日産自動車、ソニー・コンピュータエンタテインメント、ポリフォニー・デジタルが本日4月21日に実施した、「GTアカデミーby日産×プレイステーション 2015 ローンチイベント」をレポート。
本イベントは、北米・欧州地域では約7年に渡って開催されている、バーチャルとリアルを繋ぐ国際的ゲームコンテスト「GTアカデミーby日産×プレイステーション2015」の日本初開催を記念したローンチイベント。
「GTアカデミー」ではレースゲーム「グランツーリスモ」のトッププレイヤーに対して、“本物のレースドライバー”になる生涯一度のチャンスを付与するという大胆な施策が用いられており、北米などではこの取り組みを通し、既に数多くのプロレーサーが輩出されている。
今回は本コンテストが本日4月21日16時より開始されることに先駆け、プロのレーシングドライバーの記録に対して、国内ファーストチャレンジャーとして加藤茶さんがトライすることに。
「GTアカデミーby日産×プレイステーション2015」とは
本取り組みは、2008年にソニー・コンピュータエンターテインメント・ヨーロッパと欧州日産自動車のコラボレーションから始められた、レーシングドライバーの発掘プログラム。全国各地で行われる大会でトッププレイヤーを選抜したのち、実車でのレースキャンプ参加権や日産レーシングチームのサポートの付与など、レーサーになるための足掛かりが提供される。
採用条件は「運転免許証を持っていること」「グランツーリスモ6で日本最速タイムを記録すること」のみ(※フィジカルなどの適性試験はあり)。「GTアカデミー」ではこれまで16人の卒業生(レーサー)を輩出しており、彼らはさまざまな実車レースに参加し、優勝するなどの実績を残している。
イベントでははじめに日産自動車 総合メディア・宣伝部 担当部長・横溝恵子氏が登壇し、「これまでGTアカデミーは欧州・北米を通して実施されてきましたが、多くのゲームファン・レースファンがいる日本での開催は今回が初となります。合言葉は『ゲーム大国を、レース大国に』。グランツーリスモを愛するファンと、モータースポーツを愛するファンは、ぜひこの機会に実力をお見せください。」とコメントした。
なお、本日より開始されるオンライン予選、ならびにリアルイベントなどの詳細およびスケジュールについては、記事下部を参照して頂きたい。
松田次生選手&加藤ご夫妻がゲームにチャレンジ!
続いて壇上には、国内最高峰のモータースポーツシーン「SUPER GT」シリーズより、GT500ドライバーチーム・NISMO所属のレーシングドライバー・松田次生選手と、加藤茶さん、加藤綾菜さん夫妻が姿を見せる。茶さんは「レースをやれるってんで、こういう格好で来ました!」と黒いレーシングスーツを身に纏い、イベントへの意気込みを感じさせた。
なお、「GTアカデミー」の存在を前から知っていたという茶さんは、携帯ゲーム機ではレースゲームをプレイしているものの、イベントで用意されたような大型のレーシングコントローラー&コックピットでのプレイはこれが初になるとのことで、いたく興奮している様子。
それを受けて松田選手も「現在はゲームのプレイヤーからレーサーへの道に進んだという人も多くなってきているので、大丈夫です」とレーサー転向へのエールを送る。また、「今のゲームは大変優れていて、僕らが初めて走るコースなんかはゲームをプレイして覚えることもあります。地面の凹凸やそこを受けての振動、車のセットアップなんかもできるので、実はゲームで色々やったりするんですよ」とドライバーならではの話を聞かせてくれた。
実車で走るとお金がかかるが、ゲームで走るとお金がかからない。さらにゲームではG(加速度)がないのでいくらでもできるから便利だとしながら、汗だくになるほど真剣にプレイし過ぎてかなり疲労することもあるとか。プロらしい一幕である。
そして、まずは松田選手がデモンストレーションを披露。ゲームで使用する車「GT-R NISMO」は実際に販売もされているものであり、松田選手も「市販車ということで少しグリップが弱いですが、実際のサーキットも走れる性能なので、ゲームの中でも走りやすいです」とゲーム内でもかなりのフィードバックを感じ取っているようであった。
衆人環視の中でのプレッシャーと、タイムを削りたくなる姿勢からラインが若干崩れてしまったものの、丁寧で綺麗なレーシングを見せつけ、ラップタイム「1’05.008」を記録した。
次は「レーサーになるには年齢的に辛いので、ここでたっぷり楽しんでいきたいと思います」と語りつつ茶さんが挑戦。綾菜さんの応援の中、ゲーム上に表示されているガイドラインを守り、初の大型コントローラーにも順応したのかスムーズなプレイを見せる。
これには松田選手も「ゲームだと無茶してコースアウトする人が多いなか、コース取りも素晴らしかったです」と賛辞を投げる。タイムは「1’31.209」と流石に松田選手には及ばなかったものの、大きく崩れることもなくコースを走り終えていた。
さらに今回、「GTアカデミー」初代チャンピオンにして、「グランツーリスモ」好きな学生から本物のレーサーへの道を歩んできた、ルーカス・オルドネス選手がサプライズゲストとして登場。実際のレースシーンでも数々の表彰台に上る、破竹の勢いをみせているルーカス選手は、正に本取り組みのコンセプトの体現者ともいえる。
ルーカス選手は「みなさん こんにちわ」としっかりとした日本語で挨拶してくれた後、「GTアカデミー日本開催のローンチイベントに参加できて本当に光栄に思います。GTアカデミーは私の人生を変えてくれました。7年前、スペインで普通の学生だった私が、今やプロのレーサーになることができたのです」とルーカス選手ならではの感激を述べる。
