ユービーアイソフトが2015年1月22日発売予定のPS4/PS3/Xbox One/PC用ソフト「ファークライ4」。ここではプレゼンテーションディレクターのリアム・ウォン氏にインタビューができたのでその内容をお届けする。
「ファークライ4」は過激な映像表現と広大なマップが魅力のFPS。ヒマラヤ地方にあるキラットと呼ばれる架空の小国が舞台となっており、そこを支配する男パガン・ミンの思惑により主人公のエイジェイ・ゲールは戦いに身を投じることになる。ここでは、プレゼンテーションディレクターのリアム・ウォン氏によるデモプレイ内容を紹介すると共に同士へのインタビューをお届けする。
新武器で拠点を占拠!
デモプレイでは、イベント「UBIDAY2014」で試遊できた拠点とは異なる拠点を占拠する様子が披露された。使用した武器はオートクロスボウ、グレネードランチャー、投げナイフなど本作から実装されたものばかり。拠点を占拠するためには周囲にいる敵をすべて倒す必要があるが、拠点の門を破壊したり、壁をよじ登って潜入したりと攻略の仕方は自由だ。
今回は壁をよじ登りカメラで敵が何人いるのか偵察することから開始していた。カメラは前作と同様に敵にマーカーをつけることができるようになっており、一度つけると敵が死ぬまでどこにいるのかわかるようになる。前作では敵に見つからずに拠点を占拠することで大量の経験値を入手できたが、本作からは仕様が変更され、拠点を占拠したときの経験値が決まっており、占拠中に特定の行動をすることでさらに経験値を入手することが可能になった。前作では大量の経験値を得るためにはスナイパーライフルや弓などの音がしない武器がほぼ必須の状況だったが、今作では経験値を稼ぎつつ自分の好きな武器で攻略ができる。
敵の偵察が終わり、投げナイフで近くの敵を倒したあと、グレネードのように何個も肉を投げ始めた。この肉は動物を呼び寄せるための道具となっており、ランダムで動物が出現する。リアム氏が言うには肉を投げて出現する動物はランダムとなっているが、その地域に生息している動物が出現しやすい傾向にあるという話だった。今回のデモプレイでは虎が出現し、高所に登って敵を襲っていた。肉を使うことによって、銃で倒す必要がなくなったので弾の節約もできるようになったようだ。その後は途中で敵に見つかり増援を呼ばれるものの、グレネードランチャーやオートボウガンなどの武器を巧みに使い難なく拠点を占拠してしまった。
プレゼンテーションディレクターのリアム・ウォン氏にインタビュー
――本作の演出部分で力を入れたのはどこでしょうか?
リアム氏:私は前作の「ファークライ3」に関わっていなかったので、新しい視点で本作に向き合うことができました。演出で最も力を入れたのは世界観をどうやって広げていくかということでした。
――前作からボスがパッケージの画像になっていますが、理由はあるのでしょうか?
リアム氏:ボスがパッケージの画像になっているのはゲーム市場でも珍しいことだと思います。マーケティングとしてもかなり前のめりな決定でした。前作ではそれがうまく行ってユーザーからの評判も良かったので、今回も採用しているわけですがほかにも理由があります。
それは本作はFPSだからです。ユーザーは主人公を見てプレイしていないので、パッケージに主人公を出しても誰かよくわかりません。それならユーザーが主人公になったときに体験するものということで、ボスをパッケージにしたほうがいいのではないかと思いました。
――ボスのパガン・ミンのモデルとなっている人物はいますか?
リアム氏:パガン・ミンはアートディレクター、ナラティブディレクター、エグゼクティブプロデューサーの3人が制作したキャラクターです。モデルとなったキャクターは沢山いるのですが、1つ上げるとするなら漫画「殺し屋1」に登場する垣原雅雄からインスピレーションを得ています。
――ほかのキャラクターも色々なところからインスピレーションを得ているのですか?
リアム氏:ほかのキャラクターも同様ですね。デザインがすでに決まっているキャラクターを声優の演技にあわせて変えることがあります。例えば「ファークライ3」に登場した海賊の頭領であるバースは、もともとブルという厳つい頭の悪そうなキャラクターでしたが、海外版の声を担当した俳優トロイ・ベイカーさんの演技が良くて外見から変えてしまおうという話になりました。
――前作ではシトラや主人公の恋人のリザなどのヒロインが登場しましたが、本作にもヒロインはいますか?
リアム氏:もしかしたらいるかも知れません(笑)。
――マップは前作よりも広くなっていますか?
リアム氏:前作と同じぐらいの広さですが、高低差ができたことにより真っ直ぐな道でも長く感じられることがあります。
――ということは乗り物を運転しているときにかなり揺れるんですよね?
リアム氏:乗り物のなかにも使い勝手のいいものがあったり、悪いものがあったりするのでかなり揺れることがあります。ただ、今回はウィングスーツを活用してもらえれば、高低差があることによりかなり遠くまで飛ぶことができます。
――本作のマップの解放の仕方を教えてください。
リアム氏:前作と同様に鉄塔を修理して解放していくのは変わりありませんが、今回はベルタワーという名前になります。また、前作ではただ上に登るだけでどれも同じ感じがしたので、本作からは構造にバリエーションを加えています。さらに大鷲という動物が出現するので、のんびり登っていると急に攻撃されるようなサプライズ要素もあります(笑)。
――その大鷲を倒して素材にすることもできますか?
