スクウェア・エニックス/一般社団法人ジャパン・シンフォニック・ウインズ/WOWOW/ローソンチケット主催による「ファイナルファンタジー」の全国吹奏楽ツアー「BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO with Siena Wind Ohchestra」。ここでは公演の初日となる、3月7日の東京公演の模様をお届けする。

植松伸夫氏

「ファイナルファンタジー」(以下「FF」)シリーズではこれまでにオーケストラコンサートやピアノコンサート、ロックコンサートなど数多くのコンサートが開催されてきたが、今回の「BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO with Siena Wind Ohchestra」は、シリーズでも初の試みとなる吹奏楽コンサート。しかも全国16都市19公演で開催される、大規模なコンサートツアーとなっている。

本記事では、2015年3月7日東京オペラシティにて行われた東京・昼公演の模様をレポートする。尚、記事内ではセットリストも掲載しており、先日発売されたCD”BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO ”未収録の演奏曲にも触れている。これから行われる公演に行く予定の人は、ネタバレに注意してほしい。

「FF」初の吹奏楽コンサートではオリジナルグッズの販売も!グッズを買えば楽器がもらえる!

コンサート会場の入り口では、開場の前から会場前に物販の申し込み用紙が置かれていた。各コンサート会場では、開場1時間前から物販の先行販売があるので、早めに向かうのがおすすめだ。先行販売に間に合わなかった人も、申し込み用紙を事前に記入しておけば物販の列にスムーズに並べる。

開場後の物販の列は大混雑。できれば事前物販を利用したい。

今回は“BRA★BRA FINAL FANTASY”のオリジナルグッズが新発売。「FF」シリーズでお馴染みのドットキャラクターたちが楽器を演奏している可愛らしいグッズがたくさんあるので、事前に売られる商品をチェックしておこう。

なお、この“BRA★BRA FINAL FANTASY”のコンサート会場限定グッズを購入すると、実際にコンサート内でみんなで演奏する”みんなで吹こう BRA★BRA FINAL FANTASY <マンボ de チョコボ>”で使用できるミニ楽器(マラカスやタンバリンなど)がもらえる。もらえる楽器や色などは選べないが、誰でも使える楽器ばかりなので、ぜひ楽器がない人はここでゲットしておいて、コンサートの”みんなで吹こう BRA★BRA FINAL FANTASY <マンボ de チョコボ>”に備えておくと良い。

なお現在品薄のCD”BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO ”などの「FF」シリーズ関連CDやこれまでのコンサートのDVD等も会場で購入できるが、CDやDVDの物販とグッズの物販の列は別になっている。どちらの物販も欲しいひとは気を付けよう。

今回もやっぱりあった「ブラボー係」

公演開始前に「ゆるい前説でお馴染みの植松伸夫です」と軽妙なトークでステージに登場した植松伸夫氏。「精一杯、このコンサートを楽しんでほしい。みんなの好きなゲーム音楽をやっているのだから、そこは存分に騒いでください」と挨拶をした。

そして植松氏が登場するコンサートでは既に恒例とも言える「ブラボー係」を今回も決めることに。今回ブラボー係に任命された人には、植松氏からチョコレートやティーバッグなどがプレゼント(?)された。いつもお茶目な植松氏に会場は和やかな雰囲気に包まれた。

最後に植松氏は「これまでにない楽しいコンサートになると思います。楽しんでくださいね!」と檀上から力説してコンサートは幕を開けた。

「FF」シリーズの名曲が吹奏楽で蘇る

シリーズ初の吹奏楽コンサートは、「FF バトル2 メドレー」で幕を開けた。この曲は「バトル2」(「FFIV」)~「バトル2」(「FFV」)~「死闘」(「FFVI」)~「バトル2」(「FFXI」)~「勝利のファンファーレ」(「FFシリーズ」)で構成されている、いわゆる歴代のシリーズの「バトル2」を集めたメドレーとなっている。

