アルケミストが2015年8月6日に発売を予定しているPS4/PS Vita用ソフト「ぎゃる☆がん だぶるぴーす」。そのゲーム内に登場する下着デザインの一般応募のデザイン選考の模様と、開発者およびしのぶ役・上間江望さんへのインタビューをお届けする。
先日発売日が発表されるとともに、衝撃のPVが話題を呼んだ「ぎゃる☆がん だぶるぴーす(以下、ぎゃる☆がんW)」。そのプロモーションの一環として、4月1日というエイプリルフールにも捉えかねられないタイミングで実施されたのが、ゲーム内に登場する下着デザインの一般募集だ。
4月下旬に行われた最終選考では、開発を担当するインティ・クリエイツのプロデューサーの田村行政氏、キャラクターデザインを担当した伊東大典氏に加え、メインキャラクターである神園しのぶ役の声優・上間江望さんも参加。わずか1週間の実施にも関わらず、55通もの応募が集まったという下着のデザインはどれも力の入りようが素晴らしく、各デザインの魅力について議論を交わすなど、笑いの絶えない中で進められた。
ゲーム内に登場することが決定した9種類の中から、上間さんが選んだのは下の3種類。この内、だぶるぴーす大賞に選ばれたデザインはしのぶの下着として採用されるということなので期待しておこう。
受賞者一覧(敬称略)
だぶるぴーす大賞
えみりー賞
インティ・クリエイツ賞
※ゲーム中で下着が変化する条件を満たすと、受賞下着を特定のキャラクターが着用します。
その後はせっかくの機会ということで、3人にゲームの開発やボイス収録に関するエピソードを伺ったので紹介していこう。
――開発の経緯についてお聞かせいただけますでしょうか?
田村氏:発売後、いろんな方から続編を出さないのですかというお話はいただいていました。インティ・クリエイツとしてもアルケミストさんと一緒に取り組んできて、発売後も廉価版やDLCなどの展開もする中で続編を出したいと思っていて、ようやく出せることになりました。
伊東氏:僕が別の仕事をしている時に、開発スタッフがぜひ続編を作りたいと語るんですよ(笑)。その当時はまだ作れない状況でしたが、今回ようやく作れることになってすごくハッピーな気持ちです。
――開発が進む中での苦労などはありましたか?
田村氏:途中でラインを細くした時期がありつつ、開発自体は2013年2月から着手していて、すごく長い期間をかけていて作っています。今は発売に向けたラストスパートをかけているとともに、ゲーム本編のみならず、DLCなども用意しているところです。
伊東氏:要素はほぼゲーム中に入っていて、今はバランス調整などをしています。
――PS4とPS Vita2機種での発売ということで、開発上のポイントはなりましたか?
田村氏:前作ではカーソルを合わせてプレイしていましたが、PS Vitaで展開することを考えて、タッチ操作を活かした直接触れる仕掛けを用意しました。ドキドキモードをタッチで遊びたいという人が意外と多かったので、直接こすったりしてプレイできるものと従来の見つめるものと2種類のドキドキモードを用意しました。
――“だぶるぴーす”という今回のタイトルの由来はそういったところから来ているのでしょうか?
田村氏:“天使と悪魔”“姉妹”といったダブルにかかるものが多いところと、ダブルピースという表現のインパクトが大きいというところですね。
伊東氏:アイデア出しをしていた時にダブルがいいのではと話していたところ、前作でモデリングを担当していたスタッフが「じゃあダブルピースだね!」という一言を残して去っていって、そこからはスタッフで盛り上がりまして(笑)。カッコよさといかがわしさ、どちらも兼ね備えたタイトルになっていると思い、即決定となりました。
――ダブルピース昇天はタイトルが決まった後に入れることになったのでしょうか?
田村氏:そうですね。
伊東氏:やはりイメージできるものを入れなければいけないだろうと思ったところ、真っ先に“だぶるぴーす”から想像するものがあるだろうと(笑)。絵的にはやはり“ダブルピース昇天”は必要だろうということですぐに企画書に絵を描いてしまいました(笑)。
――そして眼力(フェロモンショット)では透視ズームが可能になったということですが、こちらはどのようなものになっているのでしょうか?
田村氏:基本はシューティングゲームということで、前作もゲームとして遊んでも楽しいという点はインティ・クリエイツとしては譲れないところで、隠れているところから飛び出してくるといったシューティングゲームのセオリーをより面白くするために要素を盛り込めないかと考えていました。
モテモテになって、女の子がいっぱい言い寄ってきたらいいよね、というところが「ぎゃる☆がん」の根底にはあるので、その上で一作目のインパクトを超える何かを入れたいと話し合って、一番インパクトがあり、ついつい見えてしまう青いロマンも含めてマッチしていると思ってたのが、透視ズームでした。透視ズームはあくまでも天使の力でやむ無く透けてしまうんです。不可抗力だから仕方ないです。
伊東氏:破れるというのは他のタイトルでもあるので、他のアプローチが出来ないかというところで透かしというアイデアが生まれました。
田村氏:「ぎゃる☆がん」は女の子をダメージを与えたい、やっつけたいというゲームではなく、あくまでもハッピーになって退場してもらうものなので、危害を加えるようなものは「ぎゃる☆がん」にはマッチしないかなと思いました。
上間さん:シューティングゲームですけどすごく平和なゲームですよね。ロマンが詰まっていて、誰も痛い思いしないですし、みんな幸せという素晴らしいゲームです!
