「アイドルマスター ミリオンライブ!」エミリー スチュアート役、「しんぐんデストロ~イ!」大山咲役などで活躍する新人声優の郁原ゆうさんにインタビューを行った。

目次
  1. 眼鏡は手放せない必需品
  2. 声優デビュー、初収録、初イベント全てが「ミリオンライブ!」のエミリー役
  3. 「アホかわ」の新しい扉を開いてくれた咲ちゃん
  4. デビューシングルのカップリングでは「かわいい」と「はかない」の限界に挑戦!

郁原さんは千葉県出身で、「アイドルマスター ミリオンライブ!」エミリー スチュアート役で声優デビュー。「しんぐんデストロ~イ!」ではデビュー作の物腰の柔らかい美少女から一転、怪獣に真正面から突撃するあほカワ少女・大山咲を演じ幅の広さを見せた。1月28日にはドラマCD「あやがみっくす」主題歌「ほうせき」をリリースし、活躍の幅を広げる彼女に、デビューから今まで、関わった作品や主題歌を歌うことについて聞いてみた。

眼鏡は手放せない必需品

――声優になるまでの経緯を教えて下さい。

郁原ゆうさん

郁原さん:私、初めて受かった「アイドルマスター ミリオンライブ!」のエミリー スチュアート役がデビュー作品なんです。養成所に所属していたのでまだ声優でもない頃で。大きな作品を頂いたのがきっかけでデビューして、経験が浅いうちから色々な作品に出演させて頂けるようになったのは運が良かったなと思っています。

――声優を目指そうと思ったきっかけはなんだったのですか?

郁原さん:高校の時に色々あって落ち込んでしまった子が身近にいたんですね。でも私は根がポジティブなもので、その子の気持ちが全然わからなかったんです。

それで、少しでも気持ちがわかることができないかと思って、心の問題にまつわるブログを読みあさったんです。そんな時にたまたま読んでいたブログに、すごく落ち込んでいた人が、声優さんのドラマCDを聴いて立ち直ったという話が書いてありました。

どれだけ言葉をかけてもうまく届かないことがあるのに、声の演技だけで気持ちを変えられるってすごい職業だなって思ったんです。それで私昔から声がいいよねと言って頂くことが多かったので、もしかして自分にもできないかな? 演技で誰かの力になることができないかなと意識したのがきっかけです。

――声優を目指す経緯としてはかなり異色ですね。ボイスセラピスト的な。

郁原さん:専門学校の時に自己紹介をするんですけど、周りの人は大体何々の作品に憧れてとか、憧れの誰々の隣に立ちたくて、というきっかけが多いんですね。私は声優さんもアニメもあまり知らなかったのでちょっと浮いてましたね(笑)。この世界に入ってからもどうして声優になったのって聞かれて答えると、変わってるねって言われます(笑)。

――先ほど郁原さん自身はポジティブで、という言葉がありましたが、ポジティブ思考なんですか?

郁原さん:専門学校時代はめちゃくちゃポジティブでした! でもこの業界に入ってからは考えることが増えました。それまでは「まいっか!」で済ませちゃうタイプだったのですが、仕事に関わることはそうじゃないよねと。客観的にマイナスの面も見られるようにならないといけないなと思うようにはなったのですが、結論はやっぱりポジティブなことが多いです!

――以前郁原さんが「眼鏡は自分の一部」と話しているのを拝見しました。

郁原さん:眼鏡はもう外せないです! 私小学校四年生ぐらいからずっと眼鏡で、眼鏡を外してると恥ずかしくなっちゃいます。私本当に視力が悪くて、裸眼だと全然見えないので、今外したら机においてあるお茶のラベルが読めないです。

――では属性的な、アイテム的な眼鏡にこだわりがあるというよりは、生活必需品として手放せない感じですか?

郁原さん:ファンの方でも眼鏡が大好きで、眼鏡きっかけで好きになったと言ってくださる人もいらっしゃるんですが、別に私的にはそういう層を狙ってるとかではなくてですね(笑)! あるのが自然なんです。写真を撮って頂く時に反射してしまったりするので、事務所の人にも外さないの? とは言われるんですが…。

――コンタクト使ってる声優さんも多いですからね。

郁原さん:そうなんですけど、行けるものなら眼鏡で、自然体に近く行きたいんです。私目薬も怖くて差せないぐらいなので、コンタクトは…。一時期挑戦はしてみたんですが、ドライアイすぎて、電車に乗ってるとぽろって外れちゃうんです。私にはコンタクトは厳しいなと思ったので、眼鏡で、おねがいします! と。眼鏡は大事です!

