ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)が実施した、2015年3月26日に発売を予定しているPS4用ソフト「Bloodborne」の完成発表会。本稿では巨大スクリーンを使ったデモプレイの様子をレポートしていく。

目次
  1. 入り口からして既に「Bloodborne」
  2. 巨大シアタースクリーンで聖杯ダンジョンに挑む!
  3. フィギュアにサントラにTV番組放送まで!
  4. 番組概要
  5. 出演:金子ノブアキ
  6. 発表会終了後は待ちに待った試遊会

アクションRPGの金字塔「デモンズソウル」を生んだSCE JAPANスタジオとフロム・ソフトウェアが、再び手を取り作り上げた“ダークな世界観”が魅力のPS4向けARPG「Bloodborne」。その完成を祝うため、本日3月12日に秋葉原・UDXシアターにて完全招待制の完成発表会が執り行われることとなった。

会場では開発陣によるタイトル紹介をはじめ、約353インチ(幅 約7820mm×高さ 約4400mm)の巨大スクリーンを使っての贅沢なデモプレイ、2メートルを超える巨大フィギュアやレプリカ武器の展示など、さまざまな催しで来場者を賑わせていった。

今回はこれら発表会に関する様子をまとめていくので、約2週間と間近に迫った発売日に向け、現在の最新情報をチェックしておこう。

入り口からして既に「Bloodborne」

会場入り口では甘く妖しいスモークが焚かれており、早くも「Bloodborne」の世界観に引きずり込まれることとなった。入り口には展示物として、主人公である狩人の衣装や奇怪な形をした武器、そして“聖職者の獣”という名を冠したモンスターの巨大な立体物がお出迎え。早くも期待を煽られる。

「狩人(ハンター)」 聖職者のなれの果てだという「聖職者の獣」
左から散弾銃「獣狩りの銃」、「ノコギリ鉈」
来場者プレゼント2点 刻印モデルと製品パッケージ
本日発表された狩人のフィギュア
盛田厚氏
盛田厚氏

発表会ではまず、SCEJA プレジデント・盛田厚氏による挨拶からスタート。3月前後はPS4にて大型タイトルが続々と発売され、そうそうたる面子によって牽引されてきたPS4。そして、その今月3月26日にはラインナップのトリを勤める期待作「Bloodborne」が発売を迎えることとなる。

今回の発売に対して盛田氏は、「皆様には大変長らくお待たせしましたが、『Bloodborne』は非常に完成度の高い作品に仕上がっておりますので、ぜひ満足いただけると思っております。日本で生まれたプレイステーションから、ワールドワイドで戦えるタイトルが出ることが非常に嬉しく思います」とコメント。

先月開催された「2015 Taipei Game Show」にも足を運んだ盛田氏は、現地で「Bloodborne」が高く評価されていたことから、しっかりとした手応えを感じているようだった。

また、盛田氏は現地でフロム・ソフトウェアのファンだという歌手・藍井エイルさんに会い、大きな期待をかけてもらったとのこと。付け加えて、その藍井さんと関係者一同がディナーに行ったようだが、何故か盛田氏だけ1日後の現地入りとなっており、「なぜ自分だけ呼ばれなかったのか」という思いをいつかどこかで言ってやろうと画策していたとか。そんなチャーミングな一面を垣間見せつつ、挨拶を締めくくった。

吉田修平氏
吉田修平氏

続いて、SCEワールドワイド・スタジオ プレジデント・吉田修平氏が登壇。「今日はお忙しい中、『Bloodborne』の完成発表会に来ていただきありがとうございます。こうやって本作の発売を待っている皆さんと一緒に、今日この日を迎えられることが大変嬉しく思います」と述べてくれた。

自身のTwitterでは日々、ユーザーから熱い期待を受けているという吉田氏は、2009年に発売した「デモンズソウル」のように、高い難易度と達成感、緩やかに結びつける独特なネットワークの魅力を提供しながらも、フロム・ソフトウェア取締役社長である宮崎英高氏と共に、“全世界のユーザーを満足させつつ、いい意味で裏切りたい”という目標の元、本作を制作してきたことを語る。

