12月3日、ミストウォーカーのCEOを務める坂口 博信氏が、専門学校 HAL東京にて生徒向けの特別講演を行った。本稿でその講演内容をレポートしよう。

目次
  1. ゲームを作ろうと思うようになったきっかけについて
  2. 今までに作ったゲームや、今までのゲーム作りについて
  3. 仕事上の心掛けや、ゲームを作っていて良かったと思うことなど
  4. 今後、RPGやゲーム全般がどのように変わるかについて
  5. 「テラバトル」などミストウォーカーのタイトル開発現場の模様が紹介
ミストウォーカー CEOの坂口 博信氏と、進行役を<br />務めたD2Cの柳瀬 史和氏
ミストウォーカー CEOの坂口 博信氏と、進行役を
務めたD2Cの柳瀬 史和氏

ミストウォーカーが10月9日にリリースしたスマートフォン向けアプリ「テラバトル」は、原稿執筆時点で120万のダウンロードを記録するスマッシュヒット作である。本作の開発時において、HAL東京の生徒にテストプレイを依頼しており、その縁で今回の特別講演が実現したそうだ。

坂口氏は、パソコンゲームの黎明期にスクウェア(現スクウェア・エニックス)に入社し、その後「ファイナルファンタジー」(以下、FF)シリーズを作り出し、現在に至るまでゲーム業界の最前線を走り続ける人物である。そんな氏を迎えた今回の講演は、あらかじめ受け付けた生徒からの質問を、過去/現在/未来の時間軸で幾つかのカテゴリに分けたうえで、坂口氏が一覧からピックアップしながら回答していくという流れである。

質問に対し思わぬ方向へ話が広がることも少なくなかったが、それも含め、約30年のキャリアを持つ氏の体験談の数々は、これからゲーム業界の門戸を叩こうという学生達にとって大いに参考になったはず。本稿ではなるべく講演内容そのままの形で記事化しているので、「テラバトル」や「ファイナルファンタジー」シリーズ等のファンは、ぜひ一読をお勧めしたい。

ゲームを作ろうと思うようになったきっかけについて

ゲームクリエイターになったきっかけ・経緯を教えて下さい。

高校時代の坂口氏は、サザンオールスターズやChar(ギタリスト)に憧れていて、ミュージシャンになりたいと考えていたが、大学に入学した頃には、なんとなくその目的を見失っていたそうだ。そんな折に、NECが売りだしていたPC-6001やPC-8001などのパーソナルコンピューターに注目。同級生だった田中 弘道氏(現在はガンホー・オンライン・エンターテイメントの顧問)の自宅に入り浸り、大学には行かずApple IIで「Wizardry」「Ultima」などのゲームに明け暮れる廃人生活を送っていた。

2人は、当時高嶺の花だったフロッピーディスクドライブ(5インチ)がどうしても欲しくて、ソフトウェアハウスへの就職を検討する。しかし、技術者としては素人同然の2人を大手ソウトハウスが採用してくれるわけがなく、結局2人が目を付けたのが、アルバイト募集雑誌に掲載されていた「スクウェア」。応募した理由は「すごく弱小メーカーっぽいし、ここならいけそう!」だったそうだ。

スクウェアでは紆余曲折ありながらも、アドベンチャーゲームの「ザ・デストラップ」を1984年にリリースする。これは坂口氏とスクウェアの双方にとっての処女作になったわけだが、同氏は当時を振り返り「自分が携わったものが初めて世に出て、お店に並んだときの感動は、今でも忘れられない」と感慨深げに述べていた。

自分が目指したいものが途中で変わったり、悩んだりしたことはありますか?

これは坂口氏が母親から教わったことで、目標を1本に絞るだけでなく、できるだけ複数の選択肢を用意しておくことを心がけているそうだ。

今の記憶を持ったまま20歳に戻れるとしたら、最初に何をしますか?