――郁原さんは「ゆうちゃ」というあだ名で呼ばれることが多いですが、きっかけを教えて下さい。

郁原さん:私、Twitterでフォロワーさんが30人ぐらいしかいなかったのが、「ミリオンライブ!」出演がきっかけでものすごく増えたんですね。その時にあだ名はないんですかって聞かれることが多かったので、せっかくだからフォロワーさんに一緒に考えてくださいってお願いしたんです。そこで頂いた中で気に入ったのが「ゆうちゃ」でした。

――郁原さんはTwitterでのファンの皆さんとのコミュニケーションをすごく大事にしている印象があります。

郁原さん:そうなんです。でも最近なかなかできなくてすごく申し訳ないんです! 私、人と話すときに近い距離で話すのが好きなんですね。だから人によってはこいつなれなれしいなって思われると思うんですけど(笑)。Twitterでもそうですし、握手会とかでもせっかく一対一でお話するのであれば、丁寧すぎて壁がある感じよりは、「あ、元気?」みたいな方がお話しやすいし楽しいかなって思うんです。

――声優さんとかはあまり知らなかったけど、漫画はお好きだったんですね。

郁原さん:周りの友達はこの声優さんの声がかっこよくて聴いてみて! と聞かされてはいたんですが、「わー、すごいねぇ、吐息すごいね!」みたいな感じで(笑)。

――好きな漫画はどんな作品ですか?

郁原さん:小学校の頃に友達に種村有菜さんの「時空異邦人(タイムストレンジャー)KYOKO」という漫画を借りてどうしても欲しくなって買ったのが、初めて自分で買った漫画です。「神風怪盗ジャンヌ」とかももちろん好きだったんですが、巻数が多い作品は子供にはつらかったので…(笑)。あとは友達の影響で「銀魂」とか「D.Gray-man」とかも読ませていただきました。あとは「ツバサ」の黒鋼と知世姫が好きすぎて豪華版を買ってました!

声優デビュー、初収録、初イベント全てが「ミリオンライブ!」のエミリー役

――ではデビュー作になった「ミリオンライブ!」について伺っていきます。オーディションではどのあたりに難しさを感じましたか?

エミリー スチュアート

郁原さん:金髪! 13歳! 普通英語やカタカナで読むところもきれいな日本語…ということで、これは大変だと思いました。それで、開き直ってもう素で行こう! と思って演じたのがエミリーちゃんだったので、素で演じたのが結果として良かったのかもしれません。こんなに大きな作品でしっかりオーディションを受けさせてもらっただけでも宝物のような経験だと思ってたんです。

――ところが合格の連絡が来るわけてすね。

郁原さん:その時はまだ声優デビュー前なので、カフェでバイトの休憩中だったんです。マネージャーさんから着信が入っていたので、私なにかやったかな、怒られるかな…と思って折り返したら「アイマス、受かったよ」って。えーって感じで、その後はふわふわしてバイトにも身が入りませんでした。

――オーディションの時には演じ方がよくわからなかったエミリーとその後どう馴染んでいったか、理解していったかを教えて下さい。

郁原さん:まず自分との共通点を探してみようと思ったんです。それで好きなものが抹茶、和のもので、一緒だ! となったところから始まりました。私はエミリーちゃんのことを考えるとき、尊敬するところが大きいんです。あの歳でアイドルを目指してイギリスから出てきて、とんでもない覚悟だなと思って。強さと同時に人を思いやる台詞があって。相手のことを見て、観察して、その人のことを好きにならないと出てこない言葉がすごく多いので、見習わないといけないなと思います。

――そうやって今のエミリーが出来上がっていったんですね。そうやって声の演技でキャラクターを演じることと、ステージでエミリーの歌を歌うことにはまた違いがあると思います。ミリオンの最初の大きなステージ、中野サンプラザでの「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 1stLIVE HAPPY☆PERFORM@NCE!!」に立った時の心境を教えて下さい。