この曲はバトル曲だらけということもあり、吹奏楽ならではの迫力のある音や、ティンパニなどの打楽器の力強さが活かされている。普段は「FFIV」ならば「ゴルベーザ四天王とのバトル」など、どうしてもシリーズの中でより目立つ曲がアレンジやコンサートの演奏曲にないやすいこともあって、「バトル2」はこれまで意外と日の目を見ないことが多かった。そういった事情も鑑みて今回の選曲を決めたと植松氏も語っていた。

続いては「赤い翼~バロン王国」(「FFIV」)。これも人気曲なのに、今までほとんどアレンジされたことがない曲。「FFIV」のROMカセットをスーパーファミコンに差してゲームを起動すると一番最初に流れる曲ということで、この曲にはかなり気を使ったし思い入れもある、と植松氏。

MCでは植松氏と共に司会の山下まみさんが登場。この吹奏楽アレンジについては5~6年前に一度話題には上ったものの一度は流れてしまい、一年ほど前から再び企画として動き出した、という制作秘話が語られた。どの曲を吹奏楽アレンジにするか、そしてそれを誰に演奏してもらうかなど、細かいところを煮詰めて、ようやく発売に至ったという。

MCの後は「FF ダンジョンメドレー」が演奏。こちらは「ダンジョン」(「FFIV」)~「ダンジョン」(「FFV」)~「迷いの森」(「FFVI」)~「Find Your Way」(「FFVIII」)が一曲になっていて、これまたダンジョンの曲ばかりを集めたという一風変わったメドレーとなっている。

最初は木管楽器主体の優しい音色で始まるが、徐々に金管楽器が参加していき、音の厚みが増していく。「FFVI」の「迷いの森」ではハープの音色が印象的。そして「FFVIII」の「Find Your Way」は、後半にかけての盛り上げ方が非常に素晴らしいアレンジとなっていた。

「FF7 バトルメドレー」(「FFVII」)は、「J-E-N-O-V-A」~「闘う者たち」~「更に闘う者たち」(「FFVII」)という3曲で構成されている。「FFVII」は人気が高いためバトル曲もオーケストラコンサートなどで演奏される機会の多い曲だが、吹奏楽アレンジではオーケストラアレンジと全く違った別の迫力が感じられた。

バトル曲は常にアップテンポで、心が沸き立って戦いたくなるような曲にすることを心掛けている、と植松氏。「でも本当に戦ったらいけないんだけどね!(笑)」と軽いジョークを交えてくるのは、植松氏のトークならでは。しかしその植松氏の言葉通り、バトル欲を掻き立てられるようなアレンジとなっていて、会場でも音楽にあわせて身体を揺らす人が見受けられた。

「バトル曲ではリズムも意識しています。音楽の根源、というとスケールが大きくなるけれど、でも根源はリズムだと思うんですよね。リズムの面白さから音楽っていうものが始まったんだと思う。例えば手を打ったりとかね」と植松氏がMCで述べていた流れから、「ではみなさんも一緒に簡単なリズムで曲の演奏に参加してみましょう!」と、次の「FF モーグリのテーマ」では会場の全員がパーカッションとして参加することに。

「FF モーグリのテーマ」(「FF」シリーズ)では、事前練習の通りに手を打ったり足で床を踏み鳴らしたりと、会場がまさにひとつの楽器となってひとつの曲を作り上げた。このパーカッションはとても簡単なので、楽器やリズム感には自信がないという方も存分に楽しんでほしい。植松氏も「みんなでこうして楽しめるコンサートというのは素晴らしいですね!」と、感動も一入といった様子だった。

続いての演奏曲は「アリア」(「FFVI」)。「アリアは歌なしで演奏するのは多分初めてなんです」、と植松氏が語っていたように、これまで「マリアとドラクゥ」としてオペラ形式などでの演奏はされてきたが、「アリア」として演奏されたのは今回が初となる。これまでどちらかというと迫力で押してきた感じの強い演奏曲だったが、静かな音色を中心に構成された「アリア」のアレンジに、会場もうっとりと聞き入っていた。

第一部最後の曲は、「FF メインテーマ」(「FF」シリーズ)。普段のオーケストラコンサートはヴァイオリンなどの弦楽器で演奏される旋律を木管楽器が代わりに演奏することで、また違った味わいとなった「FF メインテーマ」。アレンジ次第で聞きなれた曲もまだまだ新たな側面を見せられる曲になるということを証明した一曲ではないだろうか。

第二部ではCDには収録されていない曲もてんこ盛り!

