【CEDEC 2014】誕生の経緯が明かされた中村隆之氏の講演「『アオモリズム』が生まれたのはマグレではない~神奈川工科大学におけるエンタテインメントシステム開発教育~」をレポート

【CEDEC 2014】誕生の経緯が明かされた中村隆之氏の講演「『アオモリズム』が生まれたのはマグレではない~神奈川工科大学におけるエンタテインメントシステム開発教育~」をレポート

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CEDEC 2014の2日目となる2014年9月3日、「アオモリズム」が生まれたのはマグレではない~神奈川工科大学におけるエンタテインメントシステム開発教育~」と題した講演が行われた。

「アオモリとホッカイドウがねぶたのリズムで殴り合う」という突飛なゲーム性で東京ゲームショウ2013のアカデミックブースで話題を独占したアーケードゲーム「アオモリズム」。神奈川工科大学 ゲームクリエイター特訓 企画コースの授業から生まれたという本作は、陽の目を見るまでどのようなプロセスを経てきたのか。「アオモリズム」が生まれた背景。

神奈川工科大学 情報メディア学科 特任准教授の<br />中村 隆之氏。かつてナムコのスタッフとして<br />「ことばのパズル もじぴったん」シリーズ<br />などを手がけた経人物だ
神奈川工科大学 情報メディア学科 特任准教授の
中村 隆之氏。かつてナムコのスタッフとして
「ことばのパズル もじぴったん」シリーズ
などを手がけた経人物だ

そして誰でもゲームのアイデアを生み出せる手法 EMS Frameworkについて、神奈川工科大学 情報メディア学科 特任准教授の中村 隆之氏が語った。本稿では、講演の内容をまとめてみたい。

講演は「アオモリズム」の紹介から始まった。本作は、神奈川工科大学の授業のアイデアから生まれた学生開発のアーケードゲーム。内容は、青森と北海道がねぶたのリズムで殴りあうというもの。2ボタンで操作する、いわゆる「音ゲー」と呼ばれるジャンルの作品だ。中村氏によると、本作の評価は非常に高く、東京ゲームショウのアカデミックセッションで行列を作ったほどの注目度だったそう。普通、アカデミックセッションは閑散としていることが多いため、この盛り上がりは異例とのことだ。

では、どうなれば「アオモリズム」のような革新的なタイトルを生み出すことができるのか。ゲーム制作において、天才的なひらめきや属人的なセンスはもちろん重要だろう。しかしある手法を使えば、誰にでもユニークなアイデアを生み出せると中村氏は断言する。

ここで氏中村氏は、「アオモリズム」が生まれた授業の内容を紹介。そこには、必ずゲームになるアイデアを非論理で生み出す手法、EMS Frameworkの存在があった。

ここで中村氏は、スライドに「アオモリズム」のコンセプトが生まれた際の授業風景を写し出し、「素人でも3時間の授業(25人)で1000以上のゲームアイデアを出せる方法」という、本講演の主眼とも言える部分に踏み込んだ。

それは「○○○を△△△して(手段)、☓☓☓を□□□する(目的)ゲーム」というフレームワークであり、○、△、☓、□に各要素を当てはめていくことによって、必ずゲームが出来上がるというもの。これこそ、今回のキモとも言えるEMS Frameworkだ。

「文字を並べてコトバを作る」は「もじぴったん」、「塊を転がして塊を大きくする」は「塊魂」、「太鼓を叩いてリズムに乗る」は「太鼓の達人」など、大ヒットしているタイトルにも上記の法則が当てはまると、中村氏は言う。

さらに、この手法を使えば、ゲームデザインの基礎知識がなくてもゲームのアイデアを出せるとのこと。企業においては、ゲームデザイナー以外の職種でも、皆、同じ土俵に立てるのが大きなメリットなのだという。

またこの手法の斬新なところは、論理的な要素を排除して、一見めちゃくちゃに見えるアイデアを歓迎するという部分にある。「アオモリズム」は青森と北海道が戦うという破天荒なアイデアで注目を集めたが、本作は、論理性を度外視したからこそ生まれた作品。論理にとらわれない発想でゲームのアイデアを考えることによって、「アオモリズム」を超えるアイデアも生まれてくると、中村氏は語る。

また「神奈川工科大学の授業なのに、なぜ青森のゲームなのか?」という質問を受けるという中村氏だが、その理由について、論理を度外視したアイデア出しをしているからと回答。「アオモリズム」が青森を題材にしたのも、本当にたまたまだったというのだから驚きだ。さらに中村氏は、EMS Frameworkを活用していくことによって、似たようなゲームばかりになるのを防ぐことにも繋がっていくのではないかともコメントしていた。

また、EMS Frameworkには改良版(アドバンス)と呼ばれるものが存在するという。それは、「○○○を△△△して(手段)、☓☓☓を□□□する(目的)ゲーム」の手順に、主語を入れるというものだ。主語を足す(変える)ことによって、アイデアの数を爆発的に広げることができるのだという。

続いては「アイデアの絞り込み」について。中村氏いわく、チーム内の少数意見は、必ずチームで「なぜそれが良いのか」と、理由を共有することが大切とのこと。また、必ずしも出したアイデアから選ぶ必要はない。出したアイデアと別のアイデアを合成すれば、もっと面白くなることもあるので、そういった手法も試してみてほしいとのこと。それを象徴するのが、以下のエピソードだ。

実は当初「アオモリズム」のアイデアには、賛成が一票しか入っていなかった。つまり多数決で言うと、本作は極めて少数意見だったわけだ。

また、中村氏によると、発案者は「アオモリズム」のリズムをizm(主義)という意味で発案したのだという。しかし投票者は「リズム」を音楽のリズムゲームだと勘違いした。だがその勘違いから、青森のねぶた祭りや津軽三味線などを思いつき、「青森をテーマにしたリズムゲーム」に繋がっていく。結果として、izmが本当の意味でのリズムに変化して「アオモリズム」が生み出されることになったのだ。

EMS Framework用いた授業では、ポッキーがトッポのチョコを奪いながら空を飛ぶゲーム、
他の誰よりも早く警察に自首するゲーム、幼女がカップルの間を走り抜けて手を離させるゲームなど、
学生ならではの自由な発想のアイデアが飛び出していた
東京ゲームショウ2014に出展されるという「アオモリズム」の次の作品(完全新作?)もチラ見せ

最後に中村氏は、EMS Frameworkはすぐに使える手法なので、ぜひ使ってほしいと呼びかける。そして、今後の神奈川工科大学にぜひ注目してほしいとアピールし、講演をまとめた。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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