坂口氏曰く、「老眼が無くなるのと、徹夜で酒が飲めるのが良いですね(笑)。皆さん、体は大切にしましょう(笑)」

今までに作ったゲームや、今までのゲーム作りについて

「ファイナルファンタジー」シリーズを作った経緯について教えて下さい。

スクウェアはパソコン向けのゲームソフトを何作かリリースした後、当時絶好調を見せていた家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」へ参入することに。「とびだせ大作戦」「ハイウェイスター」「アップルタウン物語」などをリリースするものの、当時のファミコン用ゲームは、「ゼビウス」などのアーケードゲームからの移植タイトルが主流で、スクウェアのタイトルの売上は決して芳しくはなかった。

そんな中、坂口氏は以前手がけたパソコン向けのRPG「クローズチェイサー ブラスティ」を振り返り、「ストーリーがしっかり入ったゲームをもう一度作りたい」と考えていた。そこで企画したのが、初代「ファイナルファンタジー」である。

当時のスクウェアは、ディレクター達にゲーム企画のプレゼンテーションをそれぞれ行わせ、50名程度いる開発スタッフが、どの企画に携わりたいかを選べる体制になっていた。そのときの一番人気は、「エイリアン2」の移植作をプレゼンした田中 弘道氏で、いきなり30名規模の開発チームが出来上がってしまった。

一方、坂口氏の「ファイナルファンタジー」はというと、「ドラクエをぶっ潰す!」と勢い良く啖呵を切ったものの「んなことできるわけねーだろ!」「本気で言ってるの?(呆)」と非難轟々。結局、坂口氏の元に集まったのは、渋谷 員子氏と石井 浩一氏(現在はグレッゾの社長)を含む、たったの3名であった。仕方なくプログラマーを募集することになったが、そこにやってきたのが河津 秋敏氏(現在はスクエニの第2開発事業部長兼エグゼクティブプロデューサー)と、ナーシャ・ジベリ氏というのだから凄い。彼等を核に「ファイナルファンタジー」が作り上げられ、そのシリーズは数々の伝説を築き上げることになる。

今までのゲーム制作で失敗したなあと思うことはありますか?

坂口氏「自分は欲深い人間で、「FF」シリーズ以外にも格闘ゲームやシューティングゲームとか、色々なゲームジャンルに挑戦し、それらの多くに失敗してきました(笑)」「でも、たとえ失敗したからといってもくよくよせず、自分の得意分野を探し続けることが大事。そしてそれは大抵、自分が好きなものなんですよね。」

坂口さんはゲーム作りの題材に対し、ときには本場へ行って取材を行うそうですが、印象深かったことはありますか?

坂口氏「バレエ(踊り)を題材にしたスマートフォン向けアプリを作るために、パリのオペラ座まで実際に観に行きました。例えば藤坂(藤坂 公彦氏:テラバトルのグラフィックスも担当)もそうですが、ダンサーの人達や会場の豪華なシャンデリアとか、特に絵描きの人は、確実にインスピレーションを受けるでしょうね。」

「ちなみにクラシックに関しては、著作人格権というものが在ります。自分たちでチャイコフスキー等の楽曲を聞いて打ち込みや譜面を起こす分にはokです。皆さんも、著作権はちゃんと勉強した方がいいですよ……」と言い、続けて何か話そうとしたが、途中でうやむやになってしまった。見ていて、何か言いたかったようにも思えたが。

同じシリーズを作り続けていくことで、苦労した点はありますか?

FFシリーズは第1作~4作目辺りまでは反応が順調に良くなっていったが、その一方で、“スクウェア=FFしか作れない会社”というイメージを持たれることが増えてきたという。同時に、開発チームの規模が膨れ上がることで、各スタッフの業務が作品の中でどのような形で関わっているのか分かりにくく、それがモチベーションの低下を引き起こしていたそうだ。

そこで、定期的に開発スタッフを集めてプレゼンテーションを行うなど、作品の全体像やゴールを、チーム内で共通認識させ、モチベーションを維持することを気を付けたという。たとえば同じ仕様書を見て開発しても、スタッフがモチベーションを維持しているのとそうでないのとでは、アウトプットの質がまるで違ってくるのだそうだ。

自分が知らない隠し要素などが、ゲーム内に実装されていた事はありますか?

「FF5」の制作時、坂口氏はディレクターを務めていたが、個性的な敵役として知られる「ギルガメッシュ」の存在を、発売するまでまったく知らなかったとのこと。これは開発スタッフが達が「アイツ(坂口氏)を驚かせてやろうぜ!」と結託し、こっそり実装してしまったのだそうだ。

坂口氏は「俺は涙を流すようなストーリーを作りたいのに、こんなおちゃらけたキャラクターを入れやがって……!」と憤慨したが、いざ発売してみるとシリーズ屈指の名曲「ビッグブリッヂの死闘」と共に大人気になってしまったのは、ファンならよくご存知のとおり。

もし、何事に対してもきっちりとした仕様書が必要だった場合、ギルガメッシュのようなキャラクターはFF5ではボツになっていたかもしれない。一つ前の話にも通じるが、スタッフのモチベーションが高ければ良い結果に結びつきやすい、というエピソードである。

ゲーム業界にいて、良かったと思うことはありますか?