第二部はまず「FF メドレー」からスタート。この曲は「勇者の帰還」(「FFIII」)~「船」(「FFI」)~「山頂への道」(「FFIII」)~「メインテーマ」(「FFI」)から成るメドレー。日頃のアレンジCD企画やコンサートでは取り上げられない曲ばかりとなっていて、ディープなファンにこそたまらないメドレーとなっている。

ここで司会の山下さんと植松氏による、会場アンケートの紹介が行われた。以前に開催された「PIANO OPERA」という「FF」シリーズのピアノコンサートでも行われた企画で、来場者に事前にアンケートに答えてもらい、そのアンケートの内容を演奏をBGMに紹介するというもの。

今回はハープで演奏される「Eyes On Me」をバックに、「あなにとって守るべきもの」というテーマで行われ、その回答は「自分の夢」「家族」「植松氏の曲」「健康」「夫に一生ついていく覚悟」「人や何かを好きだと思う気持ち」「動物看護士になるので動物の命」「シエナ(今回の「BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO with Siena Wind Ohchestra」の演奏を行っている楽団)のコンサートを見に行く時間」「今隣にいる人」など、さまざまな回答が紹介された。

そしてこのアンケートの流れから、「守るべきもの」(「FFIX」)の演奏へ。この曲は先日発売されたCD「BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO」には収録されていない、コンサートだけの新曲となっている。

植松氏は「FFIXの開発当初は、スタイナーとベアトリクスが恋人同士になるとは思わなかったですね。綺麗な女性はかえって男性が”僕なんか……”と敬遠してしまうので、綺麗な人をゲットできる男性は強い心の持ち主ですよ!」とこの曲が作られた当時の思い出を振り返っていた。

ここからは檀上からほとんどの奏者がステージを去り、15人ほどの奏者だけがステージに。少人数のメンバーで演奏された一曲目は「飛空艇メドレー」。「エンタープライズ空を飛ぶ」(「FFIII」)~「飛空艇」(「FFIV」)~「親方シド」(「FFIV」)~「飛空艇ブラックジャック」(「FFIV」)~「Ride On」(「FFVIII」)の5曲で構成されたこの曲は、サックスなどが中心になったジャズ風のアレンジとなっていた。

そのままCDには収録されていない「Fragment of Memories」(「FFVIII」)へ。こちらはクラリネット三人による三重奏で他の楽器は一切入らないという、まさにここだけの曲と仕上がっていた。

続いては「ザナルカンドにて」(「FFX」)。オーケストラコンサートなどで必ず演奏される名曲だが、吹奏楽器のみのアレンジによってこれまでに聞いたことのない新たな「ザナルカンドにて」が誕生したのを感じた。この曲はCD「BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO」に収録されているので、まだ聴いていない人はぜひCDで聴いてみることをおすすめする。

植松氏も「こういう構成も面白いでしょう!」と胸を張っていたが、まさにその自信みなぎるコメントに頷くことしかできない、少人数でのステージだった。

ここでステージはまた通常構成に。コンサートのラスト二曲は、「Never Look Back」~「Dead End」(「FFVIII」)、そして「ビッグブリッヂの死闘」(「FFV」)。「Never Look Back」はティンパニの迫力に圧倒されるアレンジとなっていた。

「ビッグブリッヂの死闘」はCDには収録されていない曲。吹奏楽器ではほとんど使用されることのないアルペジオを多用している曲とあって、この曲を吹奏楽で再現したことには惜しみない拍手を送りたい。もちろんこの楽曲を演奏できるレベルの奏者たちが揃わなければ、この曲を吹奏楽でやることは相当に難しいだろう。

「ビッグブリッヂの死闘」はこれまでに「FF」シリーズ内などでも様々なアレンジがされている曲だが、そのいずれとも違う「ビッグブリッヂの死闘」は、まさに”至高の一曲”と呼ぶに相応しい演奏だった。会場は「ブラボー!」の掛け声と、鳴り止まない拍手に包まれた。

壇上にいたのは200人以上!? ”みんなで吹こう”企画でアンコールも大盛り上がり!

