェア・エニックス

PCダウンロード

  • 発売日:2013年8月27日

    ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア

    スクウェア・エニックス

    PS3ダウンロード

    • 発売日:2013年8月27日
    • 15歳以上対象

    ファイナルファンタジーXIV: ライブラ エオルゼア

    スクウェア・エニックス

    MobileアプリiOS

    • 配信日:2013年9月10日
    • 価格:基本無料
    • レーティング:4+

    ファイナルファンタジーXIV: ライブラ エオルゼア

    スクウェア・エニックス

    MobileアプリAndroid

    • 配信日:2013年11月1日
    • 価格:基本無料

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