リアム氏:もちろんです。ですので、大鷲の素材が欲しいならベルタワーで待っているのもありです。また、大鷲はブタと羊などを攫っていくこともあります。
――前回のスキルは手にタトゥーが彫られましたが、今回はどうなるのでしょうか?
リアム氏:実は開発当初はククリナイフに彫られていくという設定があったのですが、時間が掛かってしまいカットしました。メニューのなかでデザインだけが見られるようになっています
――スキルの種類はどのぐらいあるのでしょうか?
リアム氏:全部で48個あります。また、スキルは虎の道と象の道の2種類に分かれており、どれを習得するかはユーザーの自由です。
私はビークルテイクダウンというスキルがお気に入りです。敵の車に乗り移ってその車を奪うというもので、実はE3で公開されたトレーラーでも見せていたのですが、ムービーの一部だと勘違いされていたようです(笑)。
――武器の種類は何種類ぐらいあるのでしょうか?
リアム氏:武器の種類は70個以上と前作と比べてかなりの量で増えています。銃は装弾数やサイトの種類などさまざまな部分がカスタマイズ可能です。
――今回は武器が増えたことにより戦略の立て方が変わってきたりしますか?
リアム氏:攻略の仕方が変わったというよりは、「フォークライ」シリーズのデザインコンセプトである自由度をメインに考えています。ですので、武器が増えたからといってプレイの仕方を強制するわけではなく、武器を増やしたから好きなように使ってプレイしてくださいというスタンスでやっています。
――トレーラーでサイが敵を攻撃しているような描写があったと思いますが、野生の動物は肉を投げる以外でどういうことをすると襲いかかるのでしょうか?
リアム氏:基本的に動物は勝手にターゲットを決めて攻撃をします。拠点に動物が囚われている場合もあるので解放すると周りの敵を襲いはじめます。間違えて撃ってしまうと敵と認識されてしまい攻撃してくるので注意してください。
――ムービーなどではヘリをグレネードランチャーで落とすシーンがありますが、それ以外の方法でヘリを落とすことは可能ですか?
リアム氏:グレネードランチャーだけでなく、スナイパーライフルで操縦者を攻撃することでもできますし、うまく投げ込めれば手榴弾でも落とすことが可能です。ただ、グレネードランチャーが一番手っ取り早いですね。
――本作の舞台は山ということなので前作にいたサメは出現しないんですか?
リアム氏:サメは出現しませんがイルカぐらいの大きさで鋭いキバを持つデーモンフィッシュという魚やワニがいます。
――前作と比べてクラフティングで作れるアイテムの数は増えていますか?
リアム氏:前作よりもさまざまなものが所持できるようになっているので、クラフティングで作れるアイテムは増えています。
――本作では拠点を占拠することでお金を稼ぐことができるのでしょうか?
リアム氏:拠点を占拠しても残念ながらお金を稼ぐことはできません。ミッションなどを進めていくことでお金を稼ぐことができますが、象や虎などと戦えるアリーナモードがもっとお金が稼ぎやすいと思います。
また、カルマシステムというものがあり、善行をすることで民からの支持率が上がり店などで購入できる品物が安く入手できるようになります。民間人や象を殺してしまうとカルマが下がってしまいます。
――象はダメなんですか(笑)
リアム氏:キラットでは象を神聖な生き物として崇めているので殺してはダメですね。
――象の皮なども取れますか?
リアム氏:ユーザーに象を殺そうという気持ちを持って欲しくないということもあり、一応取ることはできますが使い道はありません。ユーザー独自にプレイして欲しいのですが、神聖な動物を殺すのはよくないと言う意味も込めています。
――CO-OPは2人でプレイできるということでしたが、ストーリーを一緒に進行できるという認識であっていますか?
リアム氏:ストーリーモードでCO-OPはできませんが、拠点の占拠やオープンワールドミッションなどはすべてフレンドと一緒に遊ぶことができます。
――CO-OPではフレンドのキャラクターは誰になるのでしょうか?
リアム氏:応援を呼ぶというスタイルになっているので、自分のキャラクターは主人公のエイジェイで、フレンドのキャラクターは前作で登場したハークになります。
――CO-OPではショップなどで解放した装備は共通ですか?
リアム氏:武器は別々になります。ですが、武器を落とすことができるので、それをフレンドが拾うことでまだアンロックしていないものを使うことが可能です。
――選択によってエンディングの内容などが変わることはありますか?
リアム氏:選択というのは本作では大事な要素となっているのでエンディングは変わることがあります。例えばキラット解放軍にはリーダーが2人いるのですが、どちらをサポートしていくかでエンディング内容が変わります。
――パガン・ミンの味方になってプレイするということもできるのでしょうか?
リアム氏:5個種類のエンディングがあるので、もしかしたらあるかも知れませんね(笑)。
――最後に日本のユーザーに向けてメッセージをお願いします。
リアム氏:自由度の高いオープンワールドのゲームになっているので、ぜひプレイして頂いてさまざまな経験をして欲しいと思っています。また、ゲームの要素も増やしているので、開発陣の思ってもみないようなことにチャレンジしてそれを共有してみてください。我々としてもそういう映像を見るのを楽しみにしています。
――ありがとうございました。