アメリカ・ロサンゼルスのLAコンベンションセンターにて開催された「Electronic Entertainment Expo(E3) 2015」。PS4/Xbox One/PC「Battleborn」のプレイインプレッションと、Melissa Miller氏へのインタビューをお届けする。
「Battleborn」を開発するのは、ボーダーランズシリーズを開発するGearbox Software。独特の世界観や個性豊かなキャラクターのやりとりが魅力的なボーダーランズだが、そのノリは本作でも健在だ。カートゥーン調のキャラクターデザインは、日本人から見てもどこか馴染みやすい雰囲気を醸し出している。
そんな本作の最大の魅力は、個性豊かなヒーローたちが全25人も登場するところだろう。ゲーム自体はMOBAのようにもみえるのだが、ジャンルとしては、ヒーロー・シューターという一人称視点のシューターだ。
ゲームは、物語を楽しむストーリーモードのほか、5対5の最大10人で対戦ができるマルチプレイヤーモードが用意されている。ストーリーモードは、1人で楽しめるほか仲間との協力プレイも可能だ。
マルチプレイヤーモードには、AIによる敵の波状攻撃から自勢力の拠点を守りつつ敵の拠点を破壊する「インカーション」、マップ上の拠点を奪い合う「デバステーション」、焼却炉に列をなして向かう軍勢を護衛し、焼却炉に身を投じた軍勢によるポイントを競い合う「メルトダウン」の3種類が存在する。
クセになる世界観は健在!プレイインプレッション
今回体験できたのは5人で協力してプレイするストーリーモード。筆者が選んだのは「オレンディ」という腕が4本あるキャラクターだ。ローグという勢力に属しており、現在公開されている唯一のローグ勢力のキャラクターとなる。
「混沌の魔女」という二つ名を持つオレンディは魔法のような強力なエネルギーを操って、宇宙最大の敵と戦うことで自分の力を試そうとしているらしい。
攻撃スタイルは遠距離から魔法のようなスキルを使用する後衛向き。本作では一人称視点となっているため、視界の下部に4本の手がウネウネ動く様子が印象的で、スキルを発動する様子はまさに魔法使いになった気分だ。
攻撃スキルは、その場にダメージを与え後方にジャンプする「ナリファイ(LB)」、特定のエリアを指定して、炎の柱を召喚し大きなダメージを与える「シャドウファイア ピラー(RB)」、正面で混沌のエネルギーを爆発させる「アルティメット(Y)」を使用できる。
「シャドウファイア ピラー」を使い、敵が近づいてきたところで「ナリファイ」で後退することを繰り返すヒットアンドアウェーが基本スタイルとなる。
体験したステージでは、前半は敵を倒しながら進んでいき、後半は巨大なロボットを護衛しながら最終目的地を目指すといった内容。
最初はスキルになれずに苦戦していたのだが、後半になるとコツを掴み敵が固まっているエリアに攻撃を当てることができるようになっていた。体験したステージは、E3向けに調整が行われていたようで、危なげなく無事クリアすることができた。
遊んでいると最大10までレベルが上がっていき、レベルが上がるごとに、2つのスキルから1つを強化していくことができる。今回は特別に4レベルからスタートしており、ステージをクリアしたころには7レベルになっていたので、開発中とはいえサクサク上がる印象だ。ただでさえ多くのキャラクーが存在する上に、スキルの取り方でもキャラクターの能力が変化していくため自分だけのキャラクターをカスタマイズする楽しみもある。
25人のキャラクターの中には、剣を使って近接攻撃するものや、銃や弓を使うタイプなどが存在し、それぞれ攻撃スタイルも全く異なっている。製品版ではもっと難易度が高くなるようなので、防衛に専念したり、前線で敵を倒したりと役割を分担しながら立ちまわる戦略性が重要になりそうだ。
本作の開発スタッフにインタビュー
セッション終了後、本作のディレクターを務めるMelissa Miller氏にインタビューをすることができたのでお届けする。
――個性的なヒーローたちを採用した理由は?
Melissa Miller氏:開発会社のGearbox Softwareとして強い信念があり、ゲームはサイファイテイストですが、その中にサムライがいたり海軍系のキャラがいたりと、本来であればひとつのゲームにつめ込まないようなキャラクターが登場します。Gearbox Softwareとしてはそれらが楽しいという信念のもとに開発しています。
――5つの勢力が存在しますが、個性的なキャラクターたちをどのように分類しているのでしょうか?
Melissa Miller氏:他の星が悪の勢力に敗れてしまい、最後の星を守るために力を結集するストーリーのもと、このような勢力が生まれました。
――同じ勢力のキャラクターが集まることでなにか特別なスキルや能力を得られるのでしょうか?
Melissa Miller氏:ありません。ただ、同じ勢力で揃えると似たような見た目なので良いですよ(笑)。ストーリーとしての勢力があります。
――ストーリーモードとマルチプレイモードのボリュームについて教えてください。
Melissa Miller氏:具体的なボリュームについては開発中のためお答えできません。確実に言えるのは、何度も繰り返し楽しめるゲームであることは間違いありません。25人のヒーローがいるので、ストーリーを繰り返し楽しむことができます。
――ストーリーは各キャラクターごとに用意されているのですか?
Melissa Miller氏:ひとつのメインストーリーがあり、そのストーリーを25人のキャラクターそれぞれでプレイすることができます。
――マルチプレイのプレイ時間はどの程度でしょうか?
Melissa Miller氏:開発中のため今の時点ではわかりません。
――「ボーダーランズ」の経験は本作にどのように活かされていますか?
Melissa Miller氏:「ボーダーランズ」ではFPSとして成立してますし、際立ったキャラクターを作ることもでき、協力プレイでも成功しました。それらの要素をそのまま本作にもってきただけではなく、25人もの多くの個性的なキャラクターを作ることや、対戦マルチプレイなども導入しています。先週、マイコー(きのこのようなキャラクターでヒーリングを使用できる)をプレイしたときに、キャラクターの特性を活かして、少し後ろからヒーリングをしました。それだけでも前作になかった新たな要素になります。
――ヒーリングできるのはマイコーのみですか?
Melissa Miller氏:現在公開している10人のキャラクターではマイコーのみですが、まだ公開してないキャラクターの中にもいますよ。
――DLCの予定は?
Melissa Miller氏:今日の時点で明確にお応えすることはできないのですが、Gearbox Softwareの過去の作品ではクオリティの高いDLCを提供してきた実績があります。
――最後に日本のユーザーにコメントをお願いします。
Melissa Miller氏:25人の個性的なキャラクターが特徴的な新規IPをリリースできることがとてもにうれしいです。今冬にPS4/Xbox One/PC向けに発売予定です。楽しみにしていて下さい。
――ありがとうございました。