2015年1月15日、セガは「龍が如く0 誓いの場所」の完成記念スペシャルイベントを、東京・ベルサール秋葉原にて開催した。ここでは、開発陣や声優陣によるイベントの模様をお届けしよう。

「龍が如く」シリーズは、主人公・桐生一馬を取り巻く物語を描いた人気アクションアドベンチャーゲーム。最新作となる「龍が如く0 誓いの場所」では、非常にクセの強い名脇役で、シリーズ屈指の人気キャラでもあった真島吾朗がついにもう1人の主人公となり、これまで描かれていなかった2人の過去が明らかとなる。

今回行われたスペシャルイベントではその「龍が如く0」に関連した数々のアイテムが出展。本作の特別な刻印がなされた桐生・真島のそれぞれの限定仕様のPlayStation4のほか、同日に行われた完成披露記者会見で発表されたばかりのPlayStation VitaとPlayStation Vita TVも展示されるなど、大きな注目を集めていた。

他にもBRERA OROLOGIとのコラボレーションとして、ゲーム中に実際に桐生が身に着けているものと同デザインの腕時計や、誰もが知る80年代の人気楽曲を収録したコンピレーションCD「龍が如く0 80’s Hits! Collection」と湘南乃風が歌う主題歌「バブル」を収録したCDの先行予約、「龍が如く」の歴代ナンバリングの体験版に一足先早く「龍が如く0」を体験できる試遊コーナーも設置。

加えてシリーズの生みの親である総合監督の名越稔洋氏、チーフプロデューサーの横山昌義氏、声優の黒田崇矢さん(桐生一馬役)、宇垣秀成さん(真島吾朗役)の4人によるサイン会も実施され、期待に胸を含まらせたファンが長蛇の列を作るなど、大きな賑わいを見せていた。

そんな盛り上がりの中、会場では本日のメインイベントともいえる、サイン会の出演陣でもある名越氏、横山氏、黒田さん、宇垣さんら4名によるスペシャルトークショウも行われた。ここからは、その模様をお届けしていこう。

トークショウでは、完成記念記者会見では明らかにされなかった意外な裏話も……?

ステージが始まると、本日の司会を務めるお笑いコンビ・ほたるゲンジによる進行の元、名越氏、横山氏が登場。まずはこちらの記事にもある通り、同日に行われていた完成記念記者会見で発表された新発表を振り返る形でプレゼンが行われ、コンピレーションCD「龍が如く0 80’s Hits! Collection」に同梱されるダウンロードコードを用いた、収録楽曲をゲーム中に登場するウォークマンを使って再生するプレイ映像なども公開された。

名曲「GET WILD」や「Runner」をBGMに神室町を走りまわる桐生の姿はまるで別のゲームのようにシュールで、会場からは何度も笑いが上がるなど反応は上々。記者会見では言及されていなかったが、実はゲーム中に流すことのできるウォークマンの楽曲リストは、毎作お馴染みのアジトにあるラジカセを使って自由に編集することが可能になっていることも新たに判明。お気に入りの曲を1本のカセットに録音してマイベストを作る、ラジカセやMD世代なら誰もが分かるあの気分を味わえるようになっているという。

横山氏曰く、ウォークマンを流している最中は「イヤホンをゆるくつけながら街中を歩いているようなイメージ」とのことで、ウォークマンの楽曲はただ流れるだけではなく、シリアスな場面でのBGMに切り変わると自然と曲が消えるような仕様になっているそうだ。ゲームの雰囲気を壊してしまうという心配もなく、気軽に様々な楽曲を流して違った気分でゲームを楽しめるというわけだ。

また同じく発表されたばかりのPS Vita(PS Vita TV)向けアプリ「龍が如く0 基本無料アプリ for PlayStation Vita」についても言及された。本作では非常にお金が重要な要素となっているそうで、アプリを使って本編の発売よりも先にさまざまなミニゲームをプレイしてお金を貯めておけば、序盤のゲームをかなり楽に進めることができるようになるとのこと。更なる詳細は後日公式のプレイ動画でPSVita用アプリを特集したものを配信するそうなので、そちらも是非チェックしてみて欲しい。

ここからは黒田さん・宇垣さんも加わり、最新のPVが上映された。PVのラストは初代「龍が如く」のパッケージデザインと同じ桐生のキックと同じポーズで締められるのだが、その感想を尋ねられた名越氏は「10年経って物語が1週するような繋ぎ方ができる作品ができるとは、10年前は考えられなかった。いい10年間を過ごせたと思っています」と、しみじみとこれまでの歴史を振り返っていた様子だった。

その後のトークは、提示されたさまざまなテーマに沿う形で進行。最初のお題となった「本作の見所」では、まず名越氏が「今回もさまざまな障害を乗り越える価値を等身大の世界観で描いたつもりです。ただ、今回はその中でも間島にラブロマンスをやらせたいというのがあって。それも普通のでは面白くないので、男のダンディズムを貫いたような相当特殊なものになっています」と龍が如くの肝とも言えるシナリオ面をアピール。

一方の横山氏は「バブル世代を知らない人にこそ遊んで欲しいですね。情報として知ることはできても、あの日本が1番楽しかった時代で生きているような気分を味あわせてくれるメディアはゲームしかないと思っています」と、ゲームだからこそできる、貴重な時代の疑似体験をポイントとして挙げていた。