アンコールの一曲目は「片翼の天使」(「FFVII」)。これまたCDには収録されていない、ここだけの一曲。コーラスの部分こそなかったものの原曲が重厚な曲だけあり、吹奏楽ならではの濃密な演奏がぴったりとマッチしていた。

そしてアンコールのラストでは「BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO with Siena Wind Ohchestra」の公式サイトであらかじめ告知されていた”みんなで吹こう BRA★BRA FINAL FANTASY <マンボ de チョコボ>”が。

事前に公式サイトにて譜面が配布されており、各自自分の出来る楽器を持ち寄ってステージに上がり、「マンボ de チョコボ」を演奏しよう、というこの企画。演奏には、ギターを持ったスクウェア・エニックスの時田貴司氏なども参加。リコーダーや鈴、マラカスといったライトな楽器から、チューバなどの珍しい楽器を持った人まで、ステージに集まった人は楽団員48名、ステージに上がったファンは約150名という、前代未聞の数となった。

座席数が1600席のホールで本日は満席だったということもあり、約1割のファンがステージに上がったこととなる。1割というと実感が湧かない人も多いかもしれないが、これは実に驚異的な数字で、指揮者の栗田博文さんも「吹奏楽のコンサートでこれだけの人数を指揮するのは初めてです」と、その人数に驚きを隠せないでいた。

「マンボ de チョコボ」は、ステージに上がった人だけではなく会場のファンも一体となって、まさにコンサートのラストを飾る華やかな演奏となった。

こうして「BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO with Siena Wind Ohchestra」は、歴代の「FF」シリーズのコンサートの中でも最高潮の盛り上がりを見せて、閉幕した。

セットリスト

第一部

1.FF バトル2 メドレー
「バトル2」(「FFIV」)~「バトル2」(「FFV」)~「死闘」(「FFVI」)~「バトル2」(「FFXI」)~「勝利のファンファーレ」(「FFシリーズ」)
2.赤い翼~バロン王国(「FFIV」)
3.FF ダンジョンメドレー
「ダンジョン」(「FFIV」)~「ダンジョン」(「FFV」)~「迷いの森」(「FFVI」)~「Find Your Way」(「FFVIII」)
4.FF7 バトルメドレー
「J-E-N-O-V-A」~「闘う者たち」~「更に闘う者たち」(「FFVII」)
5.FF モーグリのテーマ
6.アリア (「FFVI」)
7.FF メインテーマ(「FFシリーズ」)

第二部

8.FF メドレー
「勇者の帰還」(「FFIII」)~「船」(「FFI」)~「山頂への道」(「FFIII」)~「メインテーマ」(「FFI」)
9.守るべきもの(「FFIX」)
10.飛空艇メドレー
「エンタープライズ空を飛ぶ」(「FFIII」)~「飛空艇」(「FFIV」)~「親方シド」(「FFIV」)~「飛空艇ブラックジャック」(「FFIV」)~「Ride On」(「FFVIII」)
11.Fragment of Memories(「FFVIII」)
12.ザナルカンドにて(「FFX」)
13.Never Look Back~Dead End(「FFVIII」)
14.ビッグブリッヂの死闘(「FFV」)

アンコール

15.片翼の天使(「FFVII」)
16.みんなで吹こう BRA★BRA FINAL FANTASY <マンボ de チョコボ>

公演終了後、植松氏にインタビュー!