郁原さん:初めての大きなステージ、初めて大勢の仲間と一緒にステージに立つ経験でした。出演者の一員になって、それまでにみんなでつないできたバトンをもらって、次につなげないといけないと思っていました。だからこそ失敗できない、つなげないと、という想いは出演者みんなが持っていたと思います。

「アホかわ」の新しい扉を開いてくれた咲ちゃん

――ゲームで郁原さんの代表作のひとつである「しんぐんデストロ~イ!」についても伺います。大山咲ちゃんはど真ん中を突っ込んでいく元気系美少女ですね。

大山咲

郁原さん:私、オーディションの時はかっこいい、クール系寄りのキャラで受けさせていただいていたんです。でも現場で「咲ちゃんもやってみる?」と言われて演じてみたら、「この子が大山咲ちゃんの声です!」と強く推して頂けたみたいで、やらせて頂くことになりました。

――エミリーの印象が強かったので、こんなまっすぐであほの子っぽい、キュートな主人公声も担当されるんだなと驚きました。

郁原さん:エミリーで私を知ってくださる方が多いので、今まで演じた他の役も真面目でふわっとした役が多かったですね。だから「いっくよーっ!!」みたいな声を求められることってなかったんですが、大山咲ちゃん以降、そういう元気な役も頂けるようになったりしました。咲ちゃんが新たな扉を開いてきました。

――ああいう声を張るお芝居は得意なんですか?

郁原さん:あまり経験がなかったですね。本当にこのお仕事を始めてから、今までにない一面を引き出してもらうことが多いです。でも咲ちゃんは演じてみてすごくしっくり来て、あ、これは行ける! と思いました。

――ゲームや日々のドラマの印象を教えて下さい。

郁原さん:しっくりは来たけど、最初の咲ちゃんは私の素に近かったんですね。でも台本を頂くたびにどんどん咲ちゃんのテンションがパワーアップしていくんですよ(笑)。ある時「もっとアホかわな感じで」って言われて、あっ、もっとこう「ばっかだな、かわいいね~~!」って感じにしたほうがいいんだなと気づいた時から、ちょっと演技が変わりましたね。咲ちゃんの元気な感じがかわいく伝わるように、愛されるようにってことをすごく考えながら演じています。

――平山笑美さんとは「ミリオンライブ!」と「しんぐん」両方で共演してますね。

郁原さん:平山さんは事務所の先輩で、主題歌を歌わせて頂いている「あやがみっくす」でも一緒にニコ生をやっていたりするので、めちゃめちゃご飯とか一緒に行きます。先輩だったので最初に話しかけるまでは時間がかかったんですが、お話してみたらすごく話しやすくて。あまり先輩先輩せずに受け入れてくれる大人な方なんです。だから声優としてどうしたいかとか、将来どうしたいかとか深い話もしますし、去年の終わりには「2014年を総括しよう!」とご飯に行ったり(笑)。仲良しです!

デビューシングルのカップリングでは「かわいい」と「はかない」の限界に挑戦!

――2月25日にドラマCDvol.3がリリースされる「あやがみっくす」では、主題歌「ほうせき」を担当されています。作曲作詞はULTRA-PRISMとしても活躍している小池雅也さん、月宮うさぎさんが手がけていますが、楽曲を聴いた印象はどうでしたか?

郁原さん:最初に音源を聴いたらギターがぐわーっとくる感じで私大丈夫なのか! と思いました(笑)。今までエミリーちゃんとしてしか歌ったことがなかったので、こういう曲なのか、と。

――本格的なギタープレイとピコピコした音、それにかわいらしいボーカルが乗るのが小池さんの持ち味のひとつですから、ギターだけ聴くとびっくりしてしまうかもですね。

郁原さん:そうなんですよ! かっこいい系? ジュリア?(「ミリオンライブ!」のギター少女)と思ったんですが、今までに私が歌ったことがない、見て頂く機会がない楽曲なので 挑戦だなと思いました。でもメロディを聴いて「この曲好き!」と思いました。さっきお話した通りエミリーちゃんは聴かせるタイプの曲なので、この曲はすごくノリやすくて、やっとみんなとわーいわーいできる! と思ってたのが第一印象でした。詞は新人声優としての私から皆さんに向けた心境を書いて頂いた感じです。

――「ほうせき」のボーカルはちょっとキャラソンっぽい発声かな、と思うんですが、そのあたりはどう意識していますか?

