2015年4月24日にお台場の東京ジョイポリスにて、館内回遊型アトラクション「逆転裁判 in ジョイポリス」がオープンする。今回、メディア向け先行体験公演に参加することができたので、気になる内容をネタバレにならない範囲で紹介していこう。本アトラクションの開発スタッフインタビューもあわせてチェックだ。
「逆転裁判 in ジョイポリス」はジョイポリス内の館内を回り、集めた手がかりをもとにして裁判に挑むという参加型のアトラクションだ。物語の舞台となるのは東京ジョイポリスで、大江戸戦士トノサマンのスーツアクターが転落死するという事件が発生。シリーズのファンにはおなじみの須々木マコがまたしても容疑者となってしまう。かくして参加者は弁護士・成歩堂龍一となって、彼女の無実を証明するべく裁判に挑むことになる。
参加者にはそれぞれバーコードが記載された「法廷記録」が配られる。これを館内の4カ所に設置されている捜査端末に差し込むと、画面を操作して現場の調査や関係者からの聞き込みなどができるわけだ。端末はいずれも3階に置かれており、見落とす心配はほとんどない。操作も画面にタッチするだけなのでいたって簡単だ。また、端末を操作して得た重要な証言や情報は法廷記録内にメモできるようになっている。筆記用具も事前に貸してもらえるので、しっかり書き込んでおこう。
情報をすべて集めたら「逆転裁判」のブースにある法廷端末を操作して裁判を開始。おなじみの「ゆさぶる」や「つきつける」を駆使して証言の矛盾を突き、真実をあきらかにしていくのだ。ただし、間違った証拠をつきつけたり、制限時間内に答えを提示できなかったりすると、ゲーム版と同じく画面の右上に表示されているゲージが減少。ゲージがゼロになるとマコが有罪(ゲームオーバー)となってしまうので、相手の証言や証拠の内容をよくチェックした上で選ぶようにしよう。
プレイにかかる時間も40~50分くらいと、なかなかボリュームがあり歯応えは十分だ。また、見事クリアするとゲージの残量をもとにした弁護士ランクが発表される。ランクに応じてクリア後に見られる映像の内容が少し変化するので、ぜひ最高ランクを目指してみてほしい。
エンディングのあとに次回予告も見ることができる。実は、今回のアトラクションは第1話で、第2話が2015年夏に、第3話が2015年秋に公開予定となっている。全3話の法廷記録をすべて集めると、岩元辰郎氏の描き下ろしの限定ポストカードがもらえるとのことなので、こちらも挑戦してみては?
「法廷記録ファイル」付チケット
- パスポート(入場+アトラクション乗り放題):大人4300円(税込)/小中高生3300円(税込)
- アトラクション1回券(入場+逆転裁判 in ジョイポリス1回利用):大人2100円(税込)/小中高生1600円(税込)
アトラクション詳細
オープン日:2015年4月24日(金)
営業時間:10:00~22:00(最終入場 21:15)
※5月2日(土)~5月5日(祝)9:00~23:00(最終入場22:15)、5月6日(祝)9:00~22:00(最終入場21:15)
アトラクション料金:1PLAY 600円(税込)
※パスポート利用可 、東京ジョイポリスの入場料は別途料金が発生します。
東京ジョイポリス入場料:大人(18歳以上)800円(税込)/小中高生:300円(税込)
開発スタッフ囲みインタビュー
ここからは開発スタッフのインタビューをお届け。今回のメディア向け体験公演に参加していたカプコン プロデューサーの江城元秀氏、カプコン ディレクターの山﨑剛氏、セガ エンタテインメント ディレクターの平魯隆導氏、シナリオライターの北島行徳氏、イラストレーターの岩元辰郎氏にお話をうかがった。
――今回のアトラクションを実施するにいたった経緯を聞かせてください。
江城氏:前回の「逆転検事 in ジョイポリス」のあとに「裁判」のほうもぜひと、セガさんからオファーをいただきまして、カプコンとセガの共同開発に近い形で一緒に作らせてもらいました。
今回は大きくパワーアップしたいなというのがありまして、かなり原作に忠実になっています。イラストは岩元さんに描き下ろししていただき、脚本も北島さんに書いてもらったものをウチの山崎が監修するという、ゲームを作っている感じでやらせてもらいました。
――アトラクションの見どころを教えてもらえますか?
