アメリカ・ロサンゼルスのLAコンベンションセンターにて開催された「Electronic Entertainment Expo(E3) 2015」。ここでは、PS4/PC用ソフト「ストリートファイターV」のプロデューサーの杉山晃一氏とアシスタントプロデューサーの綾野智章氏に話を聞くことができたのでその内容をお届けする。
「ストリートファイターV」はPS4とPCでの発売が予定されている「ストリートファイター」シリーズの最新作。先日行われた「PlayStation E3 EXPERIENCE 2015 Press Conference」において、新キャラクターとしてキャミィとバーディが発表され、現在イベントで試遊できるキャラクターは6人となっている。
新しく導入されたVゲージによって今までにない戦いかたができる本作のプロデューサーの杉山晃一氏とアシスタントプロデューサーの綾野智章氏に話を聞くことができたので、その内容をお届けしよう。
6キャラクターの時点で大会が開催できるようなバトルバランスに調整
――E3でさまざまなプレイヤーが遊んでいましたが反応はいかがだったでしょうか?
綾野氏:プロゲーマーの方たちが「すごく良い」と言ってくれたので、好調なスタートになったと思います。全体的に見るととても良いと言うプレイフィーリングを頂いているのですが、試合内容を見るとプロゲーマーの方からもコンボ内容が似てしまうので、バトルの自由度が広がるようなバランスにして欲しいとアドバイスを頂きました。
かなり大きな収穫だったので、真摯に受け止めてフィードバックできるようにしたいですね。
――実際に触れてみてプレイしやすいと感じたのですが、何か意図して作られているのでしょうか?
綾野氏:やはり「ウルトラストリートファイターIV」とは違う手触りでありながらも、「ストリートファイター」シリーズだということを忘れてはだめだと思いました。ですので、本作は「ストリートファイター」シリーズをプレイしたことがある人なら誰でもプレイできるようにしてあります。
――e-Sportsよりになったと感じたのですが……。
綾野氏:現在公開されている6キャラクターの時点で大会が開催できるぐらいにバトルバランスを突き詰めて制作しています。一方的に強すぎる技がないので、バランスが取れているように感じて頂けてるのではないかと思います。
――試合が開始されるときにキャラクターのパラメーターも表示されていますが、知らない人が見てもわかりやすいように工夫がされているのでしょうか?
綾野氏:試合開始前の画面は現在キャラクターのパラメーターが表示されていますが、今後面白い仕掛けができるようになっていますので楽しみにして頂けたらと思います。
――「PlayStation E3 EXPERIENCE 2015 Press Conference」でキャミィとバーディが発表されましたが反応はいかがでしたか?
綾野氏:キャミィは継続してくれて嬉しい、バーディは意外なキャラクターが復活したという声が多かったですね。バーディは「ストリートファイターZERO」シリーズでは筋肉ムキムキのキャラクターでしたが、本作ではぽっちゃりしたキャラクターになっています。
新しく発表されたキャラクターではないですが、ナッシュも本作では改造の跡のようなものがあり、どうしてそうなったかはまだ言えませんが今後のストーリー展開で明らかになると思います。
――今回公開されたキャミィとバーディでアピールしたいポイントはありますか?
杉山氏:バーディはかなり可愛いキャラクターになっています。「ストリートファイターZERO」シリーズをバーディでプレイしていた方が触れても、「ブルヘッド」以外の技が変更されているので困惑するかも知れません。
バーディで特徴的なのはVスキルです。普通に中パンチ+中キックを押すだけだとドーナツを食べて終わりなのですが、レバーを後ろに入れながら中パンチ+中キックを押すとバナナの皮を捨て、それを相手が踏むとダウンさせることが可能です。ほかにも1本4000キロカロリーのデビルカロリーを飲んでから空き缶を地面に捨て、それを踏むとバナナの皮同様にダウンしてしまいます。
キャミィはバーディとは違い攻撃力が低いので手数の多さで勝負する形になります。Vトリガーを発動することでさらに手数の多さを助長することができ、かなりトリッキーな上級者向けのキャラクターになっています。
――キャラクターデザインも少し変わっていますよね?
