日本一ソフトウェアが3月26日に発売を予定しているPS4用ソフト「魔界戦記ディスガイア5」の試遊イベント「PlayStation4 presents『魔界戦記ディスガイア5』反乱軍決起集会!」をレポートする。
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本日2月7日、日本一ソフトウェアとソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアの共同イベント「PlayStation4 presents『魔界戦記ディスガイア5』反乱軍決起集会!」が、都内某所にて完全招待制で実施された。
本イベントでは、PS4「魔界戦記ディスガイア5」の発売に先駆けて、ユーザー1人1人が約1時間ものあいだ最新バージョンの体験版をプレイできたほか、会場ステージでは日本一ソフトウェアの代表取締役兼プロデューサー・新川宗平氏、ディレクター・松田岳久氏による制作スタッフ陣トーク&質問座談会、クイズ大会に記念撮影にと、催しもたっぷりで進められた。
本レポートでは、筆者による体験版の試遊インプレッションに加え、各イベントの模様を紹介していこう。
まずは新作プレゼンテーションの模様をお届け!
会場入り口では、来場者をセラフィーヌ様とプリニーがお出迎え。プリニーサンバイザーの手渡しや記念撮影を通して、イベント開始前の来場者とコミュニケーションを取っていた。
エントランスには「ディスガイア」シリーズのさまざまな書籍・特典や、ぬいぐるみ、ねんどろいど、帽子やバッグやTシャツなどのオリジナルグッズが展示されており、皆思い思いに楽しんでいた様子。
イベントの開始を飾るのは、新川氏と松田氏、そして進行役に同社営業部の太田修司氏を迎えての新作プレゼンテーション。
まず、ゲームについては先日完成を迎えたとのことで、今後は延期の心配もなく、無事発売されることが新川氏より明かされた。「開発時はシナリオが遅れて大変だった」と松田氏からの苦労話もありながら、新川氏が来場者にPS4を持っているかを聞いてみたところ、来場者はほぼ全員がPS4を所持。そのうえほぼ全員がシリーズ経験者であり、本作の予約もしっかり済ませてきたようだ。
そして本作のPS独占販売については、プレイステーションプラットフォームと11年歩んできたタイトル、ひいてはPSプラットフォームと共に歩んできた同社だからこそ、PSプラットフォームの20周年の祝いと、PS4がもっと盛り上がってほしいという思いで決定したという。PS向けジグソーパズルゲーム「ジグソーワールド」でメーカーデビューした同社なりのこだわりだけに納得である。
また、今回はプラットフォームをひとつに絞り混んだことで、マルチ展開ならではの色々な制限に縛られず、フルスイングで制作が進められたようだ。新川氏からは、本作はシナリオやシステムなどを含めて歴代最高のタイトルに仕上がった自負があると語られたため、その手応えには充分な期待をかけても大丈夫そう。
続いてPS Vita(携帯機)の移植について説明していく両者。しかし、答えはNO。本作を携帯機でプレイしたいという声は多く受けたとのことだが、移植となるとPS4のスペックを活かしたフルHD画質やコンテンツなど、何かを削ることになってしまうため、本作に関しては移植不可能とされた。
しかし、PS4とPS Vitaを用いたリモートプレイでは、「なんでこんなことができるのか分からないくらい快適にプレイできた」とのことなので、各々のプレイスタイルで対応できそう。
次に、シリーズの中でも随分とカッコいい印象のある本作のテーマについて。「魔界戦記ディスガイア5」は、魔界を蹂躙した魔帝ヴォイドダークに対し、主人公・キリアと5人の魔王が各々の“復讐”を果たすというシナリオが描かれる。敵味方ともに魔王だらけの魔界大戦争を呈するため、「ディスガイア」ならではの破天荒なゲーム性がダイナミックに落とし込まれている形だ。
本作のディレクションを進めていた松田氏は、まずこの復讐と反逆というシナリオを読み、復讐・反逆といったテーマ性をゲームシステムに反映させていったという。完成時は社内でも「面白くなった」という反響が多かったこともあり、新川氏などは前述した歴代最高発言に繋がったのだろう。
前作からの進化部分では、以前から従来作品で受けていたという「シナリオのボリュームが物足りない」を解消するべく、1話1話を充実させ、キャラ同士の会話イベントなども多数盛り込んだ全16シナリオ+サブイベント+αで、ディスガイア史上類をみないというほどの盤石なボリュームになっているとのこと。
また、ユーザーインターフェースでは、拠点自体はこれまでと大きく変化がないものの、広さやキャラクター数を確保できるようになったと述べる新川氏。試しに拠点内に100体のキャラクターを置いてみたという松田氏は、まったく処理落ちしないPS4のスペックに驚いた語ってくれた。さらに、これまであまり追求してこなかった各画面の見栄えも重視。ステータス画面などは、整理整頓された美しい&面白そうな画面を心掛けたとしている。
