【E3 2015】ついに「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド」が発売！プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏にインタビュー

アメリカ・ロサンゼルスのLAコンベンションセンターにて開催された「Electronic Entertainment Expo(E3) 2015」。ここでは、「ファイナルファンタジーXIV」のプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏に話を聞くことができたのでその内容をお届けする。

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6月23日に発売を予定している「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド（以下、蒼天のイシュガルド）」は、クルザス地方にある宗教都市国家「イシュガルド」を舞台にした拡張パッケージ。

6月19日18時よりアーリーアクセスが開始された本作について吉田直樹氏に話を聞くことができたのでその内容をお届けする。

開発者目線になってこだわった作品

――「蒼天のイシュガルド」が発売されますがまずは率直な感想をお聞かせください。

吉田氏：プレイヤーのみなさんが快適に遊べるように、ログインの混雑などをリアルタイムで対応することで頭がいっぱいなので、今「率直な感想を」と聞かれると、発売がうれしい！とかは考えられない状況です（苦笑）。

――今回「蒼天のイシュガルド」の発売にあたり一番苦労したところはどこでしょうか？

吉田氏：常ではないボリュームになったことですね。苦労したポイントが無かったわけではないですが、強烈に1つのところで苦労したということはあまりなくて、短期間で1本のゲームを作ったようなものなので、やはり物量が一番の苦労した部分です。

――制作期間はどのくらいだったのでしょうか？

吉田氏：パッチ2.Xと平行して作っていたので、一概に製作期間をお答えするのが難しいですね。フライングマウントの実装を決めた時点で、プログラムチームが描画エンジンのバージョンアップと新マップシステムを作らないといけませんでしたので、それらは1年以上掛かっています。次に描画とマップの仕様が固まってくるのと並行にフィールドのレベルデザインとモックアップに取り掛かり、コンテンツなどが本格化し始めたのは、パッチ2.4作業後くらいです。相当セクションによってバラつきがありますね。

――フライングマウントを入れたきっかけは？

吉田氏：もともと今の世代のMMOでフライングができるのは普通かなと思っていたので、やはり入れるべきだろうと決断したことです。あとは「ファイナルファンタジーXIV」にとって、はじめての拡張パッケージとなることですし、「冒険の舞台は大空へ！」というのは「ファイナルファンタジー」らしくていいのかなと考えたことが決め手です。

――開発中に印象に残ったエピソードなどがあれば教えてください。

吉田氏：開発スタッフに「もう二度とこのボリュームの拡張パッケージは作りたくありません！」と言われたことですかね（笑）。

あと、僕はプロデューサー兼ディレクターなので、普段は総監督のようになってきています。今でも全体のバランスや数値は細かく確認させてもらっていますが、特に気になるところ以外は、ある程度現場の意志を優先します。作ろうと決めたものに関しては、担当者や開発チームが精一杯作れば、それが今のFFXIVの実力。ダメなものを作ろうなんて考えるスタッフはいないので、基本的には事前確認したあとは、信じるのが今の僕の仕事です。ただ、今回はマスターアップに際して、僕自身が開発者目線になって、こだわった箇所がいくつかありますので、個人的にはそれらのポイントが思い出に残ってます。

――「蒼天のイシュガルド」を試遊したE3のプレイヤーの反応はどうでしたか？

吉田氏：やはり「あと数日だね！」と言う人が多いです。あとは多くのメディアの方から「すごいボリュームだよね」といってもらえたことですかね。

――今回のE3会場で印象に残ったお客さんはいらしゃいましたか？

吉田氏：背中にオーディンのタトゥーをしていた人が衝撃でしたね。

――公式ブログに載っていたので拝見しましたが、吉田さんのサインも書いてありましたよね（笑）。

吉田氏：実は彼のこと覚えてるんですよ……。以前の彼は、首のところに「旧ファイナルファンタジーXIV」のロゴマークが描かれていて、その下にペンでサインをしてくれと言われました。その時念のために「まさかサインをタトゥーにしないよね？するなら書かないよ」とは言ったのですが結果は……。