坂口氏は質問に対し、「自分達の作った作品が世に出て、多くの人からさまざまな反響が得られて、しかもそれが優れていれば感動もして貰えること」と語る。

それを受けた柳瀬氏が「今もtwitterの反響は凄く気にしますね」と言ったのに対し、坂口氏が「でも匿名掲示板に関しては、モノ造りに携わる人間は見ない方が良い」と苦言を呈していたのが印象深い。氏によると、匿名掲示板などでは最初の内はもてはやされるが、次第に心が引っ張り降ろされるからだという。ネガティブな反響を真面目に受け止めてしまい、“渦に飲まれていった”開発者をこれまで何人も見てきたそうだ。

「テラバトル」では、日本版のリリース前にカナダで先行配信を行っているが、それに参加しているプレイヤー(1万人程度が居たらしい)が報告するバグ情報に関しては、匿名掲示板の情報が参考になったという。だが、日本版の正式配信から2週間位を過ぎたら一切見ていない、と語っていた。

仕事上の心掛けや、ゲームを作っていて良かったと思うことなど

日本を離れて生活することで、坂口さんのゲーム観などに変化はありましたか?

旧スクウェアでは、当時注目を集めていた3D CGの制作に注力するべく、ハワイのホノルルに開発スタジオを置いていた時期があった。ちなみにこの際、坂口氏は家族ともども移住し、現在もホノルルを拠点に活動している。

外国人が握手やハグ、場合によってはキスなど、感情表現をオープンに行うことに最初は驚いたが、それによりお互いの距離感が近づくメリットは大きく、印象を覆されたとのこと。それを受けた柳瀬氏も、「時間がある内に海外旅行などを体験しておいて損はないですね」と返していた。

どのような場所で企画を考えますか?

坂口氏がアイデアを練る際は、シャワーを浴びたり趣味のサーフィンを行うなど、水に触れながらぼーっとしていると、“来る”ことが多いらしい。場合によっては、40分くらいシャワーを浴び続けて、家族から心配されることもあるそうだ。生まれたアイデアを反芻し、熟成させるのには長い時間を要するが、それを乗り越えたら後はすんなりと進むらしい。

ゲームを作り続ける原動力や熱意はどこから来ますか?

世の中に向けて自分が携わった作品を発信し、より大きな反応が得たい、という想いが強いとのこと。近年の代表例として坂口氏は「Minecraft」を挙げていたが、突き詰めて考えると、そのためのアウトプットの形は、別にゲームじゃなくても良いのでは、とも考えているそうだ。たとえばラストシーンが強烈な映画「シックスセンス」の制作者に対しても、Minecraftと同様に強くリスペクトしている。

受講者に対しては、もしそういったズバ抜けたアイデアが閃いたとしたら、それは一生に1度有るか無いかのレベルかもしれないので、是非とも実現に向けて動いて欲しい、とのアドバイスを行った。

坂口さんの考えるRPGの面白さとは?

近年は“RPG“の定義があやふやで、とてもじゃないが一言でまとめられるものではない、と坂口氏は語る。例えば海外では「スカイリム」に代表されるオープンワールド型のRPGが主流だが、一方の日本においては、ときには海外から“JRPG”と揶揄されるほど独特な方面へと進化を続けている。

ここで坂口氏が述べた、JRPGのルーツに関する話が興味深かったので詳しく紹介したい。坂口氏は「FF3」の開発時に、週刊少年ジャンプの“袋とじ”で紹介してもらうためのやりとりで、集英社の鳥嶋 和彦氏(現在は集英社の専務取締役)と接したことがあるという。ところが、初めて会った鳥嶋氏は、「FFシリーズのどこがダメなのか」について2時間くらい坂口氏に説教をしたのだそうだ。