公演後、植松氏がインタビューに応じてくれた。短い時間ではあったが、様々な裏話が聞けたので、その模様をお届けする。

――最初に、本日の初公演を終えての感想を教えてください。

植松氏:オーケストラのコンサートとかはこれまでに何回かやってきたけれど吹奏楽のコンサートは初めてやりましたが、こんなにも楽しいコンサートになるとは思っていなくて、僕自身びっくりしています。それと最後の「マンボ de チョコボ」のお客さんの参加するコーナーは、正直どれだけ上がってきてくれるんだろうって不安だったんですけれども、あんなにステージの上がパンパンになるくらい(約150名)上がってきてくれると思わなかったんで、びっくりしたし嬉しかったです。まだ一日目の、しかも初演なので、ツアーの間でどんな風に変わっていくか楽しみです。

――今回様々な曲が吹奏楽としてアレンジされましたが、特におすすめの曲を教えてください。

植松氏:今回、アレンジャーの方が5人ほどいまして、それぞれの方の得意な形でやってもらったんですけれど、僕が一番意外だったのは「ザナルカンドにて」でしたかね。ロックバンドでも、オーケストラでも、ピアノアレンジでも、どういう形であれあの曲を綺麗に綺麗に演奏しようとする傾向がありました。でも今回はファンキーなリズムになって、僕もこれ最初はやろなおしてもらうべきかと一瞬思ったんですけれど、何回か聞いているうちに「ありだなあ」と思うようになってきました。この曲は小林洋平さんという方がアレンジをしてくれたのですが、この曲をこういう風にアレンジしてくるのはこの人くらいだろうなぁと思って、採用することにしました。いまだにあのアレンジはゾクゾクしますね。他にもいっぱいあるんですけどね、ザナルカンドが特に印象的でしたね。

――今回のコンサートは曲によってコンセプトが色々とあったと思いますが、実際に終わってみてどうですか?

植松氏:可能性がありますよね。オーケストラのほうがまだ考え方が固いところがあるのかな、と思いました。それに比べて吹奏楽の方のほうがもしかしたら”何やってもいい”感があるのかな、と。もしかしたらSiena Wind Ohchestraさん特有なのかもしれませんが。すごく発想が自由で、ノリも良くて、面白ければなんでもやってしまう、みたいなところがあるので、僕としてもすごくやりやすいですね。一回目でこれなので、アイデアさえ出していけばもっともっと面白い楽しいコンサートが実現できると思います。

――これから「FF」シリーズの音楽を吹奏楽で演奏してみたい、という方にアドバイスをください。

植松氏:まず、触ってみることだと思います。初めから上手くなろうとすると、しんどいので。僕は吹奏楽とかオーケストラではなくロックの出身ですが、ロックの人にはいつも「まず誰かと一緒に音を出してみろ」と言っています。一人でちまちま練習していてもつまらないじゃないですか。だから誰かと一緒に下手でもいいからやってみると、人と一緒にやる楽しさってあるんですよ。だからそれは吹奏楽やオーケストラにも通じるところがあるんじゃないでしょうか。それこそリコーダーで四重奏とか、いっそソプラノリコーダー二本でもいいと思います。そういったところでまず音楽の楽しさに触れることが、長続きの秘訣だと思います。

――よく植松さんはコンサートの際に「声をあげてくれ、手をたたいてくれ」と頼んでいますが、今回のコンサートはその完成形のように思います。シエナさんと組まれたのも、そんな経緯があったのかと思うのですが、狙いはそこにあったのでしょうか?

植松氏:すみません、実はシエナさんを選んだのは僕じゃなくてスクエニさんのほうなんですけれども、これは間違いなく大当たりでしたね。先程も言いましたが、シエナさんって楽しければなんでもやる、というスタンスなので僕としてはやりやすかったです。お客さんに毎回ブラボーとかを頼むのには理由があって、コンサートって演奏するだけじゃ完成しないんですよ。表現者が表現をしても、それに共鳴してくれる人がいなければならない。人間って他人と共感することを常に求めていると思うし、それはコンサートの場合だと奏者とお客さんという立場でお互いに感応しあうことで初めて音楽って完成すると思うんじゃないかなと。なので、この演奏は良かったのか、悪かったのか、というのを教えてほしいんです。それに、実際にミュージシャンってお客さんが喜んでくれるのが解ったら、絶対いい演奏をするんですよ。そうやって聞き手と演者が一つになっていくのがコンサートの醍醐味かなと思うんです。なのでスクエニさんが何か言ってこない限りは、こういう楽しいコンサートを続けていきたいです(笑)。

――植松さんは今回のコンサートで何か楽器を演奏される予定はないのですか?

