エレクトロニック・アーツの「2014 FIFA WORLD CUP BRAZIL ワールドクラスサッカー」が、大型アップデートにより「FIFA ワールドクラスサッカー2015」にリニューアルされる。いったいどのような変化を遂げるのか。千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ2014にて、開発陣にインタビューを行った。
ワールドカップブラジル大会を舞台にした、エレクトロニック・アーツのiOS/Android向けサッカーシミュレーションゲーム「2014 FIFA WORLD CUP BRAZIL ワールドクラスサッカー」。さまざまな選手を集めて自分だけのサッカーチームを作り上げていくこの人気アプリが、ヨーロッパのリーグ戦を舞台にした「FIFA ワールドクラスサッカー2015」にアップデートされることとなった。2014年の秋にサービスが開始される予定で、現在事前登録キャンペーンが実施中だ。
今回のインタビューでは、この大型アップデートの見どころをエレクトロニック・アーツの牧田和也氏とEA ジャパン モバイルスタジオの江田大輝氏のおふたりに話してもらった。ゲームシステム、インターフェイス、登場する選手や能力など、あらゆる要素が一新されるという本作の注目のポイントをお伝えしていこう。
これまで以上にチーム作りを楽しめる
――まず、今回アップデートを実施するにいたった経緯から聞かせてもらえますか。
江田氏:ワールドカップの開催にあわせて5月15日に「2014 FIFA WORLD CUP BRAZIL」(以下「ワールドカップ版」)をリリースさせていただきましたが、大会の終了後もたくさんの方に楽しんでいただいています。そこで、ヨーロッパで新シーズンが始まるタイミングで、新しい要素も加えてゲームとして進化させたものをプレイしていただきたいと思い、今回アップデートを実施することにしました。
――収録されるリーグや選手数を教えてもらえますか。
江田氏:今回はスペイン、イングランド、ドイツ、イタリア、フランスというヨーロッパの5大リーグが対象になります。登場する選手の数は3000人以上で、サッカーを好きな方なら知っているであろう選手はだいたい登場します。
――もっとも大きく変わる部分というのはどこになりますか。
江田氏:アップデートと銘打っていますが、ありとあらゆる部分の見直しや改修、新機能の追加などを行っていまして、実際には新作といっていいほどです。その中でも特に大きいのはトレーニングの部分ですね。「ワールドカップ版」では選手の能力はレアリティという星の数に応じたポテンシャルになっていましたが、今回はトレーニングによって、より上位ランクの選手に育てることが可能になっています。もちろん、レアリティ自体の価値はちゃんと残してありますが、選手の特徴的な部分をトレーニングすればメッシ級になる場合もあるわけです。ですから、好きな選手だけで固めた自分だけのドリームチームを作ることができます。
もうひとつは自分の好みに合わせて戦術を設定できることです。オフェンスに特化した攻撃的なチームや守備を重視した安定した試合運びを実現するチームなど、さまざまな戦い方ができるようになっています。
――これまで以上にチーム作りに幅があるわけですね。ほかにはどのような新要素が導入されていますか。
江田氏:答え切れないほどあるので、これから順次情報を出していきたいと思っています。先ほど申しましたとおり、ほぼすべてのシステムをゼロから見直していまして、既存の機能もかなりグレードアップしていますので、楽しみにしていただけたらと思います。
――全面的なリニューアルとなるわけですが、特に大変だったことを聞かせてもらえますか。
江田氏:やはり、ワールドカップからクラブリーグがベースに移るということで、選手を入れ替える必要もあったので、バランスに関してはかなり見直しをはかっています。選手育成といった新しい要素とも関わる部分ですので、非常に神経を使って調整をしています。
――使用できるフォーメーションの種類を増やすといった考えはありますか。
江田氏:もともとかなりのバリエーションを用意していましたし、今後増えることもあるかもしれませんが、最初からあまりにも選択肢が多いと、ゲームとして難しくなってしまいます。それよりも、トレーニングで育てた選手と新たな戦術を使って、自分なりにいろいろアレンジしてもらうことを入口にしたいと思っています。