そこまで好きでいてくれるなら光栄ではあるんですが（苦笑）。

――アーリーアクセスの登録数は現在どの程度でしょうか？

吉田氏：詳しい数までは言えませんが非常に好調でした。ものすごい人数なのは間違いないです。

――今回パッチノートが公開されましたが一番反響があったのはなんでしょうか？

吉田氏：朗読会のときには、プレイヤーのみなさんは「高まってきた！」としか言っていなかった気がします（笑）。UIなどシステムの細かいアップデートで、お待たせしていた「かゆいところに手が届く」系の調整もお伝えできましたし、良かったと思います。

――マテリジャはマテリア合成でしか作れないものなのでしょうか？

吉田氏：マテリアの生成システムが変わっているというわけではなく、単純にマテリガの上にマテリジャが追加されただけです。アイテムレベル120などの低いアイテムレベルのもので練成してもマテリジャはできないので注意して欲しい、ということです。マテリジャが生成されるアイテムレベルは相当上なので、クラスによっては、まだマテリジャが出ませんのでご注意ください。

――禁断の仕方も変わってきそうですね。

吉田氏：マテリジャの出現確率はかなり低いので、マテリジャだけで禁断をするのはかなり難しいと思います。

――ギャザラー／クラフター向けのマテリジャは3.0時点では出ないとか……。

吉田氏：それは先ほどお話しした通り、単純にアイテムレベルが足りないだけです。

――今回新しく入ったLBのなかで吉田さんがお気に入りのLBのはなんでしょうか？

吉田氏：全部チェックはしているので、当然全部気に入っているのですが……強いて言えば、僕は忍者のLB3詠唱からの流れは特に好きですね。忍者は動画に入っていない、その前の動作がかっこいいです！

――LBを放つ前のところもそれぞれ違う動作になっているんですね。

吉田氏：もちろん全ジョブ違うものにしています。

――「機工城アレキサンダー」には特徴的な敵は存在しますか？

吉田氏：ゴブリンの蛮神なのでブレイフロクスに出現するようなモンスターの登場はあります。もちろん他にも色々ですが……。

――「大迷宮バハムート」は青色がメインカラーでしたが、「機工城アレキサンダー」は何色がメインカラーになるのでしょうか？

吉田氏：スチームパンクっぽいので鈍い銀色と茶色が多いですかね。

――では装備の色もやはりその色がメインになってくるのでしょうか？

吉田氏：いや、装備の色はそれらには引っ張られてないです。渋いですが。零式の方は色も変えられますので、ぜひ目指していただきたいです。

――話は変わりますが吉田さんがE3で注目したタイトルはなんでしょうか？

吉田氏：僕はインタビュールームから出られなかったので、今年も会場を回れませんでした（笑）。ただ「PlayStation E3 EXPERIENCE 2015 Press Conference」で発表された「アンチャーテッド4」の全方位に対しての出来の良さとか、「Horizon Zero Dawn」のアセットの作り込みやゲーム性を含めて、新規IPであっても、北米ゲームスタジオの制作レベルの飛び抜け方が加速していると感じました。危機感だらけですね……。

あとは自社タイトルですが「Just Cause 3」はスカッとできそうなので、個人的に楽しみにしています。

――今後の展望などはありますか？

吉田氏：まずはみなさんに3.0をプレイして頂いて、徐々にいただいたフィードバックの対応をしようと思っています。あとは開発スタッフに休息をあげて、ワークフローの問題点などを見直し、3.Xシリーズのアップデートにまい進したいと思います。

――最後にプレイヤーに一言お願いします。

吉田氏：いよいよアーリーアクセスで遊べるようになりました。「新生エオルゼア」が発売するときのようにプレイヤーのみなさんに待って頂けているので嬉しく思っています。

情報もあまり細かくは出さないようにして、とにかく楽しんでいただくことを優先にしたつもりです。わからないことが多くて、それが逆に新鮮に感じて頂ければ僕らも作った甲斐があります。また、これからはじめるプレイヤーのみなさんには、本当に追い付きやすいゲームになっています。パッケージ代の分は損をさせないと思っているのでプレイして頂けたら幸いです！

――ありがとうございました。