タカラトミーアーツは3月13日、キッズ向けの新アミューズメントマシン発表会を開催し、新筐体「プリチケ」を披露した。本筐体の特徴や、そこに向けて提供されるコンテンツも明らかとなったので、その内容をお届けしていく。

鴻巣崇氏
鴻巣崇氏

発表会の冒頭では、タカラトミーアーツ代表取締役社長 鴻巣崇氏から挨拶が行われた。同社では「ポケモンバトリオ」を皮切りに筐体事業へと本格参入を果たし、その後は「ポケモントレッタ」やアニメ連動型の「プリティーリズム」といったタイトルで成功を収めてきた。

しかし他社を含めてさまざまな筐体が存在し、市場的にも成長している分野でもある。それを踏まえ、今までの商品よりも「遊び」「情報」「コミュニケーション」のどれもが拡大されるものとして、新筐体「プリチケ」が今年7月より導入されることとなる。鴻巣氏はこの新筐体について「筐体と連動するような周辺事業も含め、ワクワク、ドキドキできる商品を積極的に展開していきたい」とした。

詳しい事業展開については、タカラトミーアーツ常務取締役 アミューズメント事業本部長の森岡俊広氏から語られた。今回発表となった、“次世代アミューズメントマシン”と銘打たれた新筐体が「プリチケ」という名称となるのだが、この筐体にはさまざまな特徴があるという。

チケットの切り離しを実演する森岡俊広氏
チケットの切り離しを実演する森岡俊広氏

そのひとつが、ゲームプレイ後にチケットスタイルのキラカードが排出されるところ。「プリチケ」はオンデマンド印刷に対応しており、ゲームの内容を瞬時に反映してプリントできるほか、排出されるカードは全てキラ仕様となっている。さらに、通常のカードよりも大きく、大カード/小カードに切り離すこともできる。

大小の各カードには二次元コードが印刷されており、どちらも独立したカードとして使用できる。例えば大カードはキャラクターカード、小カードはゲーム進行を助けてくれるサポートアイテムとして使える、といった感じだ。

筐体にはマルチサイズスキャナが搭載されており、カードだけでなく立体物もスキャン可能だ。また、全台オンライン通信に対応しているので常に最新バージョンのゲームが提供できるほか、コンテンツに応じてカメラやWi-Fiなどの機能を付け加えることもでき、拡張性も高いという。森岡氏は「無限の可能性を秘めたアミューズメントマシンです」と自信を見せていた。

「プリチケ」で提供されるコンテンツは2作品が発表された。そのひとつが男児向けの完全新規タイトル「ブキガミ」だ。本作は「デカイ武器 集めて鍛えて ブッ倒せ!!」をキャッチコピーに、デカイ武器でデカイ敵を倒す爽快感が特徴の、王道といえるバトルゲームになっている。

ゲームの流れは、プレイヤーが武器召喚士“ブキガミ”を操り、ゲーム内のキャラクターたちに武器を与え、デカイ敵を倒すというもの。武器を強化・進化・合成させることでより強い武器にでき、毎回プレイ後に強くなった成果がカードに反映されて排出される。武器は剣をはじめ、ハンマーと銃の3系統あり、今後も追加予定だという。

チケットは大カードが「ブキガミカード」と呼ばれ、ゲームをするたびに強くなる武器のグラフィックがプリントされている。切り離して使える小カードは「ボーナスチップ」となり、バトルに役立つアイテムや、武器の進化に必要な素材などがプリントされる。

また、カード印刷時には、レアなものとして通常の2倍サイズを誇る「ドデカード」が排出されることもある。このカードではキャラクターがパワーアップしているほか、ボーナスチップでは超強力武器を手に入れるためのキーアイテムが獲得できる。稼働時期は2014年7月予定となっており、店頭では無料体験プレイができる無料カードの配布、3DS用ソフトの無料配信などを行い、体験の場を提供していくとのこと。

もう一方のタイトル「プリパラ」は、女児向けののチームライブ体感ゲームだ。自分で作った“マイキャラ”をアイドルチームのセンターにして、歌とダンス、ランウェイウォークやメンバーアピールといった要素を、リズムゲームを通して体感することができる。

また、筐体に搭載された撮影用のカメラで自身を撮影し、自分の写真がプリントされたチケットで遊ぶことができる。本作でのチケットは、切り離すと「マイチケ」と「トモチケ」に分かれ、マイチケではチームのグラフィックとキャラクターのニックネーム、マイキャラの成長データ、ゲームの後に新しくもらえるステージ衣装のデータなど、多くの情報がプリントされている。

トモチケはプレイヤーの写真やマイキャラのコーデ、ランクが記録されており、森岡氏いわく「女の子にとっての名刺やプロフ帳のようなもの」だという。このトモチケは友達と交換することで真価を発揮するものとなっており、アナログ的な繋がりによって交流の輪を広げるだけでなく、友達との思い出にもなるのだ。さらにゲーム内では、交換したトモチケを使うことで、友達のマイキャラが自分のゲームに登場する。