さらに、今回の汎用キャラクターのキャラクターメイクは、従来のように“キャラクターを作る”という概念ではなく、スカウト屋が“たまたま名前も素質もカラーもレベルもピッタリの人”をピンポイントで連れてきてくれる概念に変更。ゲーム的な意味合いに違いはないものの、同社ならではの遊び心が垣間見える。
続いてのアイテム界は、デザインに見所がたくさん盛り込まれているとか。豪華な背景、最下層がないどこまでも続く終わらないバトル、一部画面では何かが出てくる卵を持ったボーナスキャラクターの姿や、アイテム界にいるという「レベルフィッシュ(スタッフ間では“ブリ”と呼んでいるとか)」を持ち上げると、名前の通りのいいことがあるとか? バラエティ豊かな要素がてんこ盛りだ。
続いては本作ならではの要素が紹介された。まずは、敵に攻撃されたり、味方が倒されると溜まるキャラクター毎のリベンジゲージが一定値を越えると、「リベンジモード」に突入する。リベンジモード時はステータスが上昇するほか、魔王級の悪魔のみが使用できる「魔奥義」が発動可能だ。
ただし、リベンジモードは敵にも適用されるため、雑魚ばかりを狩ってからボスに挑もうとするとリベンジモードに入られ、痛手を受けてしまうことがあるとか。双方のリベンジゲージを管理するのが重要となるため、ゲームに新たな緊張感が生まれているぞ。なお、魔奥義の一部カットもここでお披露目された。
二回行動が追加される「暴虐のレベリオ」。強くてずるいやつですね(新川氏談)。 | |
男キャラを魅了するセラフィーヌ様の眼。魅了というバッドステータスはシリーズ初である。 | |
可愛らしいウサリアが暴走。この技自体、シナリオにも深く関係しているようだ。 | |
見たままの巨大化。巨大化したまま相手を蹂躙できる。 |
また、軍勢同士が戦うというスケールに見合うよう、さまざまなテーマをもった「部隊編成」が可能に。部隊は編制・強化を進めることで敵に数の暴力を浴びせられるほか、多彩な部隊効果の恩恵、そして部隊リーダーのみが使える必殺技を行使できるようになる。
さらに、部隊を編成した後は「魔界調査団」で魔界の調査に挑める。ここは各地に用意されている魔界を調査し、アイテム獲得を目指すというコンテンツになる。なお、魔界はランダム生成されているため、「脱ぐとすごい魔界」など思わず行ってみたくなる魔界も出現するようだ。
従来はアイテム界と殆ど差がなかったキャラ界は、新規設計にリニューアル。今回のキャラ界はすごろくを楽しみながら、キャラクター強化を目指していけるようになった。何故すごろくなのかは、「すごろくがどうしても作りたかった」という松田氏の意向が形を成した結果だという。
そして、一番愛を注ぎ込んでしまったのではないかという「カレー愛」について。ウサリアの好物「カレー」をストーリーに導入している内に、スタッフが悪ノリしたことからゲームシステムにまで浸食したり、まさかのゴーゴーカレーとのコラボまでもが展開されることとなった本作の「カレー」。気付いたら結果としてとにかく追求してしまったという、同社の徹底的な姿勢が伺えるエピソードだ。
プレゼン終了後は、待ちに待ったユーザー試遊会がスタート。ここからはユーザーと同じく本作を体験した筆者のプレイインプレッションを紹介していこう。
「魔界戦記ディスガイア5」を早速プレイ!
「魔界戦記ディスガイア5」は、レベル9999の10億ダメージは序の口なハチャメチャ青天井バトルが楽しめる、日本一ソフトウェアの代表作とも言える「ディスガイア」シリーズのナンバリングタイトル第5作目だ。どこまでもやり込み続けたくなる育成ゲームとしての強度の高さ、どこまでも考え込みたくなる練り上げられたシミュレーション要素、そして魅力的なキャラクターたちが繰り広げるストーリーも見逃せない、そんなシミュレーションRPGである。
ナンバリングといえども、本シリーズは歴代タイトル同士の繋がりが薄く、一部のお約束やシステム面での相似はあるものの、どのナンバリングからプレイしても、違う舞台、違う題材、違うキャラクターたちの物語をそれ一作品で味わい尽くせる。このようなシリーズ展開であるからこそ、ユーザーがさまざまなタイミングから参戦できる、間口の広いタイトルになっているのだ。
本作は次世代機ながらも、キャラクターグラフィックはイラストとドット絵が主要である。しかし、古めかしい印象はなく、キャラクターたちも可愛らしいモーションでグリグリと動き回ってくれるため、良くも悪くも「ディスガイア」らしい魅力がそのままに昇華されているといっていい。心機一転の変化は見受けられないものの、3Dグラフィックのような得手不得手がないので、万人受けしやすい本シリーズの確立されたビジュアルの特徴と言えるだろう。
試遊版では冒頭のストーリーを進めた後、拠点となる「ミニ魔界」からプレイスタート。拠点はドットキャラクターで自由に動き回れるお馴染みの仕組みで、顔色の悪いメイド、ニボシ1本で20時間労働を強いられているプリニーたち、それ以外にも色々なキャラクターや施設が配置されている。