平魯氏:アトラクションというと「つまんないんじゃないの?」と思われがちですが、かなり密度が濃く、完成度の高いものになっていると自負しています。必ず「逆転」シリーズのファンの皆様に満足していただける内容になっていますので、ぜひ来ていただきたいですね。
江城氏:今回はブースにフォトスポットを作ってありますし、岩元さんのデザイン初期のコンセプトアートや手描き色紙の展示といった、シリーズの開発の裏側を見られるような仕掛けもあります。ブース全部を楽しんでもらえるような作りになっているところが、今回大幅にパワーアップした部分ですね。
ゲームのほうも今回は「捜査をしている感」がアップしていて、法廷パートもかなりじっくり遊べるようになっています。「プレイ時間大丈夫ですか?」と気をもむぐらいだったのですが、「このくらいでなければ『逆転』ではないです」と、こだわって作ってくれました。
平魯氏:「逆転」シリーズはやはり面白トークの掛け合いが魅力だったりするので、ぬかりなくギャグを盛り込んでくださいと。
北島氏:短いバージョンも用意したんですけど、「逆転裁判」らしいだろうということで、結局たっぷり楽しめる長いバージョンのほうを採用してもらいました。
――プレイの時間はどのくらいと想定されていますか?
山崎氏:絵も新しいものがたくさん出てきます。たとえば、須々木マコのキャラクターデザインはゲームのときとちょっと変わっているんですよ。また、クリア後のごほうびのイラストも岩元さんに描いてもらったものです。
平魯氏:クリア後に「上級弁護士」とか「見習い弁護士」とかグレードがつきまして、そのグレードによってエンディングで表示されるグラフィックが少し変化します。当然、グレードが高いほどリッチなグラフィックになるので何度でも楽しんでもらえます。
岩元氏:前回の「逆転検事」のときにはなかった衣装替えもあります。3Dデータだったらもう少し楽できたんですが、全部僕の完全描き下ろしです。「ここにもいる」、「ここにもちょっと映っている」と一コマ一コマ描かされたので、衣装替えのところだけでもぜひ味わってほしいですね(切実)。あと、等身大に近いイラストもでっかい解像度で描かされました。ぜひこれで写真を撮っていただきたいですね。
――おすすめのコラボメニューはありますか?
江城氏:全部試していただけたらと思いますが、個人的には真宵ちゃんの「みそラーメン風パスタ」ですね。
平魯氏:和風パスタっていうとしょう油が多いと思いますけど、味噌も意外に合うと思いますよ(笑)。あと、物販コーナーに「倉院流霊媒道≪綾里 真宵≫の逆転おみくじトレカ」というのがありますが、これが趣向を凝らしたものになっていて、ふつうのおみくじではない仕組みが盛り込まれています。こういった、おみやげや飲食などのアトラクション以外も楽しんでいただけたらと考えています。
――全3話ということですが、これからどのように展開していくのでしょうか?
北島氏:すべてジョイポリスが舞台になっていまして、じょじょにジョイポリスを揺るがす大きな事件に発展していきます。前回の「逆転検事」のときはジョイポリスと名乗れなかったんですが、今回はお許しをいただけたので堂々と名乗っています(笑)。
平魯氏:陰謀めちゃくちゃ渦巻きますから、乞うご期待です!
――第2話以降の難易度は上がっていくのでしょうか
江城氏:難易度を極端に上げるつもりはないですが、ちょっと仕掛けを入れたいなと考えています。たとえば館内に何かがあって、それを見たらヒントになるとか。「検事」のときにもありましたが、もうちょっとヒネった形でできればいいなと。テレビゲームではできない、アトラクションならではのものを入れたいですね。