最初はムカっと来た坂口氏だが、その後も鳥嶋氏と深く付き合うようになると、言うことに一理あることに気付かされたという。鳥嶋氏の話を要約すると、「何より、キャラクターが命なんだよ。生い立ちやプロフィールも含めて、キャラクターが生き生きとして、何かしでかしそうとか、ものすごい悲しみを背負ってるか、とか。そこをどれだけ突き詰めるかが大事なんだ。FFにはまだ、それが無いよね」とのことである。

坂口氏は「FF4」「FF5」「FF6」の制作時に、そのことを強く意識していたという。結果的にそれが、ゆくゆくは“JRPG”という一大ジャンルを作り上げたのかもしれない。

少々余談になるが、鳥嶋氏は堀井 雄二氏と一緒にApple IIで「Wizardry」「Ultima」にハマり、「こんなゲームを自分たちでも作ろう!」という思い立ち、キャラクターデザインに鳥山 明氏(言わずと知れた漫画家)、プログラマーに中村 光一氏(現在はスパイク・チュンソフトの代表取締役会長)を集め、「ドラゴンクエスト」を制作している。坂口氏によると鳥嶋氏は「ドラゴンクエストの影のプロデューサー」だそうだ。

最近の作品で、これまでの印象を打ち破るような経験はありましたか?

柳瀬氏が「League of Legends」「Call of Duty」「World of Tanks」などのタイトルを挙げ、続いて海外で盛り上がりを見せるe-Sports展開に触れると、坂口氏が「僕もあれにはびっくりした!」と反応を見せる。現在「テラバトル」で展開している“ダウンロードスターター”に関して、200万に到達した際の公約として掲げているコンシューマ版も、e-Sports展開を可能性の一つとして検討しているそうだ。「キャラクターを3D化して5対5で戦ったら面白そう」と、冗談混じりに語っていた。

毎日心がけていることはありますか?

坂口氏「僕はこう見えて面倒くさがりで、人と接するのが苦手で、目の前にいる相手なのに声をかけずにメールでやりとりすることもあるんです。なので、トイレに行くときは極力声をかけるようにしています。直に話すことで生まれるアイデアもありますしね。」

クリエイターとしての“仕事”と“好きなこと”のバランスについて、どう思われますか?

当たり前の話だが、作ったゲームが売れないと生活できないし、次のゲームも作れなくなる。「テラバトル」の制作時も、このバランスには随分と悩んだそうだ。

坂口氏によると、現在人気がある一般的なスマートフォン向けアプリと比べると、「テラバトル」の収益率は非常に低いそうだ。しかし、他社を批判するつもりはないと前置きしつつ、あまりに強欲すぎるのは良くないと考えており、(テラバトルに対して)現状のままで良いとも考えているそうだ。そのうえで質問に対しては、「お客さんを楽しませる自分が好きになること」を優先させると、それが好循環を生み出す可能性がある、とアドバイスしていた。

このバランスという意味では、「艦隊これくしょん -艦これ-」ではプレイヤーからの支持を集めることで、“お布施”という形で課金してもらってことに対し、坂口氏は感動しているそうだ。ただ、艦これのプロデューサーを務める田中 謙介氏に対しては、元々はミストウォーカーの社員だったのだが、「最近は艦これのヒットで“世界の謙介”などと呼ばれて喜んでいる」と、坂口氏。同業者の仲間達で呑みに行ったりする際は、本人には伝えずに上記のような話をしているそうだ。

今後、RPGやゲーム全般がどのように変わるかについて

今後のゲーム業界はどうなっていくと思いますか?

坂口氏の話を要約すると、「先のことは分からない。例えばスマートフォンに関しても、高性能化することは予測していたけれど、まさかスマートフォンでちゃんとしたゲームが遊べるようになるとは思わなかった」とのことである。

スマートフォン向けアプリに対して、坂口氏は最初は「こんなのゲームじゃない!」と否定的な見方をしていたが、「パズル&ドラゴンズ」などに触れ、次第に見方が変わってきたという。氏によると、ゲームの本質とは、プレイヤーの思考や反射神経などのインプットに対してゲームがアウトプットを返し、その双方が複雑に絡み合うことで生まれる刺激や快感である。そういった体験が得られるのであれば、スマートフォンというデバイスが人々の営みに入り込んでいる以上、“ゲーム”が生まれるのも必然、というわけだ。