さらに小沢仁志さん、竹内力さん、中野英雄さんらが演じる堂島組の幹部である3人の新キャラクターについての話では、龍が如くシリーズでは、先に声の収録をしてそれに合わせて動きをつけていく、比較的珍しいプレスコ方式をとっているが、1番先に収録を終えた小沢さんがその難しさを思い知ったようで「この(龍が如く)の収録やべぇぞ。舐めてかかったらやられる」と中野さんに伝えており、中野さんは準備万端でやってくるという衝撃(?)のエピソードが明かされることに。だがこの結果、「実は1番恐いのはあれだけ強面のキャスト陣をびびらせる横山さんなのでは?」という思わぬ疑惑も上がり、会場の笑いを誘っていた。

なお、実は小沢さんと黒田さんは、プライベートの草野球の監督同士として何度も対戦し、普段から交流のある20年来の付き合いのある間柄であることも判明。実際の現場でも常に野球の話ばかりしているそうなのだが、実は小沢さんの投げる球は非常に遅いのだそうで、あまりの遅さに逆にタイミングが合わずなかなか打てないという、いろいろな意味で意外すぎる裏話も語られていた。

また、本作の舞台となる1988年当時、出演者は何をしていたかという気になる話題も。当時小学生だったという横浜氏は、たまに良いレストランに食事にいくくらいで、ほとんどバブル期らしい思い出はないが、実は百貨店に勤務していた父親が頻繁にサンプルのゲームをもって帰ってきていたため、家には500本近くのゲームがあったという。ゲーマーからすると実に羨ましすぎる話だが、それだけゲームがあると逆にありがたみがなく、実際にはあまりプレイすることはなかったそうなのだが、それから横山氏がゲームクリエイターとなった後、父親には「ワシが育てた」と自慢されているのだとか。

一方、既に役者としてのキャリアをスタートさせていた黒田さんは、大物役者の先輩達と旅行にいくとあたかもタクシーを借りるようにクルーザーやヘリが使われるなど、今では考えられないバブル時代の洗礼を浴びていたという。ある時飲みに誘われ、10万以上のドンペリが注文されているのをみると、まだ駆け出しでそれほど収入が多くなかった黒田さんは「酒じゃなくその10万を現金でくれ!」と密かに思っていたことも明かし、会場の共感と笑いを誘っていた。

そしてトークの終盤には、なんと会場のお客さんから質問を募集し、出演者がそれに答えるというコーナーも実施。その中の1つである「最近の中でもっとも高い買い物は何か」という質問では、高額なブランド品とパチスロで大負けしたという、何かと浪費が激しい名越氏と横山氏の開発陣2人に対し、最近はあまり物欲がなく長い間高い買い物をしていないキャスト陣という、それぞれの立場から対照的な回答が飛び出し会場を驚かせた。

その後には1月10日から上映されているCM映像や、湘南乃風のライブで公開された桐生による楽曲紹介とライブシーンという貴重な映像も上映。湘南乃風は「クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編」でも主題歌を担当しており、同じアーティストが主題歌を担当するのは「龍が如く」シリーズ初の試み。これには、「クロヒョウ2」以来、名越氏と湘南乃風の間でプライベートの親交がずっと続いていることが大きいのだそうで、「1度一緒に仕事をして、いい結果がでた相手とは、次はもっと良い仕事ができるとずっと思っていて。そこで今回はもう1度という形でお願いしたら、是非やってみたいと快く返事を貰えました(名越氏)」と、本作の主題歌が決まるまでの経緯も明かされていた。

最後には、本日展示が行われていた限定仕様のPS4やPSVitaが当たる超豪華なプレゼント抽選会も実施。豪華景品の数々に客席も大いに盛り上がる中、出演者からそれぞれ今作の発売に向けた熱い意気込みが語られ、ステージを締めくくった。

黒田さん:収録は終えましたが、実は真島編などまだ自分も知らない部分も多いので、発売を純粋に楽しみにしています。皆さん、買ってください。そして、秀ちゃん(宇垣さん)のために宣伝してください!(笑)

宇垣さん:真島ファンの皆様……お待たせしました!動かせますよ今回は!やっと主役になれたので、絶対にコケるわけにはいきません!(笑)すごく良い作品に仕上がっていて、絶対に後悔はさせませんので、是非とも3月12日を楽しみに待っていてください!

横山氏:去年「龍が如く維新」の時、今までで1番好きな作品になったと言いましたが、今回はその時と同じかそれ以上に好きな作品になりました。ストーリーがいいとかだけではなく、ゲームとして凄く楽しく仕上がっているので、どうか信じて「龍が如く0」をかわいがってあげてください。

名越氏:僕はこれまで「1」がずっと好きだということを言ってきましたが、ようやくそれに匹敵するものを作れたのかなという感覚があります。「1」は、「こういうゲームを夜の中に広めていきたいんだ!」というチャレンジへの突っ張った魅力が大きかったと思うのですが、そうした要素を残しつつ、何作もシリーズを経たことで良い意味でこなれてきた伝え方ができるようになったかなと。今回は「これを面白いと言わないで何という!」くらいの自信をもてる出来になったと思っているので、是非期待して待っていてください。

龍が如く0 誓いの場所

セガゲームス

PS4パッケージ

  • 発売日:2015年3月12日
  • 17歳以上対象
龍が如く0 誓いの場所

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PS4ダウンロード

  • 発売日:2015年3月12日
  • 17歳以上対象
  • PS Storeダウンロード版

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  • 発売日:2015年3月12日
  • 17歳以上対象
龍が如く0 誓いの場所

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  • 発売日:2015年3月12日
  • 17歳以上対象
  • PS Storeダウンロード版

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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