マーベラスAQLより2014年2月27日に発売されたPSP用ソフト「幕末Rock」。ここでは、アドベンチャーゲーム&リズムゲーム好きの筆者によるプレイインプレッションと、爆音プロデューサーの“ファイトTAKEHIRO”こと石田健博氏からのコメントをお届けする。

目次
  1. 視覚、聴覚にダイレクトに訴えかけるアドベンチャーパート
  2. 初心者から上級者まで幅広い層にリーチしたリズムゲームパート
  3. “ファイトTAKEHIRO”氏からのRockな一言!
“ファイトTAKEHIRO”氏の近影(?)。どう見ても龍馬です。
“ファイトTAKEHIRO”氏の近影(?)。どう見ても龍馬です。

「幕末Rock」は、コミック調でテンポよく描かれるアドベンチャーと、本格Rockサウンドの楽曲を豪華声優陣が歌い、また、シャウトレベルの上昇によって視覚的にも楽しめるリズムゲームを組み合わせた、「Rock」をキーワードに全く新しい幕末の物語が紡がれる“歌で戦う幕末革命アドベンチャー”だ。

幕末を舞台にしており、また、登場するキャラクターたちは美男ばかりということで、おそらく女性ユーザーに向けたゲームという印象が強いと思われる本作だが、ストーリーは少年マンガのように熱く、実はセクシーな女性キャラクターも登場するという男性ユーザーにとっても楽しめるだけの魅力が詰まっている。

ここでは、アドベンチャーゲーム&リズムゲーム好きの筆者による本作のプレイレポートを、プレイの場に同席してもらった石田氏(便宜上、ここからは“ファイトTAKEHIRO”氏とお呼びする)からのコメントとともにお届けする。

視覚、聴覚にダイレクトに訴えかけるアドベンチャーパート

本作では、幕府が放つ最高愛獲(トップアイドル)「新選組」を利用した洗脳ソング「天歌(ヘブンズソング)」による天下泰平で、国と民を支配する幕府に対し、坂本龍馬をはじめとする志士(ロッカー)たちが、自由と正義の為にRockの力で世界を変えるため、痺れる雷舞(ライブ)で民衆の魂(ソウル)を解放し、革命を起こしていくというストーリーが展開する。

先述の通り、コミック形式で進行するアドベンチャーパートは、とにかくその勢いが魅力。いわゆる地の文についてはほぼ皆無で、終始縦読みのテキストが羅列するアドベンチャーゲームとしては珍しい形をとっていることにより、テキストを読み進めるという感覚よりは、場面場面をテキスト、そして声優陣によるボイスとともに体感するという感覚が正しいだろう。

筆者がプレイした上で印象的だったのが、テキスト、ボイス、イラスト、そしてBGMに至るまで、ゲームを構成する要素が予想以上に融合されていたことだ。コミック調にすることでダイナミックになった画面に、小気味よいテキストとダイナミックな擬音が入り込むことでテンポ感を生み、さらに声優陣による熱量のあるボイスが加わることで勢いが増している。そして、幕末の世界観を活かしつつ、Rockのイメージもしっかりと反映したBGMがゲーム全体の雰囲気を支えていることも触れておきたい。

サブキャラクターたちも負けず劣らずの個性的な面々が勢揃い。独特のテンポ感がより一層引き立つ。

また、リズムゲームパートに入る前など、場面転換のタイミングではより一層熱のあるキャラクターのセリフが楽しめるのも本作ならでは。通常、熱いセリフとカットインで盛り上がりを生むという表現はともすれば単調になりがちだが、今作ではそれを大きく突き抜けるだけの熱量が画面全体からほとばしっている。こちらはぜひゲームをプレイする中で感じてほしいポイントだ。

