4月26日、幕張メッセにて開催された「ニコニコ超会議2015」において、Wii U用ソフト「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」の対戦イベント「2-on-2 WORLD GRAND PRIX JPN vs USA」が行われた。
このイベントはアメリカ・ニュージャージー州にて開催された「スマブラ」の世界大会「APEX2015」の上位入賞選手を招待し、米国代表2チームと日本代表2チームの計4チーム8名による2on2のチーム戦トーナメントを行うというもの。出場チームは以下のとおりで、日本からは昨年の11月30日にニコファーレにて行われた「プレミアムファイト」と今年の1月31日に開催された「闘会議1DAYトーナメント」の優勝チームが出場した。
日本代表
Daiki選手&Fsann選手(「プレミアムファイト」優勝チーム)
しゃどう選手&Luminous選手(「闘会議1DAYトーナメント」優勝チーム)
アメリカ代表
ZeRo選手&Mew2King選手(「APEX2015」優勝チーム)
MJG!選手&cyve選手(「APEX2015」準優勝、3位チームの混成)
ルールは制限時間2分の3本勝負。ステージは固定で1戦目は「戦場」、2戦目は「特設リング」、3戦目は「終点」で戦うことになる。ファイターはどれを選んでもよいが、カスタマイズはなし。ボタン設定の変更とゲームキューブコントローラーの持ち込みはあり。アイテムも全種類使用可能となっている。
ちなみに、前日の25日に本大会の前哨戦として、出場選手8名による1on1のトーナメントが行われたのだが、日本代表で1回戦を勝ち抜けたのはFsann選手だけで、あとの3名はいずれも完敗。そのFsann選手も準決勝でZeRo選手に惨敗を喫するなど、海外のトッププレイヤーの実力をまざまざと見せつけられる結果となった。なお、決勝はZeRo選手とMew2King選手の同チーム対決となり、ZeRo選手が2セットを連取してあぶなげなく勝利。世界最高とうたわれる実力をいかんなく発揮して見せた。
1回戦第1試合「Luminous選手&しゃどう選手 対 MJG選手&cyve選手」
米国代表のMJG!選手はチームメイトのFOW選手が都合により来日できなかったため、「APEX2015」第3位でドイツ人のcyve選手と急きょチームを組むことになった。個々の実力では上回る米国チームだったが、急造チームのためか後手を踏む展開となり、Luminous選手としゃどう選手が1戦目を先取。2戦目はサドンデスをMJG選手&cyve選手が制し、1-1のタイとなった。
そして迎えた3戦目は日本チームがパルテナとマリオ、米国チームはマリオとシークで出撃。今度も一進一退の攻防となり、決着がつかないまま、またしても勝負はサドンデス突入となったが、最後はLuminous選手としゃどう選手が2対1に持ち込んでそのまま押し切り。日本勢不利の予想をくつがえし、見事に決勝進出を果たした。
MJG!選手(左)とcyve選手は自分たちのチームを「インターナショナルブラザーズ」と命名。 |
Luminous選手(左)としゃどう選手のチーム「デウスエクスマキナアイアンボトムサウンドエイペックス」。 |
1回戦第2試合「Daiki選手&Fsann選手 対 ZeRo選手&Mew2King選手」
ZeRo選手&Mew2King選手のコンビはこれまで公式の大会で負けたことがないという、不敗を誇る最強チーム。開始早々、日本チームに魔法のツボを取られ、いきなりZeRo選手とMew2King選手がともに撃墜されてしまうというアクシデントがあったものの、冷静な立ち回りで徐々に押し返していくと、スマッシュボールで一気に逆転。見事な戦いぶりで1戦目を先取した。
2戦目は意地を見せたい日本チームが優位に試合を進める。米国チームも追い上げるが、ダメージの溜まっていたFsann選手のネスが最後まで耐え切ることに成功し、ギリギリで1-1のタイに持ち込んでみせた。だが、日本チームの反撃もここまで。3戦目はディディーコングのペアで出撃した米国チームが本領を発揮。開始早々にネスを叩き落とすと、勢いに乗ってそのまま日本チームを圧倒し、トータル2-1で勝利をおさめた。
決勝の前にスペシャルゲストとして「スマブラ」の生みの親である桜井政博氏がステージに登場。「みなさんにこのようにいろいろ遊んでいただき、本当に盛り上がっていただいて感謝しています」と感謝の念を述べた。また、選手たちの戦いぶりについてもコメント。「みんな動きが速いですね。モニターチームもだいぶ速いんですけど、今回はさらに速さが極まっていてすごいなと思うばかりです」と、感嘆の声をあげていた。
決勝戦「Luminous選手&しゃどう選手 対 ZeRo選手&Mew2King選手」
1戦目は日本チームのLuminous選手がパルテナ、 しゃどう選手がマリオを選択。米国チームのZeRo選手はディディーコング、 Mew2King選手はロゼッタ&チコを選択してのバトルとなった。勝負のほうは予想どおり米国が立ち上がりからリード。日本チームもZeRo選手を撃墜するなど粘りを見せるが、米国チームもすかさず、しゃどう選手のマリオを撃墜するなど攻め手をゆるめず。終始、堅実な戦いぶりを見せた米国チームが1戦目を先取した。
日本チームはパルテナ(Luminous選手)とキャプテン・ファルコン(しゃどう選手)に変更するが、ディディーコング(ZeRo選手)とネス(Mew2King選手)で出撃した米国チームの優位はゆるがず、着実に日本チームのダメージを蓄積させていく。粘る日本チームも何とか撃墜を回避。さらに、しゃどう選手のキャプテン・ファルコンがスマッシュボールを奪取に成功するが、米国チームに回避されてしまい勝負あり。ZeRo選手&Mew2King選手が2戦目も連取し、見事チャンピオンの座に輝いた。
ZeRo選手は「まず、こんなに観衆の人が集まったくれたことに。そして、任天堂にこんな素晴らしいゲームを作ってくれたことに感謝したいと思います。また、桜井さんにはわざわざ来てくれてありがとうございますと伝えたいです」と、20歳とは思えない大人のコメント。Mew2King選手は「とても面白いトーナメントでした。アメリカでトーナメントを開くときにはみなさん来てほしいと思います」と語った。
ステージで決勝を観戦していた桜井氏は「忘れられているかもしれませんが、このゲームは楽しいパーティーゲームとして作っているはずなんですよね(笑)」とことわりを入れつつ、「ただ、こうしたガチの要素といいますか、力に特化した遊び方でも楽しませていただいて、とても感謝しています」と改めて選手たちと観客にお礼を述べた。また、現在も新しいキャラクターなどを作り続けているとのことで、「キャラクターの要望があったら、『スマブラ投稿拳』に送ってください」とアピールしていた。
最後に大会に出場した8名の選手が日本と米国に分かれて4on4のエキシビションマッチを行った。全員の動きが速すぎて、どこで何が起きているのかよくわからなかったが、開始から優位に進めた日本チームが勝利。なんとか米国チームに一矢を報いて、今回の大会は終了となった。