NVIDIAは本日10月2日、プレス向けの発表会を開催。同社のゲーマー向け8インチAndroidタブレット「SHIELDタブレット」を、日本国内で10月10日より販売展開することを発表した。
発表会が始まると、NVIDIA Japan 日本代表兼米国副社長を務める大崎 真考氏が登壇し、SHIELDタブレットのコンセプトを語った。
現在、タブレットデバイスは広く浸透するに至ったが、今後はそれぞれの用途に特化した製品が求められるようになると大崎氏は語る。例えば“車”がスポーツカー/バン/トラックなどに特化し、“パーソナルコンピュータ”がワークステーション/ゲーミング/ノートブックなどに特化していったのと同様、タブレットデバイスに関しても同じことが起こると考えているようだ。そのうえでゲーマーが望む究極のタブレットデバイスとして、SHIELDタブレットを開発したと述べた。
「SHIELD=ゲームを極めた超速最強タブレット」
続いてNVIDIA JapanのスタッフがSHIELDタブレットの特徴を紹介していった。SHIELDタブレットのSoC(統合チップセット)には、世界最先端の性能を誇るNVIDIAの「Tegra K1」を搭載。OpenGL 4.4やDirectX 12などをサポートしており、PC用のハイスペックゲームを遊ぶためのハードウェア性能を満たしているとのことだ。3D Mark等のベンチマークテストでは、競合製品であるiPad AirやTab Pro 8.4と比較して、2倍以上のスコアを叩き出すそうだ。
ステージにはゲストとして、エピック・ゲームズ・ジャパン代表の河崎 高之氏が登壇。同社が開発するUnreal Engine 4のデモプレイを、SHIELDタブレットの実機上で披露した。河崎氏によると、現在のゲーマーの多くが、ハイクオリティなゲームで遊びたい一方で、モバイル機器を軸に展開するライフスタイルとのギャップに苦しんでおり、時や場所を選ばずに高性能なゲームが遊べるSHIELDタブレットは救世主になるだろうと太鼓判を押した。
SHIELDタブレットにおけるもう一つの大きな特徴は、同時発売される「SHIELDワイヤレス・コントローラー」(以下、SHIELDコントローラー)との連動機能だ。SHIELDコントローラーでは、ゲームパッドとしての基本操作が一通り行えるのは当然として、タッチパッド/マイク/ボリューム調節/Android用操作ボタンといった、さまざまな機能を搭載している。また接続方式として、一般的なBluetoothよりも低遅延を謳う“Wi-Fi Direct接続”を採用しており、SHIELDタブレットとの相乗効果により快適なゲームプレイの実現に一役買っているとのことだ。
SHIELDタブレット+コントローラーがもたらす新たなゲーム体験
SHIELDタブレット+SHIELDコントローラーを組み合わせることで、実際にどのようなゲーム体験が楽しめるのか。大きく4つに分け、具体例を交えながら紹介されていった。
ハイスペックなゲームがどこでも遊べる
従来のタブレット機器における操作方法は、画面上に十字ボタンなどを模して配置した“バーチャルパッド”をタッチするのが主流だった。本格的にプレイしようとすると、ストレスを感じてしまいやすい部分だが、SHIELDコントローラーがあれば快適に遊べるのだ。
テレビに出力し、据え置き機のように遊べる
SHIELDタブレットはHDMI出力を搭載しており、外部の液晶テレビなどに表示させられる。この場合は、あたかも据え置き型のゲーム機のような感じのプレイフィールとなる。ちなみにSHIELDコントローラーも最大4個までの同時接続が可能だ。
また、厳密に言うとSHIELDタブレットはAndroid端末なので、例えばWebブラウジングなども大画面で行える。SHIELDコントローラーに搭載されるマイクを用いて、Google Now等のサービスも利用可能だ。
PCゲームをSHIELDタブレットにストリーミングして遊べる
何気に凄いのがコレ。GeForce GTXのGPUを搭載したPCで起動したゲームを、SHIELDタブレットにストリーミングして遊ぶことが可能だ。ベッドに寝転んだり、(通信キャリアを別途用意すれば)外出先からハイエンドなPCゲームが遊べるというわけだ。
ゲームプレイをシェアして遊べる
最近のブームとなっている“実況プレイ”にもSHIELDタブレットは対応している。Twitchを用いてライブ配信を行ったり、あらかじめ録画したゲームプレイ動画を、YouTubeにアップロードしたりできるのだ。この際は、SHIELDタブレットに搭載しているカメラや、SHIELDコントローラーに搭載しているマイクも併用できる。
10月10日より販売開始。本体価格は4万~4万5000円(税抜)を想定
肝心のゲームに関しては、横スクロールアクションゲームの「Trine2」がプリインストールされるほか、SHIELDタブレット&コントローラーに最適化されたタイトルが400本以上用意されているとのこと。もちろんAndroidタブレットなので、Google Play等を通じて膨大なタイトルがプレイ可能だ。Tegra K1やストリーミング、実況プレイのサポート等も踏まえると、「ゲームを極めた超速最強タブレット」との謳い文句は、あながち間違ってはいなさそうだ。
販売モデルに関してだが、日本国内では16GB Wi-Fi版が10月10日より発売開始。価格はオープン価格としており、大まかな想定価格は、SHIELDタブレットが4万~4万5000円、SHIELDコントローラーが8000~9000円、専用カバーが4500~5000円とのこと(いずれも税抜)。なお、北米で流通している32GB+LTE版モデルに関しては、現在検討中とのことだ。
製品スペック
プロセッサ
Tegra K1 192コア Kepler GPU、2.2GHz ARM Cortex A15 CPUと2GB RAM
ディスプレイ
8インチ 1920x1200 マルチタッチ IPSディスプレイ
音声
前向きのステレオスピーカー、デュアル・バスレフポート
ストレージ
16GB