前作に当たる「プリティーリズム」のストーンをマルチスキャナで読み込めるほか、今後発売される「プリパラ」玩具やグッズとも連動を考えているようだ。そうした周辺展開のひとつとして、ゲーム内のアパレルブランド“プリズムストーン”と、現実のファッションメーカー“夢展望”がコラボし、新テイストのアパレル商品を2014年4月より販売していくことも明かされた。

「プリパラ」は筐体に向けてコンテンツが提供されるだけでなく、「プリティーリズム」シリーズのテーマを継承した新シリーズとして、TVアニメ化も決定している。こうした「プリパラ」の事業展開については、タツノコプロの代表取締役社長 桑原勇蔵氏と、タツノコプロ プロデューサーの依田健氏から説明が行われた。

桑原勇蔵氏 依田健氏
アニメ「プリパラ」のキービジュアル
アニメ「プリパラ」のキービジュアル

「プリティーリズム」はアミューズメントゲームとして始動して以降、これまでTVアニメ1期「オーロラドリーム」、2期「ディアマイフューチャー」、3期「レインボーライブ」、そして劇場版「プリティーリズム・オールスターセレクション プリズムショー☆ベストテン」と続いてきた。

そして2014年4月からは、TVアニメ3作を振り返る「プリティーリズム・オールスターセレクション」が1クールにて放送となるが、その次の展開にあたるのが「プリパラ」のTVアニメだ。

依田氏は、シリーズの良いところは継承しつつ「全く新しい『プリパラ』という作品を作り上げようと奮闘中です」とコメントした。ストーリー概要は下記のようになっており、主人公のらぁらがアイドルを目指して成長していく物語が描かれるという。

TVアニメ「プリパラ」ストーリー

明るく元気な小学5年生らぁらは、アイドルのライブ番組「プリパラTV」を見ることが大好き。そんならぁらの元に、年頃の女の子へ送られるというプリパラへのチケットが届く。

ひょんなことからプリパラへと入ったらぁらは、先輩アイドルのみれぃに巻き込まれ、いきなりライブに出ることに!らぁらは無事にアイドルデビューできるのか…!

なお、本作は「プリティーリズム」シリーズのテーマを継承しつつも、名称は「プリパラ」と、同一の名前でサブタイトルを変えた形にはなっていない。これには、「プリティーリズム」シリーズというより、「プリティ」シリーズとして展開していきたいとの理由があるようだ。「プリティーリズム」「プリパラ」そして仮に今後新しいものが出る際にも、それらをひっくるめて「プリティ」シリーズとして考えていくとのこと。

発表内容は以上となり、この後はゲストによるトークコーナーへと移った。最初に登場したゲストは「ブキガミ」に関わる二人、主題歌を歌う湯気さんと、主要キャラクターのモモを演じた小林ゆうさんだ。湯気さんは巨大な武器を持って現れたが、割りと重量があるようで「リハーサルでも持っていたので、すでに腕がプルプルしています」と会場の笑いを誘っていた。

湯気さん

小林さんは、隣に置かれた自身が演じたキャラクターパネルを見つつ「モモは可愛くて、勇ましくて色々な魅力が詰まったキャラクターなので、演じさせていただくのが楽しみでした」と、配役が決まった当時の印象を振り返った。MCから決めゼリフの有無について話題を振られると、パネルの裏に隠れつつ「武器をください!」と迫力ある声でセリフを披露した。

小林ゆうさん

このほかにも、独創的なイラストを描くことで知られている小林さんが、今回のステージに向けて描いたゲーム内の進行役・ミニバットを披露したり、湯気さんが主題歌を披露するライブの時間が設けられていた。

続いて「プリパラ」からのゲストとして、ゲームとアニメの両方で主題歌とキャラクターボイスを担当しているアイドルユニット・i☆ris(アイリス)のメンバーが登場。「プリパラ」のアフレコや楽曲収録はこれから行われるようで、どんな曲を歌えると嬉しいか聞かれると「アイドルらしさを感じられる曲」「ファンのみなさんと盛り上がれるような曲」「聞いてくれる方が一緒に歌って、踊ってくれるような曲」と、澁谷梓希さん、山北早紀さん、若井友希さんが順にコメント。

澁谷梓希さん
山北早紀さん 若井友希さん

アニメのアフレコに向けては、「アイドルを目指すらぁらと一緒に私も成長していきたい」「みれぃちゃんという女の子の人生を背負う気持ちで一生懸命演じたい」「最後には私が担当してよかったと思ってもらえるよう、そふぃちゃんと一緒に成長していきたい」と、今後は茜屋日海夏さん、芹澤優さん、久保田未夢さんが意気込みを語った。

茜屋日海夏さん
芹澤優さん 久保田未夢さん

会場で公開されたのは3キャラクターだけだったが、i☆risのメンバーは全員が「プリパラ」に声優として出演するようだ。もう3人のシルエットが公開されると山北さん、澁谷さん、若井さんは「この3人がどう関わってくるのか、どんな個性を持っているのか楽しみにしていてください」と述べ、ステージを締めくくった。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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