「討鬼伝 極×プレコミュ 先行試遊会 モノノフ出陣式」にて、開発陣が数々の新要素について詳しく解説

まずはゼネラル・プロデューサーの小笠原賢一氏が登壇。小笠原氏は「前作で確かな一歩目を踏み出せた」と自信を込めて語り、「ハンティングアクションというジャンルは先行するタイトルが五歩も六歩も先を行っている状態ですが、この二歩目で先を行くライバルタイトルに追いつき、追い越そうと。タイトルどおり、質量ともに極まったものをお届けしようと制作を続けております」と、力強い言葉で挨拶した。

続いて、プロデューサーの森中隆氏による「討鬼伝 極」のプレゼンテーションが行われた。まず、森中氏は「討鬼伝 極」が前作「討鬼伝」を丸ごと遊べて、さらに前作と同規模の新規要素が追加されていると説明。「2本を1本にまとめた形になっているので、ストーリーは前作の2倍。鬼、キャラクター、武器、アクションなどのさまざまな要素も大幅にボリュームアップしています」と、その魅力を語った。

本作の最大の特徴というべき大型鬼の数は前作の2倍で、「イミハヤヒ」や「オラビ」といった新たな鬼が多数登場。前作に登場した鬼もAIが強化されているので、森中氏いわく「かなり倒しがいがある」とのこと。武器のほうも「金砕棒（かなさいぼう）」「薙刀」「銃」の3つが新たに追加されており、既存の武器もユーザーの声をもとにいろいろチューンアップがなされているそうだ。

さらに、新たなアクション「鬼千切・極（おにちぎり・きわみ）」が登場。発動すると敵の複数の部位を同時に攻撃する非常に強力な技で、プレイヤー全員で共有する「共闘ゲージ」というゲージをマックスまで溜めると使用できる。「ミタマ」もサポート的な役割をする「献」と部位破壊に特化した「壊」のふたつが新たに追加されていて、総勢300人以上のミタマが登場するとのことだ。

新キャラクターは「相馬」「暦」「ホロウ」の3人がすでに発表ずみだが、ほかにもストーリーに関わる新たなNPCが登場するそうだ。武器はトータルで1000種類以上、防具は100セット以上となっていて、「前作で使い道がなくなった武器がもう1度使えるようになるような仕組みも取り入れています」と森中氏は語った。

気になるセーブデータの引き継ぎだが、森中氏は「防具、武器、ミタマ、進行度など、すべての引き継ぎがオーケーです」とうれしいコメント。さらに、PSP版からPS Vita版への引継ぎも可能になっているとのことだ。

実機プレイで新たな武器やミタマを紹介

ここからはディレクターの関口和敏氏ら開発陣による、6月5日配信予定の「アクション体験版」のデモプレイが行われた。関口氏によると「アクション体験版」のマルチプレイは製品版とほぼ同じの仕様になっているので、PS Vita版であればアドホックモードはもちろん、インストラクチャーモードで全国のプレイヤーと共闘することもできるそうだ。

デモプレイでは、銃、金砕棒、薙刀という3つの新武器を使ったプレイが紹介された。銃は遠距離から攻撃する狙撃武器で、構えると鬼の弱点が赤く光り、そこに命中させると大ダメージを与えられる。もうひとつの特徴は戦闘中に弾の種類を切り替えられること。特殊技も「散弾」は高威力の弾を発射するだけだが、「狙撃弾」は鬼の霊脈を弱めるなど、弾種によって効果が異なっており、これらを戦況に応じて使い分けることができる。また、爆弾を鬼に投げつけることも可能で、投げた爆弾を銃で狙撃すればさらに大きなダメージを与えられる。

金砕棒は重量級の武器で、振りが遅いため扱いが難しい。だが、武器の先端部を命中させる「豪打」をくり出すと、プレイヤーが「豪腕状態」に変化。振りが速くなって溜め攻撃の時間も短くなるなど、武器の弱点部分が解消されて非常に強力な武器となるのだ。特殊攻撃も高威力で、合計9段階の溜め攻撃を発動することができる。さらに、「発止」というカウンター技も使用可能で、関口氏いわく「鬼と正面から渡り合える」とのことだ。

