セガは、アーケード向け2D対戦格闘ゲーム「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX」の稼働を本日3月18日より全国のゲームセンターにて順次開始する。ここでは、すでに稼働が開始されているセガ 秋葉原 1号館の模様と、開発陣への合同インタビューをお届けする。

目次
  1. 開発陣への合同インタビューをお届け!
  2. 電撃文庫作家からのメッセージも到着!

10月の第1回ロケテストをはじめ、これまでに何度かプレイする機会のあった本作だが、いよいよ本日より全国のゲームセンターにて稼働が開始される。当日は本作を遊ぼうと、開店当初から足を運ぶプレイヤーも見受けられ、早速対戦に興じていた。

また、アーケードゲームを普段遊ばない、電撃文庫の各作品が好きな人でも楽しめるように、セガ 秋葉原 1号館では3Fにシングル台(4Fに対戦台4台、6Fにゲームセレクト台1台)も用意。さらに店内には、本作にも登場する「アクセル・ワールド」黒雪姫役の三澤紗千香さんのサイン入りポスターもあるので、足を運んだ際にはそちらもチェックしてもらえるといいだろう。

(左から)野中竜太郎氏、寺田貴治氏
(左から)野中竜太郎氏、寺田貴治氏

そして、いよいよ稼働を迎える本作について、セガ 「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX」開発プロデューサーの野中竜太郎氏、同開発ディレクターの寺田貴治氏への合同インタビューを実施。さらに、電撃文庫作家陣の中から「とある魔術の禁書目録」著者の鎌池和馬氏、「デュラララ!!」著者の成田良悟氏からユーザーに向けてのメッセージが到着したので紹介しよう。

開発陣への合同インタビューをお届け!

――稼働開始を迎えた今の率直な気持ちをお聞かせください。

寺田氏:今までコンシューマのソフトをメインに手がけていたので、アーケードのゲームをリリースするのがちょっと怖いです(笑)。コンシューマのゲームは家で遊んでもらって感想をいただきますが、(アーケードでは)実際に遊んでいるユーザーを目の前で見れて、楽しんでいる状況が直に確認できるので、感想がよりダイレクトに伝わってくると思います。

みなさんが楽しんでいただけるかといった部分をとても恐ろしく感じていますが、面白く感じてもらえるように仕上がっていると思います。私も稼動日にいろいろな店舗を見回って、いろいろなパワーをいただいて、今後の開発に活かしていきたいと考えています。

野中氏:アーケードの場合はロケテストなどがあるため、何度かユーザーさんが遊ばれているのを見たり、反響をいただいたりしてきたので、(稼働を迎えた)達成感はあまりないものと思っていたのですが、今日はさすがに緊張しています(笑)。いよいよ始まるのかというところで、身が引き締まる思いです。

特に今回は、電撃文庫さんのキャラクターをお借りして対戦格闘ゲームを作りましたが、電撃文庫ファンの方のキャラクターに対する愛情は深いですし、格闘ゲームのユーザーさんはレベルの高いところで楽しまれているので、両方のファンにしっかりと遊んでいただきたいと思ったところからスタートしています。それをこれからみなさんに触っていただき、反響いただけるというところから、緊張半分、楽しみ半分といったところです。

――過去4度のロケテストを経て、寄せられたユーザーさんからの意見や改善点があればお聞かせください。

寺田氏:最初のロケテストの時は、いわゆる“待ち”がちょっと強く、行動バターンがほぼ決まってしまうという意見が多く、そして2回目は、技の威力を中心に、サポートキャラクターに関しても使い方が制限されるといった意見をいただきました。それを受けてインパクトブレイクという崩しの技を入れたり、サポートキャラクターの技が2種類になったり、キャラクター全体のバランスを見直したりと、意見を取り入れて発展していきました。

我々がこのゲームを作ったというところはもちろんあるのですが、みなさんの意見を取り入れてさらにブラッシュアップしてきたので、ロケテストに来ていただいた方も含めてみんなで作ってきたゲームなんじゃないかと思います。

