バンダイナムコエンターテインメントは、本日5月23日にアーケードゲーム「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス マキシブースト」の全国大会「プレミアムドッグファイト2015」を開催した。本稿では、ディファ有明にて行われたその激闘の模様を紹介していく。

目次
  1. 決勝リーグへの登竜門、予選リーグ開戦!
  2. 新機体の参戦が発表!海外でのVSシリーズの様子も語られたバトルトーク
  3. 要所での“センス”が勝利を呼び込む!?激闘の決勝トーナメント!
  4. 優勝はアーバンスクエア 大須店代表の「長田幕府」に決定!

本大会では、総合司会進行役を椿姫彩菜さんが努め、ゲストにレオス・アロイ役の岡本信彦さんと、お笑い芸人のぬまっちさん、さらに総合プロデューサー・馬場龍一郎氏が出演。ゲーム実況は、前作「機動戦士ガンダム フルブースト」の全国大会から引き続き、店員Aさんと黒日さんが担当した。

また、今回は日本ユーザーだけでなく、香港・台湾でも予選大会が実施され、その激戦を勝ち抜いたプレイヤーたちも本日の決勝大会の場に参戦。日本・香港・台湾の選手が一同に会して優勝を争うということで、まさにアジアの頂点を決定する大会となった。

注目の海外選手たちも、日本の環境をしっかりと研究し、対策を講じてきた様子。機体選びからテクニックまで研鑽を積み、日本のトッププレイヤーたちと決勝の舞台に相応しい熱戦の数々を披露。ここでは、そんな激闘の様子を現地の写真を交えながらレポートしていく。

左から、椿姫彩奈さん、馬場龍一郎氏、岡本信彦さん

決勝リーグへの登竜門、予選リーグ開戦!

本大会では、決勝トーナメントの前に予選リーグが実施。出場64チームが16ブロックに分けられ、各ブロックで総当りのリーグ戦が行われた。

全国大会の決勝リーグということで、出場機体もやはり現在の環境で比較的強いと評されている「ストライクフリーダム」「バンシィ・ノルン」「フルアーマーユニコーン」などが高コストに多く、「ガンダムサンドロック改」「ブリッツガンダム」「ドレットノート・ガンダム」が低コストでは多く参加していた。

しかし、「マスターガンダム」「ターンエーガンダム」「ハイニューガンダム」「Vガンダム・ヘキサ」といった、機体の強さもさることながら、自身の“やりこみ”でトップ層に食い込もうとする参加者が多く見受けられたのも印象的だった。

開幕から数々の激闘が繰り広げられた予選リーグだが、ここでは筆者が注目したいくつかの試合をピックアップして紹介していこう。

※以下、バンシィ・ノルンはバンシィ、ストライクフリーダムはフリーダム、ガンダムサンドロック改はサンドロック改、ドレッドノートガンダムはドレッドノート。

一度形成を崩された時の怖さが身に染みる初戦!

組み合わせ
バンシィ・ノルン×ドレッドノートガンダム
ストライクフリーダム×ガンダムサンドロック改

予選リーグの初戦を飾った本試合。ストライクフリーダム×ガンダムサンドロック改対バンシィ・ノルン×ドレッドノートガンダムという、高コスト同士が射撃戦が得意なので、序盤は遠距離での堅実なビームの刺し合いが展開された。

しかし、フリーダムやバンシィ、ドレッドノートに比べて射程距離が短いサンドロック改はいささか窮屈な様子で戦闘に参加。機体の特性上、必然的に敵との距離が近くなってしまうためか、やや被弾がかさんでしまい先に撃墜されてしまう。

この時点でバンシィの耐久値は残りわずかとなり、ドレッドノートも豊富に耐久値を残すなど、3000コスト×2000コストにおいては理想的な試合展開に。だが、一度落ちたことで気持ちが吹っ切れたこともあってか、サンドロック改が積極的に前線に出張り始めたところから徐々に試合の流れが変化していった。

