セガは本日3月14日、ライドオン・エクスプレス本社(東京)にてPS4/PS3用ソフト「龍が如く 維新!」と宅配釜飯チェーン「宅配御膳 釜寅」のコラボレーションから生まれたオリジナルメニュー「角煮釜飯」のメディア試食会を実施した。
発売前の12月2日よりスタートした本コラボでは、期間中「宅配御膳 釜寅」で電話または公式サイトより1,500円以上の注文をした人を対象に、抽選で「等身大龍馬像 1/12サイズ 特製フィギュア」をはじめとした、ここでしか手に入らない「龍が如く 維新!」のレアグッズが、そして公式サイトからの注文者にはもれなく「オリジナル壁紙(スマートフォン/PC)」がプレゼントされる。また、Web注文限定オリジナルメニューとして「龍が如く 維新!特製『角煮釜飯』(以下、角煮釜飯)」が提供中だ。
一方、「龍が如く 維新!」のゲーム内では、幕末の京の街に「宅配御膳 釜寅」をイメージした店舗が登場し、主人公・坂本龍馬が釜飯を食べることで体力が回復する。
コラボキャンペーン詳細ページ
http://cp.kamatora.jp
試食会にはセガから「龍が如く 維新!」のプロデューサー・横山昌義氏、ディレクター・阪本寛之氏が参加。普段からプライベートで注文し、家族と一緒に食べているという横山氏と阪本氏は、「角煮釜飯」はもちろんのこと、釜寅の一番人気であり、ゲームの中でも最も体力が回復するメニューである「うなぎまぶし」をメディアに先んじて試食し、舌鼓を打っていた。
また、会場ではライドオン・エクスプレスの広報担当者が、日本食である釜飯にマッチした、“和”のキャラクターを探していたところ、セガ側から提案が寄せられたのが、幕末維新がテーマである本作とのコラボを実施した経緯であると説明。また、自宅で遊ぶことの多い据え置き型のゲームと、宅配によって自宅でも食べられる環境を作っている釜寅の2つが“在宅”というキーワードで一致することで、新たな顧客層を開拓できるのではないかと思ったそう。
なお、コラボキャンペーンでプレゼントされるグッズも当日の会場で展示されていたのだが、特に注目してほしいのは1等でもらうことのできる「等身大龍馬像 1/12サイズの特製フィギュア」だ。これは東京ゲームショウ2013で展示された龍馬象をベースに作られた限定生産となっており、当選者の5名のみしか手に入らないものとなっているという。
もちろん、筆者をはじめとしたメディアも両メニューを試食することができたのだが、1合分のお米に角煮やうなぎがそれぞれたっぷりに盛られており、1食で十分に満腹感を得られるほどのボリュームとなっている。また、薬味や特製のだし汁などのバリエーションによって、さまざまな味わいが楽しめる点も大きなポイントと言えるだろう。コラボキャンペーンの期間は3月31日までとなっているので、興味を持った人はぜひ一度味わってもらえればと思う。
さらに、発売から3週間ほどが経過した今の心境や、ユーザーからの反響について横山氏、阪本氏に話を伺うことができたので併せて紹介しよう。
――発売から3週間が経過しての心境をお聞かせください。
横山氏:「龍が如く 維新!」だけが持つゲーム性とその中身に合わせたかたちで評価が届いているなというのが実感です。今までの「龍が如く」シリーズですと初日、2日目あたりで面白い、つまらないに関わらず感想が一気に届いていたのですが、長く遊んでほしいと思って作った「龍が如く 維新!」では、そのとおりにお付き合いいただいているなと思います。
発売から3週間が経った今でも毎日のように「今日はここまで行った」「こういうプレイが面白い」「こういうのはどうなんですか?」といった感想が届いていて、ユーザーさんが長く丁寧にソフトを楽しんでいただけているというのがすごくありがたいですし、こちらが意図としていたゲームとしての目標が達成できていると思います。
阪本氏:私もよく電車の中で「維新、買おうと思うんだよね」といった話を聞くことがあります。スピンオフというとこれまでのファンからは敬遠されるかなとも思ったのですが、剣術アクションで「龍が如く」らしいドラマもありつつ、今回はPS Vitaとのクロスセーブなどいろいろな試みをやってきました。その全ては、せっかく一本買ってもらったからには何回も遊べて、いろいろな遊び方ができるようにするためでして、その魅力が上手く伝わってよかったというのが正直な印象です。
お話のネタバレがされてそのソフトの寿命が終わっていくというのが最近のゲームでは多いのですが、繰り返し遊べてクリアしても終わらないというゲーム作りはよかったと思いますし、こういった遊ばせ方はどんどん追求していきたいかなと思っています。
――PS4とPS3、2つのプラットフォームで発売されましたがPS4版の数字についてはどのような感触ですか?
