「御簾納直彦ミステリィ 篝火ノ屋敷」第8回は、2014年2月27日に発売されたPS3/PS Vita用ソフト「影牢~ダークサイド プリンセス~」を紹介します。

1996年にテクモから発売されたPlayStation用ソフト「刻命館」といえば、トラップを駆使しながら敵を倒すという奇抜なゲーム性で、当時、数多くのユーザーに衝撃を与えたチャレンジャブルな作品。

その後シリーズは、「影牢~刻命館 真章~」(1998年)、「蒼魔灯」(1999年)、「影牢II -Dark illusion-」(2005年)と続いていきましたが、「敵を罠にかけて倒す」という根幹部分にブレはなく、今でも熱心なファンが数多く存在しています。そして2014年2月27日には、9年ぶりとなる新作「影牢~ダークサイド プリンセス~」(PlayStation 3/PS Vita)が、満を持して登場。「もうシリーズは打ち止めなのかな…」とずっと思っていたので、新作が発表されたときは、意表を突かれたと同時に、素直に心が躍ったものです。

連載第8回となる今回は、そんな「影牢~ダークサイド プリンセス~」を紹介します。プレイした感想を、私なりの視点で語っていければと思いますので、興味のある方はぜひご覧くださいませ。なおゲームの基本的な情報は公式サイトに載っていますので、未プレイの方は併せてチェックしてもらえるといいかもしれません。

ストーリーは、魔神の娘“レグリナ”と、魔神より生み出された3人のメディウム(カエリア、ヴェルザ、リリア)が、人類に封印された魔神の復活を目指しながら、愚かな人間(侵入者)にトラップで制裁を与えていくというもの。基本的にはシリアスなストーリーなのですが、時折入るギャグや思わずニヤけてしまうシーンなどが良いアクセントとなっており、物語に緩急を付けるのに一役買っています。トラップを駆使したゲーム性ばかりに目が行きがちな「影牢」ですが、個人的には、このダークな世界観がとても気に入っています。「影牢」のような路線のゲームは、一昔前に比べると減ってきている気がするので、今後もぜひシリーズを継続してほしいですね。

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主人公のレグリナ
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レグリナに付き従う3人のメディウム。

ゲームのキモとなるトラップは、“残虐”、“華麗”、“屈辱”から成る3つの属性に分類されています。残虐は「ペンデュラム」、「フォールニードル」など、見るからに痛そうで過激なトラップ。華麗は「ファイアーボール」、「スプリングフロア」など、コンボを華麗に繋ぐのに適したトラップ。屈辱は「バナナノカワ」、「ゴールデンホース」等に代表されるような、ちょっとネタっぽい、辱めを与えるのが主な目的のトラップです。ゲーム中は、これらの中からお気に入りのトラップを選択し、ステージに仕掛けていきます。

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もはや笑えないレベルで痛そうな「ペンデュラム」。
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かかったらめちゃくちゃ恥ずかしい「ゴールデンホース」。絶対かかりたくねえ! いや、1回くらいならいいかも…

また本作には「トラップシーケンス」という、トラップを1つの流れとして登録/設置できるシステムがあります。これは、複数のトラップをスムーズに発動させられるシステムで、コツさえ掴んでしまえば、簡単にトラップコンボを繰り出せるスグレモノ。流れる川のように、スムーズにトラップコンボが発動していくのは、他の作品では得られない快感です。ちなみにトラップは×ボタンのみで発動するので、その手軽さも相まって、敵が複数存在する慌ただしい状況でも、冷静を保ちながらプレイできました。

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新たなトラップを解放することもできる。

「影牢」シリーズといえば、何となく笑える敵(侵入者)が多いのも特徴ですね。スプラッター映画とかに必ず何人かは登場する、真っ先に殺されそう連中と言えば分かりやすいでしょうか。敵を罠にかけていくという、ともすれば残酷とも言えるゲーム性にも関わらず、全く罪悪感を感じさせない。シリアスさとバカゲー的なノリが程よいバランスでミックスされている点は、さすがここまでシリーズを重ねてきた人気IPだなと感じさせてくれます。

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ステージの中には様々なトラップが存在。

9年ぶりの新作にも関わらず、根幹の部分はブレず、より遊びやすさを追求した本作は、素直に正統進化と言える作品になっているのではないでしょうか。個人的には、せっかくPS3とPS Vitaでの登場となるので、グラフィックをもうちょっと頑張ってほしかったというのが本音です。

ただ、その部分をさっ引いても、十分楽しめる作品に仕上がっているのではないでしょうか。往年のファンには懐かしく感じられますし、シリーズ未プレイの人には、トラップで敵を倒すというシステムがとても目新しいものに写る。ややマニアックな部類の作品ではありますが、一度プレイすると病みつきになる中毒性を秘めているので、気になっている方はぜひプレイしてみてほしいですね。

影牢 ~ダークサイド プリンセス~ プレミアムBOX

コーエーテクモゲームス

PS3パッケージ

  • 発売日:2014年2月27日
  • 17歳以上対象
  • 限定ダウンロードシリアル、ビジュアル設定資料集、シリーズサウンドセレクション同梱
影牢 ~ダークサイド プリンセス~ プレミアムBOX

影牢 ~ダークサイド プリンセス~ プレミアムBOX

コーエーテクモゲームス

PSVitaパッケージ

  • 発売日:2014年2月27日
  • 17歳以上対象
  • 限定ダウンロードシリアル、ビジュアル設定資料集、シリーズサウンドセレクション同梱
影牢 ~ダークサイド プリンセス~ プレミアムBOX

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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