ガストは、9月28日に東京コンベンションホールにて「発売直前だよ!サージュ・コンチェルトファンイベント」を開催した。
本イベントは、10月2日に発売となるPS Vita用ソフト「シェルノサージュ OFFLINE ~失われた星へ捧ぐ詩~」「アルノサージュ PLUS ~生まれいずる星へ祈る詩~」の発売を記念したもの。なお、内容はPS Vita用ソフト「シェルノサージュ~失われた星へ捧ぐ詩~」、PS3用ソフト「アルノサージュ~生まれいずる星へ祈る詩~」のクリアを前提としたものとなっているので、これから本作をプレイする方は注意してほしい。
ステージには両作品の音響監督である納谷僚介氏と、イオン役・加隈亜衣さん、ネイ役・内田真礼さんが登壇。まずは「今だから振り返れるイオンとネイ」をテーマに、ゲーム内のスクリーンショットと共に作品にまつわる思い出を語っていく。
2人の少女「イオン」と「ネイ」の出会い
イオンとネイが出会い、仲間として親交を深めていくスクリーンショットを背景に、加隈さんは「ネイちゃんはよく喋る子だなって。ここまで明るい子がいなくて、イオンにこんなガンガン話しかけてくるのは初めてに近かったです」と初めて会った時の印象について話し、内田さんはイオンについて「この時点では出さないように隠してたんですけど、設定を思うと憎かったです(笑)。なんかぼやぼやした子だなーと」と本音を暴露する。
演じる際に気をつけた事という質問に、内田さんは「見た目はネイのほうが年下に見えるんですけど、内面はお姉さんという気持ちでした。イオンに対してはずっと引っ張らないといけない、色々あるけどそこは全部心の中に隠して見せないのが大事だったなと思います。この作品の第1部はお休みみたいな感じで、第2部にネイが出てくることで一段盛り上がるといいなと発散させました」、加隈さんは「収録が別だったのでどうくるか分からなかったんですけど、文字だけ見ても気をつけようがないというか。ネイちゃんのテンポに付いていこうと考えるけど、付いていけないという感じでした」と振り返った。
ネイの裏切り、そして明かされるイオンの真実
物語が進んでいく中で、信頼し、仲間だと思っていたネイに突然裏切られてしまうイオン。しかし、イオンの危機を救ったのもまたネイだった。この矛盾したように思える行動に隠された「ネイこそ本当のイオン」という真実。このシーンについて、加隈さんは「イオンは人を無条件に信じるところがあるので、裏切られたショックは大きいんだろうなと思いつつ、それでもどこか信じてしまう部分があると思います。ネイちゃんに対する信頼感は1度も失ってない気がします」、内田さんは「進んでいくうちに段々仲良くなってしまって、でも早く返せよみたいな気持ちがあったので、ずっとモヤモヤしてました。“もうお前何なんだよ!”みたいな感情が高まっていったのがこの辺りです。やっぱり昔のシーンを見ると“イオンは許しちゃダメ!”って思うんですけど、落差が激しくてよく分からなくなってましたね」と複雑な感情の変化を覗かせる。
ネイは自分の体、本来持つべき全てをイオンに奪われたという過去を持ちながら、イオンと接していくうちに彼女を大切に思うようになる。相反した感情を抱えているのが魅力の1つだが、演じた内田さんにとってのネイは「強い子ですよね。もう人間でもなくなって、それでも人を好きになれる。相手と上手く接する事ができないのも人間らしくて可愛いと思いました」と、これまで公の場で語る機会がなかったこともあり、ネイに対する非常に熱い思いを聞く事ができた。
加隈さんから見るネイは「1番皇女の気質があって、逆境にあっても人の事を考えて行動しちゃう、誰よりも優しくて自己犠牲の強い子なんだなと思いました。アルノサージュの精神世界でも色々なものを抱えていて、大変だなと思いました」と話す。なお、開発スタッフの間でもネイの人気は高いそうだ。
ネイとイオンの辿りついた答えとは
イオンに対する憎しみを抱えながら、葛藤を乗り越え仲間だと認めるネイ。2人で一緒に歩んでいこうと決めたものの、最後に待っていたのは別れだった。内田さんは「最後のほうになってくると、ネイが今まで何を考えていたか分かってきますよね。イオンとネイはまるで男女の恋のような関係で、簡単ではなかっただけに感情を出すのが難しかったです。でもこの辺りは私自身もイオンの事を好きになっていましたね」と思いを語る。
一方、加隈さんは「ネイちゃんの事を考えたら、イオンは自分の事を責めると思うんです。でもイオン自身が望んだ事ではないので、イオンはイオンで可哀想じゃないですか。それでもネイちゃんに“ごめん”と言えちゃうイオンがいますよね。ネイとの関係も嘘だけじゃなかったから、イオンもネイの事をずっと好きでい続けられたんだろうなと思います」と、恨まれていたにも関わらず仲間だと認められたイオンの心情について話す。
そして、辿りついた先に待っていた答えはイオンの「殺して」という言葉。この重い決断に対し、加隈さんは「でも他の人ではダメだったし、ネイちゃんだからこんな辛いことをお願いできたんだと思います。2人の絆の集大成みたいなところですね」、内田さんは「受け入れることはできないんですけど、皇帝に連なる人だから出来たのかなとか、2人だからこそなのかなと思います」と言い、感動のラストシーンが生アテレコで披露された。
こうしてイオンは消えてしまい、話は「シェルノサージュ~失われた星へ捧ぐ詩~」から「アルノサージュ~生まれいずる星へ祈る詩~」へ。ネイはイオンの思いを継ぎ、イオンは復活してネロを止めるために1人で行動を始める。
改めて2作目でのイオンについて、加隈さんは「シェルノサージュでは流されて、意見を決めようとするけど頑固で…といった印象でした。アルノサージュは頑固な部分は変わらないけど、シェルノサージュを経て自分の意思で考えて行動しているなというのを感じましたね」、内田さんはネイについて「イオンもそうですけど、ネイも見た目も戻っていませんよね。それと責任とか、今まで欲しかったものが手元にあるとわずらわしいなと思ったり“疾風のおネイさん”みたいなのをやりたくなっちゃったり。これが正解だったのかな?と思いますけど、彼女も彼女なりに悩んだんでしょうね」と感想を述べる。さらに、参加したファンに両名のサインが入ったポスターが当たるプレゼント抽選会も行われた。
最後に、内田さんにとってネイとはという質問に「この子を演じたくて仕方なかったんです。泣きながら、戦いながらイオンを思い、この2年間はすごく濃いものでした。ネイが幸せになってくれて良かったなと思いますし、これからもまだまだ愛して頂けたら嬉しいです」とファンに伝え、加隈さんもイオンについて「オーディションで作りこまず、自然に演じたのがイオンちゃんでした。そこでイオンちゃんを演じるのが決まって早3年半ですが、この場にいらしてくれた方だけでなく、来れなかった方がたくさんいたと聞いています。作品をずっと愛し続けてくださる方がいる、そんな作品に出会えた事がすごく嬉しいですし、デビューからなので感慨深くもあり、感謝の気持ちでいっぱいです。イオンちゃんに出会えたことと、イオンちゃんを愛してくださった皆さんに感謝しています」とコメントし、イベントを締めくくった。