「試遊だし、とりあえずバトルでも体験しておくか」と思っていた筆者であったが、個々のキャラクターが愉快な返答をしてくれたり、セラフィーヌ様とのイベント会話も多数見られたがために、筆者を含む大半の試遊者は、約半分くらいの時間を割いてミニ魔界をグルグルと動き回ることを選んだのではないだろうか。
戦闘について
「魔界戦記ディスガイア5」でも戦闘システムは基本的に従来作品を踏襲。出撃用のベースパネルからユニットを出し、移動・攻撃で相手の全滅を目指していくシンプルなSLGの作りだ。
しかし、「ディスガイア」お馴染みのユニットを持ち上げて・投げるの行動が産み出す幾何学的な選択肢はもちろんのこと、プリニーに犠牲になってもらった後に確認できた「リベンジモード」、魔物たちを3ターンだけ武器にして戦う「魔チェンジ」、もう1つの武器でさまざまな局面に対応できるようになった「サブ武器」など、しっかり練り上げられたシステムの上にハチャメチャ感が上乗せされているのは流石というほかない。
攻撃コマンド→攻撃開始コマンドの二段階を踏むことで生まれるコンボや連携が上手くはまった時などは、実に爽快である。コミカルで迫力満点のエフェクトなんて、見ているだけで十分に楽しめる。個人的には「魔物投げ」が非常に便利で、今まで持ち上げる→投げるという手順の必要だった投げが、1コマンドで投げまで成立するようになっている。また、「魔チェンジ」からは特有のハチャメチャ感を感じ取れるなど、魔物の有用性が高まっていることが伺えた。
そんなわけで結論を言っておくと…1時間のプレイで一番印象に残ったのはセラフィーヌ様の破天荒で可愛らしいキャラクター性だ。キリアやプリニーとの掛け合いが中々に富んでいて(飛んでいて)強烈なインパクトであった。頭から離れない特徴的な「オホホホホ」を、街中で口ずさまないことを善処したい。
気になる質問は「意見交換会」で!
試遊後に開かれた「意見交換会」では、試遊した来場者たちからの質問が受け付けられた。
ここでは、“情報的にはまだ出せない(新川氏)”という「マップエディット」の存在や、戦闘コマンド「魔物投げ」「魔チェンジ」の初期カーソルについて、「部隊編成にちっちゃい部隊はあるけど、おっきい部隊はないんですか?」、ソニーストア限定の刻印モデルのペイカバーのみの販売(無いとのこと)、セラフィーヌ様のバニーバージョン(初回特典)時の特殊会話を入れて欲しい!、キャラ界のすごろくでダイスを振った後に全体マップを見れるようにしてほしい(松田氏:パッチで対応します)など、早速さまざまな質問が飛び出す。
また、前作にあった要素と最新作に搭載する要素の取捨選択は? という質問には、新たなものを作り出したいという気持ち、新規設計の手間もありつつ、「3なら3の楽しみ、4なら4の楽しみを残したい」という新川氏の思いから設計されているとのこと。
さらに、早くも「魔チェンジ」の追究を進めていたユーザーからは、現時点で未発表の「二刀流」などの質問が行われたが、最初から全部(の情報)を出すと情報過多になってしまうと考えたことから、物語を進めていくうちに要素が順次解放されていく形式にしたという。そういった観点から、情報発表についても現時点では控えているとしていた。
そして新川氏、後ろでイベントを見守っていたセラフィーヌ様のコスプレイヤーにゲームの感想をいきなり求める無茶振り。というのもユーザー試遊の時間、関係者一同から見てもジッとのめり込んでゲームをプレイしていたこのセラフィーヌ様。
なんでもこの仕事が決まってからというもの、「魔界戦記ディスガイア4」で本シリーズを復習していたという彼女。ゲームがあまり得意でないことから、前作では何度もゲームオーバーを迎えてしまったようだが、キャラクターと会話するのが楽しみなので、会話盛り沢山な「魔界戦記ディスガイア5」に期待しているとか。
キャラクターたちが気になって始める人も多いシリーズなだけに、共感するプレイヤーもまた多いのではないだろうか。
最後は反乱軍の忠誠心を試す「○×クイズ大会」
この「○×クイズ大会」では、全来場者の内、最後まで残った2人に賞品「特製タンブラー」が贈られる。○ボードを持ったプリニー、×ボードを持ったセラフィーヌ様の元に集まる、昔ながらのクイズ形式だ。
最初の問題はゲームの発売日や、初回特典の内容など優しいもので、どちらも全員全問正解。そこから「魔界戦記ディスガイア5」の黄色いプリニーの語尾は? 新キャラクターは忍者であるか? 新タワー技は「タワーリリース」か? など、中にはまだ公式ニコ生でしか発表されていない問題も飛び出し、気付けば残された参加者は7人。
しかし、このままでは埒があかなそうだっことから、急きょ新川氏とのじゃんけん勝負と相成った。見事じゃんけんで生き残りを制した2名にはタンブラーが、さらに残った5名にも新川氏&松田氏のサイン入り販促用ポスター+PV収録DVDがプレゼントされることに。
クイズ大会も終わり、最後は檀上者&来場者全員で「にっ・ぽん・いち!」の掛け声とともに記念撮影。ゲーム発売までの勢いと弾みを感じさせる素晴らしいイベントであった。