植松氏:今回はマラカスやりましたけど、リコーダーとかもやってみたいですね。あれこれ企んではいますよ。でもねぇ、ほんと今回、時田貴司がギター持って現れるとは思っていなかったですよ(笑)。MCの山下まみさんも、次回は楽器もって参加したいと言っていました。本当にあの「マンボ de チョコボ」はみなさんすごく楽しそうでしたよね。珍しいですよね、奏者さんと、ステージのお客さんと、そして座席に残ったお客さんも、みんながあの笑顔って、あれは人生の中でもなかなか得難いと思います。あの五分間は素晴らしかったですね。

――今回様々なメドレーをやりましたが、次にメドレーを作るならどんなテーマで作りたいですか?

植松氏:意外とアレンジしていない曲っていっぱいあるんですよね。ついつい定番ばっかりやっちゃうのもあって。でも何回も何回もこの公演をやっていくうちに譜面は増えていくと思います。実際に今日演奏した中でもCDに入っていない曲がありますからね。(スクエニさんの方を見ながら)もう2を作る気満々なんでしょ?(笑)

――「マンボ de チョコボ」の時にお客さんが持ってきた楽器で何か印象深かったものはありますか?

植松氏:”アンデス”っていう楽器があるんですよ。あれ前から楽器屋で見かけるたびに気になっていて、ピアニカみたいな感じなんですけどでもグランドピアノを上から見たような形になっていて、吹き口があって、でもどんな音が出るのか全然知らないんですよ。それと3人くらい持ってきていて、あれ意外と知られている楽器だったのか!と驚きましたね(笑)。あとはブラバン経験者が多かったのか、クラリネットやサックス、フルートとかトロンボーンとか多かったですかね。僕がマラカス振ってい隣にいた子がクラリネットを吹いていたんですが、すごい上手かったです。普通に「うわ、上手いな!」と思いながら聞いていましたよ。今後もみなさんウケ狙いで構わないので、色んな楽器で参加してほしいですね。三味線とかでもいいですし、その地方特有の楽器とかいいですよね。ぜひ皆さんに参加してほしいです!

――ありがとうございました!

公演概要

公演名:BRA★BRA FINAL FANTASY / BRASS de BRAVO with Siena Wind Ohchestra
公式サイト:http://www.square-enix.co.jp/music/sem/page/brabraff/tour/
料金(税込): 全席指定 6,500円 / 学生シート 4,500円
※3歳以下のお子様のご入場はお断りいたします。チケットはお1人様1枚必要です。
指揮:栗田博文
オーケストラ:シエナ・ウインド・オーケストラ
作曲:植松伸夫
主催:スクウェア・エニックス/一般社団法人ジャパン・シンフォニック・ウインズ/WOWOW/ローソンチケット
後援:一般社団法人全日本吹奏楽連盟
制作:プロマックス
制作協力:ハーモニクス・インターナショナル
協力:スマイル・プリーズ/ドッグイヤー・レコーズ

2015年3月07日(土)【東京】東京オペラシティ
2015年3月15日(日)【大阪】フェスティバルホール
2015年4月03日(金)【福島】いわき芸術文化交流館アリオス
2015年4月04日(土)【山形】山形市民会館
2015年4月17日(金)【鹿児島】鹿児島市民文化ホール
2015年4月18日(土)【熊本】熊本県立劇場
2015年4月19日(日)【佐賀】佐賀市文化会館
2015年4月25日(土)【島根】島根県民会館
2015年4月26日(日)【鳥取】とりぎん文化会館
2015年4月29日(水・祝)【千葉】松戸・森のホール21
2015年5月08日(金)【三重】四日市市文化会館 第1ホール
2015年5月09日(土)【愛知】日本特殊陶業市民会館(名古屋市民会館)
2015年5月10日(日)【静岡】静岡市民文化会館
2015年5月24日(日)【長野】まつもと市民芸術館
2015年5月30日(土)【岩手】盛岡市民文化ホール
2015年5月31日(日)【宮城】イズミティ21(仙台市泉文化創造センター)
2015年6月7日(日)【東京】Bunkamuraオーチャードホール ※追加公演

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