一度撃墜され、復帰後のバンシィに対して、サンドロック改が果敢に攻め立てる。メイン射撃のマシンガンでバンシィを動かしながら、持ち前の機動力を活かして巧みに距離を詰めると、この機を待っていたと言わんばかりに一対のヒートショーテルで得意な格闘戦を仕掛け始めた。優秀な格闘攻撃でバンシィに張り付いて耐久値を一気に削っていくと、相方のフリーダムもすかさず援護に参加。バンシィは2機からの猛攻を覚醒を用いながらも凌いでいくが、そのままジリ貧となりストライクフリーダム×サンドロック改ペアが勝利を掴んだ。

相性の不利をカバーする巧みな連携が光った一戦

組み合わせ
マスターガンダム×ヒルドルブ
バンシィ・ノルン×ドレッドノート

マスターガンダムとヒルドルブという意外なタッグから、モニターに組み合わせが表示された瞬間、会場からどよめきが上がったことが印象深かった本試合。

豊富な射撃武装を持つバンシィとドレッドノートの組み合わせに、格闘機であるマスターは近づくだけでも一苦労。しかし、相性の不利をヒルドルブとの見事な連携でカバーし、徐々にバンシィを追い詰めていった。ドレッドノート以外が順当にダメージを受け、両高コストが共に一回撃墜、試合は一気に動き始める。

比較的耐久値を残していたドレッドノートだったが、ヒルドルブの積極的な攻めによって一度撃沈。さらに、復帰後も苛烈な攻撃を受けて瀕死の状態に追い込まれてしまう。この絶好の機会を逃さないよう、ヒルドルブがさらにドレッドノートを猛追。それを助けにいこうとするバンシィの前にはマスターが立ちはだかり、横サブ射撃などでひたすらダウンを取って敵を分断することに徹底するなど、序盤からの見事な連携を崩すことなくじわじわと相手ペアを窮地に追いやっていった。

しかし、さすがは堅牢さに定評のあるドレッドノートというべきか、追撃に来たヒルドルブを丁寧にさばきつつも、極限状態の駆け引きを制して逆に射撃を差し込み、見事に勝利をもぎ取った。一進一退の試合模様もさることながら、互いの腕の高さで会場を大きく盛り上げた一戦だった。

新機体の参戦が発表!海外でのVSシリーズの様子も語られたバトルトーク

どのバトルも苛烈を極めた予選大会が終了し、ついに決勝進出チームが決定。香港・台湾代表も非常に素晴らしい戦いを繰り広げて健闘していたが、惜しくも決勝トーナメント進出はかなわなかった。

予選後は海外勢が再び登壇し、現地でのゲームセンターの様子やVSシリーズの人気具合などが語られた。現地の様子を収めたムービーも公開され、映像ではずらりと並べられた本作の筐体すべてにユーザーが座り、さらにその背後にぴっちりと待機列が形成されている様子から、海外でも本作の人気の高さがうかがえた。

また、好きな機体はなにか、という質問に対して「シナンジュ」「Ex-sガンダム」「サバーニャ」などが挙がり、さらに好きな女性キャラはなにかという質問には、「オードリー」「ルナマリア」といったガンダムシリーズを彩る魅力的なヒロインたちの名前が挙がった。中には“すべて”と答える選手もおり、ガンダムシリーズへの愛の深さを会場にアピールした。

会場で発表された新情報では、速報として挙げた「アストレイレッドフレーム(レッドドラゴン)」と「ダブルオーガンダム セブンソード/G」の参戦のほか、漫画雑誌「角川エース」今月号にてさらなる新機体の参戦が告知されるとのこと。

