スクウェア・エニックスは本日12月20日、千葉・幕張メッセで開催された「ジャンプフェスタ2015」にて、「田畑Dのアクティブ・タイム・レポート JF2015出張版」を実施した。
同社のディレクター・田畑端氏による番組「アクティブ・タイム・レポート」が、今回のジャンプフェスタ2015会場にて出張版として行われた。
ステージでは発売を間近に控えた「ファイナルファンタジー 零式 HD(以下:FF零式 HD)」と、それに付属することが決定している体験版「ファイナルファンタジーXV -EPISODE DUSCAE-(エピソード ダスカ)」、さらに製品版「ファイナルファンタジーXV(以下:FF XV)」の新情報が盛りだくさんで届けられることとなった。
ステージは同社のマーケティング部所属の大藤昭夫氏とともに進行され、まずは「FF零式 HD」の話題からスタート。
「ファイナルファンタジー 零式 HD」新情報!
最初に行われたのは、スクウェア・エニックス e-STOREでのみ発売される限定版「ファイナルファンタジー FF零式 HD コレクターズ・ボックス」の開封の儀…であったのだが、始める前に田畑氏より1つ発表が行われた。どうも田畑氏は「コレクターズ・ボックスって名前なんか違うなー…」とずっと感じていたとのことで、本ステージに先駆けてe-STOREの担当と相談し、なんと限定版の名称を変更することになったというのだ。
これにより、コレクターズ・ボックス改め「アルティメット・ボックス」としての開封の儀が実施されることに。ちなみに今回の発表後に同ショップでも名称が変更されているので、予約済みの人などは一度確認しておこう。
お披露目されたアルティメットボックスは、本作のビジュアルでデザインされた特別BOX仕様。まず取り出された同梱品は「魔導院の学生証」。ゲーム内では候補生の印として使用され、さまざまな施設に入場することができる代物だ。現実の公的機関では使用できないので注意してほしいとツッコミが入りつつ、次に披露されたのがエースの使用する「魔法カード」。ゲーム内ではカードの裏側だけが表示されていたのだが、今回は特典にするということで、魔法の種類ごとに特別描き下ろしデザインが描かれている。
続いては「0組(クラスゼロ)のスカーフ」。ゲーム内ではエリートであるクラスゼロの学生たちだけに配布されているものであり、角っこに朱雀の正規マークが施されているのがワンポイントだ。次の「オリジナルサウンドトラック」には、作曲・石本丈晴氏が手掛けた楽曲の厳選収録のほか、iOS/Android「ファイナルファンタジー アギト」の全楽曲が盛り込まれている。いずれの楽曲もリマスターが施されているということで、出来には十分な期待をしていいようだ。
また、プチ情報として、石本氏が現在OSTのBlu-ray化を進めていること、「FF零式 HD」の秘密の楽曲を作っていることが明かされた。どういったものが出来上がるかについては言及されなかったのが気になる所である。最後に公開されたのは「カレンダー」…だが、こちらは現在制作中ということで実物はお目見えしなかった。なお、カレンダーに使用されるイラストは全て描き下ろされるとのこと。加えてPS4版の正式なパッケージビジュアルも初披露されたので目にしておこう。
さらに新発表として、今回ギリギリ間に合ったという数量限定商品「PlayStation 4 FINAL FANTASY FF零式 HD 朱雀エディション」が壇上に登場。赤を基調とした高級感漂う特製カラーと、HDDベイカバー部分のタイトルロゴが印象的なこのPS4。パッケージには「FF零式 HD」のゲームソフトとPS4専用オリジナルテーマが同梱されている。
※詳細については「PS 4 FINAL FANTASY 零式 HD 朱雀エディション」記事ページをみてほしい。
ここからは東京ゲームショウ2014(以下:TGS2014)などで出展されていた体験版と、さまざまな要素をブラッシュアップした現行バージョンの新旧比較動画が公開。現行バージョンでは、アクション時に頻発していたカメラ回りの急激な揺れがスムーズになるよう改良されているほか、各キャラクターの移動速度、固有アクションの仕様、さらには召喚獣がより使いやすくなるよう、移動速度や召喚時間などが修正されていることが明かされた。
この遊びやすく進化している点を動画で見たい人は、ニコニコ生放送のタイフシフト視聴よりチェックすることができるぞ(URLは記事最下部に記載)。
また、「ファイナルファンタジー アギト」のプチ情報として、PS Vita向けに発売が予定されていた「ファイナルファンタジー アギト プラス」が技術的問題から発売が延期されたことについての言及が成された。
今回の件については両氏からの謝罪と共に、「ファイナルファンタジー アギト」で配信されることが決定している限定装備のビジュアルが届けられた。この軍神衣・軍神兜【氷の女王】という装備は、召喚獣・シヴァをイメージして作ったという。装備は男女それぞれにあわせたアレンジデザインとなっており、男装備であっても全く違和感のないスタイリッシュさが見事である。
なお、本装備は2015年1月中に配信されるとのことだ。装備を入手するには特定のイベントをこなさないといけないようなので、装備を狙っている人は今後の続報にも注目しておこう。
「ファイナルファンタジーXV」新情報!