ちなみに、“ファイトTAKEHIRO”氏によるとシナリオのボリュームは「キャラクターたちがいい意味でどんどん勝手に動いてくれて、当初の予定よりアドベンチャーパートがかなりボリューミーになりました。個性溢れるキャラクターたちの軽快な掛け合いや熱い戦いを楽しんで頂けるとうれしいです!」とのこと。ダイレクトにキャラクターの魅力を感じ取れるだけでなく、熱量のあるストーリーをたっぷりと楽しめる本作は、少年マンガのように男女問わずにユーザーを熱くさせてくれることだろう。

ゲームをプレイする中で解放されるスキットやボーナスシナリオでは、本編では見られないキャラクターたちの
日常や掛け合いが楽しめる。

なお、エンディングはゲーム中に登場する選択肢や、リズムゲームの結果によって得られる贔屓(ファン)の人数に応じて変化する。リズムゲームについては後述するが、アドベンチャーパートではとにかくRockな行動を心がけよう。

初心者から上級者まで幅広い層にリーチしたリズムゲームパート

本作のもう1つの目玉であるリズムゲームパート「視覚雷舞(ビジュアライブ)」も、アドベンチャーパートに埋もれさせるには惜しい完成度の高さを誇っている。ここからは、筆者が本作ならではの魅力だと感じる3つのポイントを紹介していきたいと思うのだが、その前に本作におけるリズムゲームの遊び方について説明しておこう。

本作のリズムゲームは、火威斗(ビート)がライン上に来たタイミングで、対応した○×△□のボタンを押すだけの簡単操作になっている。その際、コンボを繋げることで雷舞(ライブ)終了時に獲得できるボーナスポイントもより多くなっていくのだが、さらに、△ボタンのシャウトアイコンを多く成功させることで、より派手な雷舞(ライブ)映像を楽しむことができる。

ここまで説明した上で本作ならではのポイントとして1つ目に挙げたいのが、リズムゲームにおける肝とも言える楽曲の魅力についてだ。当然といえば当然だが、今作でプレイできる10曲以上の楽曲は、それぞれに特徴を持ったRockテイストの曲となっている。ここまで1つのジャンル、それもRockに特化したボタン押しタイプのリズムゲームと考えると、実はあまりプレイする機会には恵まれていないように思う。

そう考えた時に、本作のようなシンプルなリズムゲームの仕組みでここまでガッツリとRockな楽曲が楽しめるのは嬉しいところ。もちろん、谷山紀章さん、鈴木達央さん、森久保祥太郎さんといった、自身での音楽活動も行う声優陣による歌唱も聴きどころとなっているので、まずはそこからゲームに入っていくのもいいのではないだろうか。

2つ目のポイントは、リズムゲームパート中に大きな存在感を放つ映像演出だ。当初はしがらみが鎖となって男たちを縛り付けているが、シャウトレベルが上がる毎にそれらが解放されてカットインも変化していく。シャウトレベルが最大の3になると解放される、超絶頂(エクスタシー)カットインはもちろんだが、そこに至るまでの細かい演出も要チェックだ。

なお、楽曲の映像は、プレイした後であればGALLERYページのMOVIEより見ることができるので、じっくりと見たいと人はそちらで試聴するのがオススメだ。

そして3つ目のポイントとなるのが、プレイするユーザーの層をしっかりと考えた3段階の難易度設定だ。今作では歌のタイミングに合わせてボタンを入力していく形式となっており、難易度が変わったとしてもその遊び方自体は変わりないのだが、難易度を変えることにより、入力するボタンの総量とその配置が大きく変わる。

例えば「EASY」の場合は、落ちてくるアイコンに一定の間隔があること、そして基本的には同じボタンのアイコンが連続する素直な配置になっていることから、リズムゲームが苦手なプレイヤーでも比較的入りやすくなっている。一方、「HARD」では同じ曲とは思えないほどにアイコンの数は増え、また、アイコンの配置もバラけたり、スピードがアップしたりとリズムゲームが得意なユーザーでも想像以上の手ごたえをもってプレイできることだろう。

