アメリカ・ロサンゼルスのLAコンベンションセンターにて開催された「Electronic Entertainment Expo(E3) 2015」。本稿では、ユービーアイソフトが発表したPS4/Xbox One/PC用ソフト「For Honor」のプレイインプレッションを紹介していく。

ユービーアイソフトがE3 2015 カンファレンスにて発表した「For Honor」は、濃密な駆け引きに焦点を置いたオンラインマルチアクションTPS。本作では中世風の世界観の中で、大胆な「騎士」残忍な「バイキング」神秘的な「武士」の三軍勢がぶつかり合う、4vs4の戦略×アクションバトルを楽しむことができる。

重厚な金属の質感、軍勢が激突する重量感、攻めと守りの機敏が問われる1vs1、戦況を変えるアビリティの存在と、ビジュアルからして濃厚なゲームを予感させてくれる本作について、本稿ではE3会場で体験してきた感想とともに振り返ってみる。

今回出展されていたE3バージョンでは、中世ヨーロッパ風の城塞を舞台に、プレイヤー4人vsプレイヤー4人のいわゆるPvPを体験することができた。本作は同社主催のカンファレンスでお披露目されたPVに心奪われた関係者が多かったのか、UBIブースは東西南北の男女問わず、さまざまなゲーマーがクローズドブースへと立ち並び、プレイアブル待ちは連日長蛇を形成することに。

ここぞというタイミングで並んだと思ったら結果2時間待ち…皆そうだったのだ。ただ、E3会場内は殆どの場所にふかふかのカーペットが敷かれているし、待っている人には飲料水を配ってくれるし、メインステージでは「JUST DANCE」のダンスイベントや、発表されたばかりの新作「ディビジョン」のプレイなども映されていたため、目と足には中々優しかった。

やっとこ出番が訪れると、英語のアテンドをあたふた聞くしかなかったものの、画面で進行するチュートリアルでどうにか事なきを得る。言語が分からなくとも操作方法を把握できるチュートリアルというのは、本当に偉大なシステムだ。言葉の壁を超えてみて改めて思った。しかも、何が分からないのか分からない場面になると、同社社員や一緒にプレイしていた外国の方がボディランゲージで教えてくれたりもした。とても優しい。

さて、E3珍道中の様子はここまで。本題のゲーム内容に移ろう。今回遊んだモード「ドミナント」は、4vs4に分かれ、マップ内に設置された複数の戦略拠点へと移動し、そこに留まり支配することで、以降一定時間ごとにポイントが加算されていき、計1,000ポイントを先取した側が勝利というルールであった。ドミネーション、キャプチャー、フラッグとでもいえば、PvP系ルールで何かしらにひっかかる人は多いだろう。

マップの青軍と赤軍には、それぞれ4人のプレイヤーキャラクター(今回は全員騎士を選択位)と、無数の兵士たちが軍勢となって存在している。もちろん拠点制圧以外に、敵プレイヤーキャラクターを倒してポイントを得る方法もある。今回のルールではリスポーン可能であったので、思う存分突撃できた。

攻撃はR1で弱攻撃、R2で強攻撃を放つが、基本的に動作は重い。攻撃アクションには常に重量感がつきまとうため、爽快アクションの一掃する楽しさではなく、重たい一撃の快感を求めるタイプの作品といえる。ちなみに、キャラクターの移動速度は抑えつつも、挙動は滑らかで軽快なので“重たいゲーム”という印象は受けない。塩梅が絶妙だ。

とりあえず開戦後、目の前で群れをなす敵兵士に挑んでみる。無造作に近づいて攻撃してみると、かよわい兵士たちは、一撃でその息を引き取っていった。が、攻撃はあくまで1体ずつにフォーカスされるため、一気に数人をなぎ倒すといった一騎当千の振る舞いはできず、軍団に囲まれていると少しづつ斬られ&刺されて痛い。

しかも、敵支配下では大幅強化されるのか、各兵士の一撃の重みが増し、一転してこちらの体力が溶けること溶けること。PvPのエネミー役は“刺身のつま”であるケースが多いのだが、処理し辛く、後詰も後から後から湧いてくるので、影響力がそれなりに大きいと考えるべきだ。たった一度のプレイで全容を把握する気はないが、ストラテジーな観点を持っておくのも重要そう。