横山氏:PS4版の数字については想定通りでしたね。むしろPS4にゲーム業界の話題も集中するので、PS3で出ること自体が伝わっていないのではないかという恐怖感のほうが我々としては高かったです。
今回、PS4とPS3の両方で作っているということを伝えるのは本当に難しかったですね。言っているつもりなのですが、PS4本体と同時発売ということもあってそちらに話題が向かっていたので、実際に「PS4版しか作らないのですか? PS3版作ってもらえませんか?」というお問い合わせもありました。
そういう意味でのドキドキ感はありましたが、発売してからは「PS3版出てたんだ!」という反応もあったりして、今ようやく正しく伝わってみなさんの手に届いていると思います。
――PS4とPS3で同時進行してみていかがでしょうか?
阪本氏:これまでの「龍が如く」シリーズは全て1プラットフォームで日本語版のみという形でしたが、今回は「龍が如く」シリーズ史上一番マスターアップに慌てたプロジェクトだったと思います。PS Vita版も作っていましたし、PS3版もPS4版も本当に同時進行で作っていたので、デバッグも3倍くらいかかりましたし、PS3版でしか起きない問題なども全部同時に吸収して調整していました。それでも上手く作れたなとは思っていますし、今までの「龍が如く」の中で、一番ソフト自体が安定していました。
横山氏:それは間違いないですね。これは開発チームの成長あってのことだと思いますし、一番ピンチがなかった気がします。3プラットフォームなので現場は慌てたとは思うのですが、すんなり行き過ぎてちょっと怖くて、発売後に何かあると思っていたら何もなくてまた肩すかし、といったぐらいに上手くいっています。
これはやはりチームが8年間やってきたことの成果だと思いますし、タイアップの入れ方もすごく上手くなっていると思います。ゲームで食べ物を扱うのは、匂いがない、空気感がない、そしてCGで食べ物を作るのはすごく難しいという点で、一番食い合わせが悪いんです。
でも食べることは、その人の性格や空気感を伝えるために必要な小道具だと思っていて、そういうのがまた街の中にあると食べてみたいと思いますし、食べたら自分もお腹がすくという感じでゲームとリンクしていくと思っています。そうすることで食もゲームも楽しく繋がると思うのですが、その点もチームとして上手くなってきたと思います。
阪本氏:ゲームのキャラクターがこれを食べたんだなと思って、お客さんも同じものを頼んで食べて共感できる、というのもすごくいいことだなと思います。
――PS4のブロードキャストを実際にやられた方の反応はいかがでしたか?
阪本氏:僕は今実際に映像を観たりしているのですが(編注:「龍が如く 維新!」は1週目クリア後に配信可能)、外国人の方がすごく観ています。配信され始めた時はSHARE機能での視聴者数が結構多かったのですが、8~9割は外国の方でしたね(笑)。
横山氏:「龍が如く 維新!」は欧米では出ていないので、すごく好きなファンの人を除いてはPS4を通じて観てくると思うので、読めないメールがたくさん届いていますので(笑)、もしかしたらそこに繋がっていると思います。
――先行で配信されたPS Vitaの無料アプリですが、ユーザーの遊び方で想定外だった驚きはありましたか?
横山氏:全部想定内ではありましたが、お金に関してはTwitterで「200両ぐらい貯めていればプレイが楽になりますよ」と話していたところ、5000両ぐらいいっている方はいましたね(笑)。それだけ貯めていてもゲームで簡単に強くなれるわけではないですし、ゲームの中でぐらいお金には困らないでほしいという気持ちは常にあるので、それはそれで良いと思っていました。
やはりユーザーの人のやり込みはすごいですね。試しに通信で麻雀に挑んでみたらコテンパンにやられましたよ(笑)。今回はお金だけでよかったですが、これがMAXまで成長できるという風にしていたらやばかったと思います。
阪本氏:そこは結構悩みましたね。やればやるだけ見返りをあげようというのは決めていたのですが、レベルアップとかもろもろ全部を青天井で上げてしまうと、楽しみにしていた本編を遊んだ時にいきなりつまらなくなってしまうと思ったので、レベルキャップのさじ加減については悩みました。5000両を貯めた人も序盤はゲームが一気につまらなくなるような感じにはしていないので、そこは上手くできたと思います。
――最後にユーザーにメッセージをお願いします。
横山氏:毎回、「龍が如く」シリーズでは興味の切り口はどこからでもいいと思っています。「龍が如く5」に「バーチャファイター」を丸々搭載したりと無茶なことをいつもしていますが、例えば釜寅さんを偶然頼んでくれて、「角煮釜飯」が美味しいから「龍が如く」を知ったという人も絶対いると思います。遊びの要素はてんこ盛りにしていますので自然と入ってきてもらえればいいと思っています。
今回に至っては、信念として面白いものは正しく売れるべきだし、面白いものを正しく訴求できれば家庭用ゲームはまだこれだけできるということのひとつの形として見せたいと思っています。無理にオススメする気はないですし、どちらかと言うと、買ってくれた人の顧客満足度を高めるというのが今回の目標にもなっています。現時点でその目標は果たせていると思いますし、またそのようなトライをできればと思っています。
阪本氏:「龍が如く 維新!」を知るきっかけはいろいろとあると思うのですが、遊んだら面白いという自信があるので、興味を持って買ってもらえたらぜひ遊んでくださいという思いが全てです。