――そのほかですと、悪魔っ娘も登場するということですが。
伊東氏:今回はくろなという悪魔の女の子に悪魔の槍で刺されると、女の子たちがおかしい状態になってしまいます。キャラによって違うのですが、凶暴になってしまったり、逆にヘタレになってしまう子もいたりと一人の女の子で二面性が楽しめるようになっています。ビンタとかされたい人もいるんじゃないかなと(笑)。
上間さん:PVを見たのですが、踏みつけられる時に下着が見えていてすごいなと(笑)。
田村氏:押し倒されてしまうんで、どうしてもたまたま見えてしまうという。
上間さん:しのぶちゃんは悪魔っ娘状態だとすごくドSになりますが、そうじゃない子もいたんですね。
伊東氏:悪魔がついちゃうと嫌々殴っちゃう女の子もいるんですよ。
田村氏:一般女子の子たちに、ヘタレになったりドSになったりと、メロメロになる以外の内面的な性格がセリフに現れて差別化されているので、いっぱいいろんなことを喋ってもらいました。
伊東氏:あえて攻撃をくらってみるのも面白いと思います。
――悪魔っ娘のパターンが増えたことでセリフの量も増えたんじゃないですか?
田村氏:倍ぐらいになっていますね。
伊東氏:喋らせるために女の子たちを配置していくんですけど、全セリフを喋らせようとすると大変でしたね。
――上間さんは今回の収録はいかがでしたか?
上間さん:前作では一般女子(里中るる/姫野亜里沙役)として出させていただいたのですが、その時はレッスン生だったということもあり、時間をかけて収録させていただきました。今回はしのぶちゃんというメインの役どころをやらせていたいだたのですが、ものすごいセリフの量だったので、3日ぐらいかけて少しずつ録っていただきました。
田村氏:音響監督さんにも「これシューティングゲームですよね?」というぐらいの量でしたよね(笑)。
――上間さんがしのぶ役を担当することになった経緯についても聞かせてもらっていいでしょうか?
上間さん:私は元々くろなのオーディションを受けさせていただいたんですよ。
田村氏:そこで声を聴かせてもらったところ、くろなよりしのぶだろうということで決めさせていただきました。
上間さん:そうだったんですね! こうしてメインの役どころを担当させてもらって光栄です。
――収録の際、大変だったことや面白かったことなどはありましたか?
上間さん:主人公が行動を起こしてそれがしのぶにとって良かった時と悪かった時のセリフが何パターンかあって、それを交互に喋っていく流れになっていたので、自分の中で切り替えをするのが大変でした。あとはやっぱり「ぎゃる☆がん」なので、いろいろなセリフがあるじゃないですか(一同笑)。それは大変というよりは、楽しくやらせていただきました。
伊東氏:前作もやってもらってますもんね(笑)。
上間さん:前作の時は未熟だったので、ずっと悔いが残っていたんですよ。そこでやり残したことを今回発散させてもらったかなと思っています。成長したところが見せられればいいなと思います。
あと先ほども話したとおり、悪魔っ娘の時にしのぶちゃんはドSになってしまうのですが、普段の性格と逆なのでそれもまた別のキャラを演じているみたいで面白かったです。
――PVのナレーションも担当されているということですが、いかがでしたか?
上間さん:映像をちゃんとしたかたちで見たのはPVが初めてだったので、想像していたよりも女の子がすごいポーズをとっていたんですよ。3人集まってダブルピースをしたり、お花が咲いていたりと演出が面白いなと思いました。みんなアンアン言ってるけど大丈夫かなと。あと最後になるにつれて押し寄せてくるじゃないですか。ああ、お母さんに見せれないと思いました(笑)。でも私は楽しかったです。
――予約特典の「破れすぎた制服」もすごいですよね。
上間さん:これ、いったい何があったんですか!? なんでこうなったんですか。
伊東氏:何があったんですかね。誰かに破られたのか、自分で破ったのかはわかりません、謎です。
――なぜ“破れすぎた”になったんでしょうか?
伊東氏:インパクトですね(笑)。
――そして限定版にはくのいち、ミリタリー、裸リボン、ウエディングドレスの衣装がついて来ると。
上間さん:(くのいちの衣装を見て)これってふんどし履いているんですか?
伊東氏:そうですね。でも、これをデザインしたのは女子ですからね。
上間さん:女性のデザイナーさんもいらっしゃるんですか?
田村氏:むしろ「ぎゃる☆がん」チームの3分の1くらいは女性です。しかもグラフィッカーに女性が多いので、絵を作ったり、モーションをつけたりしているのはほぼ女性です。なんか言い訳っぽいですが(笑)。
上間さん:衝撃です…! 学年によって色は違うんですか?
