日本一ソフトウェアより発売中のPS4用ソフト「魔界戦記ディスガイア5」。完成度の高いシミュレーションRPGとして楽しめる本作のプレイインプレッションをお届けする。

目次
  1. 豊富なゲームシステムを細かいチュートリアルでカバー
  2. “おバカさ”を随所に盛り込みつつもシリアスなストーリーが展開

「魔界戦記ディスガイア」シリーズといえば、やり応えたっぷりのシミュレーションRPGとして10年以上に渡って展開してきた、日本一ソフトウェアの代表作。シリーズを通して魔界が舞台となっているが、タイトル間に直接のつながりはなく、どのタイトルからでも新しく始められる間口の広さが魅力の一つと言えるだろう。

その最新作として3月26日に発売された「魔界戦記ディスガイア5」は、日本一ソフトウェア初となるPS4単独タイトル。キャラクターデザインの原田たけひと氏、音楽の佐藤天平氏といったこれまでのシリーズを支えてきたスタッフはそのままに、新たな主人公・キリアを中心に“復讐と叛逆の物語”が描かれる。すでに発売から1ヶ月以上が経過している本作ではあるが、発売同日より第1話をまるごと遊ぶことのできる体験版が配信されているほか、現在までに第2弾までダウンロードコンテンツが展開、今後も配信が予定されている。

PS4向けに発売されてきたタイトルの中でシミュレーションRPGに分類されるタイトルはほとんどないが、本作をプレイしてみて感じたのは、シリーズで積み重ねられてきたシミュレーションRPGとしての完成度の高さと、PS4に落としこんだからこそ可能な進化の数々だ。ここでは本作の魅力の一端をお伝えしていきたいと思う。

豊富なゲームシステムを細かいチュートリアルでカバー

シミュレーションRPGとしてはオーソドックスな、マス目状のマップで戦う本作。プレイヤーはマップごとに主人公・キリアを始めとしたユニットを出撃させ、敵勢力の撃破を目指していく。行動の制限がある中でいかに手を打つかというのは、シミュレーションRPGをプレイする上では欠かせないポイントではあるが、本作に限らず「魔界戦記ディスガイア」シリーズではその部分に自由度を与えることで、ひとつのマップの中で多彩なプレイスタイルを生み出している。

隣接する仲間と一緒に繰り出す“連携攻撃”、職業・種族・使用武器といった固有の特性に付与する多彩な“特殊技”といった基本的なものから、味方を持ち上げて投げることで段差のあるところでも移動が可能な“持ち上げ”&“投げ”システム、さらには魔物型のユニットを武器化する“魔チェンジ”、さまざまな特殊効果が発生する“ジオエフェクト”と、シリーズを重ねていく中で追加されてきた多彩なゲームシステムが存在する。

加えて今作では、いくつかの新システムも新たに登場するが、序盤の内に使用できるようになる“リベンジモード”は、プレイする上でぜひ役立てて欲しいシステムだ。

その仕組みを簡単に説明すると、ユニットごとに設定された“リベンジゲージ”(各ユニットのウィンドウフェイスの左に表示)をMAXにすることで発動し、ステータスの上昇や特殊技の消費SPの減少といった恩恵を受けることができる。さらに魔王であれば“魔奥義”と呼ばれる特殊な能力が使えるようになるので、一気に状況をひっくり返すことも可能だ。

リベンジゲージは、戦闘中に味方ユニットがダメージを受けたり、撃破されることで増えていく。途中まで溜まったゲージは次のマップにも持ち越せるものの、基本的にはMAXまで溜まった時に自動的に発動するものになるので、ゲージの溜まり具合に応じて出撃させるかどうかを判断するというのもありだろう。

これらのシステムはそれぞれがしっかりと組み込まれている分、複雑さを伴うものではあるが、本作ではそれがプレイにおけるストレスにならないような配慮として、キャラクターによってわかりやすく説明されたチュートリアルが用意されている。そして、その後にプレイするステージではチュートリアルで学んだシステムを活用する必要があるため、無理なく徐々にシステムを覚えることができるというわけだ。

チュートリアルをちゃんと聞いておかないと、こんなチョンボをする場面も(爆発しました)。

とはいえ、戦闘の部分だけでなく、キリアたちの拠点となる“ミニ魔界”でもスカウト屋や部隊編成システム、さらには戦闘前の食事でステータスがUPする“カレー屋”など、本作で活用できるシステムはさまざま。もちろん全てを使用することもできるし、場合によっては必要なものだけをチョイスするといった遊び方もできるので、興味を持った人は体験版で触りの部分だけでも遊んでみてほしい。

これは旧作のプレイヤーに向けたものとなるが、筆者的にオススメの新要素はメイン武器とサブ武器が選べるようになったこと。これによって、例えば近・遠距離どちらにもカンタンに対応できたり、今作から導入された武器耐性に応じた武器のチョイス、そして各武器に紐付いた特殊技が使用しやすくなったりと戦闘の幅が大きく広がっている。目立ちづらいところではあるが、こちらも実際に触ってもらえればその便利さを感じることができるはずだ。

そのほか、「魔界戦記ディスガイア」シリーズといえば、やはり外せないのが2Dグラフィック表現。PS4になったことであまり劇的な変化はないと思われるかもしれないが、個人的にはキャラクターの色使いや、プロデューサーの新川宗平氏が制作発表会で話した、キャラクターの表示数の増加など、実際のゲーム内で感じることのできるポイントは増えているように感じた。

“おバカさ”を随所に盛り込みつつもシリアスなストーリーが展開

そして、今作ならではの魅力としてもう一つ挙げておきたいのが、これまでのシリーズとは少し趣きのことなるストーリー展開だ。全16話にプラスαのエピソードまで用意された、これまでにないボリュームで届けられるストーリーは、魔帝ヴォイドダークへの復讐を心に誓うキリアを軸に進んでいく。

その一方で、敵味方問わずに個性的な登場キャラクターにより繰り広げられる、コメディタッチの会話は今作でも健在。そして今作では、キャラクター同士の掛け合いを楽しむ要素として、拠点内で特定のキャラクターとのスポット会話が発生することもある。ストーリーの流れに関係したものから無関係のものまで、キャラクターの特徴をつかめるものが多く用意されているので、マップの合間合間でチェックしてもらえるといいだろう。

筆者も実はまだ途中までしか遊べていないプレイヤーのひとりだが、本作の醍醐味はストーリーを楽しみ、各種システムを網羅した先にあるやりこみ要素にある。まずは体験版でゲームの基本的なシステムをプレイし、そして本編でいろいろと試行錯誤を繰り返し、TVCMなどでも印象的だった“桁違いのダメージ”を実際に体感してみてはいかがだろうか。

魔界戦記ディスガイア5

日本一ソフトウェア

PS4ダウンロード

  • 発売日:2015年3月26日
  • 12歳以上対象
  • PS Storeダウンロード版

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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