至誠館へようこそ！ドラマ＆ライヴやマーチングで盛り上がった「ネオロマンス・フェスタ 金色のコルダ Featuring 至誠館高校」

まずはオープニングで、出演者全員による「GREEN FOREST GREEN」とキャラクターそのままのコスプレ衣装を披露。伊藤さんから「至誠館への入学おめでとうございます！」と出迎えの言葉が投げかけられ、ファンは会場をグリーンのライトで埋め尽くして応える。なお今回のよこすか芸術劇場は、オペラやクラシックコンサートなどはもちろん、高校生の吹奏楽部による公演にも利用されている。そんな会場内に足を踏み入れた瞬間、筆者はゲーム内での全国音楽コンクールを思い出さずにはいられなかった。

続いて岸尾さんが「BOM DIA！」を歌うと、ファンはコール＆レスポンスと新の雰囲気にぴったりなオレンジのライトと共に声援を送った。そんな明るい空気から一転、「木星」（ホルスト）の演奏と共に保村さんによる長嶺からの「恋人としての」メッセージと、「TANDEM RIDE」が会場内に響き渡る。ちなみに歌の最中「歌は苦手だが、嫌いというわけではない」「何か言うと思っているかもしれないが、特に言う事はない」など長嶺をイメージしたコメントも飛び出していた。

冒頭からテンション最高潮＆アドリブ満載のドラマパート

ドラマ「五つ笹のもとで」（前編）は、吹奏楽部とブラスバンド部の関係を掘り下げたドラマ。全国音楽コンクールファイナルを控えた中、至誠館の吹奏楽部が夏祭りの特設ステージへ招待されていたことを知る江波。そこで長嶺のため、吹奏楽部を探るつもりで一緒に練習を始める。火積は江波との圧倒的な実力差を痛感することになり、八木沢はかつて長嶺やブラスバンドの仲間と共に全国を目指した昔を思い出す。江波もまた八木沢の熱心な指導に尊敬していた音を思い出すのだが、長嶺はそんな江波に対し「お前の代わりはいくらでもいる」と言い放ってしまう。

彼らの熱い想いが交錯するドラマが展開されるのだが、冒頭の新と江波の登場シーンはアドリブの連発で会場内からは大きな笑いが巻き起こっていた。岸尾さんいわく「混ぜるな危険」という菅沼さんとのコンビによる、遠慮のない掛け合いは爆笑必至。岡本さんによる火積のモノマネも非常によく似ていた。

狩野＆伊織にも恋愛ルートを！謎のコントも繰り広げられたトークコーナー

菅沼さんが司会を務めた「大判焼き de トークコーナー」では、伊藤＆岡本ペア、森田＆保村ペア、岸尾＆山本ペアで分かれ、食べた大判焼きの味によってトークのお題を決めることに。大判焼きは八木沢のゲームイベントにちなんだもので、伊藤さんは「八木沢は食べさせキャラだから」と岡本さんに大判焼きを食べさせてあげる一幕も。

まずはカレー味を選んだ伊藤＆岡本ペアが、ゲームについての話をスタート。伊藤さんは狩野と伊織を恋愛対象キャラにしてほしいと話し、岡本さんもチャンスがあれば友達以上恋人未満といった現状からもう一歩踏み込んだ関係性に期待を寄せた。山本さんも「一緒にラーメンを食べながら告白」といった伊織らしい希望を話した。

あずきあんを選んだ岸尾＆山本ペアは、イベントについての話を展開。岸尾さんは、「絶対何もしないぞ」と決めているのにやらかしてしまうので「イベントには魔物がいます！」と言いつつ「今日も覚悟してこいよ！」とファンを煽る。一方、今回でコルダイベント2度目の参加となる山本さんは、前回のDVDを見たところ「あまりに緊張でガチガチだったので、良い意味で調子に乗れれば」とイベントを楽しむ姿勢をみせていた。

森田＆保村ペアはクリームチーズ味を選択したので他校の話…のはずが、何故か「校章と学校」というショートコントを行う流れに。気を取り直し、さまざまな学校が登場する「金色のコルダ」シリーズの声優の中で、至誠館を羨ましがっている人は誰かというファンに向けたクイズを提案。解答は三択で、内田夕夜さん、小西克幸さん、高木礼子さんの中から選ぶこととなったのだが、正解は「副部長」とお伝えしておこう。

火原＆柚木の登場にファン熱狂！ドラマにライヴとイベントは最高潮に

サイン入りパンフレットなどの豪華賞品が当たる抽選会の後は、「100万人の金色のコルダ」コーナーへ。ドラマ「溢れだすアリア」では、参考書を選んでいる火原和樹と柚木梓馬が登場。テストが近いため楽器に触れられず、彼女にもなかなか会えないと嘆く火原に、柚木が一緒に勉強しようと誘ってみるようアドバイスをする。しかし2人で会えるようにという柚木の気遣いに対し、火原は「3人で勉強しよう！」と答えるのだった。

さらに、森田さんによる「KEEP ON DASHING!!」ライヴと新作情報の公開と続き、ドラマ「五つ笹のもとで」（後編）がスタート。もうブラスバンド部に戻れないのではと、不安を隠しきれない江波を気遣う吹奏楽部のメンバー。そこで火積は突然、江波に代わりに大会に出てほしいと願い出る。自分が足を引っ張ってもし優勝できなかったらという悲痛な覚悟からの言葉だったが、八木沢はトランペットへの、音楽への気持ちはその程度なのかと火積を叱咤。そんな吹奏楽部を見ていた江波もどんなことをしても部に戻る決意を固める。

八木沢は江波のために長嶺の元を訪ねるが、異なる道を歩むと決めた2人は言葉で歩み寄ることができないまま。だが筆者は、かつて同じ夢を目指していた仲間である彼らならば、一緒に演奏する日はそう遠くないだろうと思わずにはいられなかった。言葉や行動では難しくとも、彼らには「音楽」があるのだから。

伊藤さんが「恋心」、岸尾さんが「Beijo Beijo」を熱唱し、森田さんによる火積の「恋しい」というメッセージからの「キンセンカ」と、怒涛のライヴコーナーにファンは悲鳴にも似た歓声を上げる。エンディングでは歌劇「アイーダ」より「凱旋行進曲」（ヴェルディ）が演奏され、奏者の天野さんは「今回、至誠館の吹奏楽部と同じ編成（金管五重奏）で演奏ができた」と非常に嬉しそうなコメントを寄せていた。ピアノで参加している平林さんも、コルダ愛に包まれて本当に幸せだと感謝を伝える。

出演キャスト全員による「Andante」で締めくくられた後、アンコールはファンも待ってましたと言わんばかりの「Ambitious -青雲の志で-」。男子校である至誠館の風景をそのまま切り取った、応援団のような宣誓やマーチング演奏を思わせる気合いの入ったパフォーマンスにファンは大興奮。一糸乱れぬ隊列や、円陣を組んで腕を高らかに突き上げる振り付け、また岡本さんが掲げる旗の振り方についても森田さんがマーチングの経験を活かして指導したそうだ。ここまで整った演技ができたのはまさにチームワークの成せるわざといったところ。こうしてゲームさながらに、至誠館へ入学したようなイベントは幕を閉じた。