そして、画面上でグローバルな仲間たちとキャッキャしている時、赤に染まった敵プレイヤーキャラクターの姿が現る。今回選んだ騎士は、体力ゲージが5目盛り(ゲームは1撃≠1目盛りではない)、ともに大きなトゥーハンドソードを手にした、正に中世騎士然らしい佇まいのキャラクター。鎧や兜はアセットの中から選択できたので、風貌はそれぞれ違っていたが。

本作の戦闘における真骨頂は、プレイヤーキャラクター同士(NPCも可)の戦いにある。ここでは雑魚兵士とは違い、L2を入力してガードモードをとることが先決だ。

ガードモードで相手をロックオンすると、右/左/上段に対応した3つの構えを、右スティックから切り替えられるようになる。この構えは攻撃/防御のいずれにも対応しており、「右構えからの弱攻撃で、相手に右攻撃(方向ではなく、おそらく“右属性の攻撃”)」「右構え時は相手からの右攻撃がガード可能、しかし左/上段攻撃は通る」といったシンプルな形式。

構えは誰から見ても一目で分かるので、相手を見ながら対応するのが上策だ。しかし、「相手が右で構えてるから、左に変えてから攻撃しよう」という攻勢への切り替えの瞬間こそが、“最も相手が攻撃しやすいタイミング”に化けるので、相対している距離感を見ながら、攻撃機会を上手く掴みとるのが肝要。まあ、この時は皆初心だったので上手く機能することはなかったが。

そのほか、相手の攻撃に合わせて右スティックを倒すことで、構え方向に関わらず相手の攻撃を弾き返す「ドッジ」、×ボタンで相手の側面に回り込む回避アクション、ガード不能+ガード崩しの掴み技など、駆け引きを左右するアクションも多数盛り込まれている。

さらに、相手を倒した瞬間に□or△ボタンを入力すると「エクスキューションムーヴ」が発動。死体に鞭打つ、豪快無慈悲な一撃が放たれる。やる側であれば爽快だが、やられる側であれば、これ以上ないほどの敗北感が味わえる演出攻撃だ。

濃密な1vs1の駆け引きは、非常に競技性の高いもので、初心者同士であろうともプレイヤー同士の地力が垣間見えてくる。ただし、2vs1などの多人数戦になると、手も足も出ないほどの処刑展開に早変わり。攻撃/被撃のモーションが非常に大きくとられているので、修練を積まなくては防戦一方もままならず、交互に攻撃されるだけでズダ袋にされてしまう。悪い意味ではなく、1vs1と2vs1以降の差が両極端であるからこそ、アナログな戦術性が光るのだろう。

また、ドミナントではスキル相当のものが用意されており、回復や投石などさまざまな効果を受けられる。しかし、プレイ中は戦闘に目を向けっぱなしで、スキルのアンロック条件や効果についてはサッパリ覚えておらず。恐ろしい火の玉が振ってきて一撃で倒されたこと以外は覚えておらず。

そんなこんなでプレイしていると、我が青軍は若干優勢に立っていた。実際に操作してみると、華麗に構えを変化させるなんて初見ではもってのほか。ルールや駆け引きはシンプルで誰にでも分かりやすいが、操作はやはり難しく、命と命が正面衝突する泥臭い戦いになってしまった。

なお、本作を触っての印象だが、今回のドミナントについては“近接戦闘に重きを置いたキャプチャールール”ということで、FPSの銃撃に慣れている身には新鮮であった。迫力ある剣戟の高揚感、重厚感あるキャラクターなど、演出力の強いビジュアルも際立っているのだが、ドミナント自体は意外にスポーツライクなプレイ感覚であったのも印象的。本作にはシングルプレイヤーやオフラインキャンペーンも搭載されるようなので、日本発売の折にはぜひとも触れてみたいものである。

…ちなみに、ドミナントでは最終的に我が青軍が1,000ポイントを超え、見事勝利を果たした。ヘッドセットに向けて慣れない「センキュー」を伝えるのも束の間、ここからがユニークなことに。勝利のファンファーレとともに、赤の軍勢がサッといなくなると、マップには青軍のプレイヤーと軍勢と、リスポーン制限を課せられた赤軍プレイヤー4人だけが残された。そして、最後の処刑が始まるのだ…。

ここでは、勝利の勢いに任せて相手を全滅させることに成功したが、もしも相手がこちらの青軍を倒し続けていたら、果たして逆転できたのだろうか? 珍しい仕組みだったので、細部がとても気になる。今後の続報に期待しておきたい。

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※画面は開発中のものです。

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