薙刀は初心者向きの武器で、ボタンを連打するだけで攻撃が繋がって連続攻撃になり、△ボタンを長押しすると空中攻撃をくり出せるなど非常に使い勝手がいい。また、敵の攻撃を受けずに自分の攻撃を当て続けると、1発の攻撃が複数の部位にヒットする「連舞状態」や敵の攻撃を受け流す回避技「流転」、高速で敵を斬りまくる特殊技「繚乱」といった上級者向けのテクニックも使用可能になっている。

次に、新たなミタマのタマフリ（特殊能力）が紹介された。「壊」は部位破壊に特化したミタマで、敵の部位の防御力を下げる「鎧割（よろいわり）」、攻撃した部位に鬼祓いの力を付与する「断祓（たちはらい）」、武器ゲージの増加量を一気に増やす「布都御霊（フツノミタマ）」といったタマフリを使用できる。

サポート用のミタマである「献」は、エリア内の味方とダメージを共有することでダメージ量を分散できる「命ノ楔」、味方の攻撃力と防御力を強化する「献身」といった支援用のタマフリを使用できる。面白いのが「捨身供儀（しゃしんくぎ）」で、一定時間周囲の味方を無敵にするが、その間自身の体力はどんどん減っていく。非常にリスキーなだけに、使いどころを考えた戦略的なプレイが求められそうだ。

最後に「鬼千切・極」を使うところが披露された。プレイヤー名の左にある青いゲージが「鬼千切・極」の発動に必要となる共闘ゲージで、これがフルになって使用可能になるとプレイヤーの名前の横に「極」の字が表示される。このとき近くにいる味方がリンクで結ばれ、このリンクで繋がっている人数分だけ部位を攻撃できる。つまり、最大で4つの部位を同時攻撃できるわけだ。

このあと「アクション体験版」を実際にプレイすることができたので、簡単に内容を紹介しておこう。今回の体験版には、さまざまな難易度の任務が5つ収録されており、新たな鬼であるオラビ、イミハヤヒなどと対戦することができる。使用可能な武器は前述の3つの新武器と太刀の4種類。武器の操作練習も用意されているので、前作をプレイしていない人でも気軽に楽しめる。

プレイ時に筆者が使用したのは薙刀。攻撃が速いのはもちろんだが、リーチがあるためか攻撃範囲もけっこう広く感じられた。ノーダメージで攻撃し続けるのはやはり難しく、「連舞状態」になることはできなかったが、それでもわりと戦えたので、関口氏の説明どおり初心者にオススメの武器といえるだろう。そのほかの新武器も使用してみたかったのだが、筆者のテクニック不足もあって残念ながら時間切れとなってしまった。これらの武器の使用感は自身で確かめてほしい。

最後に本作の発売日（8月28日）や体験版の配信日の発表のほか、初回封入特典や店舗専用特典の紹介といった最新情報が公開された。これらの情報はすでに「PS Vita/PSP「討鬼伝 極」の発売日が8月28日に決定！アクション体験版は6月5日より配信開始」で紹介してあるので、未見の人は目を通しておこう。

最後に開発陣がひとことずつメッセージ。関口氏は「現在開発追込み中です。我々も驚くくらいのボリュームになっているので、前作をやり込んだ人にも十分満足してもらえると思います」とコメント。森中氏は「ユーザーの皆様と歩んできたタイトルですので、また皆さんの意見をどしどし吸収して、よりよいものにしていきたいと思っています」と、さらなるユーザーからの意見に期待を寄せた。そして、小笠原氏が「この「討鬼伝 極」でしっかりと二歩目を踏み出して、プレイステーションフォーマットを引っ張っていけるようなタイトルになれるように、マスターアップまで全力をつくしてまいります」と挨拶し、今回のイベントを締めくくった。