予定よりも多くの時間を費やしてしまったが、それに見合うクオリティで届けていくとし、発売日にユーザーと共にオンラインで遊べることが非常に楽しみだとしていた。

宮崎英高氏
宮崎英高氏

次はフロム・ソフトウェア取締役社長および「Bloodborne」ディレクター・宮崎英高氏が登場。「『Bloodborne』は弊社初のPS4世代のタイトルということもあり、決して簡単な開発ではありませんでした。けれども、チームの頑張りとSCEさんの協力により、なんとか完成にこぎつけることができました。そして、今回このような場に呼んでいただいたこと、足を運んでくださったユーザーの方には、開発チームの一員として感謝を申し上げます」と今の心境を語った。

本作は、風土病“獣の病”の蔓延る古都「ヤーナム」を舞台に、プレイヤーは獣狩りとして、鬱々とした街の中で、血まみれの死闘と暗い謎に挑むこととなる。ビジュアルもさることながら、説明からしてゲームの暗さを感じさせてくれる本作について宮崎氏は、「開発チームを代表して申し上げます。ぜひ、ユーザーの皆様には、このおぞましい体験を楽しんでいただきたいと思います」とし、最新PVをお披露目。

映像では上述したようなおぞましさを見せる世界観と、それに付随する緊迫感。そして寂寥感のあるシーンと共に、物語への好奇心をくすぐられる場面も。魅力が詰まりに詰まったPVである。

巨大シアタースクリーンで聖杯ダンジョンに挑む!

左から山際眞晃氏、北尾泰大氏
左から山際眞晃氏、北尾泰大氏

PVの後、SCEJA「Bloodborne」宣伝担当・北尾泰大氏と、SCEワールドワイド・スタジオ JAPANスタジオの「Bloodborne」プロデューサー・山際眞晃氏が姿を見せた。昨年のTGS 2014でも同じような構図で登壇した両者だが、前述したPVが届いたのは、なんと本日の朝7時。それからというもの2人とも働き詰めからの会場入りとなり、寝ずの登壇になってしまったとか。

しかし、そんな空気も感じさせない活力を感じさせてくれるのは、いよいよお披露目できる完成版が目の前にあるからだろう。

本発表会で行われたデモプレイでは、先日発表されたコンテンツ「聖杯ダンジョン」への挑戦が行われた。聖杯ダンジョンは、“常に新鮮な攻略体験をもたらす遺跡”というコンセプトの元、プレイヤーがゲーム中に入手できる触媒を用いて生み出すランダム生成型のダンジョンだ。

ダンジョンは生成時に聖杯文字が割り振られ、プレイヤーはその文字を用いて、ほかのプレイヤーとダンジョンを共有することが可能となっている。これまでのシリーズとは違う、新たなオンラインマルチプレイの試みだ。もちろん、聖杯文字は検索することも可能なので、誰かが作ったダンジョンを延々と攻略して楽しむこともできそうだ。

スクリーンではまず、ダンジョンを作る所からスタート。ダンジョンはゲームを進めていくと手に入るアイテム「聖杯」を、儀式の祭壇という場所で使用することで生成できる。…のだが、ここでダンジョンを作るための資金に相当する“血の意志”がないという突発的トラブルに遭遇。やはり、ソウルの様にロストするだろうか?