野中氏:僕の中で印象的だったのが、最初に出展させていただいた「電撃文庫 秋の祭典2013」の時に、ゲームの始め方がわからないという方に来ていただいたことです。それがものすごくカルチャーショックで、我々が作っているものはそういう方々にも楽しんでもらうものなんだというところを再確認することができました。

最初の段階から格闘ゲームの知識が無くても、簡単操作でいろいろと遊べるというところは徹底していたつもりだったのですが、我々が想像している以上に幅広いユーザーさんがいるタイトルなんだなと思い、その後もとにかく難しくはならず、でも読み合いはしっかりやれるようなゲーム性を目指して調整してきました。最後の調整はものすごいことになっていました。

寺田氏:最後の1週間ぐらいでまた別物になったなという感覚があるぐらい、少しでもより面白いゲームになるようギリギリのタイミングまで調整していました。

野中氏:寺田の話にもあった通り、サポートキャラクターの行動を2パターン選べるようにしているのですが、それもユーザーさんの中で「このキャラクターは守備的にしか使えないのか?」といったご意見がありましたので、好きなキャラクターを選んで自分の自由に戦えるようにさらに対応をしました。ユーザーさんの声にはかなり素直に取り組んできたと思います。

寺田氏:アンケートもものすごい分量でいただいて、格闘ゲーマーの熱を感じました(笑)。

野中氏:最終的にはみなさんに楽しんでもらえるかたちにはなったかなと思いますので、ぜひそこは触って確認してみてください。

――普段格闘ゲームを触られていないユーザーさんに向けた、初心者向けのイベントは予定されていますか?

野中氏:まずは「ALL.Net P-ras MULTI(オールネットプラスマルチ)」でどうやって「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX」を遊ぶかといったあたりから、最近ゲームセンターに足を運んでいない方でも遊び方がわかるように説明して、ユーザーさんがちょっと触って楽しんでもらえるような何かをやりたいと思っています。

寺田氏:そちらについては「クライマックスアリーナ」という連動サイトで公開予定なので、今後もそちらで手厚くしていければと思っています。まさしく野中が昨日作っていたので(笑)。

野中氏:なぜかね(笑)。今のアーケードゲームはコミュニケーションの幅が広がっていて、我々も「Aime(アイミー)」のカードを利用した取り組みもやっているので、それらも遊びとして用意されているということもみなさんに知ってもらえればと思います。

――公式大会の実施などは予定されていますか?

寺田氏:4月13日に「ALL.Net P-ras MULTI」の大会がセガ 秋葉原 1号館で予定されていまして、「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX」としてはそこが初の公式大会になります。

野中氏:ゆくゆくはいろいろと大きな大会をやっていければと思います。

寺田氏:Twitterとか見てると、各店舗さんでも個性豊かな大会をやっているみたいなので感謝しています(笑)。

――今後の展開について言えることはありますか?

野中氏:本日が稼働となるので言えることは少ないのですが、「Aime」のカードのシステムでポイントを貯めてカラーバリエーションを手に入れるなどの要素があるのでそちらに注目してもらえればと思います。また、この先もユーザーさんにずっと楽しんでもらえるよう、手を入れるようなことも考えていきたいとは思っています。

あと、我々としては1Pプレイ用のストーリーやボス戦の部分もきちんと作っているのですが、ロケテストですとそこはみなさんスキップされていたので(笑)、そこもじっくり楽しんでもらえればと思います。

寺田氏:キャラクターもE-mote(エモート)を採用していて、原作の絵がそのまま動くのでなかなかインパクトがあるものになっていると思います。

野中氏:セリフも全て作家さんのみなさんの監修のもと今回用に作っていまして、原作では当然ありえないような会話も、原作の世界観を踏まえながら作っていて、ボイスも全て新規で録っているという状態です。

――電撃文庫の作家さんや編集部の方とのやり取りで、印象的だったエピソードはありますか?