田村氏:制服と同様、学年によって色を分けています。
伊東氏:露出度を高くしたいというのはあるんですけど、今回は透視があるのでそこまで高くしてもという葛藤はありました。それでも、横から見えるのはポイント高いと思います。
田村氏:元々は胸の部分にサラシを巻いていたのですが、とってくれと頼みました。横乳に夢があると思ったので(笑)。
伊東氏:ウェディングドレスはギャルゲーの夢を詰め込んだ感じになっています。
上間さん:後ろ姿がすごく可愛いですよね。
田村氏:いっぱいの花嫁に言い寄られるのいいですよね。
伊東氏:婚姻届を渡してきます。
田村氏:ミリタリーは伊東が前作から出したいと言い続けていた衣装です。前作ではボツをくらい続けて、唯一「サスペンダー教官」というかたちで出していました。
伊東氏:意外とこの中で一番地味になってしまいましたが、逆に透視しがいがあるかもしれないです。
上間さん:透視しがいがあるってすごい言葉ですね(笑)。
田村氏:悪魔っ娘の時にこの衣装で叱られたりしたらいいですよね!
上間さん:(LOVEと書かれたものを指して)これは何ですか?
伊東氏:戦車のハッチ部分をラブレター代わりにしています。
上間さん:そして最後は…。
伊東氏:男の夢。裸リボンです。
上間さん:これもう衣装じゃないじゃないですか(笑)。透視したらどうなるんですか?
田村氏:それは限定版を買った人のお楽しみということで(笑)。
――この衣装をしのぶに着せるとしたらどれを着せて欲しいですか? もしくはどれを着せたくないですか?
上間さん:(裸リボンを手に)これはちょっと…しのぶちゃんには着せたくないです。逆にウェディングドレスもまだ見たくないので…、くのいちがいいですね。
田村氏:マシンガンを持っているイラストもあるので、ミリタリーも合うんじゃないかなと思うんですよ。逆に妹の真夜はお札を扱ったりするのでくのいちがカッコいいんじゃないかと思います。
上間さん:二人で違う衣装を着せることもできるんですか?
伊東氏:別々の衣装を着せることはできますね。服とアクセサリー、ラブレターの種類をいろいろな組み合わせで変えることもできます。
――前作だとPS3版でパンツの種類が423種類出てきましたが、今作ではどのぐらい出てきますか?
田村氏:今回はパンツだけでなく、上も描かなければいけないので単純に2倍の作業になっています。前作と比較されると厳しいかもしれませんが、絶賛増産中なのでできるだけパンツも頑張りたいと思います。ちなみに、今はPVのパンツも全部白パンツなのですが、最終的には差し替わる予定です。実際にはいろいろな色があるので、透視するとより楽しめるようになると思います。
伊東氏:あととある方法で透け度も変わるようになっています。透け度が高いと、着ていないかのような感じにたまたま見えることになると思います。
上間さん:今回はママキタモードはあるんですか?
田村氏:今検討しているところですが、PS4版は入れると思います。PS Vitaは個人で遊ぶのでいらないんじゃないかと。
――ゲーム全体のボリュームは前作と比べてどのぐらいになっていますか?
田村氏:前作よりも一般女子にエンディングも含めてフィーチャーしているので、そういう意味ではコンプリートしようとしたらすごく大変だと思います。
伊東氏:シナリオ自体も前作より長いですね。
田村氏:後はズームして女の子のプロポーションに合わせると、3サイズが測定できるんですよ。それで埋める分も含めると、いろんなキャラをじっくり見つつ昇天させたりと、葛藤しながらゲームを遊んで集めてほしいと思います。
――前作のキャラも出るということですが、新キャラとのバランスはどのぐらいになっているのでしょうか?
伊東氏:前作の1年後ということで、3年生は卒業していて、1年生はみんな新しい子が入っています。各学年20人ぐらいいますが、他の学年も半分は新しいキャラになっていますので、前作から引き続き登場するのは20人ぐらいですね。あと先生は、体育教師と保健の先生が追加されて5人になっています。
――制服を一新したのにも理由はあるのでしょうか?
田村氏:制服って普通の高校では学年が上がってもそのまま色を引き継いでループしていくと思うんですが、「ぎゃる☆がん」では1年生が赤、2年生が青、3年生が緑というイメージをずらしたくないので、この学校では学年が上がる毎に制服を全部買い替えるという設定にしたんです。そして制服を買い替えるのであればデザインを新しくしてもいいということで、一新しました。
――最後にユーザーに向けてメッセージをお願いします。
上間さん:お分かりいただけたと思うのですが、いろいろな面でパワーアップしていて盛りだくさんになっています。私も気合を入れて収録に臨みましたので、ぜひみなさま楽しみにしていただければと思います。
田村氏:前作以上にバカなゲームで、ボリュームいっぱいでインパクト押しで一生懸命作っています。キャラクターもみんないい子ですし、シューティングゲームとしてもしっかり面白いものとしてちゃんと作っていきますので、ぜひ遊んでみてください。
伊東氏:詰め込めるだけの欲望を詰め込んだゲームです。思い残すことがないような、現時点でやれることは全てやっているというのを感じ取ってもらえればと思います。ぜひ手にとってみてください。
――ありがとうございました。