また、本作ではリズムゲームパートをプレイする際、十字キーは対応していないため、アイコンの流れにいかに追いつけるようにボタンを押すかも考えどころだ。特に「HARD」をプレイしていると「十字キーにも対応していれば…」と思うこともあったが、慣れれば慣れるほど指が追いつけるようになるので、心配せずに挑戦してもらえればと思う。

最後に、リズムゲームパートでのゲームオーバーはないということにも触れておこう。もちろん、内容がよければそれだけ贔屓(ファン)を獲得できるのだが、そこをストレスに感じることなくゲームのストーリーを読み進めることができるので、アドベンチャーゲームファンにとっても安心の仕様となっている。

ちなみに今回は、リズムゲームパートの制作を担当した方にもお話を聞くことができたのだが、それによると、本作は「NORMAL」を難易度のベースにしつつ、「EASY」では難易度は落としているもののそれでも曲に合わせて気持ちよくプレイできるものに、「HARD」では初見のプレイでCやD(本作の評価はS~D)が出てもいいぐらいのゲームバランスで制作しているとのこと。

何度もテストを重ねたこともあり、実際に遊んでみてもゲームバランスは絶妙で、個人的にもオススメできるゲームとなっているので、まずは遊んでみてもらえればと思う。

“ファイトTAKEHIRO”氏からのRockな一言!

プレイレポートはこれで終了となるが、熱い思いが詰まった作品にふさわしい、“ファイトTAKEHIRO”氏から魂(ソウル)のこもったコメントを頂いたので紹介しよう。すでにゲームをプレイしている人も、これからプレイするという人もぜひチェックしてほしい。

――“幕末”と“Rock”という2つのキーワードを組み合わせようと思った経緯をお聞かせください。

“ファイトTAKEHIRO”氏:社内でいろいろな企画を持ち寄った中のひとつに「幕末Rock」があったのですが、ひと目で魂(ソウル)に火がつきましたYo! 時代が動く過程で、人々が志を持って生きた幕末と、雷舞(ライブ)での興奮と一体感で凄まじい熱量が発生するRock…。この2つが合わさった時、物凄い熱情(パッション)が生まれると思いプロジェクトをスタートしました!

――アドベンチャーパートとリズムゲームパート、それぞれのアピールポイントをお聞かせください。

“ファイトTAKEHIRO”氏:アドベンチャーパートはなんと言ってもコミック演出ですYo!擬音や吹き出しを駆使した派手な演出は声優陣の熱い演技をさらにヒートアップさせています!

やっぱり「Rock」というからには派手でなければならないと! そして、リズムゲームパートの楽曲は全て「幕末Rock」オリジナル!!! 声優界を代表する志士(ロッカー)たちが熱唱する、熱いRockにノッて気持ちよく遊んで欲しい! そして志士(ロッカー)たちを熱い熱情(パッション)で超絶頂(エクスタシー)状態に導いてほしいZe!!!

――3月にはAnime Japan 2014でのステージイベントも予定されていますが、今後の展望についてもお聞かせください。

“ファイトTAKEHIRO”氏:まずはたくさんの方にゲームを楽しんで頂き、今後もイベントなどさまざまな活動を続けていきたいと思っています! 一緒に行こうZe! 超絶頂(エクスタシー)のその先へ!!!

――最後に、ユーザーに向けてのメッセージをお願いします。

“ファイトTAKEHIRO”氏:とにかく作品の熱情(パッション)を感じてほしい。声優陣も本当にすごい熱量を込めていただき、シャウト、シャウトで喉を枯らしていたほど! 歌についても気合いと魂(ソウル)を込めて歌っていただいています。スタッフも最初から最後まで熱情(パッション)全開で取り組んできた作品なので、全てが熱い! プレイして、ぜひその熱量を感じてほしいZe!!!

――ありがとうございました。

幕末Rock

マーベラス

PSPパッケージ

  • 発売日:2014年2月27日
  • 12歳以上対象
幕末Rock

幕末Rock

マーベラス

PSPダウンロード

  • 発売日:2014年2月27日
  • 12歳以上対象
  • PS Storeダウンロード版

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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