――多彩な選手のスキルも魅力のひとつだと思います。どのような新スキルが追加されるか教えてもらえますか。
江田氏:それはちょっと今の段階では言えないですね。ただ、バリエーション豊かなスキルをどんどん出していく予定ですので、今後を楽しみにしていただければありがたいです。
――分かりました。ちなみに、選手の能力というのはどのようにして決定されているのでしょうか。
江田氏:基本的にはコンソール版の「FIFA」のデータを使っています。情報はかなり頻繁に更新をしていて、実際のシーズンの活躍に近い形になるようになっています。変動があれば、なるべく早くゲームに反映するような形で作っていますので、期待していただいて大丈夫です。特にウチの場合は非常に高度なシミュレーションをした上で最終的な選手の能力を決定していますので、選手の特徴をとらえた能力設定ができているのではないかと思っています。
――試合の演出面で変わる部分はありますか。
江田氏:基本的な試合の見せ方は同じですが、どういった経緯で勝ったのか、負けたのか。あるいは、これから始める試合でどのくらい有利不利があるのか。試合の中で何が起きたかなど、実際の試合観戦と同じような感覚で結果を楽しめるようにインターフェイスの改良を行っています。チームを作る楽しみに直結する部分なので、ここにはかなり力を入れていますね。
現実のサッカーとリンクするような運営を目指す
――ソーシャル的な要素があるだけに運営というのも重要な部分になると思います。本作ではどのようなことをしていきたいとお考えですか。
江田氏:実際のサッカーシーンをできるだけゲームの中に採り入れたいというのがあります。「ワールドカップ版」のときには決勝トーナメントが始まると、ゲームの中でも決勝トーナメントのイベントを開催したりしましたが、今回もそのようにシーズンの流れに応じて、実際のサッカーとゲームがリンクして遊べるように運営していきたいですね。
――実際のサッカーシーンをリアルタイムで追っていくのはかなり大変だと思います。「ワールドカップ版」で特に苦労したことなどを教えてもらえますか。
牧田氏:単調にならないように施策を打っていかなければならなかったのが、特に大変でした。ワールドカップの期間は限られているので、その間にいかに面白いものを提供するか。時間がない中で新しいことをしながら、次のことも考えなければといった感じで、とにかく目まぐるしい毎日でした。
――今度はこんなイベントを行ってみたいといったアイディアなどを聞かせてもらうことはできますか。
江田氏:ハハハ、ちょっと困りましたね。具体的なことはまだ何も言えませんが、今まで以上にチームを編成する楽しみが増えているので、それをより広げるようなイベントができたらいいですね。今までになかった遊びが提供できると思いますので、いろいろ提案していきたいと思っています。
――コンソール版との連動やコラボなどは考えておられますか?
牧田氏:先ほど江田が話したように、選手の能力に関するデータの共有といったことはしています。ただ、やはりコンソール版とモバイル版では遊び方が違うので、そこを無理につなげるよりも、それぞれの得意とするところを伸ばして、より面白いゲームにしたほうがお客様にとって良いのかなと思っています。ですから、今のところコンソール版との連動といったものは考えていません。
――今後新たなリーグを追加していくというお考えはありますか。
牧田氏:そこは状況に応じてですね。例えば日本人選手が移籍して活躍するなどして、お客様の要望が増えれば対応を考えなければならないと思います。
――それでは最後にファンへのメッセージをお願いします。
江田氏:今回はさまざまな変更を含んだ、本当に大きなアップデートになります。今遊んでもらっている方はもちろん、これから遊んでいただく方にも広く楽しんでもらえるバージョンになっていますので、ぜひ期待してサービスの開始をお待ちいただけたらと思います。
牧田氏:クラブモードになるので、長期にわたって遊んでいただけるコンテンツになっています。サッカーファンであれば楽しんでいただけるものになっているので、ぜひ一度試してみてください。その上で、皆さんの意見や希望、改良してほしい点などをいろいろ聞かせてもらえたらうれしいですね。
――ありがとうございました。
「EA SPORTS FIFA ワールドクラスサッカー2015」事前登録サイト
https://eamobilejapan.jp/fifa-world-class-soccer/fifa2015/campaign/