ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアが、本日11月10日から11月24日まで実施するPS4用ソフト「トゥモローチルドレン」のクローズドαテスト。笛しか吹けない参加者同士がどのように「町の運営」「島の開拓」「怪獣退治」を進めていくのか、プレイ画面とあわせて紹介していこう。
目次
「トゥモローチルドレン」は、一人一人がシングルプレイの感覚で自由にゲームを遊びながら、オンライン上の他のプレイヤーたちと共に“一つの目標”に向かってプレイしていくソーシャルアクションゲーム。
今回のクローズドαテストでは、サーバーの検証、ならびにプレイヤーたちの体験を経て、製品版へフィードバックしていくことを目的としている。テスト中は本作の世界の一部分を遊ぶことができたので、今回はゲームの紹介と共に筆者の体験記を伝えていこう。
※システム、固有名詞などはクローズドαテスト時のものとなる。
αテスターたちの目的は人類の復活&町の復興
「トゥモロー チルドレン」は何でもできる、自由に遊べるサンドボックス型ゲームである。ゆえに各々のプレイヤーは目標に向かって何ができるのか、それぞれのアクションがどんな影響を及ぼすのかを考え、知り、探していくことが重要となる。北欧系の絵本に出てきそうなビジュアル面や、労働と共有の考えが、実に赤い本作。まずは世界観や用語の補足として、下記のストーリーに目を通してもらえると、今後の説明もスムーズに噛み砕けるだろう。
ストーリー
1967年、ソビエト連邦にて全人類の意識を共有しようとする実験が行われ、その実験の失敗により自然・文明・あらゆる生命体が地球上から消え去り、地表は人々の意識が溶けて固まった「ボイド」に覆われることとなりました。
それから約一世紀の時が流れ、わずかに生き残った者たちの長年の研究により、ボイドに溶けた人々を救出する方法が発見されます。しかし、地上にはボイド下の集合意識にある恐怖心によって生み出された巨大獣「イズベルク」という新たな脅威も現われるようになりました。
生存者たちは自分たちの代わりに作業をする「プロジェクションクローン」を作りだし、人類の再建を託すのでした。
今回のαテストにおけるステージクリア条件は、人々の身体や意識の集合体「ボイド」から奪われた人類を取り戻し、復活させ、町の人口を一定数以上確保することだ。そのために、ゲーム内ではプレイヤー同士で力を合わせて「町の運営」「島の開拓」「怪獣の撃退」を進めていく。ただし、あらかじめ記しておくと、ゲーム内では“これをやらなくてはいけない”というルールはない。
ゲーム内の拠点となる町には50から100人程度のプレイヤーが集まるというが、ほかのプレイヤーの姿は基本的には映らない。しかし、他者の存在はその人が「特定のアクション」を行った時に立ち姿だけが見える。そのため、指針や目的に対する情報を共有するためには、別途コミュニケーションを図らないといけないのだが、本テストで利用できるのは「ジェスチャー」と「笛を吹く」だけ。実に心細いアプローチなのだが、テスト中という空気感もあって、あやふやしている楽しさが妙に心地よい。
まずはクラスを選択!今回は怪獣撃退一択の「コンバッタント」で!
まずはプレイヤーキャラクターの適性をちょっとだけ左右するクラスを選択せよとのこと。αテストでは「シチズン」「マインワーカー」「エンジニアコマンダー」「ラジオオフィサー」「コンバッタント」という5つのクラスが使用でき、各キャラクターの能力は「ランクアップポイント」を割り振ったり、「PERKS(パークス)」と呼ばれる特殊技能をアンロックしていくことで、自分好みにビルドできる。
テストではとにかく怪獣を撃退したいという欲望から、筆者は「コンバッタント」を選択。町の発展を邪魔する大型怪獣の撲滅に臨んでみよう。ちなみに、ステータスの差異は開始時点ではちょっとしたフレーバー要素でしかないので、デザインの好き嫌いや軽いプレイスタイルの指針程度で選んで良しだ。
テストで選択可能な5つのクラス
シチズン
すべてに平均的な能力を持っています。
マインワーカー
島の開拓作業と資源の運搬能力が優れています。
エンジニアコマンダー
島の開拓とイズベルクとの戦闘に長けています。
ラジオオフィサー
耐久力、移動能力が優れていて、探索が得意です。
コンバッタント
イズベルクとの戦闘に特化しています。
ゲームスタート!レッツ労働!