血の意志はアイテムの売買で事なきを得たようだ。

挑戦するダンジョン「トゥメル遺跡」は3層構造になっており、各層のボスを倒しながら、3層目に待ち構える大ボスを倒すことでクリアになるという。今回の挑戦者である山際氏は昨日まで研鑚を積んできたとのことだが、練習中に何度もYOU DIEDを迎えたというので、油断ならない。

トゥメル遺跡 1層では、ボス部屋に行くための扉が施錠されており、何らかの仕掛けを動かして先に進めるようにしなければならない。シリーズ作品に出てくるような大きな構造のエリアではないようだが、そこかしこで初見のユーザーを地に落とすギミックがあれよあれよと出現。

梯子の先に待ち構えて火炎瓶のようなものを投げつけてくる敵、左右から大きな3つのペンデュラムがブンブン振られている“とある古城”を思い出させる場所では、道の先からひたすら毒投げナイフを投げつけてくる敵のオマケ付き。

ナイフを当てられると毒状態になる上、狩人にノックバックが発生するため、一見安全地帯なペンデュラムとペンデュラムの間ですら、危険地帯になりえる。…というのを身をもって教えてくれた山際氏は、幸先のいい死亡シーンを見せつけてくれた。

見た目からして、プレイヤーを貶めるための数々の仕掛けが…。当然、道の先の敵は1体だけではない。
敵の攻撃タイミングを銃で撃つと敵の態勢が崩れ、大ダメージの固有アクション「内蔵攻撃」が繰り出せる。

そんなこんなでどうにか仕掛けを解除し、扉まで戻ってくることができた山際氏。扉の先に立ち塞がるボスは「死体の巨人」。本作では多種多様な仕掛け武器もそうだが、何より防御の概念が著しく変化している。「リゲイン」というシステムにより、ゲーム中は敵からダメージを受けたとしても、一定時間内に敵に攻撃を返すことができれば、一定値体力を回復させることができるのだ。

もちろん、回復アイテムは別個に存在するが、このシステムによりプレイヤーは「攻撃当てれば回復できるし」といった考えに憑りつかれ、今までに体験してこなかった戦略的な駆け引きへと引きずり込まれる。当然、攻撃を喰らった後に回復したいからと闇雲に攻撃を仕掛けては、次の被撃が致命傷になりかねない。血まみれの死闘には、冷静さが何より重要となりえるだろう。

そんなシステムの紹介をしている内に、相手の体力を半分削り、体中から血しぶきを吹かせた山際氏。だが、健闘も空しく狩人は死体の巨人の前で死体にされてしまった。いわく、「倒すところはユーザーさんの楽しみにとっておきたいと思いました。シナリオ通りです」とコメント。やはり寝不足は堪えたのだろうか?

最期に山際氏より「今は同僚の人たちと一緒に『あそこに何かある!』『こっちの武器の方が強い!』『あそこどうやっていくの!?』とか、大の大人が子供のように夢中になって遊びつつ、仕上がりを見ています。これがすっごい楽しくて、残業とも思っていないほど連日プレイしています。この体験をユーザーさんにもいち早く感じてもらえたら嬉しいです。僕も発売日から楽しもうと思いますので、皆さん是非是非ご購入いただければと思います」と語られ、続いては新発表に。

フィギュアにサントラにTV番組放送まで!

最初に発表されたのは、企画・製作・販売「Gecco」、企画/制作協力・販売「豆魚雷」による「Bloodborne 狩人/ハンター フィギュア」。フィギュアは会場入り口にも展示されており、狩人のスタイリッシュな装いと、おどろおどろしい仕掛け武器が魅力のアイテムであった。発売は2015年12月が予定されている(価格は未定)。

続いては音楽CD「Bloodborne オリジナルサウンドトラック」の情報。こちらは本編使用楽曲がCD2枚組で収録されており、ゲーム発売から約1ヶ月後の2015年4月22日に発売される。希望小売価格は3,200円(税抜)。

そしてさらに、今週3月16日からゲーム発売日である3月26日までの期間、テレビ東京系列にて毎週月曜日から木曜日の25時30分より、ミュージシャン・俳優として活躍中の金子ノブアキさんによる「Bloodborne」の挑戦番組「死闘×GAME~金子ノブアキが全世界待望アクションRPGに挑戦~」が計8回構成で放送されることが決定。