続いては「FF XV」の情報へ。本ステージでは新たに公開された動画「ジャンプフェスタ2015 トレーラー」を下に質問が掘り下げられていくので、まだ目にしていないという人はまず以下の動画に目を通しておこう。
映像に目を通した人は続いてのコーナー「いろいろ気になってんだから お前 田畑に訊いてこいよ」。本コーナーは題名の通り、さまざまな質問・疑問について田畑氏に聞いていくというものだ。それではさっそく最初の質問から。
動画の最後に映された巨大なタイタンについての質問。「FF XV」の召喚獣は戦った後に手に入れたり、戦いとは違うイベントを通して手に入れていくなど、FFシリーズのファンには馴染み深い入手方法が採用されているようだ。またこのタイタン、当初は体験版に収録し、ユーザーに触ってもらおうと考えていたようだが、物語に深く関わっていることから今回の体験版への収録は見送ったという。しかし、体験版では代わりの召喚獸を作り、「FF XV」での召喚のプロトタイプをユーザーに遊んでもらうとコメントしていたので、どんな召喚がお目見えするかに期待しておこう。
街は全てシームレスに移動できることを目指して開発中とのこと。ただし、ゲーム全編を繋げるのかはまだ未定で、今後の開発状況により重要な場所に限り、ロードを挟むようになるかもしれないようだ。しかし、最初に提供する体験版で遊べる範囲は全てシームレスで収録しているため、製品版でも世界の広さをなるべく手触りで感じて欲しいという考えから、基本的には完全シームレスを目指していると述べる田畑氏であった。
ちなみにトレーラーで映された街の名称はダスカ地方にある「レスタルム」とい。体験版で遊べる範囲(ダスカ地方)のすぐ近くにあり、タイタンとの深い関わりがあり、宿屋に泊ったり(雰囲気的にはホテルというらしい)、街中で食材を購入して食事を食べたり、ゲームを盛り上げるイベントが起きたりと、さまざまな情報が盛り込まれた重要な大都市であるのだ。
体験版でレスタルムに行くことは叶わないようだが、同時にそれとは別に紹介していく術を模索していくと語ってくれた。
田端氏からの補足説明
トレーラー冒頭に出てくる「王都インソムニア」は、ノクトが皇子をしている国「ルシス」の首都であり、同時に調印式が行われているのがインソムニアである。
これにはすごく簡単な理由があるという。それはつまり、「ユーザーに最初に提供する場所だから一番作り込んでいる」ということらしい。今回の体験版で遊べる範囲や、最初のトレーラーで映された新宿についてはしっかり作り込んでいるものの、それ以外の色々な場所については全体的に少しづつ作り上げている最中としているので、いずれ出てくる続報に期待しておこう。
ずっと問い合わせを受けている中の大きな1つであったというコル将軍。ステージでは彼が主人公・ノクトらちゃんとした仲間であり、一緒に戦闘をこなすこともできることがハッキリを言明された。ただし、ずっと一緒に戦えるわけではないらしい。コルはノクトの父・レギスの側近であるため、見守る立場からのサポートをしてくれるようだ。
※デバフ=ステータス異常、バッドステータスのこと