なお、参戦が決定した2機については、出場選手とその同伴者限定で、大会終了後にフリープレイが実施され触ることができた。レッドドラゴンは、特殊格闘を敵に当てることで一定時間自機の性能を大幅に上昇させることが可能とのことで、これをいかに維持していくかが使う上での肝になりそうだ。セブンソードは、GNバスターソードIIによる近接戦と、GNソードII ブラスターの照射ビームによる距離を選ばない射撃戦が可能で、射撃も格闘もこなせる万能機といった印象だ。

また、昨年冬に開かれた店舗大会「WINTER BATTLE」に続き、今夏にも全国のゲームセンターにてオリジナルの店舗大会「SUMMER BATTLE」が開催されることが決定した。

要所での“センス”が勝利を呼び込む!?激闘の決勝トーナメント!

いよいよ開始された決勝トーナメントは、予選と違い時間無制限の一発勝負の勝ち抜き戦となる。

準決勝、決勝は3本勝負(先に2試合先取したチームの勝利)で優勝が争われる。まずベスト16を決定するため、各ブロックを勝ち上がったチーム同士が対戦。さらにそこからベスト8を決定するために、熾烈な戦いの数々が繰り広げられた。手に汗握る激戦の末、以下の4チームが準決勝へと駒を進めた。

チーム名:ジムパパ@昇竜拳
千秋選手、ライカルjr選手

チーム名:長田幕府
長田ザク選手、ヒグラシ選手

チーム名:ボウヤの体重120kg
OGRの師匠サトー選手、バーサーカー・少年選手

チーム名:老害
まご選手、ごり選手

「長田幕府」vs「ジムパパ@昇竜拳」

組み合わせ
Aチーム:バンシィ・ノルン×ドレッドノートガンダム(長田幕府)
Bチーム:ストライクフリーダム×ドレッドノートガンダム(ジムパパ@昇竜拳)

フリーダムの機動力を活かした射撃戦はバンシィでも分が悪い場面があるためか、今までの試合からは珍しく前に出張りながら戦うAチーム。しかし、Bチームも忍耐強くバンシィとドレッドノートの攻撃を凌ぎつつ、徐々にダメージに差を広げていく。フリーダムが先に落とされるものの、すぐにバンシィを落とし返し、さらに両ドレッドノートも撃墜され、試合は完全に横並びに。口火を切ったのはAチームで、ドレッドノートが覚醒を使って攻めるものの上手くいなされ敗北。

続く2戦目でも、序盤は1試合目の勢いをそのままにBチームが有利にゲームを進めていった。しかし、1試合目と状況が逆転し、Bチームが猛攻をしかけるもののなかなか攻めきれず、要所でのバンシィからの手痛い反撃が仇となってAチームに軍配が上がった。

互いに1勝1敗で迎えた3戦目では、序盤から終盤にかけてAチームが堅実に射撃を差し込んでいき、そのまま危なげなくジリジリとBチームを追いこみ決勝進出を決めた。

「ボウヤの体重120kg」vs「老害」

組み合わせ
Aチーム:ストライクフリーダム×ガンダムサンドロック改(老害)
Bチーム:ストライクフリーダム×ブリッツガンダム(ボウヤの体重120kg)

高コストは互いに高い機動力を活かした射撃戦を得意とするフリーダムだが、相方は優秀な格闘攻撃による爆発力が期待できるサンドロック改と、一定時間敵の攻撃の誘導を切り続ける特殊格闘“ミラージュ・コロイド”を用いた生存力がピカイチのブリッツに分かれた。

上手く敵の裏に回り込むように立ち回るサンドロック改に動かされ、不注意な着地などをしっかりとフリーダムに取られてしまい、Bチームは序盤からじりじりと削られていく苦しい試合が展開される。適度に反撃しつつ、逆転の機会をうかがっていたのだが、フリーダムが撃墜された直後にブリッツも撃破されてしまい一気に劣勢に。

ブリッツはミラージュ・コロイドのリロードが完了するまで辛くも逃げ切ったが、なんとサンドロックがミラージュ・コロイド展開中のブリッツに格闘をねじ込むという好プレーを見せて勝利。

続く2戦目も、Bチームは悪い流れを断ち切れずに苦戦を強いられ、Aチームの勝利で幕を閉じた。

頂上決戦の行方やいかに…!

