PCオンラインゲーム「アーキエイジ」で有名なXLGAMESが、更に斬新極まりないMMORPGを世に送り出す。ストラテジーゲームの代表作をMMORPGとして作り上げたPC「Civilization Online」を、G-STAR 2014の会場で取材したのでさっそく紹介しよう。

韓国・釜山で開催中のゲームショウ「G-STAR 2014」に、XLGAMESが開発中のMMORPG「Civilization Online」が大々的にプレイアブル出展されている。

「Civilization(シヴィライゼーション)」シリーズは“ターンベース型のストラテジーゲーム”の金字塔だが、それを全く別のゲームジャンルである“MMORPG”に、どのように落としこんでいるのか? 今回は試遊台をプレイし、そのうえで関係者にゲームコンセプトなどを聞いてみたので、まとめて紹介したい。

ストラテジーゲームのシヴィライゼーションを端的に言うと、自文明を発展させ、人類史そのものを辿るゲームである。本作「Civilization Online」でも、そのコンセプトは変わらないが、ジャンルの変更に伴いゲームシステムが大きく異なっている。

最も大きな違いは、プレイヤーは“神”の視点ではなく、“個人”(市民)の視点でプレイすること。そしてもう一つの大きな違いは、ゲームプレイが(リアル時間で)1週間程度の“セッション”単位で区切られており、セッションが終わって次が始まるときは、それまでのキャラクター育成などがリセットされ、まっさらの状態で再び始まること。つまり、MMORPGでありながら“終わりがある”わけで、これは従来の常識を根底から覆している。

大まかな流れを見ていくと、プレイヤーは開始時にマイキャラが所属する“文明”を、“ローマ、エジプト、アステカ、中国”の4種類から選ぶ。ゲームの主目的は、(一般的なMMORPGのような)マイキャラのレベルアップや装備集め……などではなく、自分が所属する文明を発展させること。冒険中は、各々の方法で自文明に貢献すると、ポイントのようなものが“文明に”蓄積されていく。同じ文明に属するプレイヤー達から、膨大な量のポイントが集められ、これが一定量に達すると、文明の“時代”が進化し、それに伴いプレイスタイルの幅が広がっていく。

時代のラインナップに関しては、“古代→中世→ルネッサンス→産業時代→現代”の5つに分けられている。プレイヤーが文明に対して貢献する方法は、たとえば木や石を切り出して建築を行ったり、拠点を脅かす外敵を排除したり、敵対文明に対し攻撃を行ったり、楽器を演奏して他のプレイヤー達を和ませるなど、さまざまな方法があるそうだ。

最終的な勝利条件に関しては、文明の時代を進化させたうえで、軍事力による制圧や、いわゆる“文化勝利”などがあり、シリーズにおける他の勝利条件も順次カバーしていく構えだ。

「G-STAR 2014」のXLGAMESブースにおける試遊台は、“古代”の時代をベースに作られたチュートリアルを体験するという内容で、15分間のプレイ時間が設けられていた。他に類を見ないゲームコンセプトということもあり身構えて挑んだのだが、基本的な操作方法は一般的なMMORPGを踏襲しており、特に戸惑うような箇所は見当たらなかった。

時代設定が古代なので、行く手を阻むマンモスを退治したり、道に迷っている原住民の子供を助けたり、家を建築したり、周囲にいる敵文明への攻撃を行ったりする。そうこうしてチュートリアルが終了したら、今後時代がどのように変わっていくかがカットシーンでまとめて紹介。カットシーンの最後ではロケットが宇宙に発射され、試遊台でのプレイは終了となった。

プレイした際の率直な印象だが、シヴィライゼーションをMMORPGにしたゲームというよりは、「Age of Empire」などのリアルタイムストラテジー(RTS)を、いちユニット視点でプレイしたら、こんな感じになるのかもしれない、と思えた。

本作における時代の進化やセッションの概念などは、とてもじゃないが15分のプレイで理解できる代物ではない。ストラテジーゲームのシヴィライゼーションを、未経験者が15分で理解できないのと一緒だ。なので筆者は、試遊台でプレイした今もなお、ゲームの全体像は未だ把握できていないのだが、少なくとも確実に言えるのは、本作が極めて意欲的なMMORPGであるということだ。しかも本作の開発会社はXLGAMESであり、同社を率いるジェイク・ソン氏の手腕を鑑みると、とんでもないMMORPGに仕上がる可能性は十二分にある。

サービススケジュールに関してだが、韓国では12月にクローズドβテストを行い、2015年中の正式サービス開始を目標としている。日本を含む海外ローカライズ展開に関しては、シヴィライゼーションの版権を2K GAMESが所持している関係上、XLGAMESの立場ではコメントできないとのことだった。まったくそれにしても、このようなタイトルに真っ先に触れられる韓国のゲーマー達が羨ましいものである。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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