クラスを選ぶと町の中心に降り立った。テスト開始とほぼ同時にスタートしたことから、貢献度なるものでいきなり上位になったが、泡の藻屑であることは明白だろう。町では明らかに赤い感じの同志から説明を受け、いきなり放り出されることに。幸い、ピッケルをもらったので身を粉にして島とやらを掘り返せばいいのだろう。
とはいうものの、まずは街中をチェックしてみることに………赤い。何がとは言わないが、色々なデザインからして連邦国家の様に赤い。町には所々にポスターが掲示されているが、いずれも啓蒙やプロパガンダの匂いがプンプンしており、兎にも角にも同志のために素材掘りをしなければならない使命感に駆られる。
とりあえず町の全容を知ろうと外周を歩いていると、なるほどこれが「ボイド」か。死にました。ある一定以上のラインを進んでしまうと死んでしまい、同志からの救助を待つか、一日の労働で得た労働監査局への貢献度を払って復活するか、賄賂を支払ってお金で解決することができるようだ。とある手段で外周大外などに降り立つと、ジワジワとズブズブ沈んで抜けられない底なし沼の恐怖も味わえる。
なお、怪獣はゲーム内時間で毎日バリバリ歩いてくるようで、歩行怪獣「バンクローツ」が遠くを歩く姿に心が震えた。しかし、筆者は素材を掘るため、都会の電車で通勤するサラリーマンスタイルでバスに乗車しているキャラクターを見ている時、ふと思った。とりあえず、幸福の義務のために島を掘る機械として活躍しよう。
同志のために労働を、同志のために設備を
町の周囲に一定時間毎に出没するという島には、何やらどでかいオブジェクトが立っている。どこを掘削すればいいのか探してみたものの、余りポイントらしいポイントは見つからなかったが……どうやら、オブジェクト全てが掘削対象となっている模様。まずは適当に壁を掘ってみることに。どうやら「壁を掘る」「敵を撃つ」「仲間の作業に協力する」「人力発電する」などなど、さまざまな方法で経験値&貢献度が獲得できるようだ。
※経験値:プレイヤーキャラクターのランクに関わる数値
※貢献度:一日の労働を評価する数値、クーポンの配給に関わる
壁を掘っていると早速ランクアップ。上述したようにランクアップポイントが割り振れるようになったので、勤勉を推して労働を進める尊さを同志に伝えるべく、通貨となるクーポンがたくさんもらえるようになる「労働評価」を選択。上部に同志たちの正しく勤労している姿をもっと評価してほしいという、公平さのラベルともいうべき働き者の鏡だ。
さらに、オブジェクトの中で宝箱的なものを発見。中から出てきたのは「英雄のチェーンソー」というらしい。チェーンソーでバッサバッサ地面を切ったり、同志と協力して仕事を進めることで(近くの掘削中のプレイヤーの近くで○を押すだけ)、速いペースで仕事をこなせることを知った。ただし、道具などは殆どが消耗品であるため、消費回数を下回ると無くなってしまうので注意。
また、島にはさまざまな資材が落ちているので、マトリョーシカや木を拾ってバスの前まで持っていこう。自動詰み込み場所に置いた資材は全て町に持っていかれ、町の共有物ひいては全プレイヤーたちの資産となり、事業を進める第一歩となるのだ。
町の施設をぐるっと確認
町ではさまざまな施設が用意されており、各自配給クーポンを持って仕事道具や怪獣用武器を揃えることができる。特質すべきはその買い物スタイル。本作で買い物や設備を利用する際は、他の人が終わるまで順番を待たなければならない。例え前にいる人があんまりな長考であっても決して怒ってはならない。何せ同志なのだから。
主な施設
タウンホール:町の中心となる施設。クリスタルを入れることで町は二段階発展
労働監査局:町のためにどれだけの働いたかを報告し、配給クーポンを受け取る