寺田氏:僕は伏見つかささん(「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」著者)とのやり取りが印象に残っています。桐乃のキャラクター性能やドット絵を監修に出したところ、「この技は死に技になってしまうので変えてください」といったメッセージが10倍ぐらいのボリュームで返ってきまして。「伏見さんってすごく格ゲー得意な方なんだな」と思い、いろいろと意見のやり取りをしながらキャラクターの性能を詰めていきました。

(電撃文庫の作家には)セリフの監修などをしていただいたのですが、伏見さんに関してはキャラ性能まで監修していただいたというのは僕の印象に残っています。

野中氏:電撃文庫の作家やイラストレーターのみなさんは格闘ゲーム好きな方が多くて、寺田が「これは大丈夫かな?」といった設定を出すのですが(笑)、意外とそれが通るといった後押しもいただきました。

寺田氏:「ロウきゅーぶ!」(湊智花がプレイアブルで登場)のクライマックスアーツは原作にあるポーズではなく、声優さんたちがライブで5人一緒に決めるポーズになっています。「これは使っていいんでしょうか?」と投げたら確認していただいて、「やってください!」というご返答をいただいて、使わせてもらいました。

あとアスナ(「ソードアート・オンライン」から登場)のセリフで、「キリト君も早く脱いでよ。私だけ恥ずかしいよ」というスーパー名ゼリフがあるのですが、キリト君と言われると(プレイヤー目線として)冷めるかなとちょっと思ったので、「君も早く脱いでよ」と変えたら許してもらえたりと、柔軟に対応していただけたと思います。

野中氏:作家さんが楽しんでいただく部分もあれば、我々としてこういうものを入れたいというアイデア、そしてファンの方々が見たいと思う掛け合いなどを入れたというかたちになります。

――最後にユーザーさんに向けてメッセージをお願いします。

寺田氏:今回のゲームは格闘ゲームの体をなしていて勝利と敗北というステータスは存在するのですが、勝った人は嬉しいし、負けた人もキャラの動きや演出で楽しめるゲームになっているのではないかと思います。格闘ゲーム好きな方も原作キャラ好きな方もみなさんでワイワイとプレイしていただけたら、より楽しくなっていくのではないかと思います。

家庭用も今後出ますが、ゲームセンターでプレイするということは熱いですし、仲間と一緒に空間を共有するというのはとても尊いことだと思うので、ぜひ足を運んでプレイしてもらえればと思います。

野中氏:今回のゲームは、もともと電撃文庫20周年記念ということで始まったプロジェクトではあるのですが、スタート地点からいろいろなキャラクターを集めてバトルを繰り広げて、といったお祭り感を大事にしてやってきたつもりです。最初のイベントの段階からロケテストまで参加していただいて、いろんな意見をいただき、僕らも答えを返しながらやってきた、みなさんに参加していただきながら盛り上げてきたお祭りだと思っています。

お祭りはもう始まりましたので、これまで触る機会がなかった方々にも参加していただきたいと思っていますし、対戦以外の1人用プレイでキャラクターを動かすだけで楽しいといった部分はしっかり作りこんだつもりです。ぜひ格闘ゲームを遊んだことのないキャラクターファンの方々にも遊んで、楽しんでもらいたいです。

格闘ゲーマーの方もこの作品はよくわからないといったものもあるかもしれませんが、小説とか映像作品を見ていただいてわかるかと思いますので、お祭りの中でお互いのみなさんがクロスオーバーしていければいいと思いますので、よろしくお願いします。

――ありがとうございました。

電撃文庫作家からのメッセージも到着!

鎌池和馬氏

バトルに勝利できればもちろん楽しいのですが、たとえ負けてしまっても楽しむことができるゲームです。プレイしてみると、キャラ一つ一つの技を全部見たくなる気分にさせてくれます。電撃文庫ファンや格闘ゲーム好きな皆さんに楽しんでいただければと思います。

成田良悟氏

「デュラララ!!」ファン、そして静雄ファンには太鼓判を押してオススメできます。もちろん他のキャラもオススメです。もし電撃文庫を知らない方でも、実際プレイして技や演出を見てもらえば「どんなキャラクターなんだろう?」と気になって原作を読んでもらえたりと、電撃文庫ファンと格闘ゲームファンお互いが刺激し合えるような楽しいゲームだと思います。ぜひ楽しんでみてください。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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