郁原さん:実は最初、全然違う地声に近い感じで歌ってたんです。でもそこからどうやったらよくなるか試行錯誤しているうちにキャラ声に近い発声になっていきました。自分の一番いいところをアピールするためにはということで、「もっとかわいく」「もっとはかなく」とディレクションして頂いた感じです。

――はかない歌い方という意味では、カップリングの「夢色の扉」はよりはかなさを前面に出した感じですね。

郁原さん:カップリングはより「もっとかわいく」「もっとはかなく」をさらにさらに頂いて、今の私のかわいいの限界はここです(笑)。

――歌っている中で印象的なフレーズとかはありますか?

郁原さん:「夢色の扉」の「夢色の扉 あけましょ?」の…

――「しょっ↑」ですね(笑)。

郁原さん:はい(笑)。そこがおおっこれは声優さんっぽい! ここは決めないといけない! と思いました。

――「ほうせき」もサビの「なんーども」とか「いまーでも」の一箇所ぽーんと上がる感じ、技の見せ所感があります。

郁原さん:そうなんですよ~! でもあまりキメキメでやると、私的に違うというか、歌うからには自分の気持ちを乗せたいと思ったんです。私歌での感情表現があまり得意ではないと思ってるので、せめてレコーディングの時から気持ちはしっかり込めて歌おうと思ってました。

――どんな気持ちを込めていったのか聞かせてください。

郁原さん:「ほうせき」は主題歌ということもあって、「あやがみっくす」で私が演じてるシャオちゃんはかわいいんだけど殺神という怖い存在で、ことあるごとに主人公を殺そうとするんです。女の子らしさがあって、明るくて、でも殺したい気持ちがあって…という複雑な子なんです。「ほうせき」にはそのシャオちゃんの明るさの部分を残そうと思って歌いました。キャラソンではないんですが、物語をふまえて歌詞の世界を織り込みつつですね。ファンの方にもいつか個人で曲が出せたらいいですねって言って頂いていたので、「みんな出せたよ、みんな聴いてね!」という気持ちをたくさん込めました。

――ジャケットのお写真もいいですよね。

郁原さん:たくさん光を当てていい感じにして頂きました(笑)。専門学校の特別授業で撮影される側の授業があるんですけど、苦手でしたね~(笑)。あ、苦手といえば歌のレッスンでも、先生に「(歌に)向いてないねー!」って言われたことがあるんです。あまり否定的なことを言わない優しい先生だったので本当にショックで、自分は歌は駄目だなーって思ってました。だからエミリーちゃんでCDが出た時は、先生にどやー! って見せにいきました(笑)。

――楽曲の世界やキャラクターの世界を演じる延長で歌われてるのかな、という印象があります。

郁原さん:そうですね、私自身の歌を見て! 聴いて! という感じではないので、自信を持って歌えるようになるのはいつかなー(笑)。応援して、歌が好きだと言って頂くのは本当に嬉しいしありがたいんですが…。

――イベントでのライブ披露はどうでしたか?

郁原さん:初披露は「あやがみっくす情報局」と「声優 Debut GATE」というニコ生の合同イベントの時だったんですが…駄目でしたね(笑)。まだみんなはCDを持ってない状態だったので気づいてなかったかもなんですが、私「ほうせき」の二番のサビを一番のサビまんまで歌ってたんですよ。全サビが同じで「あ、私この歌詞違うな!?」と思いながらも手遅れで。でもキャラクターソングじゃない、背負うものがない状態での歌は、楽しくなっちゃいましたね。緊張はするけど、それ以上に楽しいが感じてる感じです。

――なるほど! 最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

郁原さん:2015年の私は、一人でも頑張れるようになるのが目標なんです。2014年は先輩や、経験のある仲間のみんなに支えられて、その一員として暖かい空気のステージに立って、ミスをしても誰かがフォローしてくれたり、話を広げてくれることが多かったんです。一人でステージに立った時に、自分一人でも歌やトーク、ファンの皆さんとのコミュニケーションをちゃんとやれるように。こいつなら大丈夫だって思ってもらって、ファンの皆さんについていけるって思える人になりたいです。だからファンの皆さんは、今年の私についてきてください!

「あやがみっくす」主題歌「ほうせき」

発売日:2015年1月28日
定価:1,620円(税込)

ドラマCD「あやがみっくす」Vol.3

発売日:2015年2月25日(水)
定価:3,240円(税込)

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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