人民再組成機:マトリョーシカをセットして人類を復元、町の人口を増やす
ツール補給所:各職業のアイテムを配給クーポンで購入
資源置き場:5種類の資源をそれぞれ置く場所
人力発電機:日々電力を消費する町のために、人力や火力で発電
工作台:資源を素材とし、町の施設や乗り物を作成
バス停:島と町の間を結ぶバスの発着場所
なお、町の施設や還元した素材は全て「共有されたオブジェクト」となり、町のプレイヤー全体で共有される。自身で作った施設も、他のプレイヤーが提供したアイテムも、先程記したように島から持ってきた資材も全ては共有資産だ。そのため、「街の発展こそが今後の行く末だよ派」「せっせとイズベルクを撃退したいよ派」「みんなの作った物は僕の物だよ派」など、個々の思惑がそのまま指針となり、時には町の動向がアベコベになることも? いやいや、同志に限ってそんなことはある訳ない。
加えて、街は共同で発展させていくものだが、逆に街を破壊することも可能のようだ。同志の幸福のために働く筆者には想像もつかない裏切りだが、施設を破壊したプレイヤーは、そのアクションを起こした瞬間を誰かに補足されなければ、裏切り者として釣り上げられないとのこと。しかし、誰かに「ブーイング」されると最終的には警察に捕まり、刑務所のような場所に入れられることもあるとか…。出所するためには賄賂を払って出るしかないようなので、同志に限ってそんなことはある訳ないだろうが、動くときは注意して裏切ろう。
人力発電所では、R2の押し加減でバーを操作し、ドンドン発電していこう。 | |
工作台では、数時をピッタリ順番にハメていくスライドパズルで設備完成を目指す! | |
同志たちが大事業を始めている。オブジェクトの意味は分からない。 |
この瞬間を待っていたんだ!歩行怪獣「バンクローツ」戦
町には、一定時間毎にイズベルクが襲来する。そのため、工作台で砲台を配備したり、ロケットランチャーなどを揃え、怪獣襲来に備える必要がある。イズベルクの侵入を許すと中心施設のタウンホールが破壊されてしまう危険性があるので注意しなければ…どうなるんだろう。また、イズベルクの体内には町の発展に欠かせない資源「クリスタル」が眠っているので、我関せずとみすみす見逃していては、町は発展しないままだ。
今回は筆者の勇姿を見せる前に、クローズドαテストで登場するイズベルク全4種類を紹介していこう。
クローズドαテストで出現するイズベルク
筆者が狙った獲物はもちろん、人が留守の隙に町を狙ってきた凶悪怪獣「バンクローツ」だ。同志たちの街を守るため、最初にもらったショットガンを持ち、果敢に怪獣へと挑む姿に、後ろで同志たちからの拍手が沸いたことは想像に難くない。
筆者が金魚のフンの様に後ろからチマチマ豆鉄砲を当て、多数の同志たちが砲台やロケットランチャーで援護してくれたことにより、ついにバンクローツの粛清に成功した。撃退した怪獣たちはその場でオブジェクト化するので、戦友と共にせっせとスコップやつるはしを動かし、資源に還元していこう。
今日も今日とてせっせと労働
ざっと紹介した「トゥモローチルドレン」は如何だったろう。筆者のプレイした道筋はあくまで筆者の道であるので、冒頭で自由に遊べると称したように、同志たちは同志の道を進んでほしいところだ。ちなみに言い忘れていたことだが、1日の労働を済ませた後は必ず労働監査局に足を運ぼう。そうでなければ評価されず、クーポンももらえずと、実に侘しいことになってしまうのだ。
また、本稿では初日の模様とザザッと垂れ流しただけなので、できることはまだまだあるのだ。テスターの人たちは色々な場所、色々な出会い、色々なコミュニケーションを模索し、期間中のクリアを目指してみてはいかがだろう。