ゲームで得られる体験が大事であって、そのためのデバイスは問わないということは、将来的にはテレビやモニターの前に座ってゲームを遊ぶことも無くなるのかもしれない。ゲームの流通にしても、従来のパッケージからダウンロード、そしてクラウドと大きな変化が訪れつつあると坂口氏は語る。

たとえば、坂口氏がこれまでゲーム作りに携わってきた30年の間も、「ファミリーコンピュータ」および「PlayStation」の登場という、劇的な変化が2回ある。PlayStationが出た当時は、3Dグラフィックスの路線で堅実にスペックが上がっていくと予想していたが、思いもよらずスマートフォンが登場した。いつかまた、こういった劇的な変化が再び起こると考える方が自然だろう。

これから先のゲーム業界がどうなっているのか予測は付かないが、裏を返すと、劇的な変化が訪れるときには多くのチャンスが生まれるわけで、それを見逃してはならないと坂口氏は語る。アンテナを高く持っておいて、今後もし大きな変化の兆しが表れたら、とりあえず加わってみること。たとえ周りの人が否定的な見方をしても、得てしてそういったところにチャンスが転がっているものなのだ。

ちなみに、「テラバトル」の制作時にも、根っからのゲーマーの多くが従来のスマートフォン向けアプリに対して抱いているであろう印象を変えたいという想いが、少なからずあったと坂口氏は述べている。「テラバトル」を気に入っている人なら、強く頷ける話ではなかろうか。

ゲーム業界を目指す人達に向けて、覚悟して欲しいことをビシッとお願いします。

2人はゲーム業界の就職活動について話し始め、坂口氏が「今のスクエニはどうなんだろうなぁ……(笑)」などと脱線しまくった後(本稿では敢えて割愛)、柳瀬氏が「色々な人と話すことが大事ですよね」と、前向きな方向に話をシフト。例えば、リフレッシュルームや“タバコ部屋”では、役職や部署を超えた情報がやりとりされるので、2人共かなりお勧めしていた。坂口氏によると、スクウェア時代にタバコ部屋ではあまりに多くの重要な話が交わされるので隠しマイクを仕込もうとしたところ、法務部に「それは犯罪なので止めてください」と止められたそうだ。はたして、どこまで本気の話だったのだろう。

「テラバトル」などミストウォーカーのタイトル開発現場の模様が紹介

「テラバトル」開発初期の画面。キャラクターの造形を凝ってしまうと、量産作業が大変になるので、最初は
デフォルメ調で検討していたそうだ。
こちらは開発中期の画面。この頃は、各キャラクターに守護霊のようなものが付き従っていて、それらを召喚して
戦わせるバトル内容だったとのこと

テラバトルとは別に制作している、バレエをモチーフにしたスマートフォン向けアプリの企画書。“白鳥の湖“などを
BGMに、画面をタッチ/スライドさせて、ダンスを行わせる音ゲーのような内容だ
藤坂 公彦氏によるキャラクターデザイン案。キャラクターのデザインをデフォルメまたはリアルにするか、
2Dまたは3Dにするか現在悩んでいるそうだ
10月9日に「テラバトル」をリリースした瞬間の写真。左から、ゲームデザイン全般を担当している西村有紀氏、
プログラマーの大野浩司氏、そして坂口氏。大野氏はこれまで、ほぼ1人でテラバトルのプログラムを手がけていたが、
現在は人員を1名増やしたうえでオンラインの協力モードを開発中とのこと
「テラバトル」のリリース時、坂口氏は感極まって泣いてしまっており、これは「FF3」以来の経験だったそうだ。
ちなみにこの写真に関しては、坂口氏曰く「泣いたふり」とのこと
「テラバトル」では、ダウンロードの合計数に応じてゲーム内外で様々な展開を行う“ダウンロードスターター”が
行われている。坂口氏ならではの幅広い人脈を活かした展開といえよう

テキストでは微妙なニュアンスを伝え切れないのが残念だが、坂口氏は終始ノリノリで、話が時折脱線することもあったが、それも含めて実に興味深い講演であった。氏の人柄が伺えると共に、これからゲーム業界を志す学生達にとっても、得るものが多かっただろう。

TERRA BATTLE

ミストウォーカー

iOSアプリiOS

  • 配信日:2012年10月9日
  • 価格:基本無料
  • レーティング:4+

TERRA BATTLE

ミストウォーカー

AndroidアプリAndroid

  • 配信日:2012年10月9日
  • 価格:基本無料

    ※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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