迎えた決勝戦では、幾分かリラックスした面持ちで両チームの選手たちが登壇。しかし、前作の全国大会では非常に悔しい思いをしたという長田ザク選手は、試合前のコメントにて「絶対に勝ちたい」と真剣な表情で決勝戦に対する意気込みを語った。前作から積まれた研鑽ややり込み、そして持てる力とセンスのすべてをぶつける決勝戦がいよいよ開幕だ。

組み合わせ
Aチーム:バンシィ・ノルン×ドレッドノートガンダム(長田幕府)
Bチーム:ストライクフリーダム×ガンダムサンドロック改(老害)

本試合でもサンドロック改の立ち回りが光った。積極的に前に出張りラインを押し上げていき、Aチームに大きなプレッシャーを与える。メイン射撃のマシンガンをばら撒きながら少しずつダメージを重ねていき、ほかの全員の耐久値が半分になった中盤に差しかかっても、一発の被弾もなく耐久値をMAXの状態に保っていた。

互いの高コストが落ちた後は、有り余る耐久値を使ってバンシィに猛攻を仕掛ける。しかし、多彩な射撃武装を上手に使い回したバンシィがこれを紙一重でさばき続けると、状況は一転。サンドロック改を落とし、2対1になった一瞬を逃さずにフリーダムを攻め立てまずはAチームが1勝をもぎ取った。

続く2戦目では、大きな障害物と高低差のある地形が特徴的な“サンクキングダム”が対戦ステージに。互いに障害物のある丘の上の地形に陣取って、遮蔽物を挟みながらの射撃戦が展開された。

弾速の早いチャージショットが主なダメージソースになりがちなフリーダムには若干不利なステージとなったのか、Bチームが徐々に耐久値を削られていき、フリーダム、サンドロック改の順に撃墜。そのままAチームが攻めきるかと思いきや、Bチームが粘り強く応戦し、両者同コスト同耐久値にまで試合がもつれ込む。

1回のミスで勝負が決まってしまう緊張感の中、両チームは神経をすり減らしながら最善の選択肢を選び続ける。フリーダムがバンシィの渾身の射撃を紙一重でガードするなど、その集中力は終盤までしっかりと維持されていた。しかしその咄嗟の判断が決め手となり、フリーダムはそのまま射撃でガードを固められ、裏に回っていたドレッドノートにビームを差し込まれてゲームセットとなった。

優勝はアーバンスクエア 大須店代表の「長田幕府」に決定!

当日予選を含めて実に6時間以上にも及んだ「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス マキシブースト プレミアムドッグファイト2015 決勝大会」。海外からの参加者もあった本大会だが、数々の激闘を制し、チーム「長田幕府」の長田ザク選手とヒグラシ選手が見事に優勝を果たした。

興奮冷めやらぬ中開催された表彰式では、優勝・準優勝などの表彰のほか、本大会から設けられた特別賞の表彰も行われた。

特別賞・椿姫彩菜賞は、はるばる海外から参戦した台湾チームに贈られ、ゲストである岡本信彦さんが選定する岡本信彦賞は「八時だよ全員町田へ集合」チームに贈呈。そして本作の総合プロデューサーである馬場龍一郎氏が選定する馬場P賞では、なんと選手ではなく会場にて馬場氏のうちわを配っていた“讃岐さん”に贈られ、会場からは大歓声が上がった。

以降は司会の椿姫彩奈さんによる進行のもと、ベスト16からの表彰式が実施。馬場氏と岡本さんが選手たちにそれぞれメダルや楯、表彰状などを贈呈し、その健闘を称えて本大会の幕を閉じた。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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