毎日5分で放送される本番組は、大のゲーム好きであり、昨年のTGS 2014のブースにも足を運んだという金子さんがゲームファンを代表し、「Bloodborne」に本気で挑戦するドキュメンタリー番組となる。先日終わったという収録はなんと10時間以上にも及んだとのことで、夜が明けるまで文字通り死闘を繰り広げた様子が届けられるようだ。

番組制作は、ゲーム番組「ゲームセンターCX」の制作会社としても知られるガスコイン・カンパニーが担当。ゲーム番組制作の豊富な経験を活かし、膨大な収録素材の中から珠玉のシーンを繋ぎあわせたドキュメンタリーに仕上がっているとしている。

なお、「Bloodborne」公式サイトでは放送終了後、番組で紹介しきれなかった金子さんのゲームプレイの様子も見られる長尺のディレクターズカット版が公開される。“5つの死闘”と題し、世界初公開となるステージに挑戦する金子さんの勇姿を、地上波とWEBで目にしておいてはいかがだろう。

番組概要

名称

死闘×GAME~金子ノブアキが全世界待望アクションRPGに挑戦~

出演者

金子ノブアキ

放送

3月16日(月)~3月26日(木)毎週月曜日~木曜日(※計8回)
月曜日/火曜日/水曜日/木曜日25:30~25:35

※ただし3月25日(水)のみ、25:50~25:55にて放送。

テレビ東京 番組情報ページ
http://www.tv-tokyo.co.jp/official/shitou_game/

「Bloodborne」オフィシャルサイト 番組ページ
http://www.jp.playstation.com/scej/title/bloodborne/tv_program

出演:金子ノブアキ

1981年6月5日生まれ。東京都出身。“ミュージシャン・俳優”

RIZE、AA=のドラマーとして活動する傍ら、俳優としても活躍中。近年の代表作として映画「モテキ」(2011)、「白ゆき姫殺人事件」(2014)などの他、「新宿スワン」(2015)が公開待機中。

その他、連続テレビ小説「おひさま」(NHK)、「東京バンドワゴン」(NTV)、大河「軍師官兵衛」(NHK)、「玉川区役所 OF THE DEAD」(TX)、「学校のカイダン」(NTV)など。

4月1日には、ミュージシャンのソロ活動として1年ぶりの新曲をリリースする。

――出演にあたって…

金子さん:今回「Bloodborne」を本気でガッツリプレイさせて頂くことになりました。そしてその様子がテレビ番組として放映されることになりました。もともと僕は、ゲームが大好きで、発売前から、当然この「Bloodborne」には、ずっと注目しておりました。昨年の東京ゲームショウに行った時も、試遊をして、その時からすごい作品だと思っていましたが、今回改めて、ガッツリやらせてもらえるってことで、本当に嬉しかったです。

――「Bloodborne」をプレイしてみての感想

金子さん:このゲームには、敵との戦いにおける駆け引きやとか、クリアできた時の感動とか、ゲームファンじゃないと味わえないものがあると思っていて、ゲームをプレイするすべての人に触ってもらわないといけない作品だと思います。

――最後に…

金子さん:全世界のゲームファンの皆さん、「Bloodborne」を待望している皆さん、僕のつたないプレイではありますが、ぜひご覧になっていただければと思います。ご期待ください。

発表会終了後は待ちに待った試遊会

一連の発表が終了した後、ユーザーはいよいよ実際のゲームの試遊に挑戦。専用のモニタールームでプレイする人もいれば、中には発表会で使った巨大スクリーンでプレイするという、またとない機会を得た参加者の姿も。発売までの残り約2週間、待ち遠しいのは当然筆者だけではあるまい。発売までのラストスパートに向け、獣に折られぬよう精神を鍛えておいてはいかがだろう。

Bloodborne

ソニー・コンピュータエンタテインメント

PS4ダウンロード

  • 発売日:2015年3月26日
  • 17歳以上対象
  • PS Storeダウンロード版

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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