松田選手も「取り組みを通して戦ってきて、さらに本物のレーサーになるためのフィジカルやメンタルの困難の乗り越えてきたルーカス選手は、今や日本のトップカテゴリーであるGT500のドライバーとして活躍しています。僕からしても脅威のドライバーです」と、ルーカス選手を称えていた。
そしてもちろん、ヴァーチャルレーシングの初代チャンピオンであるルーカス選手には、松田選手、茶さんと同じコースに挑戦してもらうことに。松田選手はルーカス選手の腕前を知っているのか「本当にうまいですよ。僕なんかでも簡単に抜かれちゃいます」と言い、ルーカス選手もそれに応え「松田さんのタイムを超えます」とここぞというメンタルの強さを見せつける。
また、ルーカス選手のプレイを見ていた松田選手は「僕たち(リアルのレーサー)は体で感じてハンドルを切ったりするのですが、彼の場合はコースを目で見てハンドルを切るので、僕はゲームではまだまだ出遅れています」とリアルとヴァーチャルのレーサーの違いにも言及していた。
そんなルーカス選手のタイムは「1’04.803」と、ぶっつけで松田選手のタイムをコンマ2秒上回る記録に。レースで言うコンマ2秒は車2~3台差にもあたるというので、我々が想像するよりもはるかに広い溝なのだ。
昨今は“若者の車離れ”という言葉も出てきているが、人気レースゲーム「グランツーリスモ」のエネルギーをもって興味を持ってもらい、その上でプロドライバーとしての新たなキャリアを強力にサポートするという「GTアカデミー」。今後は日本国内での取り組みを通して、若い世代に夢を与えながら、若い力の発掘を進めていくとしている。
「GTアカデミー」日本大会概要
参加者は4月21日からPS3「グランツーリスモ6」上にて、「グランツーリスモ」を介した予選にチャレンジいただけます。また、こちらの予選を経過した上位20名による、ジャパンファイナルにより、ジャパンファイナリスト(日本代表)6名が選出されます。その日程は以下の通りです。
オンライン予選
オンライン予選参加者には、ゲーム内において指定された日産車による一連のタイムトライアルを行っていただきます。ランキング方式により、トッププレイヤーが予選通過者として選ばれます。オンライン予選は4ラウンドからなり、参加者には全4回の全てにチャレンジしていただきます。
まずは4月21日から開設されているラウンド1にチャレンジ。これに通過すると、所定の日時に自動的に次のラウンドが開設されます。最終的に6月16日時点でラウンド4を経た参加者のうち上位16名がジャパンファイナルへ進出します。
オンライン予選スケジュール
ラウンド1:2015年4月21日16時から6月16日15時59分まで
ラウンド2:2015年5月5日16時から6月16日15時59分まで
ラウンド3:2015年5月19日16時から6月16日15時59分まで
ラウンド4:2015年6月2日16時から6月16日15時59分まで
※参加者には6月16日までに、これら4ラウンド全てにチャレンジいただきます。
※ジャパンファイナルへの進出には、オンライン予選のラウンド1~4の全てを実施していただく必要がありますが、ラウンド1からラウンド3までのタイムは、ジャパンファイナルへの進出選考には影響しません。ジャパンファイナルへの進出選考の対象となるタイムは、ラウンド4のみです。
リアルイベント予選
オンライン予選の他に、PS3、そしてGT6をお持ちでない方のために、リアルイベント予選での参加方法も用意されています。リアルイベント予選はSUPER GT 第二戦 富士スピードウェイのNISSAN/NISMOブースや日産グローバル本社ギャラリー等で開催する予定ですので、詳しくは公式HP内の専用キャンペーンサイトをご参照ください。なお、リアルイベント予選からは4名のジャパンファイナルへと進む事ができます。これら予選を通じ、ジャパンファイナル進出者が計20名に絞られます。
ジャパンファイナル
上位20名(オンライン予選16名、リアルイベント予選4名)予選通過者は2日間に渡るジャパンファイナルへ進んでいただきます。1日目は日産の一般道を模した試乗コース・GRANDRIVE(神奈川県横須賀市夏島町)にて実車を用いた適正テストを受けていただきます。さらに、実車のドライビングスキルの他に体力テストを受けて頂きます。
2日目は六本木ニコファーレ(予定)にて最終決戦をしていただきます。これらにより、今後のレースキャンプに参加可能となるジャパンファイナリスト(日本代表)が6名選出される予定です。
日本を含めたアジア各国それぞれのエリアにおけるナショナルファイナルラウンド通過者はイギリス・シルバーストーンサーキット等で開催されるレースキャンプに参加し、エリア別の最終選考が行われます。エリア優勝者は日産からのサポートを受け、2016年1月のドバイ24時間レースに参加することが約束されています。
日本代表に対するサポートについて
ジャパンファイナリスト(最終選考まで残った日本代表)には、世界中から精鋭が参加するレースキャンプに、挑んでいただきます。さらに、日産レーシングチームの一員として、国際レースを走るためのライセンス取得サポート、実際のレースへの出場サポートを受けていただきます。
「GTアカデミー」公式サイト
http://www.gran-turismo.com/jp/academy/2015/