実際にこのような発言をしたかについて田畑氏は記憶になかったようだが、これにちなんで本作の「キャンプ」という概念が語られることとなった。本作ではゲーム中、朝・夜を通して1日の時間の流れが設定されている。まだまだ調整の見込みはあるようだが、現時点ではリアルの一時間前後でゲーム内の1日が経過するとのこと。
そして、ノクトたちは“寝ること(食事すること)でステータスの恩恵”を受けられるのが正解だと田畑氏は述べてくれた。加えて、休息すると溜まった経験値でレベルアップできるシステムとなっているため、キャンプにはしっかりとしたゲームデザインが持たされていることが伺える。
なお、1日2日は若者らしく徹夜で過ごしても問題ないのだが、5日や10日という時間を寝ずに過ごしてしまうとステータス恩恵が受けられなくなるので、有利に進めるためには一定間隔の休息や食事が必要となるだろう。場所によっては数日かけてクリアするダンジョンなども用意されるようなので、やり込みたい人や低レベル攻略が好きな人には朗報といえる。
今回のトレーラーで映されていた、吹雪いている列車についての質問。あれは単なる映像ではなく、世界の重要な場所へと移動するための乗り物らしい。
作業着姿の女性「シドニー」は整備士という役回りで登場し、ノクトらをストーリーではなく、ゲーム面で支援するキャラクターだ。何を整備するのかについては「まあ、お分かりですよね」と田畑氏の言うとおり、ゲーム発表当時から主人公らに使用されているアレであることは想像に固くない。名前も“シド”ニーであることだし。
なお、特に力が入っているこのシドニー。彼女を作っているのは数名の男性スタッフとのことで、“彼らの愛情を一身に受けて形作られている”という。男性目線からすればこの上なく分かりやすい理由だ。すごい速さで作り込まれていく、最新テクノロジーを余すところなく注ぎ込んだこのシドニーは体験版にも登場するようなので、その出来に期待大である。
魔法は開発の順番を後回しにしているとのこと。バトルシステムを組むにあたって、まずは大本の基本システム、その次にビジュアルをブラッシュアップし、今やっているのがシステムから派生するアクションのバリエーション部分、さらに体験版用の召喚獣を制作していることから、「見た目がまだできてない」という単純な理由で先送りになっているだけのようだ。
なお、「FF XV」の世界で魔法力を持っているのはノクトだけなのだが、ゲーム的にノクトしか使えないのはよろしくないということで、パーティーのメンバー全員が使えるように“ちょっと変わったシステム”を採用したという。気になる発言で終わってしまったので、次の情報が待ち遠しい。
体験版については全世界同じ仕様で提供するという。ボイスは日本語/英語、字幕は日本語/英語/ドイツ語/イタリア語/スペイン語が用意されている。体験版では容量の制限がないことからボイス・字幕ともに全部入りで成立すると、田畑氏は語ってくれた。しかし、製品版ではその容量に制限がかかるため、全部入りでなかった時については「あいつ(田畑氏)、サボりやがったな」と思ってほしいという。全ては田畑氏の頑張りにかかっているのだ。
シドニー&レスタルムをピックアップした新動画も公開!