杉山氏:毎回マイナーチェンジを行っています。大きく変わっていないのはリュウとチュンリーぐらいですね。
――チュンリーの足が細くなった気がするのですが……。
綾野氏:これでもかなり太いほうですね(笑)。
――今回新しくVゲージを導入した理由について教えてください。
杉山氏:なるべくUIをスッキリさせたいという意図もあったのですが、キャラクターごとにできることを変えようと考え、Vゲージは最低2ブロックなのですが、その2ブロックの使い方をプレイヤーに委ねたいと思いました。
Vゲージをどこで溜めて、発動するのかはキャラクターによって違いがありますし、Vゲージが3ブロックあるキャラクターは溜めるのが大変ですがかなり強力なVトリガーが使えます。そのキャラクターとプレイヤーの性格によってVゲージの使い方を考えてもらいたいと思いました。
――チュンリーのVトリガーである練気功は攻撃が多段ヒットするようになりますが、なぜ多段ヒットするという設定にしたのでしょうか?
杉山氏:チュンリーはキャミィと同じく手数の多さで勝負するキャラクターなので、スピードを活かした技というのを表現するために多段攻撃にしています。
ちなみにバーディは食べたものが辛くて体が赤くなり攻撃力が上がります(笑)。
――ナッシュが溜め技ではなくなったのに驚いたのですが変更した理由は?
杉山氏:リセット感を出したいなと思いました。ガイルやナッシュは溜めてから技を放つというイメージがあると思うのですが、コンボを繋げるときにコマンド入力のほうが技が出しやすいと感じました。
ナッシュの場合には、直感的な操作と技の見栄えを考えたときに溜め入力ではなくてコマンドがあっているとバトル企画会議のときに話し合い決定しました。
あと、本作は多くのプレイヤーのみなさんがPS4でプレイすると思いますので、ゲームパッドでプレイしたときにコマンド入力のほうが操作しやすいと感じました。
綾野氏:溜め技が悪いというわけではなく、コマンド入力の成立のしやすさがプレイヤーによると言うのもありますし、めくられた場合には解除されてしまうのでテクニックが必要になるというのもあります。ただ、その分、技の威力を強く設定しています。
ナッシュの場合には、Vトリガーでワープしたり、Vスキルで相手の遠隔攻撃を吸収したりできるので、溜め入力だと強くなりすぎてしまいナッシュの良さが出ないと思ったのでコマンド入力にしたという側面もあります。
――ステージが破壊されるなどさまざまなギミックがありますが導入した理由は?
杉山氏:ステージを作るときの開発のコンセプトが、香港映画のアクションが表現できるようなものにしようというのがありました。一番最初に登場したアジアステージは、そのステージの面白さと「ストリートファイター」らしさを見せたかったので公開させて頂きました。
――最後にプレイヤーのみなさんにメッセージをお願いします。
杉山氏:大変ご好評頂いておりうれしく思っています。これから公開されていくキャラクターはどれも魅力的なものばかりなので期待していてください。
現在クローズドβテストのテスター募集を7月8日より開始すると発表していますが、これはアーケードで言うところのロケーションテストの代わりになります。クローズドβテストは1回だけでなく何回か実施する予定です。
来年の春に発売だと少し長く感じてしまうかもしれませんが、さまざまなサプライズを用意していますのでぜひ応援して頂ければと思います。
綾野氏:ぜひクローズドβテストに参加して、フィードバックを頂きたいなと思っています。「ストリートファイターV クローズドベータテスト抽選券」をダウンロードするだけと簡単なのでぜひ応募してください。
ただ、PlayStation Plus加入者限定なので今すぐに加入して頂きたいなと思います(笑)。
――ありがとうございました。