東京ゲームショウ2014には、ヘッドマウント型ディスプレイが幾つも出展されている。それらの中の一つ「Project Morpheus」は、PlayStation4用のさまざまな周辺機器を併用できるのが大きなメリットだ。使用感をレポートしよう。

東京ゲームショウ2014のSCEブースに、PlayStation4に接続することでVR(仮想現実)が楽しめるヘッドマウントディスプレイ「Project Morpheus」(以下、Morpheus)が出展されている。本機が一般向けに大々的にお披露目されるのは、今回が初めての機会だ。技術面などの真面目な話は、以前掲載したCEDEC 2014の講演記事などを見てもらうとして、本稿では実際に遊んでみてどう感じたのか、体験レポートをお届けしたい。

ガッチリとした装着感。360度展開するVR空間に没頭!

Morpheusのヘッドセットには複数のセンサーが付いていて、それぞれの場所をカメラがリアルタイムで検知することで、頭の移動や向きを把握する。これが基本的な仕組みだ。ヘッドセットを装着するときは、額と後頭部をバンドで締め付け、思いのほかガッシリとした装着感だ。バンドからゴーグル(カップ)がぶら下がる形状となっており、メガネを装着したままでもヘッドセットが付けられるのが嬉しい。

最初にプレイした「The Deep」は、潜水するカゴに乗って海中を探索するというゲーム内容。ヘッドセットの動き・向きはモニタの映像とリンクされていて、頭を動かすとゲーム内の視点も瞬時に切り替わる。驚いたのは、この際の遅延がほとんど無く、3D酔いをまったく感じなかったことだ。シンクロ感は抜群で、初プレイの際はきっと誰もが、周りをキョロキョロせずにいられないだろう。

そうしてプレイ開始から数十秒が経つと、この世界に自分の体が同化していくような、不思議な感覚へと陥っていく。頭上を見上げると陽光が海面にキラキラと反射しているのが見えたり、下を向くと潜水服を着た自分の姿が確認できるなど、潜水気分を存分に満喫できた。また、時折鮫が襲いかかって来るときは(自分はカゴの中にいるので安全)、文字通り眼前に迫ってくるかのような迫力があった。

PS Move
PS Move

The Deepは、どちらかというとVRのシミュレータっぽい内容だが、続いてプレイした「Castle」では、Morpheusの真価を見せつけられた思いだ。

これは素手や武器などを使って木偶人形をボコボコにするという、トレーニングモードのようなゲームだ。The Deepと大きく異なるのは、PlayStation用周辺機器の「PS Move」を両手に持ってプレイすること。PS Moveの場所や向きは、ヘッドセットと同様に検知されていて、これをゲーム内で「腕」に見立てて扱うのである。

たとえばPS Moveを持った手を突き出すと、ゲーム内でパンチを繰り出す。トリガーを引くと“握る”アクションができ、相手を掴んで引っ張ったり、揺さぶったりすることも可能だ。一人称視点のゲームとしては別に珍しくもなんともないアクションが、Morpheusを通じてゲーム内世界に浸りきって行うと、もう、まるで別物だ。

さらに、ロングソードなどの武器を手に取って戦ったりもできる。PS Moveのセンサーの追従性は高く、たとえばフレイルを持ったまま手をグルグル回すと、鉄球もグルグル回る。頭だけでなく両腕も伴うことで、没入感(実在感?)が大きく増しているのがハッキリと分かる。

それだけに、クライマックス時に頭上からドラゴンが襲来したときは、なんというか、もう食われる!と直感してしまった。テキストではどうにも伝わらなくてもどかしいのだが、頭ではなく体がもう覚悟しちゃう感じだ。

プレイを振り返って思うことは、これは「未知の体験」で、実際に遊んでみないと絶対に分からないということ。凄いことは確かなのだが、未経験者にこの体験をどうやって伝えていくかが、Moepheusのみならずヘッドマウントディスプレイ型のVR全体に通じていえる課題なのかもしれない。東京ゲームショウ2014には、Morpheus以外にも「Oculus Rift」など、ヘッドマウントディスプレイを用いたVRが幾つも出展されている。今後、更なる注目を集めることは確実だと思われるので、機会があったら是非一度「体験」してみることをオススメしたい。

二刀流を構えているところ 胴にクリティカルヒット!

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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