ここで大藤氏が、イベント前にワールドマップディレクター・松浪保之氏から言われたコメントについて紹介。どうも今回のトレーラーを公開するに際して、松浪氏より「俺このトレーラー気に入ってないから! すっごい頑張って作ったシーン入ってないじゃん!」と言われたようだ。この発言について、ステージ上の田畑氏からトレーラー制作環境の説明が行われた。
ゲームのトレーラームービーには大きく分けて2つの作り方があるといい、一つ目の開発主導のトレーラーについて説明された。本作で言えばE3トレーラーやTGSトレーラーがこれに当たるとのことで、開発陣が「これも入れて!」「こっちも入れて!」と田畑氏に掛け合っていたものを取りまとめたものだ。
もう一方は宣伝主導のトレーラー。こちらは開発側が用意した素材を宣伝部へと渡し、宣伝部が渡された素材をもってトレーラーを制作するという体制だ。今回のケースでは素材を渡された大藤氏と宣伝スタッフが編集スタジオで制作してしまったがために、開発陣からの声がダイレクトに届かなくなってしまったようだ。結果、今回のような「なんでアレが入っていないんだ」という開発陣からの声を招いてしまったらしい。
ということから壇上では、トレーラーで使われていない素材を使った2つの特別動画が公開されることに。
まず映されたのは、男性スタッフたちのハイテンションな寵愛で出来ているというシドニーが、ノクトらと初めて出会う場面。ジャンプフェスタ2015トレーラーでは1カットだけが切り取られていたが、ここではじっくりと尺をとったシーンを見ることができた。
重要な語句が語られてしまうらしく音声はカットされていたが、その魅力的なキャラクターデザインにはなるほど、件の男性開発スタッフらの心意気に感服せざるを得ない。明るくさっぱりとしていることが想起させられる彼女の人間性と、セクシーな胸元に注目が集まる動画であった。
続いては、シームレスに街(レスタルム)を散策する動画が公開された。ここも車でのドライブシーンと、その後の入り口辺りはトレーラーで使用されていたが、動画ではそこから先の様子を映していくという。なお、普通に歩き回ってしまうと色々なNPCが見え隠れしてしまうということで、ここからは開発環境用に作られたという「犬」の視点で街(昔の作りかけバージョン)の景色を眺めていくことに。
最大規模の都市ではないものの、かなりの大きさを誇るレスタルムは、メインストリートや路地などが精細に形作られていた。一部の建物は制作途中であることからワイヤーフレームが見えてしまっていたが、それを含めて特別感のある動画であった。
加えて、ただの開発用というには明らかに作り込みが過ぎている犬もだ。歩くモーション、走るモーション、おいたをしてしまう動作など、大変生き生きとしている。あくまで本編には関係のないオブジェクトであると田畑氏は語っていたが、ユーザーからの反響が大きいようであればこの犬の活用法を考えると話してくれた。実際、ニコニコ生放送のコメントでは犬の実装を求める声も多く流れていたようなので、これはもしかしたら“ある”かも? また、期待しどころが増えてしまった。
続いて、体験版「ファイナルファンタジーXV -EPISODE DUSCAE-」に話が移った。本体験版は「FF零式 HD」の初回限定版特典として付属されるのだが、当初は期間限定で出したいという考えがあったらしく提供についてのアナウンスをしておらず、それが初回特典になってしまったのは、「FF零式 HD」が全世界で発売されるタイトルであったことが原因だという。
各国の販売方針から導き出された結論が「(FF零式 HDを)買った人が確実に遊べるのが一番良い形だ」であったためだ。
しかし、一番最初から初回限定であることが発表できなかったこと、そしてこのままでは体験版を手に取ることのできない人が増えてしまうと考えた田畑氏は、TGS2014で使用した開発環境寄りのプレイアブル、題してPS4/Xbox One専用「ファイナルファンタジーXV 触れるテックデモ(仮称)」を無料配信することを明らかにした。
本デモでは時間を変えたり、天候を変えたり、ベヒーモスを呼び出したりといったデモ的な機能に加え、さまざまな新規要素を詰め込めていくとのこと。体験版「ファイナルファンタジーXV -EPISODE DUSCAE-」よりも早く提供することは難しいが、できる限り早くリリースしていくとコメントしてくれた。
また、「FF零式チーム」より、スクエニメンバーズ加入者に向けたホリデーカードがメールで送られることが決定。なお、スクエニメンバーズではプレイした感想も募集中だ。
そしてステージの最後に、同社の代表取締役社長・松田洋祐氏が急きょ登壇することに。「FF零式 HD」もいい具合に仕上がっており、「FF XV」も順調に開発が進んでいること、加えてPSP版「FF零式」で闘技場での100人斬りをプレイするほどの零式愛を語ると同時に、HD版の新たな姿に期待しているとユーザーに向けてコメントしてくれた。
また、田畑氏と松田氏の「田畑氏:ゲームできました→松田氏:アレは入ってないの?→田畑氏:はい(くだらねぇ…)」といった普段のやり取りが、大藤氏のツボであったようで、今後はこの模様を配信するスペシャル番組も予定しているとのこと。ゲーム発売とあわせて期待が膨らむ中、今回のステージはお開きとなった。
ニコ生「田畑Dのアクティブ・タイム・レポート JF2015出張版」
http://live.nicovideo.jp/watch/lv200824963